サンクト・ペテルブルグへのバレエ鑑賞の旅 (15) ロミオとジュリエット その2 |
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2008/12/02(Tue)
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<第2幕>
ロレンス神父のもとで結婚式を挙げる2人。 厳かな場であるはずなのに、神父から夫婦と認められるとすぐに喜び勇んで踊り出すところがやはりまだまだ若すぎる2人。 神父役のリシャト・ユルバリソフは初めて見るダンサー。 細身の長身。 まだ若いのかもしれないけれど、神父が両家の争いにずっと心を痛めてきたことや、この2人に両家とヴェローナの平和な未来を託したいという心の内は見えなかった。 この役こそブレクバーゼのものでしょう! カーニヴァルに沸いている広場では、ビビッドなオレンジや黄色の衣装を纏った民衆が飛んだり跳ねたり踊ったりと軽快に広場を練り歩く。 人々の中に幸せをかみ締めながら戯れるロミオとジュリエットの姿も見られる。 コロンビーナまでが縄跳びをして現れた。 軽やかな踊りのニキフォロワがとってもチャーミング。 アグレッシブでノリノリのダンスを見せてくれたアレルキナーダのアルジャエフは、小柄なので役が限られそうだけれど、マールイには貴重ないいダンサーだと思う。 祭りが華やかな盛り上がりを見せているところに突然飛び込んできたティボルトは、アンモナイトの一部のようなものを頭に撒きつけたドクロ顔の骸骨と魔女?を連れている。 死神登場ですか??? さすがに初日は思わず失笑してしまった・・・。 キャピュレット家の人数も増えてきた広場は次第に不穏な雰囲気に変わり、とうとうマキューシオとティボルトが剣を振り上げ決闘を始める。 駆けつけたロミオは、親戚となったばかりのキャピュレット家とこれ以上騒ぎを起すわけにはいかず、必死に2人に剣を収めさせようとする。 そんなロミオの態度が逆に気に触り彼に詰め寄ったマキューシオは、ロミオに軽く肩を押し返された反動でティボルトの剣を深く身に受けてしまう。 マキューシオはおどけて気丈に振舞うがついに息絶える。 乳兄弟のようなマキューシオの死、それも自分が殺してしまったもののような彼の死にショックを受け、我を忘れティボルトに向かっていくロミオ。 必死の形相のロミオに対し、不敵な薄ら笑いを浮かべているようなティボルトに背筋がぞくっとする。 激しい剣の応酬の末にロミオがティボルトを刺し殺す。 チュチューキン、カスヤネンコ、マスロボエフの緊張感みなぎる迫真の演技とステップを駆使しながらのハイスピードの剣舞(というよりほとんどアクションだ)が本当に素晴らしかった。 その場に居合わせて一部始終を見てしまった(確か)ジュリエットの悲憤慷慨の踊り。 マクミラン版などではキャピュレット夫人が踊るシーンです。 両手を大きく広げ、足を高く投げ上げ、体をしならせ、時に崩れ落ち、ジュリエットは兄の死へのショックと怒りと嘆きと呪われたような運命への絶望を全身で表す。 場面はジュリエットの寝室へと変わり、一人悲しみにくれるジュリエットが明かりを落として眠りにつくところでいったん幕が降りる。(ここで幕が降りたのはまちがいないのですが、寝室へと舞台転換していったところの記憶が皆無・・・。 スパルタクスですっかり習得したのか舞台転換が鮮やかすぎる) − 休憩なし − <第3幕> 中央奥に白いカーテンで囲まれた大きなベッドが置かれたジュリエットの寝室にロミオが忍んでくる。 体が震えるほどに動揺しロミオを突き放し責め続けるも、ただただ自分の行いを詫びるロミオを拒み続ける事はできず、受け入れてしまうジュリエット。 寝室のPDD。 別れを意識した二人の絶望と悲しさが伝わってくる切ないPDDだったのだけれど、ここでもロミオがジュリエットを持ち上げてアラベスクでバランスをとってみせるという超絶技巧のリフトがあり客席内から起こった拍手に今度こそ非常に興醒め。 2人が走りながらベッドの後ろに回りこみ、再び姿を現した時に一緒に現れた死神。 絶句。 死神と3人で手を繋ぎながら再びベッドの後ろ側へ。 今度はジュリエットと死神しか出てこない。 ロミオとのこんな別れ方ってあるだろうか?? 死神も姿を消し、再び一人になったジュリエットはしばし泣き伏したあと、呆然とした顔でベッドにもたれかかる。 魂がどこかへ行ってしまったような表情のペレン。 そんなジュリエットのもとへ友人たちが現れ、婚礼用のドレスを着せる。 続いて両親がパリスを伴いやってくる。 手をとり踊ろうとするパリスを拒絶し、ドレスとヴェールを脱ぎ捨てるジュリエット。 パリスの悲しみの踊り。 視線を落としゆっくりとしたもの悲しい旋律にのってその長い脚を静かに動かすマラト。 たったそれだけなのに、絵になるなぁ! ジュリエットはパリスとの結婚を取りやめてくれるように両親にすがって懇願するけれど、怒ったキャピュレット卿は夫人とパリスを連れてその場を去る。 どうにもならない運命に激しく泣くしかないジュリエット。 ふと何かを思い立ちロレンス神父のもとへ急ぐ。 ジュリエットから一部始終を聞いた神父は悩んだ末に仮死状態になる劇薬の話を持ち出す。 仮死状態を説明する時にジュリエットの体に赤いスポットライトを当て気を失うようなポーズをさせるのがまた突っ込みどころ。 ジュリエットが心を決め薬を受け取り帰った後に自分の行いが正しかったのかと一人呵責に苦しむ神父。 やはり神父役は・・・以下自粛。 自分たちの未来に一筋の光が見えたような思いに心弾ませて戻った寝室で両親の姿を見つけたジュリエットは、慌てて薬の小瓶を胸に隠す。 再度パリスとの結婚を厳しく申し渡されたジュリエットはキャピュレット候に懇願するが聞き入れられず、肩を震わせて泣き崩れる。 ティボルトを亡くした後の家の事を考えない娘に対して怒りを顕わにしたキャピュレット候はすがるジュリエットを鞭で打ちながら怒りの踊り。 ツァルの気迫が凄かった。 もともとワイルド系端正な顔立ちのところにあの衣装ですから・・・(なんで仮面舞踏会のガンダムのまま?)。 ジュリエットの頭を押さえて振り回したときには本当にぞっとしました。 演技だけど容赦ない・・・。 床をはいずりベッドになんとか這い上がったジュリエットはすでに生きる気力を失っているようだった。 ペレン、ほんとにボロボロでした・・・。 一瞬何かを念じたようにも見えたが、薬を迷いなく飲み干し倒れるジュリエット。 暗転・・・、この部分は記憶が定かではありませんが・・・。 ジュリエットが安置されている墓。 フード付きの黒の長いガウンを着た人々が蝋燭を灯して彼女の死を悼んでいる。 そこにロミオが現れ、ヴェールで体を覆われている変わり果てた姿のジュリエットに愕然とする。 ロミオは事情を一切知らないのだ。 無念と絶望と深い悲しみに包まれたロミオの嘆きの踊り。 マスロボエフの真に迫った表情がとても素晴らしい。 ただ、感極まりそうなドラマティックなシーンなのに、言いたくはないが、ここでも意味不明な肩を床につけての倒立が・・・ 「今、行くから」というような言葉が聞こえてきそうな表情でジュリエットの顔を覗き込み剣で命を絶つロミオ。 ほどなく息を吹き返すジュリエット。 神父の言うとおりに再び生を得たことに喜び、お墓の中を晴れやかな笑顔で走り回る。 そして自分が安置されていた場所の下の階段に頭を下に仰向けに倒れているロミオを見つける。 命をかけてまでの再会にこぼれるような笑みを浮かべてロミオを抱き起こしたジュリエットの表情が凍りつく。 ロミオの死に気がついたジュリエットの表情は見る見るうちに崩れ、亡骸を愛しそうに抱きかかえたまま泣き崩れる。 視線の先にロミオの短剣を見つけたジュリエットはそれを拾い上げ躊躇することなく胸を突き、ゆっくりとロミオの上に崩れ落ちていく。 キャピュレット夫妻(モンタギュー卿がいたかどうかはわからず)と黒いガウンの人々が折り重なった2人の遺体のそばに静かに歩み寄ってきて幕。 遠慮がちに起こった拍手がやがて喝采となり、この日の公演が無事終了した。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ カーテン・コール。 ステージ上に並んだダンサーたちは皆満足そうな顔。 かなりの数のダンサーが出演していると言うのに誰だか分からない人が多すぎてちょっと悲しい。 キャスト表で指揮者までは確認しておらず、てっきりカレン・ドゥルガリアンだと思っていたらアナトーリィ・リィバルコという初めて名前を聞く方でした。 とても小柄な方。 この日の演奏はとっても素晴らしかった。 劇場の音響がかなり良くなったのは確からしいのですが、プロコフィエフの美しい旋律を最初から最後まで堪能させてもらいました。 特に最後のジュリエットの死での泣きのヴァイオリン・・、本当に泣かせてもらいました。 主なキャストに劇場から渡された花束はけっこう豪華! プレミア公演だからはずんじゃったのかな?(笑) それともいつもあんなに素敵な花束が用意されるのだろうか? もう一度出演者がレヴェランスをした後に今度はファンたちがプレゼントした花束がそれぞれのダンサーに渡される。 自分が送ったと思われる花束(たぶんね・笑)も無事確認できて良かった♪ カーテン・コールは昨夜のマリインカ同様、何度も繰り返されました。 スタオベとなった会場からは手拍子のような拍手が続き、ペレンもマスロボエフも本当に嬉しそうでとても和やかな雰囲気でした。 この場に居られてこの上なく幸せ。 ヴィノグラードフ版「ロミオとジュリエット」については翌日のサビーナちゃん組のレポを終えてからでもまたゆっくり! |
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