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11月14日 チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ コンサート
2017/11/22(Wed)
チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ
指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
会場:東京文化会館


ボロディン:歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
          (ヴァイオリン:三浦文彰)
 --- 休憩 ---

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調

<アンコール>
スヴィリードフ:「吹雪」よりワルツ・エコー
チャイコフスキー:「白鳥の湖」よりスペイン



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オペラ「イーゴリ公」2幕、捕らえたイーゴリ公のために敵将が宴席を設け、ダッタン人たちに様々な踊りを踊らせる場面。 大好きな曲です。 エキゾティックで勇壮なこの曲をフェドセーエフさんはゆったりと大らかに歌い込みます。 女性オーボエ奏者の哀愁の中にも艶かしさを感じさせる演奏が魅力的だった。 パーカス隊も相変わらず存在感が大きく、サモイロフさんのスネアも絶好調(笑)♪

ヴァイオリン協奏曲は今まで聴いたこの曲のなかでも最も遅いテンポで始まりました。 文彰君のヴァイオリンの出だしの艶やかで温かみのある美音に期待は高まったものの、オケと微妙にずれるような感じがあり演奏がいまいちしっくりこない。 すでに岩手、宮崎と2度共演しているので、フェドセーエフさんのテンポには慣れたとは思うのですが、やはりちょっと弾き難いのかな? それでも一音一音、1フレーズ1フレーズ丁寧に歌わせていたと思います。 時々文彰君に語り掛けるように近寄るフェドセーエフさんに真剣だけれどなつっこいまなざしを返す文彰君、仲の良いおじいちゃんと孫みたいだわ(笑)  オケは、特に弦楽器がソリストをたてるためか終始ボリュームを抑えすぎたような感じで、輪郭も少しぼやけ気味。 なんとなく、この日はどちらも調子があまり上がりきらずに終わったように感じました。 
  
ショスタコーヴィチは一番最初に聞いたヴァイオリンコンチェルトがダメで、敬遠していた時期もありましたが、バレエ「明るい小川」を見たあたりから交響曲を少しずつ聞き始めました。 5番は惹かれる旋律の多い好きな曲です。
オペラ『カルメン』の「ハバネラ」から引用したといわれているテーマが随所に散りばめられ、曲調も次々に変わる1楽章は旋律の多彩さや多くの楽器の音のコンビネーションを楽しめるのが魅力です。 中盤の行進曲風のメロディーではパーカッションの魅力炸裂。 サモイロフさんが立ち上がったところでもう心沸き立ってしまいましたし~♪ まばたきも惜しむようにじぃ~っとフェドセーエフさんを見るサモイロフさんの表情がたまりません!
おどけた調子の2楽章は、金管や打楽器のメロディーや楽器の組み合わせがプロコフィエフのロミジュリの音使いを連想させます。 主席?の男性奏者に変わったオーボエ、フルートの落ち着いた音色が心地良く、重みのある低弦、パンチのある打楽器も良かった・・・のに、聴かせどころの終盤のコンマスのソロが精彩を欠いていたのはちょっと残念。 
3楽章は美しいメロディーが多く弦も木管も響きがとても美しかったです。 ヴァイオリンの弱音での刻みに乗せるオーボエとクラリネットの調べはどこか暗くもの悲しく、フルートの音色には寂寥感が漂う。 シロフォンの後のチェロがリードするメロディーはなんとなくカルメンの曲に似ている気もする。 その後終盤にかけてのじっくり抑制が効いたしみじみと叙情的な演奏も良かったです。 最後のもの悲しいハープのメロディーは心憎いばかりですね。
打って変わって勇壮な4楽章。 出だしの迫力あるティンパニーの音がいい。 中盤の静けさを抜け、スネアドラムがリズムを刻み始めてからフィナーレまでの盛り上がりが華やかに大仰なものではなく、何か訴えかけてくるような重みがあるものだったのが心に残りました。

アンコールのワルツはロシア民謡調で哀愁がじんわり染みてくるような素敵な曲。 コンマスも調子を取り戻したようで良かったです♪ そしてスペインは、いろいろな楽器を担当して大活躍だった方のカスタネットとサモイロフさんのタンバリンの妙技の競演!! 最高~~♪♪
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