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キエフバレエ詳細など
2012/06/28(Thu)
光藍社さんのメールマガジンで年末年始のキエフバレエのセット券販売のお知らせがありました。
HPにも詳細がアップされていますが、

「全4演目スペシャル・セット」
「マトヴィエンコ芸術監督就任記念セット」
「チャイコスフキー3大バレエ・セット」


の3種類。 
7月9日(月)から13日(金)までの5日間限定で、去年のマールイの時のようにこのメールを見たあなたからにならなかったのは良かったのですが、電話での申し込みのみなんですよね・・・。 
今まで光藍社さんにはファックスかネットでしか買った事がないので、どれだけ電話回線があるのかはまったく知りません。 
とりあえず全演目見たいのでセット券を買おうかとは思いますが、昼休みは集中して無理でしょうねぇぇぇ。 座席は選べるのでしょうかね? キャストもできれば全部発表して欲しいなぁ。
ネットでチケット購入にアクセスしてみたところ、単券のネット先行が7月14日10時から予定されているのでそれでもいいかなぁ?
おお、そうだ!
発表になっているキャストにヤン・ヴァーニャ(ザハロワのすべてでコレヒドール)の名前があるんですよね!
キエフを辞めたような事を聞いていましたが、戻って来たのかな~~。 嬉しいなぁ!

そして、メールマガジンには、レニングラード国立バレエの公演が今年度の12月~1月シーズンにはなく2013年以降となる予定ですともありました。
光藍社さんがマールイの事をあやふやにしないできちんと発表してくれた事、でもまたマールイを呼んでくれるという事は本当に嬉しい限りです。 できれば、一番早い2013年以降であって欲しいですね。 

さらについでですが(笑)、11月30日、12月1日、12月2日に中国国立上海バレエ団を招聘してディーン版「白鳥の湖」の公演を行うようです。 こちら。 デレク・ディーン版はイングリッシュ・ナショナル・バレエ団で踊られているバージョンなのですね。 見た事のないバージョンなので見てみたい気はするのですが、11月はマリインスキーで手一杯だからなぁぁ。
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ミハイロフスキー劇場「眠りの森の美女」デビューいろいろ
2012/06/27(Wed)
6月21日から4公演続いたミハイロスフキー劇場の「眠りの森の美女」では、デビューが続出だったようです。
ボンダレワがオーロラ、レベデフがデジレ王子、クテポワがリラの精(記述があったわけではありませんが多分)、ロマチェンコワとオガネシアンが宝石、カシャネンコがカバリエ デビューとの事です。 カラボスだけは依然としてリシャトだけなんですねぇ。 万が一、彼が出られなくなったら誰か踊れるのかな??


6月21日 眠りの森の美女
        オーロラ姫:未定→ オーレシア・ノヴィコワ
        デジレ王子:未定→ イワン・ワシーリエフ
        リラの精:未定→ イリーナ・コシェレワ
        カラボス:リシャト・ユリバリソフ
6月23日 眠りの森の美女
        オーロラ姫:未定→ オーレシア・ノヴィコワ
        デジレ王子:レオニード・サラファーノフ
        リラの精:未定→ イリーナ・コシェレワ
        カラボス:リシャト・ユリバリソフ
6月25日 眠りの森の美女
        オーロラ姫:未定→ オーレシア・ノヴィコワ
        デジレ王子:レオニード・サラファーノフ
        リラの精:未定→ ヴィクトリア・クテポワ
        カラボス:リシャト・ユリバリソフ
6月26日 眠りの森の美女
        オーロラ姫:未定→ オクサーナ・ボンダレワ
        デジレ王子:サラファーノフ→ ヴィクトル・レベデフ
        リラの精:未定→ ヴィクトリア・クテポワ
        カラボス:リシャト・ユリバリソフ
6月28日 ジゼル
        ジゼル:オーレシア・ノヴィコワ
        アルベルト:レオニード・サファラーノフ
        ハンス:未定
        ミルタ:ヴィクトリア・クテポワ
6月29日 ジゼル
        ジゼル:サビーナ・ヤパーロワ
        アルベルト:ニコライ・コリパエフ
        ハンス:未定
        ミルタ:オリガ・ステパノワ
6月30日 ジゼル
        ジゼル:Anna Ol
        アルベルト:アンドレイ・ヤフニューク
        ハンス:未定
        ミルタ:未定→ヴィクトリア・クテポワ
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プレトニョフ指揮ロシアナショナル管弦楽団with樫本大進
2012/06/26(Tue)
15日の金曜日に、東京オペラシティにミハイル・プレトニョフ指揮、ロシア・ナショナル管弦楽団のコンサートを聞きに行ってきました。 


グラズノフ:組曲「中世より」 作品79
 1.前奏曲
 2.スケルツォ
 3.吟遊詩人のセレナーデ
 4.終曲 十字軍騎士

ベートーヴェン:ロマンス第2番ヘ長調 作品50
チャイコフスキー:憂鬱なセレナーデ 変ロ短調 作品26 
           懐かしい土地の思い出 作品42 ~メロディ 
            ワルツ・スケルツォ ハ長調 作品34 
ヴァイオリン:樫本大進

     休憩 

チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」 作品20 (プレトニョフ編纂)
  1.導入曲
  2.第1幕 第1曲 情景
  3.第1幕 第4曲 パ・ド・トロワ
  4.第1幕 第5曲 パ・ド・ドゥ
  5.第2幕 第10曲 情景
  6.第1幕 第7曲 シュジェ
  7.第1幕 第8曲 乾杯の踊り
  8.第2幕 第11曲 情景
  9.第2幕 第13曲 オデットと王子
 10.第3幕 第19曲 導入
 11.第4幕 第28曲 情景
 12.第4幕 第29曲 情景・終曲

アンコール
 チャイコフスキー:バレエ音楽「眠れぬ森の美女」よりワルツ


コンサートの前にプログラムをもう一度チェックするのをすっかり忘れたため、1曲目の曲目を全くわからずに聞いてしまった(泣) チケットを取った際に、聞いた事はないけどこの人の曲なら!と思った事は覚えていたけれど、それが誰だったかが・・・。
音の綺麗さやゴージャス感がライモンダのワルツやスペインの踊りを思わせたのでグラズノフだったかなぁぁぁ?と思って聞いてはいたのですが、情けない。
そんなわけですが、とても色彩豊かな聞きがいのある曲でした。 CDを捜してまたゆっくり聞いてみたいです。

お目当ての大進君、本当は協奏曲が聞きたかったところですが、ほぼ40分くらい曲調の違う作品でたっぷり聴く事ができたので、これはこれで良かったかなと。 ただ、オケとの相性というか、プレトニョフが振ったこの4曲と大進くんの音の相性が、あまり良くないような気がしました。 あまり一体感がなかったし、なんとなく重たく時折肌理の粗い感じのオケの音。 大進君の滑らかなヴァイオリンは音色は美しかったですけどね。
こちら、今回の相模大野での公演に臨む大進くんのインタビュー記事です。)

白鳥の湖はプレトニョフの選曲によるもの。 
おきまりの4羽の白鳥や舞踏会のディベルティスマンの曲を一切使わず、オデットと王子の物語をさり気なく見せながらの構成が新鮮で良かったです。
その中で改めて乾杯の踊りっていいなぁ・・と思いました。 まぁ、マールイのボヤルチコフ版のシーンを思い浮かべながら勝手に浸ってしまっていたのですけどね(笑)。 手を繋いで舞台を去っていくトロワの3人、家庭教師、コール・ドにバイバイ、またね!と呟きながら、一人残された王子を見つめて、あぁ、これからオデットが出て来るんだわ!とドキドキするあの瞬間も蘇り、なんか一人で違う世界に入っちゃいました。
グランアダージョのヴァイオリン、ハープ、チェロの音色はいずれもとても美しく、静かに語り合っているよう。
しかし、最後の情景・終曲はかな~りの大爆演で、これじゃ悲劇にしろハッピーエンドにしろ、しみじみとした余韻には浸れないよなぁという感じでした。 


総じて、プレトニョフさんは音の割にはアクション控えめな落ち着いた渋い指揮。 オケはどっしりと低音が効いていて弦の音が厚い。 そういえば、コントラバス7台が下手奥という珍しい配置で、自分の席が前方左ブロックだったためかズンズンよく響いてきました。 
で、白鳥で切なく美しい旋律を奏でてくれた長身のコンマスは、よくコンマスが座っている背もたれのあるピアノ用の椅子ではなく、なぜかパイプ椅子を三つ重ねて座っていたなぁ。
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頑張れメグ!!
2012/06/23(Sat)
昨日のドイツ戦も今日のトルコ戦も3セット終盤から中継を見たのですが、これといった良いプレーもあまり見られないままの負け試合。 大丈夫なのかなぁぁぁ? この大会、勝つことよりもロンドンの12人を選考するために各選手の力を見極めるための大会になってしまっているようだけれど、誰一人とは言わないけれど、見た範囲ではそれほど強い印象を残した選手はいないような・・・。 ロンドン前の貴重な実戦の場、しかも世界大会なのにちょっともったいないような気もする。 メグの捻挫がたいしたことなくて大阪大会で復帰したの嬉しいけれど、イマイチ精彩がないのが気になる。 それでもずっと真鍋監督が使ってくれているのは監督自身がメグを選ぶ理由を捜そうとしているような・・・。 残る試合は明日の韓国戦のみ。 全員がベストプレーで頑張って欲しいです。 そして25日のメンバー選出、メグは残れるのか・・・。 明日、結果を残してね!!
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ポルーニン降板でマックレー
2012/06/21(Thu)
もうすでにあちこちで話題になっていますが、夏のバレエフェスにポルーニンに代わってスティーブン・マックレーが出演するんですね。 こちら
ドンキはロホの日を取っていたので、思いがけずマックレーのバジルが見られて私は嬉しいです。 まぁ、いろいろいろいろお騒がせの今のポルーニンが全幕でどんな舞台をつくるのかという事にはちこっと興味がありましたが、ま、それだけだし(笑)。
しっかしロホとの十分なリハーサルが取れない本人が責任感から降板を言い出すのならともかく、公演への影響を懸念して提案したのがロホの方だというのだから・・・。 ロホ姐さん、かっこよいですね。 舞台人としてのすべての心構えが違うんだろうなぁ。 
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オサチェンコ&マッキー「白鳥の湖」 6月6日の感想
2012/06/19(Tue)
東京文化会館: 1階21列5番

当初はマリア・アイシュバルトとマライン・ラドメイカー主演予定だったこの公演、アイシュバルトの足の具合が良くないという事でオサチェンコとマッキーに変更になった。
アイシュバルトとラドメイカーは以前マラーホフの贈り物で踊り的にも演技的にもとても相性が良いように感じたので、ドラマティックと言われていたクランコの白鳥をどう見せてくれるのかとても楽しみにしていました。 今回見られなかったのが非常に残念。 

ベンノを踊ったアレクサンダー・ジョーンズは2005年のロイヤル・バレエスクールの公演を見ているので、シュツットガルトの公演で見るのは初めてなのに、立派になったわねぇという心境(笑)。 開演前は、どうせまた付け髭が・・・と思っていたら彼はわりと素顔のままで、美青年ぶりとくせのないエレガントな踊りを堪能。

本当にシュツットガルトの主役級男性ダンサーは魅力的なダンサーばかりですね。
エヴァン・マッキーはハンサム、長身、スリム。 そして物腰が非常にエレガント。 フォーゲルのように村人たちと一緒だとかなり同化してしまう親しみやすい王子様というのではなく、身分の違いは常に明らかでちょっと距離感がある落ちついていてもの静かな王子。  全幕通して感情表現は抑制が効いていて(ただ若干一本調子気味な気はしましたが・・・)、醸し出している雰囲気は繊細で傷つきやすいという感じかな?   ロミオを見たいとは思わなかったけれど、オネーギンはきっと凄くいいだろうなぁと期待が膨らむ。 踊りはとてもノーブルで端正で、特に脚のラインが非常に美しいです。 踊りの美しさという面では抜きん出ていると思うのですが、ヴァリエーションなど前日の好調だったフォーゲルと比べるとまだ若干もたついて見えたところもありました。 でもこれは経験の差ですよね。 サポートもとても安定してバレリーナが安心して踊れると思います。

アンナ・オサチェンコのオデットは、アマトリアンよりはくせがないと思うし、あきらめの境地から抜け出せないというほどではなく王子に傾きかける気持ちもあったと思いますが、特にこれといって印象に残っているものはありません。 あ、ザハロワ並みのアーチを描く甲高の足はとても綺麗でした。 オディールは妖艶な感じで生き生きしていて良かったのですが、32回転でどんどん前に出てくるうちに独楽が倒れそうな感じに傾きだし、このままじゃ危ないと思ったと同時に止めてしまいました。 失敗は仕方ないですが、プリンシパルなんだから、せめて別のパで繋ぐとか間をあけないくらいのフォローは欲しかったです。  マッキーが曲のタイミングを計りながらすぐにピルエットで繋いでいたのでなんとかまとまりましたが。

各国の踊りはナポリの姫がヒョ=ジュン・カンからアンジェリーナ・ズッカリーニに変わっただけなので、特に前日と変わった印象はありませんが、パ・ド・カトルなスペインの騎士にもロシアのハンカチ姫にも目が慣れたかな?
その他、この日は王妃がトレインを踏まれなくて良かったとか、マッキー王子と王妃の方がよく話をしていたなとか・・・。 王妃は村人たちと一緒にいるマッキー王子にはとりあえず接吻はさせていたし、フォーゲル王子よりお気に入りなのかも(笑)。

最終幕。
この日は2羽の白鳥にプリンシパルのヒョ=ジュン・カンとミリアム・サイモンをキャストするという大盤振る舞い。
2羽で思い出しましたが、前日の2幕で一番印象深かったベンノが白鳥たちに弓を引こうとした場面、この日は2羽が出たところでオデットが出てくる前だったかほぼ同時くらいに王子が飛び込んで来ました。 なので、オデットの命もいとわない毅然さとかオデット危うし・・というドラマがなかったです。 こういう微妙なタイミングまできっちり決まっているわけではないのですね。
オデットと王子の哀しみのPDD。 本当にこの曲は曲そのものが聞く者の胸をかき乱すというか、悲恋モードになるというか・・・、二人が心から愛し合い求め合いながらも絶望との背中合わせで別れの時が迫っているというのが痛いほどに切なく伝わってきます。 オサチェンコもマッキーも情感があって良かったです。 特に憂い顔も麗しいマッキーは良いですねー。 次第に自分の運命をも悟って受け入れていってしまいそうな・・・。
ただ、その後、ロットバルトに向かって懇願するオデットの背中が「どうかお願いですから今度は命だけは助けてあげて」と語っているような気がしたり、王子からオデットを引き離す白鳥たちが「さ、姫様、急がないと。 もうすぐここには大水が押し寄せてきますから・・・」とせかしているように感じてしまったりと、昨日のようなまっさらな気持ちで見ることはできなかった自分がちょっと痛い。

いろいろ種も仕掛けも分かっていた2日目という事もあり、そのせいで少々ひねくれた見方もしてしまったものの、全体的に落ち着いて舞台を見る事ができました。 自分がフォーゲル好きというのもあって前日はクランコの意図する通り王子の物語という印象が強かったのですが、この日はオデットと王子の存在感のバランスが(地味目に)取れていてまた違った感じがありました。 
クランコ版「白鳥の湖」を気に入ったかと言われれば、どうだろう? 微妙かなぁ? このバレエ団の古典に様式美やロシアの白鳥たちの美しいラインを期待するわけではないので、機会があれば王子次第ではこの反則(4幕エレジーなアダージョ)付き(笑)の白鳥をまた見てみたいと思います。 ただ東京シティ・フィルハーモニックの演奏は次は勘弁だけれど。



◆第1幕 王子の城近◆

ジークフリート王子:エヴァン・マッキー
ウォルフガング(家庭教師):オズカン・アイク
家政婦:リュドミラ・ボガート
ベンノ(王子の友人):アレクサンダー・ジョーンズ
従者たち:ロマン・ノヴィツキー、ブレント・パロリン、デヴィッド・ムーア、ローランド・ハヴリカ
町娘たち:ミリアム・サイモン、アンジェリーナ・ズッカリーニ、
エレーナ・ブシュエヴァ、ダニエラ・ランゼッティ、ミリアム・カセロヴァ
王妃(摂政):メリンダ・ウィザム


◆第2幕 湖畔◆

ジークフリート王子、ベンノ
ロットバルト(邪悪な魔術師):ダミアーノ・ペッテネッラ
オデット(魔法をかけられた王女):アンナ・オサチェンコ
二羽の白鳥:ヒョ=ジュン・カン、ミリアム・サイモン
小さな白鳥:エリサ・バデネス、カタリーナ・コジェルスカ、
ジュリー・マルケット、アンジェリーナ・ズッカリーニ

◆第3幕 玉座の間◆

見知らぬ騎士:ダミアーノ・ペッテネッラ
オディール(その娘という姫君):アンナ・オサチェンコ
スペインの姫君とそのお付き:
ミリアム・サイモン
ペトロス・テティエリアン、ロマン・ノヴィツキー、
デヴィッド・ムーア、マッテオ・クロッカード=ヴィラ
ポーランドの姫君とそのお付き:オイハネ・ヘレーロ、ローランド・ハヴリカ
ロシアの姫君:エリザベス・メイソン
ナポリの姫君とそのお付き:アンジェリーナ・ズッカリーニ、ブレント・パロリン


指揮:ジェームズ・タグル
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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アマトリアン&フォーゲル「白鳥の湖」 3&4幕の感想
2012/06/16(Sat)
<第3幕>
王座の間の舞台美術、衣装は素晴らしく立派で美しい。 シュツットガルトバレエ団の美術って回廊&階段仕様が多いですね。 先日のじゃじゃ馬もそうだったけど、狭いステージを限りなく有効に使おうとすると平面だけではなく上下という仕切りやそれを繋ぐものによって空間にスペースを作り出すしかないですものね。 バレエ団の劇場のステージスペースが東京文化会館と比べてどの程度のものなのかは知りませんが、それにしても踊れるスペースが少し狭いと感じました。 長身のフォーゲルやマッキーだとセーブが必要?

まず、二階から式典長、各国の花嫁従者と降りてきたところで王妃が下手から登場。 この時に誰かが王妃のドレスのすそを踏んだらしく王妃がのけぞるハプニング。 でもドレスなのかマントなのかトレインの長さが半端じゃない。 王妃が玉座に腰掛けた後、侍女が手繰り寄せながらたたんでました。
小走りに王子が登場し仰々しい雰囲気に嫌気が刺したような表情で王妃の隣に座る。 
続いて花嫁候補であるスペイン、ポーランド、ロシア、ナポリの姫君たちが階段を降りて登場し王妃と王子にご挨拶。 騎士に扮したロットバルトが現れ、ざわめく周囲をさらに驚かせるように自分のマントの中からオディールを出現させる。 下手奥の王妃の玉座の脇に女官が三人くらい立っていて彼女たちの後ろの壁にオディールの出入りできる扉がしつらえてあり、ロットバルトがその前に立ちマントを大きく広げるので、まるでマジックのように忽然とオディールが現れるのがとてもいい。 
アマトリアンはさすがにここでは白塗りではないけれど、今度は青のシャドーが凄すぎてなんだかもったいないなぁぁ。 王子はすでにかなり舞い上がっているけれど、恐いママ王妃の手前、そのままオディールを追いかけていくわけにも行かず、花嫁候補たちの踊りにお付き合い。

姫+4人のお付きによるスペインは、あの音楽でこういう振付もできるんだなという唖然とした踊りでしたが、やたら靴のつま先で音を立てるスペイン貴族騎士風男性4人のモーションがコミカルでもありただただヌルクもあり・・・。
ポーランドは可もなく不可もなく普通。
姫+そのままマトリョーシカになれそうなロングドレスのお付きの女性6人?のロシアはすごかったですね。 お遊戯チックなフォーメーションと動き、姫はハンカチをかわいらしく振りながら走りまわる・・・。 これじゃ、王子ならずとも王妃だってno thank youだよなぁ。 ロシアの姫君って、本国の公演でもプリンシパルに踊らせるんでしょうか?? とりあえず、美人だったら誰でもいいじゃん!!
ナポリはヒョ=ジュン・カンの歯切れの良いリズミカルなダンスがとても良かったのですが、グラン・ピルエットのザジアンの方が結局目立ってしまって、お姫様の方が引き立て役みたいな感じになっているのがなんだかね・・。
グリゴローヴィチのこの場面がそれぞれの踊りで姫君の魅力をしっかりアピールしているのに対して、クランコ版は振付も仰天物だけれど、肝心の姫たちが全然魅力的に見えず、これもロットバルトの差し金かと疑いたくなってしまいます・・・。

まったく上の空って感じでその場にいるだけだった王子(いや、ほんと、何を考えているのかは読み取れないフォーゲル君の表情でした・笑)が戻ってきたオディールに駆け寄りGPDDへ。
アマトリアンはオデットよりはオディールの方が良かったと思います。 あまりにも人の良い純真な王子だから、不用意を恐れる事もなく、王子を騙し手玉に取る事をひたすら楽しんでいるだけ。 踊りも伸び伸びと身体能力の高さが伺えるような身のこなし。 ヴァリの音楽は通常王子のヴァリで使う曲。 ここまで来たら、まぁ、もう何でもいーよなのですが、クランコがこの曲を割り当てた理由くらいは聞きたい気がする。
フォーゲルのヴァリはチャイパド。 去年の夏のキラキラハッピーオーラ全開のチャイパドが蘇ります♪ 彼は本当にジャンプをした時の脚が綺麗。 うっとりですねぇぇ。 ただ、フォーゲルにはスペースが狭そうでマネージュなどは抑え気味に見えたのが残念でした。
そういえば、クランコ版にはグラン・パの途中、オデットの幻影は出てこないのですね。  4幕にはオデットの帰還の音楽があったような気がするけれど、自信はない。
王子は渋い顔の王妃にオディールを后に迎えると告げ、オディールに愛を誓ってしまう。 すると王子を軽く嘲りながらあっさり姿を消してしまうオディール。 登場のシーンのまき戻しのようにロットバルトのマントに包まれるなり消えてしまいました。

最初は何が起こったのかわからなく動揺していた王子は事の次第に気づくと・・・・。 自分の軽率さを深く悔やみ悲痛な面持ちでオデットを追う・・・というのがごく普通のジークフリートなのだけれど、何を思ったかフォーゲルは、希望を見出したような微笑を浮かべて湖に向かっていったんだよなぁ。  「消えちゃったのは間違って愛を誓っちゃったオディールなんだから、僕が本当に愛しているオデットはまだ湖に居る! だから大丈夫!! 許しを請えば大丈夫!!」 まさかね???
ポリーナと踊った東バの3幕最後では微笑んだりしていなかったのですけどね。


<第4幕>
クランコ版の白眉というかクランコのドラマティックな世界が一番顕著なのがこの終幕。 
コール・ドのフォーメーションも独特だったけれど、2幕の終盤よりもさらに揃ってきていて綺麗だったし悲しみが溢れていました。
全編通じての共通点でもあるけれど、クランコ版は他の版よりも王子がオデット(オディール)をリフトするシーンが多いですね。 ここでもいきなりオデットを高々とリフトして白鳥たちの後ろを進んでいたような・・・。
再会したオデットと王子を容赦なくいたぶるロットバルト。 倒れこんだオデットと王子を冷淡に見下ろしながら彼らを葬るように黒いマントを二人に被せながら引きずっていったシーンには思わず背筋がゾッと。
立ち上がった王子は倒れているオデットを抱き起こす。 このシーンに使われていた「弦楽のためのエレジー」(おロシア人さんありがとうございます)が、またすっばらしく物悲しく美しい曲で決して結ばれない二人の運命を悲しみ嘆いているような曲です。 振付も曲によく合っていたと思います。 そして別れを促すようにオデットを王子から引き離す白鳥たち(1日目は、別の人に愛を誓ってしまったこの王子ではもう駄目なのだからと二人を引き離したのだと思っていました)。 愛するものを失いたくない一心でオデットを取り戻そうとする王子の前に再びロットバルトが現れ、強引にオデットを連れ去る。
ロットバルトが起こした嵐で湖は荒れ狂い(効果音も凄かったですね・・・)逃げ場を失った王子はやがて波に飲み込まれる。 最後の最後まで、波に打たれながらもオデットを求め続けていた王子が力尽きていく様はあまりにも悲しい。 不幸の影などこれっぽちもない、ひたすら真っすぐ純真なフォーゲル王子だっただけに、余計にその最期が悲痛でした。
なんでこんな悲劇が・・・と思うに、オデットたちが囚われの身となっている湖畔はロットバルトが治める魔界であり、そこに足を踏み入れ、その彼の世界を脅かすかもしれない青年は誰一人として生かしてはおかないという、そんな恐ろしい湖の話なのかな・・・などと。


◆第3幕 玉座の間◆

見知らぬ騎士:ニコライ・ゴドノフ
オディール(その娘という姫君):アリシア・アマトリアン
スペインの姫君とそのお付き:
ミリアム・サイモン
ペトロス・テティエリアン、ロマン・ノヴィツキー、
デヴィッド・ムーア、マッテオ・クロッカード=ヴィラ
ポーランドの姫君とそのお付き:オイハネ、ヘレーロ、ローランド・ハヴリカ
ロシアの姫君:エリザベス・メイソン
ナポリの姫君とそのお付き:ヒョ=ジュン・カン、アルマン・ザジアン
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アマトリアン&フォーゲル「白鳥の湖」 1&2幕の感想
2012/06/15(Fri)
<第1幕>
のどかな雰囲気漂う村人たちの憩いの場に人々が続々と集まってくる。
王子登場の音楽で上手奥から若い男性ダンサーたちが次々に現れるのにまず面食らう。 ベンノと従者たちのようですが王子はいつ出てくるの?  ベンノのウィリアム・ムーア(プリンシパルなのに、なぜかプログラムに紹介がない)はハンサムという事で期待していたのに(笑)、付け揉み上げと髭のせいで素顔があまり分からず残念。 で、白鳥の湖ではみかけないちょっと老年のおばちゃんに?と思ったのですが、この人が家政婦なんですね? 家庭教師と二人、良い味を出していました。 こういう年代の人が入るだけで群衆シーンに落ち着きと深みが出るような気がします。 そこに全身をマントで隠した妖しい手相見が現れて、てきとーな占いで皆をからかったと思えば、マントを脱ぎ捨てて”ジャーン、僕はここだよぉ”、と屈託の無い笑顔でフォーゲル王子の登場。 サラサラ金髪をなびかせ爽やかな笑顔で道化の音楽に乗って弾むように踊るキラキラ王子様は、まぁ、なんつーか、まんまフォーゲルだよ・・・(笑)。 身体のコンディションも良さそうな感じ。 でも、祭典会員席なのにこの日は23列目で、フォーゲルが遠いよぉぉぉ(泣)
ベンノと従者の踊りはこの前だったか後だったか? お決まりのようなザンレール合戦もあり、皆けっこう踊れていましたが、やはり真ん中のムーアが良かったです。 

王子と娘たちのパ・ド・シス。 美しく上品なレースの衣装のせいか、町娘というよりは王子が連れてきた貴族の娘たちに見える。 ここまでも音楽はよくあるバージョンとは違う使い方をしていましたが、セルゲイエフ版では使われないパ・ド・シスを使ったここが、特定の曲に特定の振付のイメージが強かったりするせいか一番違和感が強かったかな? 王子が気の合った仲間たちと楽しく過ごすというシチュエーションとしては暗いし、不吉なメロディーだし・・。 王子を待つ悲劇の暗示なのかもしれませんが、ダンサーたちはにこやかな笑顔で踊っているのでやはりちぐはぐ感が否めず。 女の子だけのデュオやソロや、踊りが満載で楽しいというより、旋律から受けるイメージに合っていないと感じた振付の踊りは長くて退屈だった。 それでもソロを踊った子は上手いなぁと思ったら、プリンシパルのヒョ=ジュン・カンなんですね。
フォーゲルとPDDを踊ったカーチャ・ヴォンシュも手堅い踊り。 フォーゲルの踊りは最初からとても安定していて良かったけれど、コーダでの高い跳躍開脚の速さと柔らかさと美しさには思わず息をのむ。 回転も悪くはなかったけれど、ともかくフォーゲルは跳躍系の脚がとても美しい。 

王妃の登場。 浮かれ騒いでいる王子に小言を並べる王妃。 ゴブレットを後ろ手に隠し、軽く首を振りながら後ずさりし、さり気なくお付きの者に渡し、「ほら、何も持っていませんよ」と両手のひらを見せる王子。 後ずさりしていくフォーゲルの表情が大きな犬に睨まれた子犬のようで・・・、この何気ないシーンがなぜだかすごく目に焼きついています。
こんな所までわざわざ小姓たちに候補の姫たちの肖像画を持ってこさせ 明日の舞踏会でこの中から花嫁を選べというのも・・・。 王妃としては今日は城でゆっくりお見合い写真を見せながら明日の心得でも説きたかったところなのでしょうね。 そんなわけだから去り際、王妃は王子に手を取らせるけれど口付けはさせないで思い切り払いのけちゃうのよね。 このような場所にいる者の口付けなど受けませんよって事なんですかね? かなりご機嫌悪いようですね。(ただ、翌日のマッキーには口付けさせてから払いのけていた・笑)。

いきなり現実を突きつけられて憂鬱な王子。 踊りの輪から一人離れて木陰に佇む王子を残し人々は家路につく。 王子は暮れ行く空に見つけた白鳥の群れを追って湖へ。
姿が見えなくなった王子を心配して、ベンノと従者たち、家政婦や村娘が戻ってくる。 それぞれが手に持っているランプの暖色系の淡い光が綺麗でとても美しい情景でした。


<第2幕>
ロットバルトは西洋兜に長いマント。 どちらかといえば、2幕が見知らぬ騎士で3幕が邪悪な魔術師な雰囲気。
アマトリアンのオデット。 白塗りに目元が黒い化粧が生気のない生霊のようで、王子が一目で恋に落ちるほど神秘的でも魅力的でもないんだけどな。
ロットバルトに一旦二人が引き離されたあと、白鳥たちが出てくる。 暗い照明の下、湖をバックに水辺に生い茂る草陰から出てくるように見えてなかなか良かった。
その群れの中に王子を追いかけてきたベンノが飛び込んでしまい白鳥たちに囲まれる。 驚きうろたえるベンノはウィリたちに囲まれるヒラリオンのようで、このクランコ版白鳥では時折ジゼルの舞台がよぎります。
ベンノに弓で狙われた白鳥たちが身を寄せ合うようにして恐がっていると、2羽の白鳥が群れを庇いその前に立ちはだかる。 それでも弓を構え続けるベンノと従者たちの前にオデットが姿を現し、まさにベンノが弓を射ようとしたその瞬間、慌てて駆けよった王子がベンノを止める。  
このシーンが2幕では一番印象に残っているなぁ。 フォーゲルの走りこんで来る速さとタイミングとそこまでの緊張感がやけにドラマティックだった。 
グランアダージョは音楽が非常にゆっくり。 今まで見たどのグランアダージョよりも遅い。 遅いを通り越して間延びしている感じ。 アマトリアンははとても背中の柔らかいダンサーで、上体をゆっくり倒したりする動きはとても綺麗なのだけれど、足や指先の動きにそれほど繊細さがなかったので、このゆっくりとした音楽で見るのはやや苦しく感じられた部分もあった。 フォーゲルは自分の踊りの好調さに加え、サポートも安定していたと思います。
王子は純粋な気持ちを真っすぐにオデットに向けるけれど、オデットの心は固く閉ざされているようで、思いはなかなか通い合わない。 抱き寄せていたオデットが彼の腕からすり抜けるたびに、オデットの腕や指先に最後まで愛しそうに優しく触れていたのがとても印象的。
コール・ドは最初のうちはばたついて見え、幻想の世界という趣はなかったけれど、オデットと王子の踊りを邪魔するような煩さもなかったし、フォーメーションは綺麗だったと思います。 
2羽の白鳥の一人の森田さんは長身でスタイルもよく、踊りがたおやかでした。 4羽は個々の間隔がところどころ乱れたような記憶がありますが、ここだけはどのバージョンも変更なしですね♪


◆第1幕 王子の城近◆

ジークフリート王子:フリーデマン・フォーゲル
ウォルフガング(家庭教師):オズカン・アイク
家政婦:リュドミラ・ボガート
ベンノ(王子の友人):ウィリアム・ムーア
従者たち:ロマン・ノヴィツキー、ブレント・パロリン、デヴィッド・ムーア、ローランド・ハヴリカ
町娘たち:カーチャ・ヴュンシュ、ラケーレ・ブリアッシ、
       カタジーナ・コジェルスカ、エリサ・バデネス、ヒョ=ジュン・カン
王妃(摂政):メリンダ・ウィザム


◆第2幕 湖畔◆

ロットバルト(邪悪な魔術師):ニコライ・ゴドノフ
オデット(魔法をかけられた王女):アリシア・アマトリアン
二羽の白鳥:森田愛海、ラケーレ・ブリアッシ
小さな白鳥:エリサ・バデネス、カタジーナ・コジェルスカ、
        ジュリー・マルケット、アンジェリーナ・ズッカリーニ
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シュツットガルト・バレエ団「白鳥の湖」 6月5日の感想
2012/06/14(Thu)
東京文化会館 : 1階23列15番

<第1幕>
のどかな雰囲気漂う村人たちの憩いの場に人々が続々と集まってくる。
王子登場の音楽で上手奥から若い男性ダンサーたちが次々に現れるのにまず面食らう。 ベンノと従者たちのようですが王子はいつ出てくるの?  ベンノのウィリアム・ムーア(プリンシパルなのに、なぜかプログラムに紹介がない)はハンサムという事で期待していたのに(笑)、付け揉み上げと髭のせいで素顔があまり分からず残念。 で、白鳥の湖ではみかけないちょっと老年のおばちゃんに?と思ったのですが、この人が家政婦なんですね? 家庭教師と二人、良い味を出していました。 こういう年代の人が入るだけで群衆シーンに落ち着きと深みが出るような気がします。 そこに全身をマントで隠した妖しい手相見が現れて、てきとーな占いで皆をからかったと思えば、マントを脱ぎ捨てて”ジャーン、僕はここだよぉ”、と屈託の無い笑顔でフォーゲル王子の登場。 サラサラ金髪をなびかせ爽やかな笑顔で道化の音楽に乗って弾むように踊るキラキラ王子様は、まぁ、なんつーか、まんまフォーゲルだよ・・・(笑)。 身体のコンディションも良さそうな感じ。 でも、祭典会員席なのにこの日は23列目で、フォーゲルが遠いよぉぉぉ(泣)
ベンノと従者の踊りはこの前だったか後だったか? お決まりのようなザンレール合戦もあり、皆けっこう踊れていましたが、やはり真ん中のムーアが良かったです。 

王子と娘たちのパ・ド・シス。 美しく上品なレースの衣装のせいか、町娘というよりは王子が連れてきた貴族の娘たちに見える。 ここまでも音楽はよくあるバージョンとは違う使い方をしていましたが、セルゲイエフ版では使われないパ・ド・シスを使ったここが、特定の曲に特定の振付のイメージが強かったりするせいか一番違和感が強かったかな? 王子が気の合った仲間たちと楽しく過ごすというシチュエーションとしては暗いし、不吉なメロディーだし・・。 王子を待つ悲劇の暗示なのかもしれませんが、ダンサーたちはにこやかな笑顔で踊っているのでやはりちぐはぐ感が否めず。 女の子だけのデュオやソロや、踊りが満載で楽しいというより、旋律から受けるイメージに合っていないと感じた振付の踊りは長くて退屈だった。 それでもソロを踊った子は上手いなぁと思ったら、プリンシパルのヒョ=ジュン・カンなんですね。
フォーゲルとPDDを踊ったカーチャ・ヴォンシュも手堅い踊り。 フォーゲルの踊りは最初からとても安定していて良かったけれど、コーダでの高い跳躍開脚の速さと柔らかさと美しさには思わず息をのむ。 回転も悪くはなかったけれど、ともかくフォーゲルは跳躍系の脚がとても美しい。 

王妃の登場。 浮かれ騒いでいる王子に小言を並べる王妃。 ゴブレットを後ろ手に隠し、軽く首を振りながら後ずさりし、さり気なくお付きの者に渡し、「ほら、何も持っていませんよ」と両手のひらを見せる王子。 後ずさりしていくフォーゲルの表情が大きな犬に睨まれた子犬のようで・・・、この何気ないシーンがなぜだかすごく目に焼きついています。
こんな所までわざわざ小姓たちに候補の姫たちの肖像画を持ってこさせ 明日の舞踏会でこの中から花嫁を選べというのも・・・。 王妃としては今日は城でゆっくりお見合い写真を見せながら明日の心得でも説きたかったところなのでしょうね。 そんなわけだから去り際、王妃は王子に手を取らせるけれど口付けはさせないで思い切り払いのけちゃうのよね。 このような場所にいる者の口付けなど受けませんよって事なんですかね? かなりご機嫌悪いようですね。(ただ、翌日のマッキーには口付けさせてから払いのけていた・笑)。

いきなり現実を突きつけられて憂鬱な王子。 踊りの輪から一人離れて木陰に佇む王子を残し人々は家路につく。 王子は暮れ行く空に見つけた白鳥の群れを追って湖へ。
姿が見えなくなった王子を心配して、ベンノと従者たち、家政婦や村娘が戻ってくる。 それぞれが手に持っているランプの暖色系の淡い光が綺麗でとても美しい情景でした。


<第2幕>
ロットバルトは西洋兜に長いマント。 どちらかといえば、2幕が見知らぬ騎士で3幕が邪悪な魔術師な雰囲気。
アマトリアンのオデット。 白塗りに目元が黒い化粧が生気のない生霊のようで、王子が一目で恋に落ちるほど神秘的でも魅力的でもないんだけどな。
ロットバルトに一旦二人が引き離されたあと、白鳥たちが出てくる。 暗い照明の下、湖をバックに水辺に生い茂る草陰から出てくるように見えてなかなか良かった。
その群れの中に王子を追いかけてきたベンノが飛び込んでしまい白鳥たちに囲まれる。 驚きうろたえるベンノはウィリたちに囲まれるヒラリオンのようで、このクランコ版白鳥では時折ジゼルの舞台がよぎります。
ベンノに弓で狙われた白鳥たちが身を寄せ合うようにして恐がっていると、2羽の白鳥が群れを庇いその前に立ちはだかる。 それでも弓を構え続けるベンノと従者たちの前にオデットが姿を現し、まさにベンノが弓を射ようとしたその瞬間、慌てて駆けよった王子がベンノを止める。  
このシーンが2幕では一番印象に残っているなぁ。 フォーゲルの走りこんで来る速さとタイミングとそこまでの緊張感がやけにドラマティックだった。 
グランアダージョは音楽が非常にゆっくり。 今まで見たどのグランアダージョよりも遅い。 遅いを通り越して間延びしている感じ。 アマトリアンははとても背中の柔らかいダンサーで、上体をゆっくり倒したりする動きはとても綺麗なのだけれど、足や指先の動きにそれほど繊細さがなかったので、このゆっくりとした音楽で見るのはやや苦しく感じられた部分もあった。 フォーゲルは自分の踊りの好調さに加え、サポートも安定していたと思います。
王子は純粋な気持ちを真っすぐにオデットに向けるけれど、オデットの心は固く閉ざされているようで、思いはなかなか通い合わない。 抱き寄せていたオデットが彼の腕からすり抜けるたびに、オデットの腕や指先に最後まで愛しそうに優しく触れていたのがとても印象的。
コール・ドは最初のうちはばたついて見え、幻想の世界という趣はなかったけれど、オデットと王子の踊りを邪魔するような煩さもなかったし、フォーメーションは綺麗だったと思います。 
2羽の白鳥の一人の森田さんは長身でスタイルもよく、踊りがたおやかでした。 4羽は個々の間隔がところどころ乱れたような記憶がありますが、ここだけはどのバージョンも変更なしですね♪


<第3幕>
王座の間の舞台美術、衣装は素晴らしく立派で美しい。 シュツットガルトバレエ団の美術って回廊&階段仕様が多いですね。 先日のじゃじゃ馬もそうだったけど、狭いステージを限りなく有効に使おうとすると平面だけではなく上下という仕切りやそれを繋ぐものによって空間にスペースを作り出すしかないですものね。 バレエ団の劇場のステージスペースが東京文化会館と比べてどの程度のものなのかは知りませんが、それにしても踊れるスペースが少し狭いと感じました。 長身のフォーゲルやマッキーだとセーブが必要?

まず、二階から式典長、各国の花嫁従者と降りてきたところで王妃が下手から登場。 この時に誰かが王妃のドレスのすそを踏んだらしく王妃がのけぞるハプニング。 でもドレスなのかマントなのかトレインの長さが半端じゃない。 王妃が玉座に腰掛けた後、侍女が手繰り寄せながらたたんでました。
小走りに王子が登場し仰々しい雰囲気に嫌気が刺したような表情で王妃の隣に座る。 
続いて花嫁候補であるスペイン、ポーランド、ロシア、ナポリの姫君たちが階段を降りて登場し王妃と王子にご挨拶。 騎士に扮したロットバルトが現れ、ざわめく周囲をさらに驚かせるように自分のマントの中からオディールを出現させる。 下手奥の王妃の玉座の脇に女官が三人くらい立っていて彼女たちの後ろの壁にオディールの出入りできる扉がしつらえてあり、ロットバルトがその前に立ちマントを大きく広げるので、まるでマジックのように忽然とオディールが現れるのがとてもいい。 
アマトリアンはさすがにここでは白塗りではないけれど、今度は青のシャドーが凄すぎてなんだかもったいないなぁぁ。 王子はすでにかなり舞い上がっているけれど、恐いママ王妃の手前、そのままオディールを追いかけていくわけにも行かず、花嫁候補たちの踊りにお付き合い。

姫+4人のお付きによるスペインは、あの音楽でこういう振付もできるんだなという唖然とした踊りでしたが、やたら靴のつま先で音を立てるスペイン貴族騎士風男性4人のモーションがコミカルでもありただただヌルクもあり・・・。
ポーランドは可もなく不可もなく普通。
姫+そのままマトリョーシカになれそうなロングドレスのお付きの女性6人?のロシアはすごかったですね。 お遊戯チックなフォーメーションと動き、姫はハンカチをかわいらしく振りながら走りまわる・・・。 これじゃ、王子ならずとも王妃だってno thank youだよなぁ。 ロシアの姫君って、本国の公演でもプリンシパルに踊らせるんでしょうか?? とりあえず、美人だったら誰でもいいじゃん!!
ナポリはヒョ=ジュン・カンの歯切れの良いリズミカルなダンスがとても良かったのですが、グラン・ピルエットのザジアンの方が結局目立ってしまって、お姫様の方が引き立て役みたいな感じになっているのがなんだかね・・。
グリゴローヴィチのこの場面がそれぞれの踊りで姫君の魅力をしっかりアピールしているのに対して、クランコ版は振付も仰天物だけれど、肝心の姫たちが全然魅力的に見えず、これもロットバルトの差し金かと疑いたくなってしまいます・・・。

まったく上の空って感じでその場にいるだけだった王子(いや、ほんと、何を考えているのかは読み取れないフォーゲル君の表情でした・笑)が戻ってきたオディールに駆け寄りGPDDへ。
アマトリアンはオデットよりはオディールの方が良かったと思います。 あまりにも人の良い純真な王子だから、不用意を恐れる事もなく、王子を騙し手玉に取る事をひたすら楽しんでいるだけ。 踊りも伸び伸びと身体能力の高さが伺えるような身のこなし。 ヴァリの音楽は通常王子のヴァリで使う曲。 ここまで来たら、まぁ、もう何でもいーよなのですが、クランコがこの曲を割り当てた理由くらいは聞きたい気がする。
フォーゲルのヴァリはチャイパド。 去年の夏のキラキラハッピーオーラ全開のチャイパドが蘇ります♪ 彼は本当にジャンプをした時の脚が綺麗。 うっとりですねぇぇ。 ただ、フォーゲルにはスペースが狭そうでマネージュなどは抑え気味に見えたのが残念でした。
そういえば、クランコ版にはグラン・パの途中、オデットの幻影は出てこないのですね。  4幕にはオデットの帰還の音楽があったような気がするけれど、自信はない。
王子は渋い顔の王妃にオディールを后に迎えると告げ、オディールに愛を誓ってしまう。 すると王子を軽く嘲りながらあっさり姿を消してしまうオディール。 登場のシーンのまき戻しのようにロットバルトのマントに包まれるなり消えてしまいました。

最初は何が起こったのかわからなく動揺していた王子は事の次第に気づくと・・・・。 自分の軽率さを深く悔やみ悲痛な面持ちでオデットを追う・・・というのがごく普通のジークフリートなのだけれど、何を思ったかフォーゲルは、希望を見出したような微笑を浮かべて湖に向かっていったんだよなぁ。  「消えちゃったのは間違って愛を誓っちゃったオディールなんだから、僕が本当に愛しているオデットはまだ湖に居る! だから大丈夫!! 許しを請えば大丈夫!!」 まさかね???
ポリーナと踊った東バの3幕最後では微笑んだりしていなかったのですけどね。


<第4幕>
クランコ版の白眉というかクランコのドラマティックな世界が一番顕著なのがこの終幕。 
コール・ドのフォーメーションも独特だったけれど、2幕の終盤よりもさらに揃ってきていて綺麗だったし悲しみが溢れていました。
全編通じての共通点でもあるけれど、クランコ版は他の版よりも王子がオデット(オディール)をリフトするシーンが多いですね。 ここでもいきなりオデットを高々とリフトして白鳥たちの後ろを進んでいたような・・・。
再会したオデットと王子を容赦なくいたぶるロットバルト。 倒れこんだオデットと王子を冷淡に見下ろしながら彼らを葬るように黒いマントを二人に被せながら引きずっていったシーンには思わず背筋がゾッと。
立ち上がった王子は倒れているオデットを抱き起こす。 このシーンに使われていた「弦楽のためのエレジー」(おロシア人さんありがとうございます)が、またすっばらしく物悲しく美しい曲で決して結ばれない二人の運命を悲しみ嘆いているような曲です。 振付も曲によく合っていたと思います。 そして別れを促すようにオデットを王子から引き離す白鳥たち(1日目は、別の人に愛を誓ってしまったこの王子ではもう駄目なのだからと二人を引き離したのだと思っていました)。 愛するものを失いたくない一心でオデットを取り戻そうとする王子の前に再びロットバルトが現れ、強引にオデットを連れ去る。
ロットバルトが起こした嵐で湖は荒れ狂い(効果音も凄かったですね・・・)逃げ場を失った王子はやがて波に飲み込まれる。 最後の最後まで、波に打たれながらもオデットを求め続けていた王子が力尽きていく様はあまりにも悲しい。 不幸の影などこれっぽちもない、ひたすら真っすぐ純真なフォーゲル王子だっただけに、余計にその最期が悲痛でした。
なんでこんな悲劇が・・・と思うに、オデットたちが囚われの身となっている湖畔はロットバルトが治める魔界であり、そこに足を踏み入れ、その彼の世界を脅かすかもしれない青年は誰一人として生かしてはおかないという、そんな恐ろしい湖の話なのかな・・・などと。




◆第1幕 王子の城近◆

ジークフリート王子:フリーデマン・フォーゲル
ウォルフガング(家庭教師):オズカン・アイク
家政婦:リュドミラ・ボガート
ベンノ(王子の友人):ウィリアム・ムーア
従者たち:ロマン・ノヴィツキー、ブレント・パロリン、デヴィッド・ムーア、ローランド・ハヴリカ
町娘たち:カーチャ・ヴュンシュ、ラケーレ・ブリアッシ、
       カタジーナ・コジェルスカ、エリサ・バデネス、ヒョ=ジュン・カン
王妃(摂政):メリンダ・ウィザム


◆第2幕 湖畔◆

ロットバルト(邪悪な魔術師):ニコライ・ゴドノフ
オデット(魔法をかけられた王女):アリシア・アマトリアン
二羽の白鳥:森田愛海、ラケーレ・ブリアッシ
小さな白鳥:エリサ・バデネス、カタジーナ・コジェルスカ、
        ジュリー・マルケット、アンジェリーナ・ズッカリーニ

◆第3幕 玉座の間◆

見知らぬ騎士:ニコライ・ゴドノフ
オディール(その娘という姫君):アリシア・アマトリアン
スペインの姫君とそのお付き:
ミリアム・サイモン
ペトロス・テティエリアン、ロマン・ノヴィツキー、
デヴィッド・ムーア、マッテオ・クロッカード=ヴィラ
ポーランドの姫君とそのお付き:オイハネ、ヘレーロ、ローランド・ハヴリカ
ロシアの姫君:エリザベス・メイソン
ナポリの姫君とそのお付き:ヒョ=ジュン・カン、アルマン・ザジアン
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ミハイロフスキー劇場バンクーバーツアー
2012/06/12(Tue)
ミハイロフスキー劇場のバンクーバーツアーは明日13日の夜に初日を迎えますが、残念ながらボルチェンコは怪我からの回復が間に合わなかったらしく、ツアーには不参加のようです。
5日ほど前のカナダのCTVNewsではボルチェンコの名前が伝えられていたので、ぎりぎりまで出演に向けて調整していたのだと思いますが、最新のニュース(こちらの記事で「白鳥の湖」のプロモーションビデオが見られます。)では4回あるソワレはすべてオクサーナ・ボンダレワが主演すると報じられています。  また、劇場の発表ではオデット&オディールはボンダレワとコシェレワが踊るとなっていますので、16日のマチネでコシェレワが踊るのかな? 一回だけではもったいないなぁ。 ジークフリートに関しては先ほどの記事に13日と16日(多分ソワレ)にサラファーノフが踊るとあります。 他の日の王子についての記載はないですがオデットがこの二人ならレベデフかもしれないですね。

ダンサーやスタッフの皆さんはドルグーシンさんの訃報直後の海外公演でいろいろ大変とは思いますが、冬には白鳥も飛来するバンクーバーで、美しく観客の心に響く舞台を見せて欲しいと思います。 ツアーが成功に終わりますように!!
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ニキータ・ドルグーシンさん逝去
2012/06/11(Mon)
マールイのバレエコーチであるニキータ・ドルグーシンさんが6月10日亡くなられたそうです。 74歳でした。
ドルグーシンさんは2月中旬、パリ・オペラ座の招きでレッスンをするために渡仏していた際に脳内出血で倒れ、一時は非常に危険な状態になりましたが、すぐに持ち直され、ペテルブルグに戻って治療されていました。
6月始めにはリハビリセンターに移ったという事で、病気を克服し、新シーズンにはコーチとして戻って来てくれるだろうと劇場側も期待していた矢先に容態が悪化して亡くなられたとの事です。
私もドルグーシンさんの回復と復帰を信じて疑っていなかったので非常にショックです。
今、劇場は突然の事に深い悲しみに包まれていると思いますが、ドルグーシンさんがミハイロフスキーバレエに教え授けたすべてをダンサーと劇場側がそのまましっかりと継承していってくれる事を切に願います。
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残念・・・
2012/06/10(Sun)
ストレート勝ちしたオーストラリアがオリンピック出場を決め、日本のロンドン行きはなくなった状態での今日の最終戦でしたが、イランにストレート負け。 清水選手の活躍は素晴らしかったのですけれど、う~~~ん、残念でした。

この大会に出場したアジア枠の5チームの中では日本の平均年齢が29.5歳と一番高い。 オーストラリアが23.7歳でイランが23.9歳。 今日の試合でガンガン打ちまくっていたイランのガフール選手はまだ二十歳だそうで・・・。 次のオリンピックに向けて、今回の主力選手があまり残らないであろう日本チームの前にまたこの2チームが立ちふさがるんだろうなぁ。 Vリーグの中継があまりないので今どんな若手が育ちつつあるのかは全くわからないけれど、オリンピックへの道はさらに遠く険しくなりそうな気がしてしまいます。
試合後の選手のコメントにはそういう事を言っているようじゃ駄目でしょ・・・と思うところもありますが、とりあえず選手の皆さん、お疲れ様! 


さてさて、今週はスポーツの話題に事欠かなかった一週間でした。 サッカーの日本代表チームの強さにはびっくり。 サッカーをよく知らない自分にも個人レベルがぐんと上がった事はよく分かったし、シュートを打ちまくるのも見ていて気持ちいい。 依然はFWがそこでパスするか??って事もよくあったからねぇ。
全仏ではフェデラーが準決勝で負けてしまったのは悲しかったけれど、シャラポワの生涯グランドスラム達成となる優勝は良かった良かった。 おめでと~♪
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結果は明日!!
2012/06/09(Sat)
男子のオリンピック最終予選は、シュツットガルトバレエ団の公演とそのつけによる残業のために、第2戦と今日のプエルトリコ戦しか見られていません。 
今日はこの大会勝ち星のないプエルトリコなので大丈夫だろうと高を括っていたらいきなり1セット目を落としてしまい、どうなる事かと思いましたが、その後は各セット中盤に抜け出し3-1で勝利。 良かったぁ。
ロンドンへの望みが繋がったわけですが、日本が残り一枚の切符を掴むには、まず先に行われるオーストラリアvs中国でオーストラリアが負けるか、勝つにしても勝ち点が2点となる3-2という結果でなければならず、もしオーストラリアが3-0か3-1で勝ってしまえば、その時点で日本のオリンピック出場はなくなってしまうとの事。 なんとか日本の出場の可能性を残した状態で明日の最終戦を迎えて欲しいです。
ランキング的には中国が10位、オーストラリアが22位ですが、この大会はランキングと結果は全く一致していないし、チームとしての相性やその日の選手のコンディション次第でどちらが勝ってもおかしくない状況だから、やってみなければ全く分からないですね。 それは日本とイラン戦にも言える事だろうけど・・・。
ともかく、すべては明日!!!
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シュツットガルトバレエ団「じゃじゃ馬馴らし」 6月1日の感想
2012/06/08(Fri)
東京文化会館: 1階10列21番

面白かったです。 この物語が説くところには全く同感できかねますが(笑)。
ドタバタ劇ながらダンス的にはボリューム&高難度感たっぷりで、各プリンシパルダンサーの素晴らしいダンスをクスクス笑ったり、ほぉ〜〜っと見とれたりしながら楽しむ事ができました。

スー・ジン・カンを見るのは初めてです。 プロフィールの美人顔からはほど遠い仏頂面に漫画チックな手足の動きで、思いっきり気性が激しくひねくれ者な雰囲気の強い娘でしたねぇ・・・。 そして、そのキャタリーナがペトルーチオと出会い調教?されながら、じゃじゃ馬武装を一つ一つ解いてゆくように微妙に変っていく様を実に自然に見せてくれたと思います。 音感の良い踊りで細かいステップなども小気味良く、リフトのポーズも綺麗。 結婚式のPDDも、愛し合う二人の甘美なPDDではなく、人生を共にする面白い奴に出会えたみたいなカラッとスカッとした感じだったのが印象的。 
欧州のバレエ団でプリンシパルとして長く活躍し不動の地位を築いた東洋人である彼女を見ているうちに、都さんが頭をよぎり、きっとこの人は韓国のバレエファンにとっては都さんのような存在なんだろうなぁと思ってしまった事でした。

よくよく考えてみるとヴァレンキエヴィッチも今まで見た事はなかったのですが、最近のダンサーにはあまりいない良い男臭さと端正なダイナミックさを持っているタイプのダンサーですね。 粗野でちょっと横暴だけど懐深いペトルーチオを役者っぷりも見事に演じながら、踊りは切れ味があってラインも美しく、ジャンプは高く回転も速度が速く綺麗で申し分ない。 舞台での存在感も抜群でした。 
芝居の要素も多いけれど、ダンス量も思った以上に多く、体力をかなり使いそうな上に、階段から降りてくるというか酔っ払っているので足を滑らせて落ちてくるようなシーンなど、怪我をしそうな場面も多くかなりハードな役なんだろうなと感じました。

キャタリーナの美人の妹ビアンカを踊ったメイソンはアメリカ人だそうで、プログラムに載っている7人の女性プリンシパルでドイツ生まれなのはカーチャ・ヴォンシュただ一人。 ちなみに男性の方も、7人中ドイツ生まれはフォーゲルのみという国際色豊かなバレエ団なんですね。
メイソンは小柄だけれど踊りがゆったりと綺麗で華やかなダンサーなのでこの役にぴったり。 
そのビアンカのハートを射止めるルーセンショーにはラドメーカー。 白鳥の王子も見るのに、じゃじゃ馬でも見られてラッキーなんて思っていたけれど、結果的にはこの日に見られなければ今回見る事ができなくなってしまったので、ラッキーどころではなかったのだ! 王子キャラながらコミカルな演技も軽妙で、メイソンとのPDDは美しく、酔っ払いとじゃじゃ馬の後の極上の口直しでした(笑)
(いやしかし、実際アマトリアン&フォーゲル、オサチェンコ&マッキーの白鳥を見た後だと、アイシュバルト&ラドメーカーだったらけっこう違った印象の舞台になったのではないかという気がしてつくづく残念です。)

彼らを取り巻く人々はコメディーに相応しく個性豊かで、グレミオ、ホーテンショーの二人もユニークな踊りや奇抜なキャラで目を引いていたけれど、ここのカップルたちの結婚の儀を司らされるなんちゃって司祭も面白すぎ。 
姉妹の結婚式でのコール・ドの踊りも楽しくて良かったし、同じイタリア舞台という事でそのままロミジュリができちゃうような周囲の人々の衣装も大変美しかったです。




バプティスタ(裕福な紳士):ローランド・ダレシオ
キャタリーナ(バプティスタの長女):スー・ジン・カン
ビアンカ(バプティスタの次女):エリザベス・メイソン
グレミオ(ビアンカの求婚者):アルマン・ザジアン
ルーセンショー(ビアンカの求婚者):マライン・ラドメーカー
ホーテンショー(ビアンカの求婚者):ローランド・ハヴリカ
ペトルーチオ(紳士):フィリップ・バランキエヴィッチ
ふたりの娼婦:オイハネ・ヘレーロ、レネ・ライト
司祭/宿屋の亭主:マッテオ・クロッカード=ヴィラ
召使いたち:オズカン・アイク、エドアルド・ボリアーニ、
       ダニエル・カマーゴ、ルドヴィコ・パーチェ
パ・ド・シス(第2幕):ダニエラ・ランゼッティ、アンジェリーナ・ズッカリーニ、
            ラケーレ・ブリアッシィ、デヴィッド・ムーア、
            ニコライ・ゴドノフ、ダミアーノ・パッテネッラ
パデュアの市民、結婚式の客、カーニバルで楽しむ客:コール・ド・バレエ

指揮:ジェームズ・タグル
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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シュツットガルトバレエ団 Japan tour diary
2012/06/07(Thu)
火、水の連日バレエ鑑賞と今日の残業でぐったりしていたのですが、シュツットガルトバレエ団サイトで日本ツアーフォトダイアリーを見つけてちょっとリフレッシュ♪  こちら
自分が見られなかったアイシュバルトのキャタリーナが写真で見られて嬉しいです。 あんな顔するのね(笑)。
舞台、リハーサル、オフ、舞台裏、デマチの模様など、比較的たくさんの写真がアップされています。 白鳥コール・ドの写真が綺麗です! しっかしデマチの人の数が凄いですね・・・。 フォーゲルは日本ではbig starってのがなんとも・・・。
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フォーゲルのジークフリート♪
2012/06/06(Wed)
フォーゲルのジークフリートを見るのは2007年の東バの白鳥で彼がポリーナちゃんと共演して以来だから、5年ぶり。
育ちの良さたっぷりにソフトで甘い青年という路線は変わらないけれど、そこまでぼお~~っとしていていいのかというようなヌルさは影を潜め?、表情豊かに演技にも磨きがかかって(本人比)、ジークフリートを演じるにまさに旬なダンサーになったなぁと感慨深く思いました(やや大袈裟・笑)。
フォーゲルは踊りはとても好調ですべて良かったですが、特に跳躍系の脚は本当に美しい。 開脚の時の速さと柔らかさと美しさはため息ものです・・・。 アマトリアンへのサポートも良かった。
アマトリアンのオデットは、あまりに顔を白く塗ってしまっていて、病的というか絶対に幸せにはなれないという雰囲気が漂いすぎ・・・。 ま、そのせいで4幕の悲劇に十分すぎるほどの説得力がありましたが。

あれこれはこの週末にでも書きたいと思いますが、ドラマ的にはとても気に入ったけれど、切り刻んだ音楽の使い方が自分的には駄目でした。 1幕には音楽と振付が合っていないと感じる踊りが散見されたのも残念。
今日も舞台を見に行きますが、アイシュバルトとラドメイカー主演でなくなってしまったのが非常に悲しい。 マラーホフの贈り物でこのペアを見た時にとても相性が良いような気がして、どういう物語を作り上げるのかをとても楽しみにしていたのです・・・。
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小林紀子バレエ・シアター 「アナスタシア」 チケット発売
2012/06/04(Mon)
本日は8月18日(土)、19日(日)に上演が予定されている小林紀子バレエ・シアターの「アナスタシア」のチケット発売日でした。 
皇帝ニコライ2世の第4皇女アナスタシアと彼女を自称したアナ・アンダーソンにまつわるミステリーを扱った作品という事でとても興味をそそられるものがあります。 音楽もチャイコフスキーの交響曲第1番と第3番を使っているという事で、これまた興味深い。 

ストーリーの詳細はDance Cubeに掲載されている2004年にロイヤル・バレエで上演された際のレポート(こちら)を読むとよくわかりますが、なんとまぁ、錚々たるメンバーが出演していたのですねぇ。 ニコライ2世の元愛人のバレリーナ役で都さんも出演していたそうで、今回の公演へのゲスト出演などないかしら?なんて勝手な事を考えてしまいます。
小林紀子バレエ・シアターの衣装と装置はロイヤルからの提供となっていますので、この写真と同じものになるのでしょうか? ロイヤルでどの程度の頻度で上演されているのかは知りませんが、すでにリニューアルしてしまったかしら?? 
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5月29日 トーマス・ヘンゲルブロック指揮ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
2012/06/03(Sun)
モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64 (ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ)

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ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68


<アンコール>
テツラフ :バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番から「ガヴォット」
オーケストラ:ヴォルザーク チェコ組曲から「フィナーレ」


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ブラームスの生まれ故郷であるハンブルグのオーケストラで交響曲第1番が聴けるという事でチケットを取ったこのコンサート。 ギュンター・ヴァント指揮の交響曲全集は一時期良く聞いていたので、そのオケの生の演奏を聴けるというのも楽しみの一つだった。


ステージ上に楽員が揃ってコンマスが音合わせを始める。 と、ここまでは見慣れた光景なのだけれど、何か変?!と思ったら、指揮台がない・・・。 この曲のみコンマスが指揮者代わり??とうろたえて(笑)いるとヘンゲルブロックさんが左袖より現れた。 でか~~い!
指揮台に乗らない指揮者は初めてでしたが、どの位置からも十分見えるし、一段高いところからの威圧感というようなものもなく自然にオーケストラと一体となっている感じ。

「フィガロの結婚」は始めのうちはテンポがかなり速いせいか音の重なりが雑然としているような気がして、清清しいモーツァルトではなかったなぁ。 それでも耳はすぐに慣れて、明るく華やかな音楽会のオープニングに相応しい一曲ではあったと思います。  

テツラフさんの演奏を聴くのは録音でも生でもこの日が初めて。 細身で小柄(標準的な日本人くらい? それとも周りのドイツ人がでか過ぎ?)な方で黒のスーツに黒のシャツの彼はそのままどこかのクラブのマネージャーな雰囲気。 そして自分の頭に浮かんだのが米国俳優のロバート・パトリック(ターミネーター2のT-1000)。 すっごく似ています(笑)
テツラフさんとNDRのメンコン、今までこの曲に抱いていた哀愁とか感傷的な美しさというイメージとはほど遠い、ただひたすら突き進むような勢いのある刺激的な演奏。 2楽章こそスローテンポで伸びやかな美音が響いていたけれど、怒涛の流れで25分弱で終わってしまったびっくりなくらいハイテンポのメンコンだった。 プラグドのギタリストみたいに膝をおり深く沈みこむようなモーションが印象的でしたが、第3楽章ではテツラフさんの後ろに熱くメラメラと燃え立つ炎のようなものが見えた気がしたくらい・・。 
そんなソリストの演奏に当たり前のように呼応しながらも雑にならずにぶれない厚みのある演奏を続けるオケも凄いです。 テツラフさんと時折アイコンタクトを交わすヘンゲルブロックさんの微笑みは「どんだけ走ってもちゃんとあわせてやるぞ~~」と頼もしさに溢れているようで、ステージ全体を包み込むような貫禄の指揮でした。

どんなテンポでどんな音で始まるのだろうかとドキドキしながら楽しみにしていたブラ1。
オケの配置は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが対面でその間にヴィオラとチェロというのは変らないけれど、チェロの後方に置かれていたコントラバスが4台ずつ第1ヴァイオリンとチェロの後ろに分離配置されていた。 こういう配置も初めて見る。 しっかりした低音を左右両方から均等に効かせるためなのかな。
やや速めなテンポだけれどティンパニーが柔らかながらも堂々とした音を刻んでいた出だし。 ブラ1の出だしってメリハリ無くスローテンポで来られると自分の中でのテンションが一気に落ちる事があるのだけれど、すんなりと曲に惹き込まれていった。
やはりメンコンよりも断然こちらの方が重厚なドイツのオケの音色が際立っていると感じた。 第1楽章はかなりテンポが揺れたけれど、どんなテンポでもすべての楽器の音が綺麗だったなぁ。 2楽章の澄んだ音色のコンマスのソロもとても良かった。
1楽章も好きだけど、4楽章はさらに好き。 何かが起こる予兆を表すようなピチカートの連続、ゆったりと高雅な感じのホルンの音色に続く第1主題。 時々メロディーを口ずさんでいるようなヘンゲルブロックさんは、その恰幅のよさからオペラ歌手のようにも見える。 フィナーレに向けてすべての楽器のテンションが上がる中、左右に分かれたコントラバスの低音が心地よく響く。 激しいけれど自制されたティンパニーの連打。 奏者の真剣で誇り高そうな表情が非常に印象的でした。 


アンコールの曲は初めて聴いた曲でしたが、これがまたとってもメロディアスで心弾む素敵な曲で、演奏も素晴らしく・・・。 ドヴォルザークって本当に凄い!!

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プローム&プーちゃん
2012/06/02(Sat)
本日あましんアルカイックホールで上演された法村友井バレエ団の「騎兵隊の休息」と「ラ・シルフィード」、21時15分頃に無事終演だったそうです。 ジェームズ役で客演したプロームはさすがの貫禄だったと今日ご覧になったこうすけさんが教えて下さいました。 ありがとうございました~~。 今夜は都合がつかず私は見に行く事ができなかったので様子がわかってとても嬉しいです。(↓すみません、ちょっと拝借しちゃいました)

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この「ラ・シルフィード」を振り付け、今日はマッジ役で出演されていた法村牧緒さんは、ワガノワバレエ学校に留学していた時にプロームの先生のMr. Radgep・Abdievと一緒に学んだ事があるのだそうです。 プローム曰く、クラシックバレエを心から愛している素晴らしい人。 そんな縁もあるプロームと法村友井バレエ団なので、今後もプロームがこのバレエ団に客演する機会があるといいですね!

さて、プロームからプーちゃんの近況も教えてもらいました。 ヤコブソンバレエのプリンシパルとして一ヶ月に4~8回(差がありますが・・・笑)の公演をこなして活躍中との事です。 さらに、ロシア功労芸術家の称号を授与される事が決まったそうで嬉しい限りです。 おめでとう!!  
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