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新国立劇場「シンデレラ」 12月22日
2018/01/07(Sun)
小野&福岡ペアは22日の彼らの最終公演を見ました。 こちらも当日のメモを素に備忘録的に思いつくまま。

シンデレラ:小野絢子
王子:福岡雄大
姉娘:古川」和則
妹娘:小野寺雄
仙女:細田千晶
春の精:早乙女遥
夏の精:渡辺与
秋の精:池田理沙子
冬の精:寺田亜沙子
道化:木下嘉人
ナポレオン:高橋一輝
ウェリントン:小柴富久修
王子の友人:奥村康祐、渡辺峻郁、原健太、浜崎恵二郎


しっかり者で明るく心優しい絢子ちゃんのシンデレラは、いつも通り演技が細かく幕が上がった瞬間から自然に役に入り込んでいる感じです。  踊りはスピーディーで歯切れの良く。 フレックスなども一つの流れの中で自然に美しく見せているし、音感の良さも相変わらず。 笑わせるところはしっかり笑わせてくれて、姉たちの踊りのマネときたら、ちょっとお下品でしょ!というくらいに思い切りが良すぎる(笑)。
雄大君も見るたびに王子役が板についてきて、佇まいや身のこなしが王子らしいだけでなく品と風格さえ漂っています。 あの豪華で眼福な4人の王子の友人の後に出て来てもきちんと別格感がありますものね。 踊りは本当に安定していて上手いです。 絢子ちゃんとのパートナーシップも文句なしに素晴らしく、二人で踊っている時の幸福感が半端ないですから、シンデレラと王子の出会いの喜びや高まる幸福感に見ている人それぞれが思いを重ねてほわぁ~~っとうっとり幸せに浸れる時間じゃないのかと。
息のあった二人の動きはぴったりなのでラスト近くで足を出しながら前に進んでいくところなど、これからシンデレラと王子が二人手を携えて歩んでいく未来を物語っているようだったし♪ 
踊りも盤石。  雄大君の2回転ジャンプを繰り返しながら後方に下がっていく難しいヴァリ、バランスが全く崩れず流れるようにしなやかでした。  ジャンプの着地が、もう次の回転へのステップとなっているのが素晴らしい! フィニッシュも常に余裕があってとてもエレガント。  絢子ちゃんの音を正確にとらえてきちんと振付を乗せた情感豊かな踊りも感動的! そして他を圧倒する存在感。  

主役以外で一番印象に残ったのは仙女の細田さん。 シンデレラを見守り幸せへと導いていく優しさに溢れていた1幕と彼女自身がキラキラしていた3幕のどちらも魅力的でした。 演技での好調さは踊りにもそのまま表れていて、最近の細田さん、とても輝いていますよね。

古川&小野寺シスターズは二人とも楽しそうに演じていましたねー。 もうちょっとねっちり意地悪キャラで来るか思っていたのですが、古川さんの姉は思ったよりもアクの少ないソフトな役作りでした。 妹の小野寺さんは線が細く可愛いらしすぎ・・・。 3幕でのせっせっせー♪はただの仲良し3姉妹にしか見えなかったしね! まーなので、今まで辛くあたって・・・という別れのシーンに珍しくジンとしませんでしたよ・・・(笑)。

早乙女さんの春はメリハリのあるテンポの良い踊りで見ていて気持ちいいですね。 この公演の前に春はバッタのように踊るイメージという細田さんのインタビュー記事を読んでいましたが、それをイメージするのはなかなかに難しく・・・(笑) 渡辺さんは表情や身体の動きは良かったですが、あまりアシュトンぽくはなかったので、やはり慣れの問題でしょうか? 秋の池田さんは軽快で手堅い踊り。 寺田さんは冬には珍しく笑顔も見せていましたが・・・。
星の精はノイローゼになりそうなくらい大変だったという本島さん談を思い出しながら見ていたのですが、あのスピードであの切れの良さと揃いっぷり、本当に新国のコール・ドは素晴らしい!

前述の通りこれぞ眼福という大盤振るまいなキャスティングの王子の友人4人。 エレガントな踊りはそれぞれに目を惹かれましたが、とりわけ奥村さんの軽やかな動きと綺麗なラインが目立っていたかと。17日にはその友人の一人だった木下さんがこの日は道化で、お芝居・踊りともに達者なところを見せていました。 オールラウンダー的なダンサーが多いのも新国の強みですね。

主役を筆頭に出演者すべてが生き生きとして素晴らしい、バレエファンには最高のクリスマスプレゼントとなった舞台でした。


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新国立劇場「シンデレラ」 12月17日
2018/01/03(Wed)
新国立劇場の「シンデレラ」、かなり時間が経ってしまいましたが、キャストを残しておきたいので備忘録としてごく簡単に。
今回は、絢子ちゃんと雄大君の他に柴山&渡邊ペアを見に行きました。 どのキャストも魅力的で、特に中家さんの王子はと~~っても見たかったのですが、絢子姫&雄大王子で締めくくる事にこだわる自分・・・、ただの狭量とも言いますが・・・。 それはさておき、柴山さんのきっちりとした踊りは好きですしお相手も王子役を見てみたかった渡邊さんなのでチケットを早々にゲット♪

シンデレラ:柴山紗帆
王子:渡邊峻郁
姉娘:菅野秀男
妹娘:高橋一輝
仙女:木村優里
春の精:広瀬碧
夏の精:飯野萌子
秋の精:奥田花純
冬の精:細田千晶
道化:井澤諒
ナポレオン:小野寺雄
ウェリントン:貝川鐵夫
王子の友人:井澤駿、木下嘉人、中家正博、小柴富久修

柴山さんは、動きが大きく楷書的で安定感のある踊りがともかく上手いし綺麗です。 音取りも正確ですよね。 2幕の王子とのPDDもソロも落ち着いていて良かったです。 彼女はバランスの良い体型の上に形の良いほっそりとした脚の持ち主なのでチュチュが良く似合いますね。 
役作り的には、もの静かでおっとりとした控えめな感じのシンデレラ。  感情表現の振れ幅がやや狭い感じがして、もうちょっと押し出しが強くても良かったと思いますが、無欲の心優しい少女がその純真さに触れた魔法の精のおかげで幸せをつかんだという物語には見えました。

真ん中で踊るのを初めてみる渡邊さん、出の瞬間から主役らしい存在感があって、まさにプリンスな佇まい。 最初の上手と下手でのカブリオールのようなジャンプの高さには目を見張りました。 ソフトタッチの踊りもいいですね。 ただ、ラインが若干ゆるいように見えたところもあるのでそのあたりは今後に期待です。 演技は自然で柴山さんを上手くリードしていたと思います。

菅野&高橋sistersは初コンビですよね? 菅野さん、とても芸達者なところを見せていましたが、なかなかに骨太な感じの男臭い(笑)アプローチでした。 高橋さんとのかけあいも息がぴたりと合っていてドタバタで色々楽しませてくれましたが、3幕のシンデレラとの別れのシーンではほろっとさせられましたねぇ。

仙女の木村さんは相変わらずほっそりとスタイル抜群。 踊りも綺麗で安定していますが、上半身がやや前のめり気味に見えるのがちょっと気になりました。 
四季の精では秋の奥田さんの音楽的で正確な踊りと冬の細田さんが良かったです。 細田さんは出のポーズだけでも存在感が格別でとても目を惹きます。 終始クールな雰囲気ながらニュアンスがきちんとつけられていて、アシュトンらしい歯切れの良さもあった踊りは見事でした。  飯野さんも音感が良く上手いのだけれど、夏はどうにも振付が好みでなくて・・・。
アシュトン版シンデレラのハイライトの一つでもある星の精たちの踊りもスピーディーでマジカルな感じがとても良かった。 何度見てもこのシーンは感動します。

道化はKバレエから新国に移籍してきた井澤諒さん。 2009年のピーター・ラビット以降、Kバレエは見ていないので井澤さんを見るのは初めてなのですが、とても綺麗に踊るダンサーですね。 ただ、溜めのあるエレガントなラインを描くダンサーなので、道化のような踊りよりも白鳥のトロワなどで真価が発揮されるような気がします。 
弟の駿さんは王子の友人役で登場。 王子の4人の友人はいろんな意味でけっこう豪華なメンバーを組んでくれるのでいつも楽しみにしているのですが、4人ともきちんとノーブルな王子の友人でした♪ 個人的には中家さんの背筋がピンと伸びている綺麗なクラシックラインが好みでした(やっぱり王子見たかったよぉ!)。

この日は日曜のマチネという事で、客席にはお子さんがとても多かったのですが、1幕のラストでシンデレラの乗った馬車が出てきた時に凄い拍手が沸き起こったのには驚きました。 でも、そうなんですよね! かぼちゃが姿を変えたシンデレラの魔法の馬車って夢の世界への入り口ですものねー。 子供の頃の感性をちょっとだけ思い出させてもらったような気がしました(ちなみにアダルト向けの19時開演の22日の舞台では拍手はなかったです)♪ 

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キエフ・バレエ 「くるみ割り人形」 12月24日ムロムツェワ&ヴァーニャ
2017/12/24(Sun)
本日初日のキエフバレエ「くるみ割り人形」のマチネを見て来ました。

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今日は眠りの妖精やバヤデルカのパ・ダクシオンで目を惹いていたほっそり長身美人のアンナ・ムロムツェワの日本公演での初主演。 温かく見守るぞ!なんて気持ちでいったのですが、とっても落ち着いていてヒヤヒヤさせられるところも一つもなく、演技も自然で主役らしい華もあって期待以上のとっても良い舞台でした。
なので新国の「シンデレラ」など、溜まっているものはたくさんあるのだけれど、先にささっと!

ムロムツェワ、身長はどのくらいあるのでしょうね? 175センチは軽く超えてますよね? ほっそりとして腕も足も長く、その長い脚は形もとても綺麗です。まぁ、そんなだから、少女っぽい可憐さはあまりありませんでしたが、踊りは長い手足を持て余すこともなく、ラインがとても美しくエレガント。 音楽もきちんと捉えていて、テンポが速くなっても遅れることなく雑な動きにもならない。 曲の終わりにも動きをきちんと合わせていて見ていて気持ちがいいです。 今年の一月に見た時よりも踊りがとても上手くなっているのではないでしょうか。 回転系も軸がまっすぐ安定していて綺麗だし、リフトも難なくこなしていました。 今日の舞台で、これからもっといろいろ見たい、さらにお気に入りのダンサーになってしまいました♪

パートナーはヴァーニャ。 長身のムロムツェワをすっぽり包み込む身長があるので、二人の並びは壮観というか・・・、くるみでこんな巨大なペアは見た事ない・・・(笑)。 ヴァーニャもジャンプの高さやダイナミックさは相変わらずですがクラシックラインが以前よりも綺麗になりましたね。 踊りもサポートも安心して見ていられます。 ムロムツェワとの息も合っていて長身の二人の踊りは華があるし、リフトなどはとても見応えがあります。 それに二人とも清廉さというかちょっぴり控えめなような感じや上品さを持っていて雰囲気が合っているのもいいですね。 二幕のGPDDも正統派できっちりと。 ムロムツェワはここで初めてチュチュになりますが、並外れたスタイルの良さに改めて目を見張りました。 この二人の白鳥をと~~~~っても見てみたい!!
 
一幕の雪の精のコール・ドは18人でしたが、初日からとても揃っていて動きも良く、また足音もほとんど聞こえません。 ムロムツェワもジャンプの着地くらいしか音を立てていなかったし、このあたりはさすがキエフです。
二幕のディベルティスメントもみな良かったですが、スペインとロシアの女の子はこのツアー注目したいかな。 カザチェンコの東洋も相変わらず抜群の身体コントロールで魅力的でした。
そして私は全く気が付かなかったのですが、お友達によれば、シュタールバウム夫人はキャスト変更でフィリピエワが演じていたのだそうです。 素敵なお母さんとは思いましたが、彼と並んでいる時だけはムロムツェワが可愛い少女に見えるハイタワーなお父さんの方に気が行ってしまって・・・(笑)。

26日は150周年記念ガラを見に行きます。 日本初演の「リレーヤ」「フィガロの結婚」よりの抜粋が見られるのも嬉しいですが、何といってもずっと見たいと思っていた「森の詩」をカザチェンコとヴァーニャで見られるのが楽しみです♪


戌です・・・。
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新国立劇場バレエ「くるみ割り人形」 11月3日ソワレ(小野&福岡)
2017/11/13(Mon)
3日のソワレはこの作品のファーストキャストでの2度目の舞台。 こちらも2度目の観賞という事で意表を突かれたりという事はなくなったせいで落ち着いてみる事ができました。 作品自体について思うことは変わりませんが、キャストが変わった事により印象が違ったところもいくつかありましたので、ソワレについてはその点だけ思いつくまま。 自分の席もかなり前方中央に変わりました。

一番はなんといってもやはり絢子ちゃんと雄大君!!  大好きなペアという欲目があったにせよ文句なしに素晴らしかった。 一幕終わりのクララと甥とのPDDでは、憧れの人との夢のような出来事にときめき高揚するクララの一瞬一瞬の感情を繊細にリアリティーをもって表現する絢子ちゃんにくぎ付け。 リフトの多い振付にクララの衣装がジュリエットの衣装のようだったり、雄大君のクララを全身で受け止める包容力溢れる男らしさと笑顔も最高で、まるでロミジュリのバルコニーのように甘美な世界。 二人の感情がダイレクトに伝わって来て、胸が熱くなりました。  まさか、ここでこんなに感動するとは・・・。 リフト多用の振付が生かされたのは唯ちゃんとムンタギロフのペアだったと思いますが、音楽を生かし流れるようなムーヴメントでその振付にしっかり物語を息づかせたのはこの二人ならではだとしみじみ思いました。 甥に向かって駆け出す一歩、からめる腕にもクララの感情が溢れているのですよね!
もちろん二人とも踊りは盤石。 
二幕のGPDDは一幕の2人がさらに大人になって幸福の中にいるというような温かモードと貫禄のようなものも漂っていたように思います。 絢子ちゃんの柔らかく音を纏ったような踊りと、雄大君のダイナミックながらソフトタッチで常に余裕のある踊りが素晴らしかったです。 ちょっとした間合い、さり気ないシンクロ具合などもさすがのパートナーシップ。  
ペアが固定されている事にマンネリ感が拭えなかったり、また違うパートナーだったら新たな何かが引き出されるかもしれないという思いもあるかもしれません。 でも、それでもやっぱりこの2人! いつまでもペアを組んで踊り続けて欲しいと改めて思ったソワレの「くるみ割り人形」でした。 年間の公演数がもっと多ければいろいろありかなとも思うのですが、現在の公演数だと・・・。

他のダンサーも皆見事なパフォーマンスでした。
ねずみの王様の奥村さん。 井澤さん同様ノリノリで生き生きしていました。 動きも大きくてコミカル色も一層濃く出ていたように思います。 終演後の舞台挨拶の時も勢いは止まらず、隣の絢子ちゃんの手をカリカリとひっかいてちょっかいを出していたのがとっても可愛いかったので、バクランさんが2人の間に入っちゃって残念~~(笑)  そうそう、マチネの井澤さんは手に持ったネズミの頭部だけをカーテンから出して可愛く動かしていましたっけね。 あぁいうの、子供たち大喜びですよね!
そしてドロッセルマイヤーの菅野さんはミステリアスな貝川さんとは一味違い、落ち着き払った策士のような雰囲気もあり。 
本島美和ちゃんのシュタルバウム夫人もとても目を惹きました。 パーティーのホストとしての客人たちへの気遣いぶりやクララやフリッツへ向ける母親としての温かいまなざしなど、役のなりきり方が本当に凄い。 美和ちゃんに呼応するような貝川さんの演技もまた上手く、パーティーシーンをしっかり引っ張っていたように感じました。
ディベルティスメントも皆良かったです、 ロシアの福田さんはこういった役の第一人者としてさすがなパフォーマンスでしたし、スペインの寺田さん、渡辺さん、木下さんも躍動感のある明るい踊りが良かったです。 アラビアの優里ちゃんは、ほっそりスタイル抜群ですねぇ。 蝶々の細田さんのラインの綺麗なしっとりとした踊りも素敵でした。


ダンサーたちのクオリティーの高さで良い舞台ではありましたが、次の上演の際には今回上がった観客からの意見や感想を吸い上げた上で、さらに良い作品になるよう練り直して欲しいと思います。 特に一幕のなんとなく物語として繋がっていかないような流れと、ガラのような淋しい二幕はもう少し工夫していただきたいなと。
びっくりするほど大きくて立派なクリスマスツリーと同じくらい(笑)、わぁぁぁっという感動と楽しさと美しさに溢れた作品になりますように♪ 

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新国立劇場バレエ「くるみ割り人形」 11月3日マチネ(米沢&ムンタギロフ)
2017/11/11(Sat)
イーグリング版の1幕の大まかなストーリーは・・・。
クリスマスパーティーの準備をするシュタウバウム家の家族、クララ(12歳の少女という設定で子役が演じる)・フリッツ・ルイーズ・母親などの様子が描かれ、暗転後、外の様子で次々に訪れる招待客やスケートに興じる人々が見られる。 スケートはちゃんとエッジのあるスケート靴を履いていてけっこう本格的(笑)。 (でもあれどうなっているんだろう? エッジの中に小さいローラーがあるんですか?) 最後にドロッセルマイヤーとその甥が到着して舞台はパーティー会場へと変わる。
アルルカン、コロンビーヌ、ムーア人の踊りは仮面を付けたクララの姉ルイーズと彼女を慕う3人の男たちによって子供たちを楽しませる余興として踊られる。 聖ニコラスが良い子たちに贈り物を渡すもののなぜかクララはもらえない。 一人で泣いているクララにドロッセルマイヤーがくるみ割り人形を渡す。 大喜びのクララはくるみ割り人形を床に置き人形に踊りを披露する。 フリッツがやってきて人形を壊し、それをドロッセルマイヤーが直すのはお約束。 シュタルバウム夫妻と祖父・祖母のグロースファーターの踊りをもってパーティーは終わり、客人たちが三々五々と帰り始める。 ドロッセルマイヤーと甥もシュタウバルム夫妻に別れを告げ去ろうとすると、クララが甥を呼び止めて髪を結んでいたリボン?を渡す。 クララは甥に淡い恋心を抱いていて、別れた後も何度も振り返るんですよね~♪  ただ、12歳というには子役さんはもちっと子供、小学校に上がったばかりくらいに見える。 プレゼントをもらえなくて一人泣いてる12歳ってのもね・・・。
自分の部屋に戻りベッドに入ったクララの側にネズミの王様が現れ、なにやら怪しい魔法?をかける? うなされたクララは目を覚ますとくるみ割り人形の事が気になり広間へ向かう。 
紗幕が上がり(ここまでずっと紗幕越しだったんですよ! すっごいストレスでした!!)、広間に駆け込んできたクララは18歳の乙女。 ここでようやくヒロインの登場です。 その後はお決まりのネズミとおもちゃの兵隊たちの戦いのシーンになります。 子ネズミがほんとにちっちゃくて可愛かったな。 この戦いのシーンはけっこう力が入っていましたね。 ねずみの大砲の弾がチーズだったり、捕らえられた兵隊たちを運ぶ車が出てきたり、兵隊の放った大砲の弾がポロリとこぼれてそれをクララとネズミの王様があーだこーだ(笑)してたり・・。 ここは子供の観客を楽しませたかったのかな? くるみ割り人形を助けるためにクララはスリッパを投げつけるんじゃなくて、勇敢にも王様の尻尾をいきなり引っ張りにかかるのね・・・。 そして怪我をして倒れていたくるみ割り人形はどこかの王子様ではなく、クララの憧れの甥に変身します。 2人のPDDがあってその後また甥はネズミたちにくるみ割り人形に戻されて雪の精たちの踊り。 ワルツの最後に現れたねずみたちに再び襲われたクララとくるみ割り人形はドロッセルマイヤーが用意した気球に乗り込み窮地を脱します。 いきなりゴンドラチックな乗り物が降りて来た時にはまたゴンドラか(眠りのオープニング)と思いましたけどねー。 しぶといねずみの王様は諦める事無くゴンドラの下ににぶるさがって一緒に空の彼方へ・・・。

ムンタギロフは特別なファンではない私でも見とれてしまうくらいの素敵な青年になりましたねー。 今みたいに短めの髪の方が爽やか感が増して好きだなぁ。 所作もとってもエレガントでこの優しそうな美青年に12歳のクララが淡い恋心をいだくのにとっても説得力があります。
彼の踊りは端整でパの一つ一つにも気品が漂い、ジャンプやザンレールなどの回転の着地は常に余裕があって綺麗に決まります。 18歳のクララの唯ちゃんに向ける爽やかで優しげな表情もとても魅力的。
唯ちゃん、ほっそりした体のラインが綺麗にしなり、細かいステップも鮮やか。 ムンタギロフとの舞台はこの日が初日ですが、2人で舞台数を重ねてきただけあって息はよく合っていました。 自分の観賞記録をチェックしてみたら、唯ちゃんとムンタギロフのペアを見るのは今回が初めてみたいです。 一度見ていた気がしていたのだけれど、どうもそれは絢子ちゃんとのバヤだったらしく。
私の席は一階のかな~~り後方の中央で、舞台を遠くから見下ろす感じだったのですが、リフトがこれでもかというくらいに多用されている1幕最後のクララとドロッセルマイヤーの甥(名前が欲しいぞ!!)のPDDは、身長差のある2人が演じる事によって高さというのが強調され効果的に見えたように思います。 もちろんムンタギロフの安定したサポートとリフトされている唯ちゃんの体のコントロール力があってこその美しさですが。 この振付が良いとは思わなかったけれど、二人のおかげでとても美しいPDDではありました。 
重要度がかなり高いねずみの王様は頭部がすっぽり隠れる被り物のためダンサーの顔は見えません。 目玉が赤く光ったりとそれなりに凝った作りですが、毛が少なくて短くて骨ばっていて餓死寸前っぽい(笑)。 なかなかずる賢い悪党で、好みとしてはもっと威厳のある正統派が好きですが、けっこうコミカルなキャラクターで憎めない感じではありました。 ダンス的にはダイナミックなジャンプあり、腰振り振りノリノリダンスありとお芝居と合わせてけっこう美味しい役どころですね。 井澤くんの今までのイメージからはちょっと結びつかなかったのですが、けっこう楽しんで演じていたんじゃないかなと思います。 こういう役を経験すると表現の幅もぐんと広がって主役を踊る時にもきっといい変化が出るのではないかしら。 
ルイーズと取り巻きの踊りは、ムーア人の代わりのピルエットが入ったアップテンポな踊りはともかく、アルルカンとコロンビーヌの部分は中途半端なリフトが多く、曲にあった振付とも思えないし、子供たちを喜ばすにしても中途半端な感じで、なんだかな・・・でした。 池田さんは綺麗に踊っていましたけどね。
ドロッセルマイヤーの貝川さんは長身なのでムンタギロフとの並びも良く、狂言回し的な役をミステリアスな雰囲気も漂わせながら好演していました。 白塗りに黒い目周りの化粧がちょっと怖い気もしましたが・・・(笑)
一幕最後の雪の結晶のコール・ドの踊りは、若干煩げに見える振付すら綺麗に見せる完成度の高い美しいものでした。  リードの柴山さんと渡辺さんもラインのはっきりした踊りでとても良かった。 途中で24人(だったかと・・・)のダンサーが横何列かに並び、跪いたような状態で音楽のワンフレーズを使い、前列の一番右のダンサーから一人ずつけっこうな速さで腕を大きく回す(白鳥のコール・ドが膝を折って座り一人ずつ羽をたたんでいくみたいな・・・)振付があるのですが、最後列の一番左のダンサーがその振りを終える時にぴったりと音楽も終わるという神業を見せていました。 心を一つにさせて音楽を聞いてこそのあのシーン、さすが新国のコール・ドです。 本当に美しく素晴らしい雪の結晶たちの踊りだったのですが、最後にねずみたちが乱入して来るので幻想的な世界が一変してしまう。 オリジナルのENB版がそうなのでしょうが、新国バージョンではコール・ドの美しさを最後までもっと大事にして欲しかったと思います。 


続く2幕。
気球が向かったのはお菓子の国という通常設定らしいのですが、なんとなくタージ・マハルを連想させるような館が舞台奥に設えられ、両袖には円柱のようなものが3本ずつくらい並んでいるだけというとてもシンプルな舞台装置。 
ここまでしぶとく追いかけてきたものの、ねずみの王様はとうとうくるみ割り人形にぐさっと一突き刺されてジ・エンド。 
めでたしめでたしという事でドロッセルマイヤーが進行役となり祝祭(と、プログラムに書いてある)が始まります。 が、祝祭というには淋しすぎるステージ。 ドロッセルマイヤーしかいない舞台でディベルティスマンの踊りが一組ずつ出てきてはその場に残る事無く引っ込んでしまい、まるでガラ公演を見ているような雰囲気でした。 うぅーーーむ。 ドロッセルマイヤーが見せるマジックショー?? 物語性がないというよりも舞台に温もりがない・・・。 それぞれの振付も特に秀でたものではなかったように思いますし、ともかく盛り上がりに欠けていたのが残念。
でも、ダンサーは皆素晴らしかったですよ! 新国のダンサーらしく洗練された質の高いパフォーマンス。 個人的に魅力的だったのは本島美和ちゃんのアラビア。 担ぎ手が4人もいるのでここでもリフトはてんこ盛りですが、パッとしない振付を美和ちゃんの存在感で押し切っていた感じです。 手で顔を隠して立っているだけでも全身から妖艶さが発せられていますしたしね! ロシアの小野寺さんも脚力がしっかりしていて溌溂とした踊りが良かったです。 スペイン、アラビア、中国ロシアと来て、なぜフランスが一人で踊る蝶々なのかイマイチ分からなかったのですが・・・。  
あ、セットがもう一つあったのでした。 上品なオレンジ色の花が連なるアーチ型の吊りもの(まさか、それで蝶々なの??)。 その花の色に合わせて花のワルツの女性の衣装は黄色がかったオレンジで寺田さんと細田さんの二人が濃いオレンジ。 別に決まり事ではないですが、花ワル=ピンクというイメージがあったので(教えてもらったのですがKバレエは黄色なのだそうです)、違和感がぬぐえないまま終わってしまったような気もします。 ただ、ダンサーたちの踊りはもちろんここでも美しく、寺田さんと細田さんと組んでいた原健太さんと浜崎恵二郎さんも二人で踊る見せ場があってなかなか良かったです。 
そしてそんなもやもやを吹き飛ばしてくれたのが唯ちゃんとムンタギロフのGPDD。 さすがにここはそれほど手を入れられてはいなかったのでゆったりとした気持ちで見ていられました。 ここでも二人の息はぴったりで格調高いパフォーマンス。 ムンタギロフは手先爪先まで綺麗でエレガントなムーヴメント。 ヴァリエーションも素晴らしかったです。 唯ちゃんの安定感抜群で一つ一つがぴたりと決まる踊りも見事。 
フィナーレはディベルティスメントや花ワルのダンサーも加わり、ようやくくるみらしいおとぎの国の世界が見られました。 
突然舞台は照明で切り替わり、子供のクララが舞台上手手前の自室で目を覚まします。 今の出来事は夢!? 部屋に入ってきたフリッツと窓の外をのぞくとドロッセルマイヤーと甥が家路につく姿が。 二人は急いで外へ出て彼らを見送る。 遠くには空高く昇ってゆく気球が見える・・・。 


とまぁ、とっても素敵だった~、面白かった~とは言えないイーグリング版「くるみ割り人形」だったのですが、ダンサーたちは本当に素晴らしかったです。 しつこいですが・・・・・。
(マチネで見たときは、最後のシーン、朝が来てフリッツがクララを起こしに来たのかと思ったら、窓の外は真っ暗でまだ夜な感じにびっくり。 クララがベッドに入ってほんの5分くらいしか過ぎていないんですかねー。 それにしてもフリッツは白の半そでTシャツに短パンという小学校の体操着みたいだし、クララはノースリのネグリジェで。 最後外に出ていくんだったら、フリッツにはパジャマ、そして二人ともガウンを羽織って・・・くらいのきちんとした演出はして欲しいものです)

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新国くるみ マチソワ
2017/11/03(Fri)
新国立劇場「くるみ割り人形」、本日マチソワして来ました。
米沢&ムンタギロフ、小野&福岡の両ペアともそれぞれの良さを十分発揮し、出演ダンサーたちもすべてが良かった舞台。
ムンタギロフの踊りは柔らかくて美しく、唯ちゃんのダンスはほんとーに完璧。 絢子ちゃんはもうあぁいう役は絶品としかいいようがない。 そして雄大君と二人で作り出す世界はやはり特別なものがありますね~~~!! 雄大君も好調そのもの。
ただ、プロダクションについてはいろいろつっこみたいところが・・・。 
感想はまた後日、先に今日のキャストだけアップしておきます。 

明日は、チャイコフスキー&くるみ繋がりで?(笑)静岡までフェドセーエフさん率いるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラのコンサートを聴きに行きます。 今回の日本ツアー、もちろん東京でも3回の公演がありますが、フェドセーエフさんセレクションの三大バレエ音楽がプログラムに組まれているのは静岡公演だけのようなのです。 スネアのサモイロフさんの演奏が聞けるのも楽しみ!!
三大バレエ音楽~フェドセーエフ・セレクションはこんな感じ。 

 「くるみ割り人形」より 花のワルツ、葦笛の踊り、ロシアの踊り、終幕の踊り、アラビアの踊り、祖父の踊り、子守唄、情景・深夜  ~クリスマスツリー
 「眠りの森の美女」より パノラマ・ワルツ
 「白鳥の湖」より ポーランドの踊り、ナポリの踊り、スペインの踊り



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パ・ド・ドゥ for Toes and Fingers 9月29日
2017/10/06(Fri)
「アモーレ」には行けませんでしたが、9月29日(金)のレーピンとの「パ・ド・ドゥ for Toes and fingers」には行って来ました。 (こちらにこのプロジェクト、ザハロワ、日本について語ったレーピンのインタビューがあります。)
6月のボリショイ来日ではザハロワの公演は見なかったので、かなりお久しぶり。 相変わらず極細だけれど最後までスタミナは十分で余裕のパフォーマンスでした。
 

☆N・パガニーニ:“ヴェネツィアの謝肉祭”による変奏曲 op.10 


バレエ「ライモンダ」より“グラン・アダージョ”
音楽:A・グラズノフ
振付:牧阿佐美
スヴェトラーナ・ザハーロワ、デニス・ロヂキン

ザハロワのパートナーに投げかける視線、差し出す腕はジャンへの愛を感じさせましたが、相手がロヂキンじゃぁライモンダを包み込む包容力でうっとりと甘い世界に誘うのは難しいわよね・・・というロヂキン不感症の私。


☆P・I・チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」より“レンスキーのアリア”
編曲:レオポルト・アウアー


「プラス・マイナス・ゼロ」
音楽:アルヴォ・ペルト「フラトレス」
振付:ウラジーミル・ヴァルナヴァ
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ウラジーミル・ヴァルナヴァ

プログラムを買っていないので内容は全く分かっていないのですが、2人の関係がいろいろぶれながらもバランスをとっているのだというような事なのでしょうかねぇ?? ザハロワの切れのある動きとしなやかさを感じた作品。 ヴァルナヴァの身体能力の高い素晴らしいダンサーで2人の息もよく合っていましたよね。  


☆M・ラヴェル:「ツィガーヌ」


「レヴェレーション」
音楽:ジョン・ウィリアムス「シンドラーのリスト」より(録音音源)
振付:平山素子 
スヴェトラーナ・ザハーロワ

個人的には一番見たかった作品でこの日一番心に残った作品。 「Revelation」というタイトルをどう解釈するべきなのかはわかりませんが、天啓を受けて恐ろしがっているようにも、うろたえ苦しんでいるようにも見え、それに必死で抗っているような・・・。 全然的外れだったら観賞する資格なしですが(笑)、神の意思に翻弄されながらも強くあろうとするようなザハロワの凜とした表情と哀しみの表情の対比が印象的。 シンドラーのリストの曲の前あたり?彼女が床にうつぶせになり、まるでそのまま天まで運ばれるのか思うほどに四肢をふわりと上げてお腹の一部しか床についていなかったあのポーズも目に焼き付いています。 すんごい筋力ですよね・・・。 ザハロワ自身もお気に入りの作品らしいですが、恐ろしいほどの集中力で作品世界に没入しているように感じました。

話はそれますが、この哀切きわまりない曲を聴くとソチ五輪でのリプニツカヤの見ていて胸を締め付けられるような切なく可憐な演技が今でも思い出されます。 が、彼女引退してしまったのですね・・・。 


☆F・ワックスマン:カルメン幻想曲 


「ヘンデル・プロジェクト」
音楽:G・F・ヘンデル(録音音源)
振付:マウロ・ビゴンゼッティ 
スヴェトラーナ・ザハーロワ、デニス・ロヂキン

両脇が大きな網目模様でちょっとクラフトアートチックな一風変わった白いチュチュ姿のザハロワ。 意味深におすまししたような顔に見えたので、もしかしたら「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」みたいなコミカルな作品なのかと思いましたが、そうではなく。 こちらもザハロワの肢体がダイナミックに美しいラインを描くのを堪能。 ザハロワを見ていると、好みとはいえ、美しい肢体の雄弁さ、他を圧倒する絶対的な力のようなものを感じます。  
ロヂキンはあまり記憶に残っていないのだけれどサポートは安定していて踊りも良かったかと。 衣装はちょっと見上半身裸?と思わせる淡いベージュの薄~いランニングのようなものとタイツでした。 


☆P・I・チャイコフスキー:「ワルツ・スケルツォ op.34」


「瀕死の白鳥」
音楽:C・サン=サーンス
振付:ミハイル・フォーキン
スヴェトラーナ・ザハーロワ

レーピンのヴァイオリンとハープで奏でられ、ザハロワは儚さこの上なく気高さに溢れた白鳥でした。
ただ、楽器としては物悲しくもどこか温かな音色のチェロの低音が聴きたかった気がしなくもなく・・・って贅沢か。  


☆M・M・ポンセ:「エストレリータ」


「レ・リュタン」より
音楽:H・ヴィエニャフスキ「カプリース イ短調」(クライスラー編曲)より
A・バッジーニ「妖精の踊り」より
振付:ヨハン・コボー
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン、ドミトリー・ザグレービン 

2012年のコジョカルのドリームプロジェクトで、コジョカル、マックレイ、ポルーニンで見て以来。 「おはよーございます!」と明るく挨拶しながら颯爽と現れたロブーヒンがレーピンのヴァイオリンと張り合うように技巧を誇示。 なんとなくロブちゃん、抑え気味で本調子じゃないのかどこか痛めているのかとちょっと気になりましたが。 続いて現れたザグレービンは切れのいい跳躍と回転。 レーピンそっちのけで今度は2人のテクニック合戦になるのだけれど、炸裂!というにはちょっと弱かったかな? そしてサスペンダーパンツ&お下げ髪のザハロワが登場。 後ろ向きで腰を振り振りなんだけれど、やっぱりなんつーかお色気を振りまききれずにに上品なのがザハロワだなと(笑)。 でもロブーヒンとザグレービンとの掛け合いもとっても可愛かったし、踊りにもキレがあって良かったです!  最後にヴァイオリニストに心奪われていくところもとっても自然でいい笑顔だったしね(笑)。 
 


音楽(☆印)とバレエが1演目ずつ交互に並べられたプログラムですが、レーピンは録音音源だった「レヴェレーション」と「ヘンデルプロジェクト」以外は出ずっぱりで立ちでの演奏。 温もりを感じさせるたっぷりとした中音がいい音ですね。 技巧的に高難度の曲ばかりでしたが、ゆったりとした構えのままさらっと事も無げに弾いてしまうのはさすがです。 オープニングの「“ヴェネツィアの謝肉祭”による変奏曲」はコンサートのアンコール曲としてよく弾いてくれた曲なのですが、ヴァイオリン独奏と今日のように小編成ながらアンサンブルがバックにつくとだいぶ曲のイメージが変わります。  また、偶然にも「カルメン幻想曲」と「ワルツ・スケルツォ」は2日前にシュパチェクのエネルギッシュで爽快な演奏で聞いたばかりでしたが、レーピンの演奏はアンサンブルとのバランスも考えた鳴らし方でとても味わい深い演奏だったように思います。

フィナーレは男性ダンサー4人がジャンプや回転などをそれぞれに披露してくれて最後にザハロワがグランフェッテで〆るという華やかな趣向。 カーテンコールがあまりにも盛り上がったので、ザハロワの合図でフィナーレagain! 一回目よりも長~~くグランフェッテを続けたザハロワに会場は総立ちで盛大な拍手で応えるという出演者と客席が一体となった素敵なフィナーレ♪ 
なんども視線を合わせるご夫妻は本当に幸せそうでしたし、客席を見て頷きながら微笑んでいたザハロワはとても満足そうでした。
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ルグリ・ガラ ~運命のバレエダンサー~ Aプログラム  8月25日
2017/09/10(Sun)
もう2週間以上経ってしまいましたが、Bプロもアップした事ですし、8月25日に見たルグリガラのAプロの感想を備忘録的に。


『海賊』第3幕よりオダリスク
音楽:A.アダン
振付:M.ルグリ
ニキーシャ・フォゴ、ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子

ルグリ版「海賊」でもこのオダリスクは第3幕のトルコ総督の宮殿で踊られるとの事で、それぞれに力強い足さばき、大きな跳躍、素早い回転を見せどころとしているそうです。 マイヤー、柴本さん、フォゴの順番でしたが、そういえばそんな感じ?くらいの怪しい記憶・・・。 華やかな中にも瑞々しさがあって良かったですが、用いられている音楽が聞きなれている音楽ではなかったのが妙な感じがしなくもなく(笑)


『ライモンダ』第1幕よりアダージョ
音楽:A.グラズノフ
振付:R.ヌレエフ
ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック

ヌレエフ版の「ライモンダ」はおそらく初見だと思います。 リフトも多めな振付でしたが、フェイフェルリックにはちょっときついかな。 存在感や技術面でまだこの演目は彼には荷が重過ぎるように感じました。 ポラコワはきちっと踊っていましたが、やや地味というか・・・。 パートナーの心許なさもあってロマンティックな一場面というには今一歩。


『I have been kissed by you…』
音楽:M.リヒター
振付:H.マルティン、P.d.バナ
エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ

一回見ればいいかなぁぁぁという。


『…Inside the Labyrinth of solitude』
音楽:T.ヴィターリ
振付:P.d.バナ
ジェロー・ウィリック

ウィリックはこのとってもタフな作品を4日連続で踊ったのですね。 この日は23日と比べると少し疲れているように見える時もありましたが、終盤のマネージュでは勢いと切れの良さもあり、最後までしっかりと演じきったのは見事だったと思います。 作品の表現にも秀でたダンサーだと思います。


『ラ・フィユ・マルガルデ』
音楽:F.エロルド
振付:F.アシュトン
ナターシャ・マイヤー、デニス・チェリェヴィチコ

マイヤーがとってもキュート♪  アシュトンの脚裁きは難しいなと思ったりもしましたが、踊りそのものは軽快。 一方のチェリェヴィチコはサポートにやや不安なところがありますが、ソロの踊りではバネのきいた彼らしい踊りを披露していました。


『マニフィカト』より
音楽:J.S.バッハ(アニュス・デイ)
振付:J.ノイマイヤー(初演:シルヴィ・ギエム、マニュエル・ルグリ)
ニーナ・トノリ、ヤコブ・フェイフェルリック

若き日のルグリとギエムに振りつけられた作品。 トノリは小顔で幼さの残る顔立ちになんとなく華奢なボディラインをイメージしていたのですが、太ももや上半身は意外にボリュームがあるのですよね。  フェイフェルリックはルグリ直伝というわけですが、若い2人でこういう作品をしっかり見せるのも難しいですよね。

『じゃじゃ馬馴らし』
音楽:D.ショスタコーヴィチ
振付:J.C.マイヨー
オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

スカルラッティーを使っているクランコ版に対し、マイヨー版の音楽はショスタコーヴィチ。 ここで踊られたのは2幕のビアンカ(主人公カタリーナの妹)とその恋人のルーセンシオのPDDです。 ブルーのベアトップ風の上にロマンティックチュチュ風の巻きスカートみたいな衣装がシンプルながらとても綺麗でクールな雰囲気の彼女にとっても似合っていました。 ラインが本当に美しい踊りももちろんとても良かったですが、こんなに表情豊かで楽しそうな彼女を見たのは初めて。 チュージンが相手だからか、けっこう気の強そうなビアンカではありましたけどね(笑)
普通のシャツにズボンというあっさりした衣装のチュージンはもの静かな男の抑えた愛情というか? 相変わらずチュージン不感症の私ですが、踊りはとてもノーブルですね。 
この2人のシーンだけでもとても惹かれるものがあったのですべてを見てみたく、是非、ボリショイの次回の来日公演で「じゃじゃ馬馴らし」を持って来てもらいたいです!


『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
音楽:P.I.チャイコフスキー
振付:G.バランシン
マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ

チャイパドは音楽とどれだけ一体化できるかというのが気になるところですが、ヌニェスは溜めるというか引っ張るというか独特のアクセントも感じましたが、彼女が通り過ぎたところに花が咲き出しそうな、なんともチャーミングな踊りでした。
ムンタギロフの清潔感ある踊りも軽やかでとてもエレガント。 2人の間に自然な語らいも感じられとても良かったと思います。


『フェアウェル・ワルツ』
音楽:F.ショパン/ V.マルティノフ
振付:P.d.バナ
イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ

またしても一瞬にして観客を自分たちの世界に惹き込んでしまう2人が素晴らしい。 たった10分間くらいの物語に人生のドラマが凝縮されたような圧倒的なものがあって、ただただ魅せられてしまいます。



『ローレンシア』よりパ・ド・シス
音楽:A.クレイン
振付:V.チャブキアーニ
ニキーシャ・フォゴ、デニス・チェリェヴィチコ、
ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子、ジェームズ・ステファン、ジェロー・ウ
ィリック

ローレンシアとフロンドーソの結婚式のパ・ド・シスですね。 ウィーン国立劇場バレエ団のレパートリーに「ローレンシア」はないと思うので、このパ・ド・シスを上演したのはとても不思議な感じ。 まぁ、舞台上の人数も多いので見た目華やかだし、ダンサーも踊るチャンスが増えるし、後半の最初の演目には良いチョイスだったかもしれませんね。
ただ、ごまかしのきかないクラシックという事で、ステファンとウィリックがまだまだ成長途中である事が分かってしまったし、クラシックの踊りをレベル高く美しいラインでみせるというのは大変な事なのだと改めて思わせられたり・・・。 もうちょっとスペイン情緒なども欲しかったところですが、そのへんもこれからですね。
チェリェヴィチコはやはりサポートに不安な面が残りますが、フロンドーソの見せ場では持ち前のテクニックを発揮して面目躍如であったかと。


『Medea』
音楽:M.リヒター
振付:P.d.バナ
エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ

王女メディアと夫イアソン悲劇を描いた古代ギリシアの劇作家エウリピデスの作品から受けたインスピレーションが創作の源になっているとの事です。


『アルルの女』より
音楽:G.ビゼー
振付:R.プティ
イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ

初めてパリ・オペラ座の舞台を生で見たのは2003年なのでゲランの現役時代を見た事はないのですが、前回のバレエフェスの「フェアウェル・ワルツ」「こうもり」「ル・パルク」という全く性質の異なる作品で見せた円熟の極みのような舞台の感動は今でも心に強く残っています。 そしてこの日のヴィヴェットも素晴らしかった。  ヴィヴェットの切なく痛々しいほどに純粋な思いを現す繊細な表現。 そして信じられないようなあの愛らしいパ・ド・ブレでのいじらしさ。 現役時代に彼女を見ていたら、きっと大ファンになっていましたね、わたし。
ルグリの静かに自制心を失っていき同時に少しずつ狂気に取りつかれていくフレデリもまた圧巻。


『Movements of the Soul』
音楽:バルバトューキ、K.ディクソン、M.スタイン
振付:ニキーシャ・フォゴ
ニキーシャ・フォゴ

フォゴのリズム感と身体能力が生かされる前半がやはり楽しくて好きだなぁ。


『Murmuration』より
音楽:E.ボッソ
振付:E.リアン
ニーナ・ポラコワ、ヤコブ・フェイフェルリック、ジェームズ・ステファン

2013年にヒューストン・バレエ団のために制作され、ウィーン国立バレエ団でも2016年に上演された作品。 大群をなして渡る数百羽ムクドリが次々と空に描くパターンにインスピレーションを得て創造したそうです。 作品としてはデュオから群舞まで様々なダンスがあるそうですが、ここでは3人のダンスが上演されました。
といっても3人で踊っていたのは冒頭だけでステファンはすぐに上手にはけ、後はポラコワとフェイフェルリックのデュオでした。 ポラコワの柔らかいムーブメントと浮遊感が印象的。 個人的にはポラコワはこれが一番好みでした。  フェイフェルリックはAプロは3演目に出演と大活躍で、この作品はサポートも自身の踊りもしっかりしていて良かったと。


『海賊』第2幕よりアダージョ
音楽:L.ドリーブ
振付:M.ルグリ
マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ

Bプロでのポラコワとチェリェヴィチコの上演と同じシーン。 正直Bプロで見たときにはガラで抜くには少し物足りないと思っていたのですが、踊り手によってやはり違うのですね・・・。 ヌニェスの可憐さとムンタギロフの甘い包容力にエレガントな二人のダンスでとっても素敵なパ・ド・ドゥでした。
ウィーン国立バレエ団が来年の5月に来日し「海賊」を上演する事が発表されましたが、その際ゲストプリンシパルによる公演もあるとの事で、もしかしたらルグリお気に入りのムンタギロフが招かれるかもしれませんね。


『グラン・パ・クラシック』
音楽:F.オーベール
振付:V.グゾフスキー
オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

ルグリ&ゲランを除いて、この日私的白眉だったのがザ・クラシックなる世界を存分に堪能させてくれたグラン・パでのスミルノワ。 優雅で気品にあふれ、技術的にハイレベルな振りもアームスから足先までの美しいラインを壊すことなくさらっとやってのける。 久しぶりにこの演目で興奮してしまいました。 すご~~~い、スミルノワ!!  
チュージンもソロもサポートも良かったし、スミルノワとの息もよくあっていてペアとしても美しかったです。  
カーテンコールでは盛大な拍手。 特にスミルノワへの拍手は半端なかったですし、この日スミルノワに魅せられた人は多いでしょうねぇぇ。 次のボリショイ公演、その前に是非にも参加していただきたいバレエフェス、楽しみです!!


『Moment』
マニュエル・ルグリ ソロ(世界初演)
音楽:J.S.バッハ/F.ブゾーニ
振付:N. ホレツナ
マニュエル・ルグリ
ピアノ:滝澤志野


6月の終わりに完成したばかりというこの新作は、振付師のホレツナがルグリの一瞬一瞬を表現したいとして作ったストーリー性のない作品。 それを聞いたルグリが作品の題名をその場で「Moment」と名付けたそうです。
両手を広げたルグリがグランドピアノに突っ伏しているような姿で始まり終わるこの作品は、ピアニストにも音楽を奏でる伴奏者ではなくダンサーと心を通じ合わせてともに表現者である事を要求しているそうです。 
ルグリのムーブメントとラインは美しく、この公演のサブタイトルである”ダンスこそ我が運命”という彼の人生へと繋がるその一瞬一瞬を愛おしむようにも見える踊りでした。



Aプロも3時間20分という長丁場で、カーテンコールが終わった時には22時をまわっていたのではなかったかと思いますが、プログラムの構成も良く、やはりルグリとゲラン、ロイヤルとボリショイのペアの素晴らしいパフォーマンスもあり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。 
上述のダンサーたちとはまだかなりの差がありますが、ウィーン国立バレエの若手ダンサーを見られたのも良かったと思いますし、彼らが来年の海賊公演でどんな役を踊るのかも楽しみです。
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ルグリ・ガラ ~運命のバレエダンサー~ Bプログラム  8月23日
2017/08/29(Tue)
ルグリ・ガラ、23日のBプロと25日のAプロを見て来ました。 両プログラムとも休憩を入れて約3時間半という長丁場。 にさん、ちょっと辛いものもありましたが、長さを感じさせず中弛み感のないバラエティーに富んだ見ごたえのあるガラでした。 
Bプロの感想をさらっと♪


『エスメラルダ』
音楽:C.プーニ
振付:M.プティパより
ナターシャ・マイヤー、ヤコブ・フェイフェルリック

ナターシャ・マイヤーはウィーン出身で2012年に入団し2016年にソリストに昇進した若手。 比較的小柄ですが手足が長く頭が小さいのでとても見た目のバランスが良いダンサーです。 で、美人。 技術もなかなかで、体も柔らかそうで6時のポーズも得意ですって感じに(笑)すぅっと綺麗に上がるしなる脚が印象的でした。 
ヤコブ・フェイフェルリックもウィーン出身で2013年に入団し2016年にソリストに昇進したダンサー。 マイヤーと比べるとサポートにも踊りももうちょっと頑張りましょうねという感じでしたが、綺麗なラインも持っているので今後に期待したいです♪


『I have been kissed by you…』
音楽:M.リヒター
振付:H.マルティン、P.d.バナ
エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ

マルティンの白いフラメンコドレスは裾が3段のフリルになっていてフリルの長いトレインがついている。 そのドレスの裾から手が・・・そしてバナが姿を現す。 その後はいつものバナさんの作品ですが、マルティンのかっこいいドレス裁きに見惚れてしまいました。


『…Inside the Labyrinth of solitude』
音楽:T.ヴィターリ
振付:P.d.バナ
ジェロー・ウィリック

当初予定されていたダヴィデ・ダトの怪我による降板を受けての代役参加となったジェロー・ウィリックはベルギー出身、2012年に入団後2016年にデミ・ソリストとなったダンサー。
この作品はイワン・ワシーリエフに振りつけられ2011年に初演され「時間と空間の迷宮、時間と空間の概念を失う迷宮。 過去、現在、未来との出会い。 壊れた夢の瞬間、無と沈黙の瞬間」がコンセプトだそうですが、10分ほどでしょうか? ずっと踊りっぱなしのかなり体力を要する作品だと思います。 ウィリックはスピード感もしなやかさもあり全身全霊の渾身のパフォーマンスでした。
音楽は18世紀のイタリア人トマソ・アントニオ・ヴィターリというヴァイオリン奏者・作曲家の作品だそうですが、この曲がとても切なく美しい管弦楽で、特にヴァイオリンソロの感情を揺さぶるような美しい旋律には魅了されたのでCDを探してみたいです。 この音源自体素晴らしかったです。  


『海賊』第2幕よりアダージョ
音楽:L.ドリーブ
振付:M.ルグリ
ニーナ・ポラコワ、デニス・チェリェヴィチコ

ルグリがウィーンの芸術監督になったばかりの時に初めて見たポラコワもチェリェヴィチコもすっかりベテランになりましたね。 満点の星の背景と何気に高級素材感漂うお布団付きベッドがきちんと用意されていて雰囲気があります♪
きちんと踊れているしリフトもこなし、悪くはないのですが、いまいち高揚感がなかったかなぁ? 先ほどの作品同様、こちらも演奏がとても良く、弦の音色が美しかったです。


『Whirling』
音楽:P.グラス
振付:A.ルカーチ
ニーナ・トノリ、ジェームズ・ステファン

振付のルカーチはハンガリー出身の現役のウィーン国立バレエ団のダンサーだそうですが、ルグリが登用している新世代振付家の一人でもあるとの事。
動きのモチーフは旋回(whirling)なのだそうですが、回転よりも水中を漂う海藻のようなダンサーの動きが自分的には印象的。 
ニーナ・トノリはベルギー出身で2013年入団の現在ソリスト、ジェームズ・ステファンはイギリス出身、ロイヤル・バレエ学校卒業後2013年に入団した現在デミ・ソリスト。


『Movements of the Soul』
音楽:バルバトューキ、K.ディクソン、M.スタイン
振付:ニキーシャ・フォゴ
ニキーシャ・フォゴ

スウェーデン出身の二キーシャ・フォゴは2011年のローザンヌでゲイリーン・ストックの目に留まり英国ロイヤルバレエ学校に編入し、ウィーン国立バレエ団に2013年入団した肌の色が若干褐色のダンサーで現在はソリスト。
自身が5月に発表したばかりの作品で、赤の照明の背景に彼女のラインが黒いシルエットとして浮かび上がる(エチュードの始めみたいな・・)のが印象的で、日常の雑踏やポヨッという擬音のような音が使われているのも面白い。 身体能力は間違いなく高いダンサーですね。


『ジゼル』
音楽:A.アダン
振付:J.ペロー/J.コラリ
マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ

しっかりと「ジゼル」の世界に違和感なく惹きこんでくれた二人。 ヌニュスの慈愛に満ちたしっとりとした踊りとムンタギロフのノーブルな踊りは流石。 


『ファラオの娘』
音楽:C.プーニ
振付:P.ラコット
オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

ファラオの娘は2006年のボリショイ公演で見て以来、生のパフォーマンスはガラでも見ていないような・・・。 という事で全く覚えていないといってもいいくらいの2幕のアスピシアとタオールのPDDですが、タオールのアントルシャの連続はさすがに記憶に残っていました。 考えてみればチュージンは6月のボリショイ公演中に怪我で降板があったのですが、見事なアントルシャで会場からも大きな拍手。 衣装も似合って男らしくて良かったです。
スミルノワも風格漂う盤石の出来で、やはりロイヤルとボリショイのペアは別格としみじみ感じさせられました。 


『ランデヴー』
音楽:J.コスマ
振付:R.プティ
イザベル・ゲラン、マニェル・ルグリ

この演目を見るのは初めてでした。 黒いショートボブの鬘にダーク色な膝丈ドレスのゲラン。 その彼女の妖艶さと10センチはあろうかというヒールを履いた美脚に目が釘付け!! 相変わらずなんて美しい脚なのでしょうね。  冷ややかに危険な香りを放つゲランの大人の魅力と、そんな手の届かないような美女との夢のようなの時間に心浮かれるルグリの純情青年ぶりが秀逸。 

 

『タランテラ』
音楽:L.M.ゴットシャルク
振付:G.バランシン
ニキーシャ・フォゴ、ジェロー・ウィリック

ウィリックにとってBプロは体力勝負なプログラムですが、最後までエネルギッシュによく動いていたと思います。 フォゴも良かったですが、意外におとなしく纏めたように感じました。 前半の作品を見てもっと切れよく炸裂するんじゃないかと期待が膨らみすぎたかもしれません。


『Morzart à 2』より

音楽:W.A.モーツァルト
振付:T.マランダン
ナターシャ・マイヤー、ヤコブ・フェイフェルリック

フレッシュでヴィジュアル的にも満足度が高い良いペアですね。  肢体を十分に使って様々なポーズを取るのが面白かったといえば面白かったですが、それだけのような気も。


『フェアウェル・ワルツ』
音楽:F.ショパン、V.マルティノフ
振付:P.d.バナ
イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ

お互いに別れの時が迫っているのはわかっていても、それを認めたくはなく、少しでもそれを忘れたく・・・、もしかしたらこのまま別れなくてもいいかもしれない・・・でも・・・。 というような別れを前にした男女の切なくやりきれない心情がストレートに伝わってくる。
これもバナの作品なのだけれど、この2人が踊るとバナ言語が全く変わった形に見えるしとても自然にドラマティック。


『白鳥の湖』より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:P.I.チャイコフスキー
振付:R.ヌレエフ(1964年ウィーン版)
ニーナ・ポラコワ、デニス・チェリェヴィチコ

う~~~ん。 チャイパドの曲とパ・ド・シスからの何曲かがメインに使われているのですが、音楽のイメージと振付が合わないような感じで盛り上がりにも欠ける。 ここをガラで上演するとしたら相当なスターオーラがあって技術もラインも完璧なダンサーじゃないと無理なんじゃ・・・。 
 

『Factum』
音楽:K.コルホー
振付:H.マルティン、P.d.バナ
エレナ・マルティン、パトリック・ド・バナ

椅子に座っているマルティンを見てまた小道具に椅子か・・・と思っていたのですが(前半のI have been kissed by youのセットは10脚の椅子が様々な高さに上からつられていたのです)、作品の後半にI have been kissed by youのセットの椅子が上から降りてきて同じ状態に。 2作品は繋がっているのですね・・・。 しかし、バナが踊るバナの作品は分からなすぎ・・・。


『ジュエルズ』より “ダイヤモンド”
音楽:P.I.チャイコフスキー
振付:G.バランシン
オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン

硬質な感じの中にも少し柔らかさがあるような2人のダイヤモンド。 エレガントで気品もあり、ひとつひとつの動きも丁寧で美しくとても素晴らしかったです。
だからこそなのですが、自分にとっての最高のダイヤモンドはあまりにも特別なものなのだと痛感して、今、一つ願いを叶えてもらえるならば2006年のロパートキナとダニーラのあの公演の客席に戻りたいとしみじみ思ってしまったりして・・・。 この病気だけはどうにもならないわ・・・。



残念ながらこの日はどうしても21時半くらいには会場を出なくてはならなかったので、残り2演目はあきらめ、スミルノワとチュージンのカーテンコールを見届けてホールを後にしました。


『ドン・キホーテ』
音楽:L.ミンクス
振付:M.プティパ
出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ

『Moment』(世界初演)
マニュエル・ルグリ ソロ
音楽:J.S.バッハ/F.ブゾーニ
振付:N.ホレツナ
出演:マニュエル・ルグリ
ピアノ:滝澤志野
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スターダンサーズ・バレエ団 SUMMER MIXED PROGRAM 8月5日
2017/08/10(Thu)
8月5日土曜日に新国立劇場で行われたスターダンサーズ・バレエ団のSUMMER MIXED PROGRAMを見てきました。 
お目当ては都さんとボネッリだったのですが、バレエ団のダンサーたちのパフォーマンスも充実した素晴らしいものでした。


N.N.N.N.
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ウィレムス
愛澤祐樹、石川聖人、川島治、友杉洋之


Tシャツ、ランニングにズボン、半ズボンといったラフな格好の4人の男性ダンサーによるこの作品、全くの予備知識なしでは理解するのが難しく・・・。
幕が開くと一人のダンサーが自分の手をもう一方の手で持ち上げてはその手を外し、重力に任せてブランとなる腕の動きを楽しむというか不思議そうに見ているというか。 その後は4人のダンサーが入れ替わり同じことをしてみたり、舞踏のように踊ってみたり、お互いの体のパーツで遊んでみたり・・・という具合。
音楽:トム・ウィレムスとあるけれど、ほとんど音楽らしいものは聞こえなかったです。 席はけっこう前のほうだったのですけれど、時折ブーとかゴォーというような音が聞こえてきただけ。 それでも舞台上のダンサーには音楽として常に聞こえていたのでしょうか? 音楽に頼らずダンサーたちだけの呼吸で組み立てているようだったのが凄いななんて思ったりもしたのですけれど。 


ワルプルギスの夜
振付:ジョージ・バランシン
音楽:シャルル・グノー”ファウスト“
喜入依里、池田武志、渡辺恭子
久保田小百合、西原友衣菜


オペラ「ファウスト」のために振りつけられたバレエシーン「ワルプルギスの夜」。
自分にとって馴染みのある「ワルプルギスの夜」といえば、ミハイロフスキー劇場がまだレニングラード国立バレエとして公演していた頃にガラ公演で上演していたコフトン版。 バランシン版は一度だけ(おそらく)、都さん&テューズリーゲストでのスタダンの上演を2012年に見ています。
そしてスターダンサーズバレエ団の公演を見るのは2013年8月に「20世紀のマスターワークス」以来なのですが、コール・ドも長身でスタイルの良いダンサーが増えましたね。
新国立劇場から移籍したばかりの池田さんが早速活躍の場を得、実力を発揮していて良かったです。 ジャンプも高く踊りも綺麗で、パートナーを包み込むような優しい笑顔は喜入さんも頼もしく感じたと思うのですが、二人での合わせ方が足りなかったのか、サポートに少しぎこちなさが目立ったのは残念でした。 喜入さんは音をしっかりとらえた気持ちの良い踊りでしたが、自分が好みだったのは渡辺さんの流れるような綺麗なラインでの踊り。 久保田さんと西原さんもとても手堅く、特に久保田さんの長い手足がスピーディーに切れ良く動くダンスは魅力的!
そして女性たちがほどいた長い髪をなびかせながらの饗宴のクライマックスは疾風が吹きまくるようなスピード感があり、統制の取れたコール・ドのダンスも見事でした。
 
 
「眠れる森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オニール八菜、ユーゴ・マルシャン


パリオペラ座のNY公演、8月2日に福岡で終わったばかりのバレエ・スプリームと、かなりお疲れだろうとは思いますが元気に東京に戻って来てくれた二人。
パリオペの衣装はやはり手が込んでいて美しいですねぇぇ。 次の来日では是非全幕で「眠りの森の美女」を上演していただきたいです。 
そんな素晴らしい衣装に衣装負けしない華やかな二人のエレガントなPDDは本当に眼福でした。 マルシャンは手も大きい? 八菜さんをすっと引き寄せフィッシュダイブに持っていくときのあの抜群の吸い込み感(笑)。 踊りはとても柔らかくノーブルでした。 ザンレールの着地がやや乱れたりシェネが粗かったりもしましたが、いずれエイマンのように流麗な美しさを身につけてくれると期待しています。 
八菜さんもとても伸びやかで丁寧な踊りが良かったです。 途中二人のタイミングが合わなかったところもありましたが、最後、アラベスクで二人して後退していくところなどは上げた足も十分な高さをキープしたままぶれる事もなく息もぴったり。 これからますます注目の二人ですね。


Flowers of the Forest
振付:デヴィッド・ビントレー
音楽:マルコム・アーノルド、ベンジャミン・ブリテン
★4つのスコットランド舞曲
  渡辺恭子、池田武志
  加藤大和、高谷遼、西原友依菜、林ゆりえ
★スコットランドのバラード、  吉田都、フェデリコ・ボネッリ

  
小山さんによるプレトークの事をすっかり忘れていて席についたのは最後数分というところ。 大失敗~~(特にN.N.N.N. 聞いておくべきだった!)。 聞けたのはスコットランドのバラードの男性の衣装がこの季節には暑過ぎるのでダンサーたちから泣きが入ったというお話でした。 確かに軍服に近いキルトの衣装なので上半身部分もあり、素足にソックスではなくタイツの上にソックスをはき、さらに皮のベルトをしっかり締めるという事でかなりの暑さと重さのようです。 
日本初演の演目でもあるのにトークを聞きそびれたので、作品についての解説がないか?とバーミンガム・ロイヤル・バレエ団のサイトをチェックしたのですが、レパートリーというカテゴリーは見つからず・・・。 その代わり?この作品についてのビントレー監督のインタビュー記事がありました。
前半のスコットランド舞曲はスコットランドの絵葉書のような光景(丸太投げcaber tossingや咲き誇るヘザーの花畑の散歩とありましたが、のどかで明るく平和的なという事なのだと思います)を表現しているそうです。 後半のバラードは歴史的に影響のあった事に結び付けたかったために戦争がテーマとなったと。 使用しているブリテンの曲は第二次世界大戦中に書かれ、15分の曲の最初10分が葬送行進曲という一風変わった曲。 また、作品のタイトルであるFlowers of the Forestはイングランドに侵入しようとして大敗した1513年のフロッデンの戦いでの死者を悼むために歌われたスコットランド民謡との事です。 

4つのスコットランド舞曲はリーディングカップルの渡辺さんと池田さんがとても良かったです。 池田さん、渡辺さんへのサポートはさっきの不安定さは何?というほどしっかりしていて、さり気ない表情もいいし、また作品の表現力もとてもあるダンサーだと思いました。 移籍して良かったですね。 願わくば、もう少し白いタイツが似合う体型になってくれれば・・・。 この作品を作ったのはビントレーが21歳だった1979年との事ですが、新国立劇場で見てきた彼の作品を思わせる細かいステップやタフな動きも多く、それを軽快に踊りこなしていた3組のダンサーたちの実力に感心しきりでした。 そうそう、スコッチウィスキーでも飲みすぎたのか、一人の男性ダンサーの酔っ払いダンスなんかもあって面白かったです。 加藤さんなのかな?終盤の独楽のような高速シェネには目を見張りました。 こちらの男性衣装は白いシャツにキルトスカート、素足にソックスでした。 まだマシかな?(笑)

照明が一段と暗くなり全体的に深緑のトーン。 ボネッリの登場で和やかさの余韻が残っていた舞台上の空気もいっぺんに引き締まります。 キルトの軍服姿が麗しく立っているだけで絵になるボネッリ! 踊りも衣装の鬱陶しさなどこれっぽっちも感じさせない彼らしいノーブルな踊り。 やっぱりフェデリコ好きだなぁ~~。 次回のロイヤルの公演でも是非来日して欲しいです!! そして久しぶりに見る都さんは衰えなど微塵も感じさせない。 軽やかで優雅で身体伸びやかな踊りは驚異的ですね。 パートナーシップも変わらずに素晴らしく、2人で踊る姿をまた見る事ができたのも本当に嬉しかったです。

作品の最後では前半と後半のダンサー皆が一緒に踊りますが、ビントレーによればスコットランド人のロマンティシズム、悲しみ、ストイックなまでの高潔さを伝えたかったとの事です。 都さんと池田さん、渡辺さんとボネッリとペアを変える事(群舞もそうっだったと思うのですが、二組ばかり見ていたので・・・)で明暗両面の融合が感じられます。 暗いテーマを取り上げてはいるものの、前半と後半の対比は効果的でダンサーたちの多彩な舞踊表現に惹き込まれた作品でした。  是非また見たいです。 今度は冬にね!


何度も繰り返されたカーテンコールの最後にビントレーさんが登場しました。 いらしていたのですねー、感激!!
ビントレーさんもこの日の上演内容には満足されていたのではないかと思いますが、意欲的なスタダンのダンサーたちによる素晴らしいパフォーマンスと新国立劇場のステージに戻ってきたビントレーさんを見ていてこちらはやや複雑な気持ちになりました。 
新国立劇場では今シーズンも来シーズンもビントレー作品が上演されません。 劇場オリジナルも含め、過去に新国立劇場バレエ団が上演したビントレー作品には再演を望む作品も多いのに劇場側がその声に応えないのは本当に残念です。  古典でなければ云々という理由の他に前芸術監督時代の作品はもう上演しないというようなポリシーがないといいですけれど。 新国立劇場のレパートリーにはビントレー作品を含め様々な振付家の数多くの作品があります。 観客の声に耳を傾け、もっと偏りのないプログラミングを真摯に考えて欲しいと、スタダンの公演に満足しながらもそんな事を思いながら劇場を後にしました。
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