ENB「海賊」 7月16日
2017/07/20(Thu)
ともかく海賊は楽しくなくちゃ!というのを改めて感じさせてくれた舞台でした。 大満足♪♪
ENB版は冒頭の海賊船の難破シーンとそれに続くメドーラとコンラッドの出会いのシーンはなく、奴隷商人ランケデムにさらわれてしまったコンラッドの恋人のメドーラをコンラッドたち海賊が船で救出に向かうというシーンで幕を開けます。 親しんだマールイボヤルチコフ版にあるものがけっこうないのは淋しいながら、まーそれはそれでいいのですけど、2度も恋人をさらわれるってどうよ!と、思わなくもなく・・・(笑)
また音楽も曲からはシーンが浮かんで来ない聞いた事のないものが多く、振付も見慣れた版とはかなり違うので少し違和感はありましたが、それもそれ。 

ロホのメドーラは、芯は強いけれど守ってあげたくなる姫キャラではなく、パシャたちを蠱惑的な視線で惑わす囚われの身感皆無な姐さんタイプ。 作品の中の人物像というものをしっかりとイメージした彼女の役作りと演技力については今更言うまでもない事ですが、今回のメドーラに関してはこう来たか!と初めて見るタイプのメドーラでした。 踊りの方も彼女比では全盛期ほどではないのでしょうが、足の強さは相変わらずで、軸が全くぶれない回転、バランスなどは圧巻です。 それらがすべて自然にさらっとなのもロホらしいし舞台上でのオーラもやはり格別なものがありますね。  

もともと海賊はロホでと決めていましたが、この日に決めたのは久しぶりのハニュコワを見たかったから。 同じ理由でこの日を選んだ友人も何気に多かったんですよ! しっかりしたテクニックに柔らかい品のある踊りはキエフの頃と変らずで調子も良さそうだったのに、奴隷のPDDのコーダでアクシデント。 コーダに入ってすぐの連続ジュテが途中で途切れ、辛そうな表情を見せていて。 ただ物語的に嫌々で暗い顔をしていてもおかしくなかったし、足を引きずっていたりはしていなかったので何事もなければいいなと思っていたのですが、やはり怪我をしたそうで3幕は降板。 大事無ければいいですが、怪我をする危険性というのは常に舞台に潜んでいるものなのですね・・・。
ハニュコワの代役で3幕のギュリナーラを踊った金原さんは前日にこの役を踊っているので急な事とはいえ、自然に役をこなしていて良かったです。 音取りにちょっと癖があるような気もしますが、床に触れていないようなソフトタッチの柔らかなステップが印象的です。

この日のキャストは踊る主要キャストすべて(パシャも重要なキャラですけどねー)がカンパニーのダンサーというのも決め手の一つでした。 
コンラッドのエルナンデスはエレガントさも持ち合わせた溌溂とした踊りが良かったです。 別に顔が似ているわけじゃないんだけど、髪の感じとかなんとなくシヴァに通じる雰囲気があってにわかファンモード♪  一番美味しいところはアリに持っていかれる役ですが、ロホをきちんと支え、難しいリフトも決めながら見せるところはしっかり見せていましたし、洞窟でのメドーラとのPDDもとても微笑ましくラブリーなコンラッドでした♪ 

そのアリのコラレス。 フランツを見た時には荒削りながら身体能力が高い飛んだり跳ねたり回ったりが得意なタイプのダンサー程度の印象だったのですが、その得意分野がここまで圧倒的に凄いとは思いもしませんでした。 ハーレムパンツに隠されてしまった大腿筋の成せる業? この版でもアリが踊るのは洞窟でのパ・ド・トロワだけだったので、一点集中で大爆発ですね。 そのもの自体が驚嘆の超々高速の回転とそれを減速していく回転まで、軸はまっすぐに体のコントロールもパーフェクト。 コーダで見せた下手からのグランジュテ3連発の高さも異常なほどに高く、そこらじゅうからどよめきが聞こえました。 しかもフォームも綺麗で決して勢い任せではありません。 演技では寡黙で忠実なコンラッドの下僕になりきっていましたし言う事なしでしたね!

ビルバンドのヨナ・アコスタはカルロス・アコスタの甥っ子なんですねー。 引き締まった肉体でキレのあるダンスでした。 彼だったら絶対迫力あったにちがいないと思う鉄砲ダンスがなかったのはとても残念。 ビルバンドっていったらあれでしょう!! 
鉄砲ダンスの替わりではないけれど一幕の海賊とパシャの手下たちによる剣を持った争いのダンスは面白かったなと。 また1幕では同士としての熱いダンスをみせたコンラッドとビルバンドが2幕では対立のダンスをするという対比もなかなかの演出。 かなりコンラッド劣勢でしたけどね(笑)。

マールイ旧版と比べてこれがないあれがないながら、ランケデムを使った眠り薬のシーンがあったのは「ムフフ」。 見張りが立っていたのでやるかなーと期待していた、薬の効果を試してみるシーンもちゃんとあったしね♪ (マールイルジ版であそこがなくなったのはねぇ!) 薬をたっぷりふりかけた一厘の花をメドーラに渡すのがランケデムに頼まれた女の子だった事に「そーだよねー」と深く納得。 

ランケデムのジンハオ・チャンはコッペリアの3幕で日本人の猿橋xxさんとどっちがどっち?と判別がつかなかったダンサーだったのですが、この日ですっきり。 東洋人らしいすらっとした長身のダンサー(猿橋さんも)で踊りがしなやか。 奴隷のPDDも良かったですが、一幕最初のソロが足先まで神経を使っていて綺麗でした。

パシャのマイケル・コールマンは英国ロイヤルバレエ団で活躍し、ENBには1995年に初めてゲスト出演して以来、定期的に出演しているというベテランダンサー。 ふとっちょお腹ボォ~~ンで憎めない感じのパシャを好演。 権力者ですからね~、一番キンキラキンで贅を尽くしたゴージャスな衣装に身を包んでおりました。 とっても似合っていたし(笑)。

花園のシーンは水煙草を吸って眠ってしまったパシャの夢というようにわかりやすいのもいいですね。 花園といえばピンクのチュチュという思い込みがありましたが、こちらはホワイト系。 それまでの舞台が華やかな衣装で彩られていたので、一転清涼感が漂っていました。 期待したピチカートがなかったのはちょっと残念。

衣装・舞台装置ですが、「コッペリア」同様、細部まで凝った作りで美しく見事でした。 特に19世紀中ごろの舞台衣装を現代人の感覚を通して再解釈したという衣装は東洋を意識してインド・パキスタン・などで作られた生地や装飾品を用いて作ったとの事です。 かなりカラフルでしたが、どぎつく毒々しいわけではなく、調和が取られていて品がありました。  

物語のエンディング。
裏切り者の(ちょっとかわいそうだけど・・・)ビルバンドをコンラッドが銃で撃ち殺し、メドーラも無事救い出し、アリとギュリナーラの4人で船で逃げるも幸せはつかの間。 大嵐に遭遇しアリは海に投げ出され船は大破。 ギュリナーラも行方知れずで船の残骸とともに流されたコンラッドとメドーラの2人だけが生き延びる・・・。
ちょっと最後にしんみりしちゃうよりは、荒唐無稽の明るいノリで来たのだから、4人の船出でハッピーエンド♪でいいんですけどねー。


「コッペリア」「海賊」の2作品を見て、良いダンサーも大勢所属しているエネルギッシュで勢いのあるカンパニーである事は十分わかったので、時間をおかずに次の来日公演が決まるといいなと思います。 ENBでなければ見られないような作品と数ある作品の中のENB版のようなものを持って来て欲しいです!

 



振付:アンナ=マリー・ホームズ
装置・衣装:ボブ・リングウッド

メドーラ : タマラ・ロホ
コンラッド : イサック・エルナンデス
ギュルナーラ : カーチャ・ハニュコワ(3幕:金原里奈)
ランケデム : ジンハオ・チャン
アリ : セザール・コラレス
ビルバント : ヨナ・アコスタ
パシャ : マイケル・コールマン


第1幕 市場
 オダリスク : 金原里奈、アリソン・マクウィニー、フランチェスカ・ヴェリク
第3幕 踊る花園
 薔薇:クリスタル・コスタ、アンジュリー・ハドソン
     アリソン・マクウィニー、康千里
 花のソリストたち:ジア・チャン、ジャネット・カカレカ
           ユナ・チェ、ティファニー・ヘドマン

指揮:ギャヴィン・サザーランド
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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ENB 「コッペリア」 7月8日マチネ
2017/07/11(Tue)
コジョカルの代役となったユルギータ・ドロニナは2014年のコジョカル・ドリームプロジェクトに出演したダンサーで、その時のパートナーが当時オランダ国立バレエのプリンシパルだった現ENBプリンシパルのイサック・エルナンデス。 コンテ、古典ともにきっちりと踊れるダンサーという良い印象だったので、今回コジョカルが見られなくなったのは残念でしたが、ドロニナならスワルニダは似合うはずと楽しみにしていました。 初役とは意外でしたが、期待通りに彼女の踊りはとても安定していて見せ方にも余裕があり、2幕のコッペリウスの工房でのスペインやスコットランドの民族舞踊の踊りも達者にこなすあたりはさすがです。 目の表情が豊かでちょっと気の強いスワルニダのころころ変わる感情をマイムと合わせてしっかり伝えていました。 ふくれっつらも可愛かったし♪ 

フランツを踊ったセザール・コラレスも役デビューとの事ですが、こちらもそんな事はこれっぽっちも思わせないくらい、ノー天気なちゃら男が板についている(笑)。  ともかく若さの勢いでというように見えましたが嫌味のないダイナミックな踊りは良かったです。 

コッペリウスを演じたジェームズ・ストリーターはキャラクテールでもなさそうな中堅クラスのダンサーに見えますが(リードプリンシパルの高橋絵里奈さんのご主人なんですね)、偏屈で気難しやのコッペリウス博士を好演。  けっこう手荒な扱いを受けていたり運動量もさり気なく多かったので体力も必要な役ですね。  発明家&錬金術師でもあるというホフマンの原作を意識したこちらのコッペリウスはフランツの魂を抜き取ってコッペリアに移すのに妙なマシーンで電流を流すような演出なのがユニークで、昔のアニメやドラマに出てきたようなデザインに懐かしさも(笑)。 またライト版の奇跡ともプティ版の哀れとも違った、周囲との和解というコッペリウスの行く末も明るく楽しいこの版に合ってましたね。 

他のダンサーたちですが、まだ19歳でアーティストの金原里奈さんが出番も多く大活躍でした。 日本公演にあたってのロホの配慮なのかもしれませんが、小柄な体を十二分に使った柔らかな踊りが良かったです。 彼女は「海賊」でギュリナーラにも抜擢されているのですね。 金原さんと組んでいたジャネット・カカレカは対照的に長身で手足の長いラインが目を惹くダンサーです。 笑顔での丁寧な踊りには好感が持てました。 ただコール・ドの全体的なレベルとしてはこれからの底上げが必要だなという印象です。 6月にロシアのボリショイ、日本の新国立とそれぞれにレベルの高い整然とした踊りを見た後なので余計に感じたところもあるとは思いますが。 ダンサーたちも多国籍ということで、それが良い方にも悪い方にも出るのでしょうが、特に3幕はもう少し揃ったクラシックラインが綺麗に出せるようになると良いなと。 

NBSのサイトの写真通りにかなり立派で凝った舞台装置とカラフルで美しい衣装には「おおっ!」だったのですが、スワルニダの家がせり出しすぎていたり、宿屋?のウッドデッキが広かったりで踊れるスペースがちょっと狭く、ダンサーも思いっきり踊りたいように踊れなかったのではと感じるシーンもありました。 踊っているダンサーと周囲の人たちの距離が近くてちょっと雑然とした印象。 本国ではどうなのでしょう? 女性の衣装もわりとボリューミーなのでもう少しスペースが取れると全体的な見た目がすっきりしましたよね。 
でも、衣装は本当にデザインと色が素敵で衣装展を開いて欲しいくらい! 細かい刺繍もたくさん施されているので実際に触ってそばで見てみたい! 特にカカレカが祈りの踊りで着ていたドレスの上半身の刺繍!!





振付:ロナルド・ハインド(マリウス・プティパに基づく)
装置・衣裳:デズモンド・ヒーリー

スワニルダ:ユルギータ・ドロニナ
フランツ:セザール・コラレス
コッペリウス博士:ジェームズ・ストリーター


<第1幕>
スワニルダの友人:金原里奈、ジャネット・カカレカ、アンジュリー・ハドソン、
            康 千里、ティファニー・へドマン、ジア・チャン
宿屋の主人:ダニエル・クラウス
宿屋の夫人:タマリン・ストット
市長:ファビアン・ライマー
コッペリア人形:フランチェスカ・ヴェリク

<第2幕>
兵士の人形:ジョージオ・ガレット
長靴をはいた猫の人形:ネイサン・ハント
中国の人形:クレア・バレット

<第3幕>
暁の踊り:金原里奈
祈りの踊り:ジャネット・カカレカ
仕事の踊り:ユナ・チェ、フランチェスカ・ヴェリク、アンバー・ハント、エミリア・カドリン
花嫁の介添え人たち:アンジュリー・ハドソン、康 千里、
             ティファニー・へドマン、ジア・チャン、
             アイトール・アリエタ、ギレーム・メネゼス、
             猿橋 賢、ジンハオ・チャン

指揮:ギャヴィン・サザーランド
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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新国立劇場バレエ「ジゼル」 6月24日ソワレ(小野&福岡)
2017/07/02(Sun)
大好きな絢子ちゃんと雄大君のペアはもう絶対に外せないペアだというのは何度も書いておりますが、今回初日マチネのレビューを書きながらちょっと笑っちゃう事を発見!
2013年の前のジゼルはいったいいつだったのだろうと過去のレビューをいろいろチェックしていたところ、その回答はさておき、どうやら私がこのペアを初めて見たのは2011年1月の「バヤデルカ」だったのですが、その後10月のガラの「眠り」の感想で、なんと「この2人って合うのかなぁぁ?」と暴言を吐いておりまして・・。 さらにその絢子ちゃんのオーロラを自分の好みに合わずちょっとダメとまで言ってる自分・・・(雄大君はもともと好きだった)。 なのに、その3年後の新版「眠り」をこの2人で見た時に絢子姫に陥落しているんですよ、あたくし(笑)。 それまでも何回も見ていたのにこういう事もあるんですねぇぇぇ。 へたな文章ですらなかなか書けない(だいたいこんな風に横道それてるから余計に時間がかかる)この数年ですが、後からこんな思わぬ発見があるなんて、やっぱり何か残しておくって無駄な事ではないのですねー(笑) 

さて、「ジゼル」。
絢子ちゃんも今回ジゼルは初役だったのですね。 彼女のジゼルは可憐で明るく無邪気な一面も持つジゼル。 アルベルトに対して恥じらいはあるけれど、好きという思いは全身から溢れている。 お互いに投げキスを交わすところなど、もう周りのことなど目には入らず幸せの絶頂のような満ち足りた笑顔。 これじゃぁ、アルベルトもぞっこんになりますよねぇ。 踊りは柔らかく軽やか。 
普通ジゼルは一列に並んだ村娘たちと踊りだす前に一度胸の痛みを表すけれど、綾子ちゃんのジゼルはアルベルトとハンスが言い争いをした後にもつらそうな仕草をしていました。  確かに2人のやりとりに不安と恐さを覚えて緊張しただけでもジゼルの心臓には負担になるのでしょうね。 それが1幕最後の愛する人に裏切れたショックになどとうてい耐えられないという狂乱のシーンへも上手くつながります。
その狂乱シーンは悲しさとやるせなさに心と頭がどんどん壊れていき、笑いすら出るほどに感情が入り混じって分けが分からなくなった果てにとてつもない絶望に襲われて事切れたように見えました。  
2幕のウィリ。 ミルタに呼び出されてのところも良かったですが、アルベルト登場後にすぅーっと下手から出てきてアルベルトのリフトでふわぁっと浮かび上がったあの一瞬が物凄く鮮やかに目に焼きついて残っています。 本当に空気の精のようでした。 絢子ちゃんのウィリは身は精霊と化しているけれど心はまだこの世に残っているウィリだったように感じました。 で、アルベルトをかばってお墓の十字架の前から動かないようにとアルベルトに囁く様子が何気にものすごく艶かしい・・・。 思わずドキッとしてしまいましたが、墓の前を離れて自分の後を追ってくるアルベルトにお墓に戻ってと諭すような表情は慎ましやかで・・・。 アルベルトに向ける慈愛と深い愛情に溢れる視線は最後まで変りませんでした。 夜明けの鐘が聞こえた時に見せたアルベルトの命を守りきれた安堵と別れの覚悟の表情も心に残ります。  

雄大君も前回13年のジゼル公演に出ていないという事は初役なのでしょうか? 彼のアルベルトはジゼルに心惹かれてはいるけれど貴族と村娘という住む世界の違いはしっかり意識しているアルベルトだったと思います。 この人は私の婚約者なのですよとジゼルに話すバチルドに向かってわりと悪びれずに人差し指を立てて「シーッ」っと合図してましたしね。  ただ、ジゼルが狂い始めてからは彼の中でも何かが変わっていった感じ。 自分の両腕をすり抜けるように崩れ落ち命を落としてしまったジゼルを抱き起こし激しく揺さぶり、ベルタに突き飛ばされそうになってもけっして彼女から離れようとはせず、アルベルトもまた狂ったようでした。 見かねたウィルフリードに引きずられるようにして去って行くまで迫真の演技。
踊りは全体的に余裕があって切れもありジャンプなどは滞空時間も長くフォルムも綺麗。 体もすっきり絞れていたようですし(一応毎回気にはなるのです・・・)。 2幕でのアントルシャは力みのない綺麗なもので、その後のブリゼもスピードがあって良かったです。 もうこれ以上は踊れないというフォームの乱れた渾身のラストダンスもなかなか。 サポート、リフトも全く不安なく、もうこの2人の場合はいろいろな事が自然に合うのでしょうね。 それは2幕で最大限に発揮され、この2人ならではの世界に惹き込まれました。 
ジゼルに命を救われたアルベルト、そういえば井澤さんは夢落ちとも思えるようなハッとした仕草をしていたけれど、雄大君は現実の出来事だったように思います。 ジゼルとの強く深い愛を失ったアルベルトは大きな絶望と悲しみ、苦しみの中に取り残されどう乗り越えていくのだろうと思わせられるラストでした。


その他のキャストでは
バチルドの美和ちゃんがまたと~っても美しく・・・。 アルベルトを見る目は少し怖かったですが、ジゼルには大人の振る舞いでしたね。 個人的には好きな3人の三角関係にちょっとドキドキ(笑)。

前回は長田さんジゼルのアルベルトで見ている菅野さんのハンスは無骨でちょっと理屈っぽさそうな(ファンの方すみません)、あまり同情せずにすみそうなキャラクターでした。 2幕で命乞い適わず踊らされている時の無念そうな表情とそれでも端正な踊りが印象的でした。
そういえば、マチネの宝満ウィルフリードもアルベルトの言いつけ通りに後ろ髪引かれる?事無く帰って行きました。 ここは演技が決まっているのですね。

優しいイメージのある寺田さんのミルタも常に無表情でハンスもアルベルトも見つけたからには許さないという情けのなさ。 登場時のパ・ド・ブレは滑らかで綺麗でしたが、体の動きはわりとシャープで、特に交互に動かす腕、百合の花を投げる腕の動きは空気を切り裂くような鋭さで何気に気性の荒いミルタ。 
コール・ド・はマチネ同様静かに強く美しく。
 

比較的静かに物語が紡がれたマチネと勢いがあって濃厚だったソワレ。 それぞれに味わいがありましたが、主演2人の熱演が光ったソワレは本当に素晴らしかったです。 一日でこれほどのマチソワ2公演を見られたのは嬉しい限りなのですが、たった一日で自分の新国ジゼルが終わってしまったのはとっても淋しかったです。 今度「ジゼル」を見られるのはいつになるでしょうか? できれば2018/19シーズンに、是非!  絢子ちゃんと雄大くん主演の「ジゼル」は今年の清里フィールドバレエで7月31日(月)と8月2日(水)に予定されています。

      



6月24日(土)18:00
ジゼル : 小野絢子
アルベルト:福岡雄大
ミルタ:寺田亜沙子
ハンス : 菅野英男
村人のパ・ド・ドゥ:池田理沙子、福田圭吾
クールランド公爵:貝川鐵夫
バチルド:本島美和
ウィルフリード:宝満直也
ベルタ:丸尾孝子
モンナ:寺井七海
ジュリマ:玉井るい

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新国立劇場バレエ「ジゼル」 6月24日マチネ(米沢&井澤)
2017/06/29(Thu)
唯ちゃんのジゼルは村娘らしい素朴さと純真さのある心持ち控えめなジゼル。 踊りは柔らかく丁寧で、もちろんとても上手い! アルベルトに向ける眼差しと仕草には初恋の喜びのような初々しさも感じられてとても可愛かったです。 狂乱のシーンは恋人を失った悲しみと絶望ですでに心が壊れて正気を失ってしまった静かな狂気でした。 
ウィリとなった2幕前半では、虚ろな表情でアルベルトの前に現れては消えていく姿に、肉体から離れあちらに行ききれないジゼルの心が俯瞰しながら感情を失ったジゼルを動かしているような感じを受けました。 PDD以降は魂と肉体が一体化しアルベルトへの想いを胸にひたすら彼を守ろうとしている健気でピュアなウィリ。  テクニック的には本当に磐石で、ミルタの前でのアチチュード回転は綺麗なポーズのまま軸が全くずれずスピードもあり流石の身体コントロール。 スーブルソーもふわっと軽くて見事でした。

対する井澤さんのアルベルト。 彼は身長も高く爽やかな雰囲気で見栄えのするダンサーなのですが、真摯に演じてはいるのだけれど表現が弱いというか、まだ彼の中でアルベルト像がきちんとできていなかったのかな? なんとなくいつも周りに流されているように見えるアルベルト。 自分のしている事がわかっていない無自覚なアルベルトというのもちょっと違うような。 狂乱のシーンの後、死んでしまったジゼルに取りすがろうとしてベルタにひどく突き飛ばされどうしたらよいか分からずうろたえる様子が井澤さん自身の戸惑いのようにも見えたりして・・・。 ただ2幕は悪くなかったと思います。 表現はやはりソフトでしたがアルベルトの深い後悔や悲しみ、失ったジゼルへの愛情もきちんと感じられましたしね。
踊りは主役をこなすのに不足ない出来ではあると思いますが、もっと役に入り込んでの踊りならばさらに冴えて見えるような気がします。 それでも大柄なラインは目を惹きますし、2幕の見せ場のアントルシャは力みもなくジャンプも高く良かったです。 
アルベルトは初役との事なので、2度目の舞台となる土曜日の最終公演ではきっともっと良い舞台になるのではないかと思います。 

それにしてもアルベルトを突き飛ばした丸尾さん@ベルタの勢いは凄かった。 愛する娘を失った悲しみ怒り憎しみそのままの強さでした。

精悍で強気なハンスの中家さんはブーツ姿がさまになる下半身のラインが綺麗なダンサーですね。  ジゼルの心をなんとか自分に向けさせようと、アルベルトの小屋から持ち出してきた剣を見せてこいつは貴族なんだ、お前は騙されているんだよとアルベルトの正体をばらした時の憎悪丸出しの姿はすごい迫力でした。  優しい心の持ち主かどうかはわかりませんが(笑)ハンスでいいじゃん!な魅力的なハンスでもありましたね。  2幕の踊りや演技も良かったし、12月に予定されているシンデレラで王子が見たくなったのですが、日程が無理だなぁぁぁ。  

ウィルフリードの清水さん、マントを翻一番最初に一人で舞台に登場してくるので、この日は主役と勘違いされた方がいて会場からちらほら拍手が沸き起こりましたがなかなか素敵なダンサーですね。 この版のウィルフリードはニ幕でジゼルの墓を訪れるアルベルトを追ってはくるものの、アルベルトに先に帰るようにと言われると、わりと素直に立ち去ってしまう。 後ろを振り向くなり、躊躇するなり、もう少しご主人様を思う心が欲しかった(笑)  もう、言ってもしょうがないほど昔の話だけれど、マールイのマラさんやペトゥホフのウィルフリードが懐かしいわ!

一幕では柴山さんと奥村君のパ・ド・ドゥも良かったです。 奥村君の端正で軽やかな踊りは期待した通りの素晴らしさなのだけれど、柴山さんの踊りにも感じ入ったというか・・・。 彼女はやや地味な感じがして損をしているような気がするのだけれど、楷書的なきっちりぴったりしっかりな踊りのラインが常に実に気持ち良く、音も綺麗に捉えていて上手いなと。 スタイルも良くてペザントの衣装もとても良く似合っていましたし。 ただ、もう少し2人に親密さがあれば尚良かったとは思います。

ミルタは本島さん。 美和ちゃんのミルタが見たくてこの公演を追加で取ったのですが、冷気漂う夜の森を支配する女王然とした圧倒的な存在感と何者にも心を動かされる事無く容赦ない感じの役作りはさすがです。 上手から登場した時の細かく滑るようなパ・ド・ブレも美しかったし、最近の彼女は何を踊っても演じても円熟の境地なるものを見せてくれますね。 で、ジゼルを呼び出す前だったかな? ウィリが揃って中央で踊っている時(すでに記憶が怪しいけれど、多分ここ)に微笑を見せていたのが意外でした。 何だったのだろう?
ドゥ・ウィリの堀口さんと寺田さんも静寂の中、無となった者の意思を感じさせるような踊りが良かったです。 振付はジュリマの方が好きなのですが、寺田さんの綺麗なムーブメントが振付を一層際立たせていたような気がしました。
コール・ドの踊りも整然としていて、特にアラベスクで交差する見せ場では、あげた足の高さが揃っていてぶれもなく、新国バレエの真骨頂発揮の美しい幽玄の世界を作り出していました。 本当に素晴らしかったです。




ジゼル : 米沢 唯
アルベルト:井澤 駿
ミルタ:本島美和
ハンス : 中家正博
村人のパ・ド・ドゥ:柴山紗帆、奥村康祐
クールランド公爵:貝川鐵夫
バチルド:堀口純
ウィルフリード:清水裕三郎
ベルタ:丸尾孝子
モンナ:堀口純
ジュリマ:寺田亜沙子


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ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」 6月7日
2017/06/16(Fri)
ボリショイ・バレエ団の3年ぶりの公演、あっという間に東京公演は終わってしまいましたね~~。

ボリショイの白鳥、今回は1回のみの鑑賞でした。 しかもザハロワの日ではなく、選んだのはスミルノワ&チュージンの初日の白鳥。 スクヴォルツォフは来ていないしラントラートフは東京ではキャストされていないし、東京のジークフリートで特に見たいダンサーがいなかったのと前回の来日公演には怪我で参加できなかったスミルノワの白鳥は見てみたかったのでこのペア。 
スミルノワは思っていた以上に身長のあるダンサーでした。 ガラ公演で見た時にはそれほど大きいとは思わなかったのだけれど・・・。 ワガノワ時代、レベデフともペアを組んでいたように思いますが、レベデフにはちょっと大きかったんじゃ(ボルチェンコと組んだような感じなのかな)?  ほどよい細さで腕も足も長く白鳥むきのダンサーですね。 フォルムは大きく、踊りはとても丁寧。 技術がしっかりとしていて身体のコントロールも思いのままなので回転やさまざまな動きのなかで軸が乱れる事がなくラインが綺麗でした。 そしてなんというか、すべてにおいて押し付けがましさがなく、すんなりと美しい。 
オデットは孤独感を漂わせながらも凜とした佇まい。 スミルノワは顔立ちのせいで年齢よりも上に見えてすごく落ちついた雰囲気。 そのせいか?王子と出会い惹かれていきながらもどこか冷めた様子で、王子に身を委ねその温もりに包まれながらもロットバルトの呪いから開放される幸せを夢見るというよりは一時的な安らぎを見出しているような・・・。 それでもなかなかしっとりと見せてくれたので満足です。 最後上手に消えて行く時ぱっと目を見開き何か我に帰ったような表情が印象的でした。
オディールは大きな瞳が妖しく輝くクールな悪女。  セルゲーエフ版では使っていないあの妖しい旋律のヴァリだけはもっと不敵さと強いアピールがあっても良かったと思いますが、王子がオデットと間違えるというのがとても納得できるオディールでした。 32回転もテンポの速い演奏に遅れる事なくスピードを保ちながらほとんど一点で綺麗に回っていましたし、ほころびは一つもなかったですねー。 ロットバルトとのアイコンタクトやつるみ加減も良かったかと。 終幕の王子とのドラマはいま一つ迫り来るものがありませんでしたが、これは自分がチュージンから感じるものが少ないせいも多いにあるのだろうと。 スミルノワとしては終始一貫したオデットの役作りだったと思います。 

チュージンのジークフリートは前々回(確か)のルンキナとの舞台以来。 抑制の効いた端正な踊りはあの時よりもさらに磨かれていて主役としての存在感も増しています。 浮遊感があり柔らかく速い開脚ジャンプがとても印象的でアントルラッセ、マネージュなどのジャンプも軽いです。 スミルノワ同様とても素晴らしいパフォーマンスだったと思うのですが、演技含めて個人的にあまり惹かれるタイプのダンサーではないのです。 なので、ラストシーンで絶望と悲しみで深く傷ついた王子の姿に気持ちが寄り添わず、なんだか物語から取り残されたような感覚になりました。

ロットバルトは悪魔メイク顔がなぜかとてもハンサムなツヴィルコ。 ダイナミックなジャンプや回転、凄みのある演技が良かったです。 王子を落としいれようとしているのがよく分かり、チュージンとのシンクロ具合もなかなか!  

王子の友人のクレトワとシュライネル。 2人とも可愛らしく踊りもしっかりとしていて破綻なく。 
そして開演前にきちんとキャスト表に目を通していなかったので一幕の宮廷でのワルツにネッリちゃんを見つけた時は小さく「ワォ!」。 できれば花嫁候補も見たかったですが、気品があって美しくエレガントな踊りは変わっていませんね。

その花嫁候補たち、一人だけちょっと小柄で艶っぽい表情美人のナポリのシガンシナとホワンと柔らかで可愛らしいロシアのデニソワが印象に残っています。 スペインはいつもほとんどボーイズしか見てないのですが、左端と右端が良かったわーくらいで誰が誰なのかわからず残念(笑)。 

白鳥のコール・ドは見る度に平均身長が上がっているようでスラッとスタイルの良いダンサーが多く、これぞロシアの白鳥湖!!ですね。 初日にもかかわらずよく揃っていたと思います。 でもって今更ですが、4羽の白鳥も決して小さい4羽ではありません。 あの音楽で出てきた時に一瞬コンフューズ(笑)。 そこそこの身長があってあの振付だとかなり大変だと思いますが、さすがにここの音楽はボリショイ特急ではなかったような。 そして納得のオオハクチョウ3羽。 決して優雅には踊れないテンポの音楽でワガノワ出身のコワリョーワが一人遅れるのがなんだか気の毒で・・・。 他の2人は忙しない動きでしたが、気がつくと自分の目は最初の音にぴったり合わせるマルチェンコワに釘付けでした。 前回の来日公演でも見ているのに今更ですが、ちょっと気になるダンサーになりました。



オデット/オディール:オルガ・スミルノワ
ジークフリート王子:セミョーン・チュージン
王妃(王子の母):ヴェラ・ボリセンコワ
悪魔ロットバルト:イーゴリ・ツヴィルコ
王子の家庭教師:アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化:アレクサンドル・スモリャニノフ
王子の友人たち:クリスティーナ・クレトワ
        マルガリータ・シュライネル
儀典長:アレクサンドル・ファジェーチェフ
花嫁候補たち
  ハンガリー:アナ・トゥラザシヴィリ
  ロシア:アナスタシア・デニソワ
  スペイン:エルヴィナ・イブライモワ
  ナポリ:クセーニア・ジガンシナ
  ポーランド:ヤニーナ・パリエンコ
3羽の白鳥:オルガ・マルチェンコワ
      マルファ・フョードロワ
      アリョーナ・コワリョーワ
4羽の白鳥:ダリーヤ・ロフツォーワ
      オルガ・カリーニナ
      マルガリータ・シュライネル
      ダリーヤ・ボチコーワ
ワルツ:エルヴィナ・イブライモワ
      ネッリ・コバヒーゼ
      ヴィクトリア・ヤクシェワ
      クセーニア・ジガンシナ
      ウラディスラフ・コズロフ
      ドミトリー・エフレーモフ
      イワン・アレクセーエフ
      ダヴィッド・モッタ・ソアレス
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新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」 5月13日
2017/05/21(Sun)
この日のお楽しみの一つの唯ちゃんのカラボス!とリラの精の対決で物語りは始まる。 
慈愛に満ちたリラの細田さん。 7日と比べると舞台での存在感が一段と増している感じがします。 
6人の妖精の踊りは7日同様、皆手堅く上手い。 誰が何を踊っても本当に遜色がないのが新国立バレエ団の層の厚さを物語っていますね。
寺田さんは踊りが柔らくニュアンスの付け方も上手い。 丸尾さんの安定感は抜群で最後の連続回転の見惚れるような滑らかさ。 萌子さんも奥田さんも手堅く上手い。 五月女さんもいつもながらの小気味良い踊り。 仙道さんはやや緊張気味のように感じましたがそれでもきっちりと。 コール・ド・ダンサーたちもの醸し出す優雅で温かな雰囲気は眠りのプロローグにぴったりです。
比類ないほどに美しく高雅な美和ちゃんの王妃様。 彼女は本当に演技達者な人で3幕のラストまで常にその表情、細やかな気配り、仕草のすべてが国王の妻、オーロラの母、民衆の王妃としてのものでした。 
そしてお楽しみだった唯ちゃんのカラボスは冒頭のリラとの対決もそうでしたが、気が強い小悪魔なカラボス。 表情たっぷりにマイムの動きも大きく芝居にとても熱が入っていたと思います。 踊りもキレキレシャープに勢いよくいくのかと思ったら意外にもソフトタッチでちょっとおとなしいかなという印象。 

5月5日に幕を開けた今回の眠り。 一週間以上も待ちに待ってようやく小野&福岡ゴールデンコンビの主演舞台です。 ですが、この版では絢子姫が出てくるまでは、休憩を一つはさまなくてはならず・・・(笑) ようやくようやく1幕となり絢子姫の登場です! ほんと、じらされたな~~~。
その絢子ちゃんのオーロラ、両親や周りの人々の愛情をたっぷり受けて大切に育てられた淑やかで明るいお姫様。 16歳の初々しさも自然に表現され、ステップの一つ一つが軽やかで旋律を纏っているような音楽性溢れる踊りに一瞬で惹きこまれました。 脚がほどよく高く上げられたアチチュードバランスもプロムナードもプリンセスらしい落ち着いた笑顔できっちりでした。 その間、4国の王子はチャーミングなオーロラにただただ心奪われていく感じで、それぞれの表情を見ているのも楽しかったです♪ 
オーロラの友人たちの8人のバレリーナの踊りは華やぎとエレガンスがあり、よく揃っていて1幕のクウォリティを底上げしていますね。  

2幕
伯爵夫人の堀口さん以下、キャストは7日とそれほど変わりはないので印象も変わらず。
雄大王子の登場! 体型的には特に変わりがなかったのでちょっと安心。 胸元がはだけたこのデジレの衣装はやはり好みではありませんが、爽やかな奥村君よりは雄大君の方が気にならず(笑)。 雄大君のソロ、手先足先までよく伸びていて綺麗でした。 テクニック的にも安定しているし。 
視線をやや落としがちに憂いを含んだ佇まいの幻影の場のオーロラ。 オーロラを追いかける王子の前に何度も立ちふさがっては王子の気持ちを確かめるリラの精。 始めのうちは少し厳しい表情だったのが少しずつ緩み、王子の完璧な陥落を見て取った時に見せたこれ以上ないくらいの優しい笑顔がとっても印象的。 ここの音楽もなんとなく切ないメロディーですが、オーロラを追いかける雄大王子のそれは切なそうで真剣な表情、本物の姫に会いたいという気持ちの高まりに思わずぐっと来てしまいました。 独奏チェロの演奏も美しかったです。 このシーンでここまでドキドキして王子に応援モードになったのは初めてで、自分でもびっくり(笑)。 その後の絢子ちゃんの長めのヴァリアシオンもただただ見入ってしまいました・・・。
王子をオーロラの元に導くリラ。 王子はカラボスの手下に邪魔され剣を抜いていたけれど、カラボスの魔力からはリラが体を張って?進む道を示しながら王子を守るのですね。 7日は気がつかなかった。 そして王子は無事にオーロラの元へ行き着き、口付けでオーロラを目覚めさせた愛の力にカラボスは力つきて崩れ落ちる。 唯ちゃんの演技も最後まで熱が入っていました。 オーロラとデジレの目覚めのPDDでは最初は恋心に恥じらいを見せていたオーロラが、王子の熱い思いを受けて気持ちの高まりを隠す事なく恋に落ちていき幸せに浸っていく様が静かながら情熱的に演じられていてとても良かったです。 こういうシーンは2人のファン冥利につきますね♪ 

3幕  
宝石の3人はこの日も磐石な出来ながら、イタリアンフェッテトリプルは7日の方が揃っていたかもしれません。 あの日の揃い方は驚くくらい凄かった! 
そしてダイヤモンドの奥村君の踊りのしなやかで端正な事と言ったら・・・。 王子役でのいろいろなプレッシャーとは無縁のこの役を本当に楽しみながら、踊る喜びに満ち満ちて輝いていましたねー。 
白い猫と長靴をはいた猫の息のあった踊り。 パッシーンという音が響き渡るくらい思いっきり長靴猫(原健太)をはたいた白猫の原田さん、うん、このくらいじゃないとね! 原さんの長靴猫もアクションが大きくて白猫への執着心も強くて(笑)とても良かったです。 この日は狼の福田紘也さんものりのりでキャラクテールの踊りは次から次へとどんどんテンションが上がっていく感じ。 最後を締めた親指トムの福田さんの切れのある踊りも良かったです。 フロリナと青い鳥が井澤さんのお疲れモードもあり(前日はデジレでしたものね)やや精彩を欠いた感はありましたが、最終日に相応しくキャラクテールたちが祝宴を盛り上げたダンスでした。 
オーロラとデジレのGPDDは絢子ちゃん、雄大君のそれぞれの素晴らしいパフォーマンスに二人の鉄壁のパートナーシップが見せる圧巻の出来でした。 踊りの冴えに加えて二人のプレゼンスが貫禄すら感じさせるものになってきているのも嬉しい限りです。 


最終日という事もあり、カーテンコールは何度も何度も繰り返され盛り上がりました。 舞台のダンサーたちと観客たちの一体感が感じられる幸せな時間でもありますね。
来年の「眠り」での小野&福岡ペアの公演日は6月16日のソワレですが、追加でもう一回あるでしょうか? でも、スケジュール的に見て、可能性があるとしたら10日くらいですかね?

今シーズンを締めくくる6月の「ジゼル」、主要キャストは可能な限り早く発表していただきたいものです!


                      


オーロラ姫 : 小野絢子
デジレ王子:福岡雄大
リラの精:細田千晶
カラボス : 米沢 唯
誠実の精:寺田亜沙子
優美の精:丸尾孝子
寛容の精:飯野萌子
歓びの精:五月女遥
勇敢の精:奥田花純
気品の精:仙頭由貴
エメラルド:奥田花純
サファイア:飯野萌子
アメジスト:五月女遥
ゴールド:奥村康祐
フロリナ王女:柴山紗帆
青い鳥:井澤 駿
長靴を履いた猫:原健太
白い猫:原田舞子
赤ずきん:広瀬碧
狼:福田紘也
親指トム:福田圭吾

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新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」 5月7日
2017/05/20(Sat)
2年半ぶりの新国立劇場のイーグリング版「眠れる森の美女」。 絶対外せない鉄板小野&福岡ペアの他にどうしても奥村君のデジレが見たくて、今回は7日と13日の2公演を選びました。 間際で発表された絢子ちゃんと雄大君がフロリナ&青い鳥を踊る5日、6日のどちらかも行きたかったのですが、生憎他の予定を入れてしまっていたので断念。 せめて、リラ・カラボスと合わせてもうちょっと早く発表できないものでしょうかね? ここ数年の新国立劇場には何かと不満を感じる事が多いわ・・・ 

すっかり忘れていたけれど、待ち受けるカラボスとゴンドラから降りてくるリラの精の睨み合いで幕が開く物語でしたね・・・。
リラの精・・・、あのロリータファッションもどきのチュチュにナイトキャップのようなヘアドレスはあまりにも気の毒というかセンスが悪すぎ。 それでも細田さんは涼やかに輝いていましたが、もっと色のはっきりとしたオーソドックスなチュチュに変えてもらいたいものです。 細田さん、少し緊張していたようにも見えましたが、恵まれたプロポーションでのラインの綺麗な端正な踊りは彼女ならでは。
リラお付きの妖精たち(プログラムにはリラの精たちとなっています)は皆踊りが安定していて上手いですね。 スタイルもよくて綺麗なダンサーが多いし、さすが新国です。 そしてイーグリング版の名前を持った妖精たちは通常の5人ではなくなく、気品の精を加えた6人。 堀口さんの優美の精は流石に他の人とは違う存在感があり見せ方も上手。 勇敢の精の奥田さんも切れと強さがあってとても良かった。 清清しい踊りだった寺井さんの気品の精の音楽は2幕の貴族の踊りを使っています。
で、こちらも忘れていたけれど、カラボスは大嫌いな蜘蛛の乗り物に乗っての登場でした。 まー、それほどグロくもリアルでもないのでこのくらいなら目を閉じずに見ていられますが(本物は恐怖!!というくらい大嫌い)。 初演の時は見られなかったので美和ちゃんのカラボスはお初ですが、他を圧倒する存在感が凄いです!! 彼女の演技力には以前から定評がありますが、カラボスの感情がそのまま代弁されているような勢いがあってダイナミックな踊りも本当に素晴らしい!! でもってオーレリのような強く妖しい美しさには思わずため息が出てしまうし♪ 本島さん、主演こそなくなりましたが、ダンサーとして素晴らしいキャリアを築いて充実されていますよね。 カラボス、かっこい~~~でプロローグは終わってしまいました(笑)。

オーロラの池田理沙子さんは入団早々にこの2016-17シーズンで3演目に主演を任されたバレリーナ。 可愛らしく初々しい様子が16歳のオーロラ姫にはぴったりです。 踊りはとても堅実で、一番緊張するであろうローズアダージョも軸などがぶれる事もなくそつなくこなしていましたし、その後のソロも落ち着いていて感心。 ただ、もう少し表情豊かに踊りにも伸びやかさがあれば良かったとは思います。 演技の硬さから察するに、まだ余裕を持ってオーロラを演じきれていないので、自然に湧き出てくるオーロラとしての感情の表現や心情が乗っての体で歌う踊りというところまでは至っていないのではないかと。 オーロラの友人たちやワルツのダンサーたちが皆にこやかな表情で柔らかに踊っていたので余計にそこが気になったのかもしれません。   
4国の王子は渡辺・貝川・中家・浜崎さんと豪華なメンバーです! シンデレラ以来大注目&期待の浜崎さんがイタリアの王子だったのでキャスト表を手にした時からワクワクと(笑)。 オーロラのサポートは渡辺さん、いずれ彼のデジレも見てみたいです。  

2幕冒頭。
伯爵夫人の堀口さんの凜とした佇まい。 貴族にも村人たちにも惜しみなくソリストを投入していますが、村人たちには八幡さんまで。 今回は彼の親指トムは外してしまったので短いけれど踊りが見られて良かったです。 
そしてようやくデジレ王子の登場。 髪を後ろでちょっとだけ結んだ奥村君は初々しく品のある王子様。 指先、足先まで神経の行き届いた端正で軽やかな踊りは本当に綺麗です。  颯爽としたマネージュはスピード感があり、ザンレールなどは高さに余裕がありました。 
池田さんは幻影の場でも1幕と同じ印象。 幻影の場は、ともかく場に相応しくない孔雀の羽のような色合いのヴィヴィッドカラーのコール・ドの衣装を変えて欲しいですねぇ。 フォーメーションはとても綺麗なのに動けば動くほどなんか違う世界へと運ばれそうで・・・。 オーロラの眠る奥深い森を表したいのならもっと落ち着いた色合いがあるでしょうし、リラ同様、麗しいバレリーナたちのためにもこちらも普通のチュチュにしていただきたいです。 
乗り物系にやたら気合の入っている舞台装置、リラの精が王子をオーロラのもとへ導いていくゴンドラもとてもゴージャスで二人しか乗らないなんてもったいない大きさ(笑) 奥村王子の表情も晴れやかです♪  
城の前でのリラとカラボスの対決、カラボスへの照明がちょっと暗かったような気が・・・。 リラの善の力と王子のオーロラへの愛の力の前に敗れるカラボス。 
100年の眠りから覚めたオーロラとデジレの目覚めのパ・ド・ドゥ。 リラの導きで出会った2人が自然に恋に落ちていく様が美しい間奏曲によって描かれるこのシーンはいいですねぇ。 以前バーミンガム・ロイヤルで見たライト版でもこのPDDがあってロホの素晴らしい表現に感動した事を思い出しました。  ロホはチュチュでしたがイーグリング版はロミジュリのバルコニーシーンでも着られそうな柔らかな生地のドレスなので、ロミジュリを見ているような錯覚も覚えます。 けっこうリフトもありますしね。 優しい笑顔でオーロラを見つめる奥村王子が印象的でした。  

3幕
ここの宝石たちはゴールドがダイヤモンド代わりでダンサーも男性です。 奥田さん、飯野さん、五月女さんはそれぞれタイプの違うダンサーだと思いますが、揃い方が抜群で、特に3人揃ってのイタリアンフェッテの動きや角度がぴったりだったのは感動もの! 木下さんも守備範囲が広いというか、ノーブルな踊りも綺麗にこなすダンサーなんですね。
フロリナと青い鳥は柴山さんと井澤さんの爽やかペア。 井澤さんは身長も高く手も長いのでソフトタッチながら動きのラインが大きく見栄えがします。 柴山さんはいつもながらのお手本のようにきっちりとした品の良い踊り。  
猫カップル、赤ずきんと狼も客席を和ませてくれる楽しい踊り。 親指トムの小野寺さんは小気味よい踊りでした。 
オーロラとデジレのGPDD。 2人とも丁寧に一つ一つをこなしていくという感じでした。 ここでも奥村王子は常に池田さんを気遣うようにしっかりとアイコンタクトをとりながらリードしていたと思います。 2人の息もよく合っていたのでフィッシュダイブ3連続などの見せ場も見事に決まっていました。 池田さんは表情はやや硬いながらも踊りは本当に安定、奥村さんはヴァリでも颯爽と軽やかに美しく、プリンシパルとしての存在感をしっかり感じさせてくれました。
大団円のフィナーレ、充実の踊りを見せてくれたダンサーたちが勢ぞろいで華やかに!


衣装などに不満はあるものの、コール・ドからソリストまでレベルの高いダンサーたちによる充実の舞台を堪能する事ができて本当に良かったです。 「眠れる森の美女」は来シーズンも上演がありますが、5公演のうち主演キャストが決まっているのは今のところ2公演。 まだ奥村さんの名前はありませんが、今度は唯ちゃんと組んでくれないかなぁぁと期待しているのですが・・・。 ヴァレンタイン・バレエで見た2人のソワレ・ド・バレエがとても良かったのですよねー。 


                       

 
オーロラ姫 : 池田理沙子
デジレ王子:奥村康祐
リラの精:細田千晶
カラボス : 本島美和
誠実の精:川口藍
優美の精:堀口純
寛容の精:若生愛
歓びの精:広瀬碧
勇敢の精:奥田花純
気品の精:寺井七海
エメラルド:奥田花純
サファイア:飯野萌子
アメジスト:五月女遥
ゴールド:木下嘉人
フロリナ王女:柴山紗帆
青い鳥:井澤 駿
長靴を履いた猫:宇賀大将
白い猫:玉井るい
赤ずきん:広瀬碧
狼:福田紘也
親指トム:小野寺雄

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フィンランド国立バレエ団 4月24日
2017/05/02(Tue)
24日(月)にフィンランド国立バレエ団の公演を見てきました。
今年独立100周年を迎えるフィンランド。 日本でも数多くの祝賀行事が予定されているそうですが、その一つが初来日となるフィンランド国立バレエ団の公演。 日本公演用に創作したムーミンバレエの第2作(第1作は2015年)「ムーミンと魔法使いの帽子」をひっさげての意欲的な公演です。


第1部 北欧ガラ

「白鳥の湖」第三幕より 
振付:ケネス・グレーブ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  スペインの踊り     レベッカ・キング
                小守麻衣、オレガ・レッパヤルヴィ、マクシム・チュカユロフ、ヴィッレ・マキ
  ハンガリーの踊り   エミリア・カルミッツァ、ニショラス・ツィーグラー
  ロシアの踊り      松根花子
                マルチン・クルチュマーシュ、ジュゼッペ・マルティーノ、ルアン・クリグフトン、イリヤ・ボロトフ
  オディールと王子のグラン・パ・ド・ドゥ
                オディール:ハ・ウンジ
                ジークフリート:デニス・ニェダク
                ロットバルト:ガブリエル・ダヴィッドソン

ニェダクがゲスト出演でジークフリートを踊るというのも楽しみだったこのプログラムですが、GPDDだけでなく、スペイン、ハンガリー、ロシアの踊りも上演というちょっと贅沢なプログラム。 で、ヌレエフ版を髣髴とさせる存在のマント付きスーツ姿のロットバルトのガブリエル・ダビッドソンがスレンダー長身超ハンサムで、その踊りに期待に期待が膨らみ続けたのですが、結局最後までサポートと演技だけだったのはちょっと肩すかし・・・(笑)。
スペインは男性4人にチュチュの女性1人。 女性はジークフリートを誘惑するのですが、彼女のサポートにすっと入っただけのニェダクはそれだけでも格の違いが分かるというか、瞬間的に舞台の空気が引き締まったような気がしました。 
またロシアも変っていて、男性4人の衣装&踊りはコサック系なのに、女性はハーレムパンツで怪しげに体をくねらせこちらも王子を誘惑? 3国の踊りはどれも、やはりヌレエフ版のように動きの多いものでした。
GPDDでオディールを踊った韓国出身のエトワール、ハ・ウンジは小柄でシャープな踊りをするダンサー。 ニェダクは磐石。 やはりこの人の踊りはノーブルでエレガントです。  


トゥオネラの白鳥「レンミンカイネン組曲」より抜粋
  振付:イムレ・エック 音楽:ジャン・シベリウス
  トゥオネラの白鳥:ティーナ・ミュッリュマキ
  レンミンカイネン:ヤニ・タロ

レンミンカイネンが求婚者の母親に出された3つ目の課題のトゥオネラの白鳥を射るという話をイメージしているのかは定かではないですが、二人のダンサーの高い身体能力によって表現されているコンテンポラリー。 曲が好きなので飽きはしなかったけれど、振付的にはあまり曲を生かしきれていない気がしないでもなく・・・。


「シェヘラザード」よりグラン・パ・ド・ドゥ
  振付:ケネス・グレーブ 音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
  シャフリヤール王:ジョナタン・ロドリゲス
  シェヘラザード:アビゲイル・シェパード

ゾベイダと金の奴隷ではなく、シャフリヤール王とシェヘラザードの千夜一夜物語。 シャフリヤール王はシェヘラザードを威圧するようでもあり、激しく求めるようでもあり。 対するシェヘラザードは胸に秘めた覚悟のようなものを時に感じさせながらも王への愛情を情熱的にぶつけていくというなかなかに面白いPDD。 コール・ドの存在が宮廷の華やかさに一役買っていて、さらに女性たちはシェヘラザードに力を与え後押ししているようでした。


バレエ「悲愴」より
  振付:ヨルマ・ウオティネン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  ソロ:アンティ・ケイナネン

個人的にガラでは一番印象に残った作品。 登場して来たスキンヘッドのダンサーは白塗りの目の下が黒く、上半身裸に白い腰みののような衣装で、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」を思い出させます。
ユーモラスだったり恐怖に怯えているようだったり落胆したりと次々に変る彼の表情とムーブメント。 その姿からは微かに危うさや不気味さも感じられますが、そこに何を見ているのか、何に突き動かされているのだろうと思わず惹き込まれて見てしまいました。 飛んだり跳ねたり回転したり、でんぐり返しまであって運動量はかなりのもの。  この公演のfacebookには同じ衣装の男性が何人も写っている写真が掲載されていますが、何分くらいのどういう作品に仕上がっているのでしょう? 音楽もチャイコフスキーだし、すごく興味をそそられたので是非全編を見てみたいです。


「ドン・キホーテ」第三幕より ”ファンダンゴ” ”グラン・パ・ド・ドゥ”
  振付:パトリス・バール 音楽:レオン・ミンクス
  キトリ:アリーナ・ナヌ
  バジル:ミハル・クルチュマーシュ  

コール・ドによる華やかでスペイン情緒が感じられるファンダンゴが嬉しいサプライズ! キトリを踊ったアリーナ・ナヌはプラハ国立歌劇場バレエ団のプリンシパルとの事ですが、大柄で見栄えがし、バランスや回転が安定している足の強そうなダンサーでした。 バジルのミハル・クルチュマーシュはもうちょっとテンション上げても良かった気もしますが、第1部のトリらしく舞台を盛り上げてくれました。



第2部 たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~
  振付:ケネス・グレーブ 音楽:トゥオマス・カンテリネン

  ムーミントロール:フローリアン・モーダン
  スノークのお嬢さん:ルツィエ・ラーコスニーコヴァー
  ムーミンパパ:キンモ・サンデル
  ムーミンママ:イラ・リンダール
  スニフ:ルアン・クリグフトン
  スナフキン:ジュゼッペ・マルティーノ
  ちびのミイ:イーガ・クラタ  

舞台奥に置かれた二つのベッドに横たわる大きく膨らんだ白いもの・・・。 ムーミンパパ&ママ、ムーミンのお目覚めです!(笑) アニメや絵本で親しんだまんまのムーミンたちがそのままビッグサイズで目の前にいるって事だけで、もう見に来た甲斐があるというものです♪  スノークのお嬢さん(というよりノンノンだよなー、やっぱり)がポアントでつつつー(凄い!)と登場して来て2カップルでゆったりと踊るのですが、90度くらいまで脚をあげて、あんなバランスの悪い衣装をつけてトウでバランスを取っている姿は健気でとってもラブリ~~でそれだけで感動的! 
スニフもまんまスニフでしたが、こちらはもう少し動き易そうです。 
ちびのミイはともかく元気が良くてみんなを振り回して・・・。 でもとってもキュートで憎めない感じの女の子。 クラシックバレエ的な踊りも思いの他多くて、ムーミンと並ぶもう一人の主役のような存在でした。
物語は平穏な日常にムーミンが見つけた魔法使いの帽子を巡っていろいろな事が起こるという設定ですが、ムーミン谷の自然やファンタジーをほどよく絡ませた楽しい演出だったと思います。 後半に出てくる魔法使いとルビー(チュチュ)の踊りはクラシックバレエのPDDとしても良かったですしね。 
ラストシーン、背を向けてベンチに座りムーミン谷を眺めながら大きな赤い風船(ハート型だったかな?)を手に寄り添うムーミンとノンノンの姿には会場の空気もホッコリでした。 


この公演はスペシャル企画として第2部のカーテンコールのみ、席からの写真撮影が認められていました。
(左から順に、ルビー、魔法使い、ママ、パパ、ノンノン、ムーミン、ミイ、モラン、スナフキン)
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パリ・オペラ座バレエ団「グラン・ガラ」 3月11日マチネ
2017/03/18(Sat)
グラン・ガラはドロテ&ジョシュアの「テーマとヴァリエーション」、オーレリとエルヴェの「ダフニスとクロエ」を見たくて11日のマチネを選びました。 最初の発表ではドロテはこれ一回きりの出演予定だったのですよね・・・。 


テーマとヴァリエーション
  振付:ジョージ・バランシン
  音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
      管弦楽組曲第3番ト長調作品55 第4楽章

ヴァランティーヌ・コラサント、フランソワ・アリュ
オーレリア・ベレ、セヴリーヌ・ウェステルマン、ロール=アデライド・ブーコー、ソフィー・マイユー
シリル・ミティリアン、ダニエル・ストック、イヴォン・ドゥモル、パブロ・レガサ


主役2人が見たかったドロテ&ジョシュアからコラサント&ジョシュア、結果的にコラサント&アリュに変った時点でかなりがっかりモードになってしまったこの作品。 
2人とも十分に上手くて悪くはなかったのですが、自分の好みとは違いました。 もちろん難しいステップなどもきちんとこなし、真ん中らしい存在感もあるのですが、終盤に向かってヒートアップして行くにつれ、わりと奔放に勢いよすぎる感もあったので、もう少し抑制の効いたアカデミックなダンスが見たかったです。 特にアリュはショーマンシップ隠し切れず・・・という感じだったし。 ま、ともかく好みの問題という事で・・・。 しかし、さすがオペラ座だけあって美形の多い男性コール・ドは眼福でした。 
が、全体的には先月の新国の同作品があまりに美しく素晴らしかったので、しつこいですが、好み的に少し見劣りしたかなぁという感じです。
でも、アリュってとっても人柄の良さそうなダンサーですね。 最後にコール・ドのダンサーたちに深々とお辞儀をしている姿にそんな事を思いました。 彼のショーマンシップは7月の「レ・ブルジョワ」で楽しみたいです♪ 


アザー・ダンス
  振付:ジェローム・ロビンズ
  音楽: フレデリック・ショパン
       マズルカ作品17-4、41-3、ワルツ作品64-3、マズルカ作品63-2、33-2
   ピアノ: ヴェッセラ・ペロフスカ

リュドミラ・パリエロ、マチアス・エイマン

アザー・ダンスはバレエフェスで2度ほど見た事があるのですが、何度も見たいと思えた作品ではなかったので今回のガラでは未見の作品が見たかったのになぁぁとテンション低かった作品・・・。 ですが、パリエロとエイマン、素晴らしかったです! 
エイマンの流麗で軽やかな身のこなしは常に美しく、高度な技術もショパンの旋律に溶け込むようにしてサラッとこなしてしまうのは本当に素晴らしいです。 バリエロはおそらく初めて見るダンサーだと思いますが、しなやかで優雅でありながらメリハリのあるラインが綺麗でした。 膝丈のドレスで隠すのがもったいない脚の美しいダンサーですね。 それぞれのソロが素晴らしかった上に、2人のダンスでの対話、身体での会話がなんとも言えない落ち着いた大人の世界を作っていて惹きこまれました。 もちろん、ピアニストとの呼吸も合っていて美しい旋律との一体感もこの上ないものだったと。 


ダフニスとクロエ
  振付:バンジャマン・ミルピエ
  音楽: モーリス・ラヴェル

クロエ: オレリー・デュポン
ダフニス: ジェルマン・ルーヴェ
リュセイオン: レオノール・ボラック
ドルコン: マルク・モロー
ブリュアクシス: マチュー・コンタ


前奏が始まったとたんに幕が開いたと思ったら、白と黒(こげ茶??)の細いストライプの中幕がかかっており、中央に小さな長方形の画像が浮かび上がるとそれが四角や円に形と大きさを変えやがて小さくなって消えていくという、なんのモチーフでどういうメッセージなのかなぁと思いつつ何気にずっと見てしまった(笑) 
「ダフニスとクロエ」は2012年3月のモンテカルロ・バレエ団の公演で一度見ていますが、あの時は会場で痛めた首のせいで後半観賞どころではなく、「シェヘラザード」とのエロス二連発みたいなコメントしか残しておらず・・・。 そんな事もあり、今回のミルピエ版もモローは降板だしあまり期待はしていなかったのですが、思っていたより楽しめました。 
ボレロは諸事情で見送ってしまった久々のオーレリ、匂い立つような艶やかさは衰えをみせず別格のオーラを放っていました。 エルヴェに変ってダフニス役を務めたのが昨年11月にプルミエ・ダンスールに昇格し、翌月12月の「白鳥の湖」主演後にエトワールに任命されたというジェルマン・ルーヴェ。 まだ23歳ですかね? 爽やかなマスクに長身でスタイルの良いダンサーです。 オーレリの横にいるとなんかちょっとぽあ~んとした感じに見え、演技は少し弱いような気もしましたが、2人の並びはさほど年の差を感じさせるわけでもなく(オーレリ、凄い!)、幸福感溢れる終盤のダンスなどはとても良かったです。 ただ、オリジナルキャストのエルヴェだったらまたずい分違った2人に見えたのでしょうねー。 
リュセイオンのポラックはミステリアスな悪女をクールに演じ、先日のエフィとは全く違った大人な雰囲気。 ルーヴェともモローともパ・ド・ドゥを流麗に踊っていたのが印象的です。 身体で語れるダンサーですね。 7月の公演ではルーヴェとポラックの黒鳥のPDDが見られるのですよね。 こちらも楽しみ♪
モローは派手さはないけれど、嫌な奴を好演。 この役こそアリュで見てみたいと思ったブリュアクシスにキャストされたマチュー・コンタはまだコリフェですが、オーレリ相手に臆することなく、踊りも滑らかにダイナミックで良かったです。 上から吊るされた四角い装置に頭をぶつけていましたが、あの円や四角の装置は吊るす高さを間違えると危ないですよね。 
男性コール・ドたちは衣装を変えつつ出番も多く、この演目でも美形ダンサーたちを堪能!
という事で1時間弱のこの作品、けっこう楽しく見る事ができました。 ミルピエの振付も奇をてらったところがなく、動きはナチュラルでストレスもなかったですしね。 また、東フィルの演奏がとても良かったのも舞台の好印象の大きな要因だと思います。
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パリ・オペラ座バレエ団「ラ・シルフィード」 3月2日
2017/03/05(Sun)
オペラ座の「ラ・シルフィード」は初日に見に行って来ました。
オーレリ、パケット、サイズ目当てでパリオペの舞台を見てきた自分としては、今回はあまり積極的になれずNBSに掲載されているインタビュー記事なども全く読まずに迎えた公演ですが、帰りの電車でなんでラシルにミリアムの写真がないのだろう?とプログラムを見ながら不思議に思っていたら、彼女、今回が初役だったのですね。 びっくりでした。

そのミリアム、ふわぁ~っとしたムーヴメントや所作は人のそれとは違い、また屈託なく悪気のない振る舞いなど、ジェームズが惹かれないではいられない抗えないイノセントな魔力を持ったシルフィードでした。 ここまで嫌味も奔放さも感じさせない上品なシルフは初めて見たかもしれません。 これで初役なんて凄すぎますね。 柔らかで綺麗なアームスの動きも印象に残りましたが、床との接触を感じさせないような爪先と足首の柔らかさが際立って素晴らしいと思いました。 
エイマンのジェイムズはお見事の一言! 踊りのラインは端正で美しく、速い動きでも乱れることはない。 ジャンプは信じられないほどに軽く高く、回転は滑らかで切れもあり軸も安定。 繰り返されるアントルシャも綺麗でした。 
エフィのレオノール・ボラックは初見かなぁ? エイマンとの並びもよく、きっちりとした踊り。 様々な感情に揺さぶられるエフィーをナチュラルに演じていたと思います。
ラコット版は1幕にかなり長いオンブルがあるのでしたね。 言いようのない不安にかられるエフィーとほぼ放心したようなジェイムズと無心に2人の間を裂こうとするシルフの3人の踊りは緊張感も漂う見応えのあるものでした。 
パ・ド・ドゥの二人はなかなか押し出しの強い踊りでしたが、アリューは豪快さもありますね。 バランシンはどうなんだろうなー。
2幕の妖精たち衣装の白がけっこうボリューミーな質感で、ミリアムの空気感とはまた違った世界を醸し出しているような・・・。 ここでもミリアム@シルフの特別感が強かったです。
終盤、マッジから渡されたストールを掛けられた事で死んでゆくシルフとジェイムズの別れのシーン。 遠のいていく意識の中、必死に思いを伝えようとするミリアムの演技が秀逸で指輪を返すところでは胸が詰まりました。

さて、もう一演目のグラン・ガラ、私は11日のマチネを見に行きます。 エイマンがアザーダンスでどんな鮮やかなステップを見せてくれるのか、期待大です。 オーレリとエルヴェのペアが見られなくなってしまったのはとっても残念ですが、多分初見のジェルマン・ルーヴェを見られるのは楽しみです。





ラ・シルフィード: ミリアム・ウルド=ブラーム
ジェイムズ: マチアス・エイマン
エフィー: レオノール・ボラック
魔女マッジ: アレクシス・ルノー
ガーン: イヴォン・ドゥモル
エフィーの母: ニノン・ロー

第1幕
青の娘たち: ローランス・ラフォン、カミーユ・ボン、ロール=アデライド・ブーコー、
        エミリー・アスブン、ロクサーヌ・ストヤノフ、ペギー・デュルソール、
        ジュリー・マルテル、カロリーヌ・オスモン
赤の娘たち: マリーヌ・ガニオ、セヴリーヌ・ウェステルマン、ジュリアンヌ・マティス、
        ソフィー・マイユー、ジェニファー・ヴィソッチ、ジュリア・コーガン、
        クレール・ガンドルフィ、アメリ・ジョアニード
青の青年たち: ヤン・シャイユー、オレリアン・ウエット、シリル・ミティリアン、ジェレミー=ルー・ケール、
         マチュー・ボットー、マチュー・コンタ、ミカエル・ラフォン、シリル・ショクルン
赤の青年たち: アリステル・マディン、マルク・モロー、ダニエル・ストック、アドリアン・ボデ、
          ジュリアン・コゼット、グレゴリー・ガイヤール、パブロ・レガサ、マクシム・トマ
パ・ド・ドゥ: エレオノール・ゲリノー、フランソワ・アリュー

第2幕
魔女たち: マチュー・ボットー、フランチェスコ・ミュラ、マクシム・トマ、ジャン=バティスト・シャヴィニエ、
       シリル・ショクルン、アントナン・モニエ
三人のシルフィードたち: マリーヌ・ガニオ、エレオノール・ゲリノー、ジェニファー・ヴィソッチ
シルフィードたち: オーレリア・ベレ、ローランス・ラフォン、セヴリーヌ・ウェステルマン、
           カミーユ・ボン、ロール=アデライド・ブーコー、エミリー・アスブン、
           ジュリアンヌ・マティス、ソフィー・マイユー、ロクサーヌ・ストヤノフ、
           アネモーヌ・アルノー、アンブル・シアルコッソ、ジュリア・コーガン、
           ウジェニー・ドリオン、ペギー・デュルソール、クレール・ガンドルフィ、
           クレマンス・グロス、アメリ・ジョアニード、ジュリー・マルテル、
           カロリーヌ・オスモン、ニノン・ロー
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