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新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」 5月13日
2017/05/21(Sun)
この日のお楽しみの一つの唯ちゃんのカラボス!とリラの精の対決で物語りは始まる。 
慈愛に満ちたリラの細田さん。 7日と比べると舞台での存在感が一段と増している感じがします。 
6人の妖精の踊りは7日同様、皆手堅く上手い。 誰が何を踊っても本当に遜色がないのが新国立バレエ団の層の厚さを物語っていますね。
寺田さんは踊りが柔らくニュアンスの付け方も上手い。 丸尾さんの安定感は抜群で最後の連続回転の見惚れるような滑らかさ。 萌子さんも奥田さんも手堅く上手い。 五月女さんもいつもながらの小気味良い踊り。 仙道さんはやや緊張気味のように感じましたがそれでもきっちりと。 コール・ド・ダンサーたちもの醸し出す優雅で温かな雰囲気は眠りのプロローグにぴったりです。
比類ないほどに美しく高雅な美和ちゃんの王妃様。 彼女は本当に演技達者な人で3幕のラストまで常にその表情、細やかな気配り、仕草のすべてが国王の妻、オーロラの母、民衆の王妃としてのものでした。 
そしてお楽しみだった唯ちゃんのカラボスは冒頭のリラとの対決もそうでしたが、気が強い小悪魔なカラボス。 表情たっぷりにマイムの動きも大きく芝居にとても熱が入っていたと思います。 踊りもキレキレシャープに勢いよくいくのかと思ったら意外にもソフトタッチでちょっとおとなしいかなという印象。 

5月5日に幕を開けた今回の眠り。 一週間以上も待ちに待ってようやく小野&福岡ゴールデンコンビの主演舞台です。 ですが、この版では絢子姫が出てくるまでは、休憩を一つはさまなくてはならず・・・(笑) ようやくようやく1幕となり絢子姫の登場です! ほんと、じらされたな~~~。
その絢子ちゃんのオーロラ、両親や周りの人々の愛情をたっぷり受けて大切に育てられた淑やかで明るいお姫様。 16歳の初々しさも自然に表現され、ステップの一つ一つが軽やかで旋律を纏っているような音楽性溢れる踊りに一瞬で惹きこまれました。 脚がほどよく高く上げられたアチチュードバランスもプロムナードもプリンセスらしい落ち着いた笑顔できっちりでした。 その間、4国の王子はチャーミングなオーロラにただただ心奪われていく感じで、それぞれの表情を見ているのも楽しかったです♪ 
オーロラの友人たちの8人のバレリーナの踊りは華やぎとエレガンスがあり、よく揃っていて1幕のクウォリティを底上げしていますね。  

2幕
伯爵夫人の堀口さん以下、キャストは7日とそれほど変わりはないので印象も変わらず。
雄大王子の登場! 体型的には特に変わりがなかったのでちょっと安心。 胸元がはだけたこのデジレの衣装はやはり好みではありませんが、爽やかな奥村君よりは雄大君の方が気にならず(笑)。 雄大君のソロ、手先足先までよく伸びていて綺麗でした。 テクニック的にも安定しているし。 
視線をやや落としがちに憂いを含んだ佇まいの幻影の場のオーロラ。 オーロラを追いかける王子の前に何度も立ちふさがっては王子の気持ちを確かめるリラの精。 始めのうちは少し厳しい表情だったのが少しずつ緩み、王子の完璧な陥落を見て取った時に見せたこれ以上ないくらいの優しい笑顔がとっても印象的。 ここの音楽もなんとなく切ないメロディーですが、オーロラを追いかける雄大王子のそれは切なそうで真剣な表情、本物の姫に会いたいという気持ちの高まりに思わずぐっと来てしまいました。 独奏チェロの演奏も美しかったです。 このシーンでここまでドキドキして王子に応援モードになったのは初めてで、自分でもびっくり(笑)。 その後の絢子ちゃんの長めのヴァリアシオンもただただ見入ってしまいました・・・。
王子をオーロラの元に導くリラ。 王子はカラボスの手下に邪魔され剣を抜いていたけれど、カラボスの魔力からはリラが体を張って?進む道を示しながら王子を守るのですね。 7日は気がつかなかった。 そして王子は無事にオーロラの元へ行き着き、口付けでオーロラを目覚めさせた愛の力にカラボスは力つきて崩れ落ちる。 唯ちゃんの演技も最後まで熱が入っていました。 オーロラとデジレの目覚めのPDDでは最初は恋心に恥じらいを見せていたオーロラが、王子の熱い思いを受けて気持ちの高まりを隠す事なく恋に落ちていき幸せに浸っていく様が静かながら情熱的に演じられていてとても良かったです。 こういうシーンは2人のファン冥利につきますね♪ 

3幕  
宝石の3人はこの日も磐石な出来ながら、イタリアンフェッテトリプルは7日の方が揃っていたかもしれません。 あの日の揃い方は驚くくらい凄かった! 
そしてダイヤモンドの奥村君の踊りのしなやかで端正な事と言ったら・・・。 王子役でのいろいろなプレッシャーとは無縁のこの役を本当に楽しみながら、踊る喜びに満ち満ちて輝いていましたねー。 
白い猫と長靴をはいた猫の息のあった踊り。 パッシーンという音が響き渡るくらい思いっきり長靴猫(原健太)をはたいた白猫の原田さん、うん、このくらいじゃないとね! 原さんの長靴猫もアクションが大きくて白猫への執着心も強くて(笑)とても良かったです。 この日は狼の福田紘也さんものりのりでキャラクテールの踊りは次から次へとどんどんテンションが上がっていく感じ。 最後を締めた親指トムの福田さんの切れのある踊りも良かったです。 フロリナと青い鳥が井澤さんのお疲れモードもあり(前日はデジレでしたものね)やや精彩を欠いた感はありましたが、最終日に相応しくキャラクテールたちが祝宴を盛り上げたダンスでした。 
オーロラとデジレのGPDDは絢子ちゃん、雄大君のそれぞれの素晴らしいパフォーマンスに二人の鉄壁のパートナーシップが見せる圧巻の出来でした。 踊りの冴えに加えて二人のプレゼンスが貫禄すら感じさせるものになってきているのも嬉しい限りです。 


最終日という事もあり、カーテンコールは何度も何度も繰り返され盛り上がりました。 舞台のダンサーたちと観客たちの一体感が感じられる幸せな時間でもありますね。
来年の「眠り」での小野&福岡ペアの公演日は6月16日のソワレですが、追加でもう一回あるでしょうか? でも、スケジュール的に見て、可能性があるとしたら10日くらいですかね?

今シーズンを締めくくる6月の「ジゼル」、主要キャストは可能な限り早く発表していただきたいものです!


                      


オーロラ姫 : 小野絢子
デジレ王子:福岡雄大
リラの精:細田千晶
カラボス : 米沢 唯
誠実の精:寺田亜沙子
優美の精:丸尾孝子
寛容の精:飯野萌子
歓びの精:五月女遥
勇敢の精:奥田花純
気品の精:仙頭由貴
エメラルド:奥田花純
サファイア:飯野萌子
アメジスト:五月女遥
ゴールド:奥村康祐
フロリナ王女:柴山紗帆
青い鳥:井澤 駿
長靴を履いた猫:原健太
白い猫:原田舞子
赤ずきん:広瀬碧
狼:福田紘也
親指トム:福田圭吾

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新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」 5月7日
2017/05/20(Sat)
2年半ぶりの新国立劇場のイーグリング版「眠れる森の美女」。 絶対外せない鉄板小野&福岡ペアの他にどうしても奥村君のデジレが見たくて、今回は7日と13日の2公演を選びました。 間際で発表された絢子ちゃんと雄大君がフロリナ&青い鳥を踊る5日、6日のどちらかも行きたかったのですが、生憎他の予定を入れてしまっていたので断念。 せめて、リラ・カラボスと合わせてもうちょっと早く発表できないものでしょうかね? ここ数年の新国立劇場には何かと不満を感じる事が多いわ・・・ 

すっかり忘れていたけれど、待ち受けるカラボスとゴンドラから降りてくるリラの精の睨み合いで幕が開く物語でしたね・・・。
リラの精・・・、あのロリータファッションもどきのチュチュにナイトキャップのようなヘアドレスはあまりにも気の毒というかセンスが悪すぎ。 それでも細田さんは涼やかに輝いていましたが、もっと色のはっきりとしたオーソドックスなチュチュに変えてもらいたいものです。 細田さん、少し緊張していたようにも見えましたが、恵まれたプロポーションでのラインの綺麗な端正な踊りは彼女ならでは。
リラお付きの妖精たち(プログラムにはリラの精たちとなっています)は皆踊りが安定していて上手いですね。 スタイルもよくて綺麗なダンサーが多いし、さすが新国です。 そしてイーグリング版の名前を持った妖精たちは通常の5人ではなくなく、気品の精を加えた6人。 堀口さんの優美の精は流石に他の人とは違う存在感があり見せ方も上手。 勇敢の精の奥田さんも切れと強さがあってとても良かった。 清清しい踊りだった寺井さんの気品の精の音楽は2幕の貴族の踊りを使っています。
で、こちらも忘れていたけれど、カラボスは大嫌いな蜘蛛の乗り物に乗っての登場でした。 まー、それほどグロくもリアルでもないのでこのくらいなら目を閉じずに見ていられますが(本物は恐怖!!というくらい大嫌い)。 初演の時は見られなかったので美和ちゃんのカラボスはお初ですが、他を圧倒する存在感が凄いです!! 彼女の演技力には以前から定評がありますが、カラボスの感情がそのまま代弁されているような勢いがあってダイナミックな踊りも本当に素晴らしい!! でもってオーレリのような強く妖しい美しさには思わずため息が出てしまうし♪ 本島さん、主演こそなくなりましたが、ダンサーとして素晴らしいキャリアを築いて充実されていますよね。 カラボス、かっこい~~~でプロローグは終わってしまいました(笑)。

オーロラの池田理沙子さんは入団早々にこの2016-17シーズンで3演目に主演を任されたバレリーナ。 可愛らしく初々しい様子が16歳のオーロラ姫にはぴったりです。 踊りはとても堅実で、一番緊張するであろうローズアダージョも軸などがぶれる事もなくそつなくこなしていましたし、その後のソロも落ち着いていて感心。 ただ、もう少し表情豊かに踊りにも伸びやかさがあれば良かったとは思います。 演技の硬さから察するに、まだ余裕を持ってオーロラを演じきれていないので、自然に湧き出てくるオーロラとしての感情の表現や心情が乗っての体で歌う踊りというところまでは至っていないのではないかと。 オーロラの友人たちやワルツのダンサーたちが皆にこやかな表情で柔らかに踊っていたので余計にそこが気になったのかもしれません。   
4国の王子は渡辺・貝川・中家・浜崎さんと豪華なメンバーです! シンデレラ以来大注目&期待の浜崎さんがイタリアの王子だったのでキャスト表を手にした時からワクワクと(笑)。 オーロラのサポートは渡辺さん、いずれ彼のデジレも見てみたいです。  

2幕冒頭。
伯爵夫人の堀口さんの凜とした佇まい。 貴族にも村人たちにも惜しみなくソリストを投入していますが、村人たちには八幡さんまで。 今回は彼の親指トムは外してしまったので短いけれど踊りが見られて良かったです。 
そしてようやくデジレ王子の登場。 髪を後ろでちょっとだけ結んだ奥村君は初々しく品のある王子様。 指先、足先まで神経の行き届いた端正で軽やかな踊りは本当に綺麗です。  颯爽としたマネージュはスピード感があり、ザンレールなどは高さに余裕がありました。 
池田さんは幻影の場でも1幕と同じ印象。 幻影の場は、ともかく場に相応しくない孔雀の羽のような色合いのヴィヴィッドカラーのコール・ドの衣装を変えて欲しいですねぇ。 フォーメーションはとても綺麗なのに動けば動くほどなんか違う世界へと運ばれそうで・・・。 オーロラの眠る奥深い森を表したいのならもっと落ち着いた色合いがあるでしょうし、リラ同様、麗しいバレリーナたちのためにもこちらも普通のチュチュにしていただきたいです。 
乗り物系にやたら気合の入っている舞台装置、リラの精が王子をオーロラのもとへ導いていくゴンドラもとてもゴージャスで二人しか乗らないなんてもったいない大きさ(笑) 奥村王子の表情も晴れやかです♪  
城の前でのリラとカラボスの対決、カラボスへの照明がちょっと暗かったような気が・・・。 リラの善の力と王子のオーロラへの愛の力の前に敗れるカラボス。 
100年の眠りから覚めたオーロラとデジレの目覚めのパ・ド・ドゥ。 リラの導きで出会った2人が自然に恋に落ちていく様が美しい間奏曲によって描かれるこのシーンはいいですねぇ。 以前バーミンガム・ロイヤルで見たライト版でもこのPDDがあってロホの素晴らしい表現に感動した事を思い出しました。  ロホはチュチュでしたがイーグリング版はロミジュリのバルコニーシーンでも着られそうな柔らかな生地のドレスなので、ロミジュリを見ているような錯覚も覚えます。 けっこうリフトもありますしね。 優しい笑顔でオーロラを見つめる奥村王子が印象的でした。  

3幕
ここの宝石たちはゴールドがダイヤモンド代わりでダンサーも男性です。 奥田さん、飯野さん、五月女さんはそれぞれタイプの違うダンサーだと思いますが、揃い方が抜群で、特に3人揃ってのイタリアンフェッテの動きや角度がぴったりだったのは感動もの! 木下さんも守備範囲が広いというか、ノーブルな踊りも綺麗にこなすダンサーなんですね。
フロリナと青い鳥は柴山さんと井澤さんの爽やかペア。 井澤さんは身長も高く手も長いのでソフトタッチながら動きのラインが大きく見栄えがします。 柴山さんはいつもながらのお手本のようにきっちりとした品の良い踊り。  
猫カップル、赤ずきんと狼も客席を和ませてくれる楽しい踊り。 親指トムの小野寺さんは小気味よい踊りでした。 
オーロラとデジレのGPDD。 2人とも丁寧に一つ一つをこなしていくという感じでした。 ここでも奥村王子は常に池田さんを気遣うようにしっかりとアイコンタクトをとりながらリードしていたと思います。 2人の息もよく合っていたのでフィッシュダイブ3連続などの見せ場も見事に決まっていました。 池田さんは表情はやや硬いながらも踊りは本当に安定、奥村さんはヴァリでも颯爽と軽やかに美しく、プリンシパルとしての存在感をしっかり感じさせてくれました。
大団円のフィナーレ、充実の踊りを見せてくれたダンサーたちが勢ぞろいで華やかに!


衣装などに不満はあるものの、コール・ドからソリストまでレベルの高いダンサーたちによる充実の舞台を堪能する事ができて本当に良かったです。 「眠れる森の美女」は来シーズンも上演がありますが、5公演のうち主演キャストが決まっているのは今のところ2公演。 まだ奥村さんの名前はありませんが、今度は唯ちゃんと組んでくれないかなぁぁと期待しているのですが・・・。 ヴァレンタイン・バレエで見た2人のソワレ・ド・バレエがとても良かったのですよねー。 


                       

 
オーロラ姫 : 池田理沙子
デジレ王子:奥村康祐
リラの精:細田千晶
カラボス : 本島美和
誠実の精:川口藍
優美の精:堀口純
寛容の精:若生愛
歓びの精:広瀬碧
勇敢の精:奥田花純
気品の精:寺井七海
エメラルド:奥田花純
サファイア:飯野萌子
アメジスト:五月女遥
ゴールド:木下嘉人
フロリナ王女:柴山紗帆
青い鳥:井澤 駿
長靴を履いた猫:宇賀大将
白い猫:玉井るい
赤ずきん:広瀬碧
狼:福田紘也
親指トム:小野寺雄

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フィンランド国立バレエ団 4月24日
2017/05/02(Tue)
24日(月)にフィンランド国立バレエ団の公演を見てきました。
今年独立100周年を迎えるフィンランド。 日本でも数多くの祝賀行事が予定されているそうですが、その一つが初来日となるフィンランド国立バレエ団の公演。 日本公演用に創作したムーミンバレエの第2作(第1作は2015年)「ムーミンと魔法使いの帽子」をひっさげての意欲的な公演です。


第1部 北欧ガラ

「白鳥の湖」第三幕より 
振付:ケネス・グレーブ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  スペインの踊り     レベッカ・キング
                小守麻衣、オレガ・レッパヤルヴィ、マクシム・チュカユロフ、ヴィッレ・マキ
  ハンガリーの踊り   エミリア・カルミッツァ、ニショラス・ツィーグラー
  ロシアの踊り      松根花子
                マルチン・クルチュマーシュ、ジュゼッペ・マルティーノ、ルアン・クリグフトン、イリヤ・ボロトフ
  オディールと王子のグラン・パ・ド・ドゥ
                オディール:ハ・ウンジ
                ジークフリート:デニス・ニェダク
                ロットバルト:ガブリエル・ダヴィッドソン

ニェダクがゲスト出演でジークフリートを踊るというのも楽しみだったこのプログラムですが、GPDDだけでなく、スペイン、ハンガリー、ロシアの踊りも上演というちょっと贅沢なプログラム。 で、ヌレエフ版を髣髴とさせる存在のマント付きスーツ姿のロットバルトのガブリエル・ダビッドソンがスレンダー長身超ハンサムで、その踊りに期待に期待が膨らみ続けたのですが、結局最後までサポートと演技だけだったのはちょっと肩すかし・・・(笑)。
スペインは男性4人にチュチュの女性1人。 女性はジークフリートを誘惑するのですが、彼女のサポートにすっと入っただけのニェダクはそれだけでも格の違いが分かるというか、瞬間的に舞台の空気が引き締まったような気がしました。 
またロシアも変っていて、男性4人の衣装&踊りはコサック系なのに、女性はハーレムパンツで怪しげに体をくねらせこちらも王子を誘惑? 3国の踊りはどれも、やはりヌレエフ版のように動きの多いものでした。
GPDDでオディールを踊った韓国出身のエトワール、ハ・ウンジは小柄でシャープな踊りをするダンサー。 ニェダクは磐石。 やはりこの人の踊りはノーブルでエレガントです。  


トゥオネラの白鳥「レンミンカイネン組曲」より抜粋
  振付:イムレ・エック 音楽:ジャン・シベリウス
  トゥオネラの白鳥:ティーナ・ミュッリュマキ
  レンミンカイネン:ヤニ・タロ

レンミンカイネンが求婚者の母親に出された3つ目の課題のトゥオネラの白鳥を射るという話をイメージしているのかは定かではないですが、二人のダンサーの高い身体能力によって表現されているコンテンポラリー。 曲が好きなので飽きはしなかったけれど、振付的にはあまり曲を生かしきれていない気がしないでもなく・・・。


「シェヘラザード」よりグラン・パ・ド・ドゥ
  振付:ケネス・グレーブ 音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
  シャフリヤール王:ジョナタン・ロドリゲス
  シェヘラザード:アビゲイル・シェパード

ゾベイダと金の奴隷ではなく、シャフリヤール王とシェヘラザードの千夜一夜物語。 シャフリヤール王はシェヘラザードを威圧するようでもあり、激しく求めるようでもあり。 対するシェヘラザードは胸に秘めた覚悟のようなものを時に感じさせながらも王への愛情を情熱的にぶつけていくというなかなかに面白いPDD。 コール・ドの存在が宮廷の華やかさに一役買っていて、さらに女性たちはシェヘラザードに力を与え後押ししているようでした。


バレエ「悲愴」より
  振付:ヨルマ・ウオティネン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  ソロ:アンティ・ケイナネン

個人的にガラでは一番印象に残った作品。 登場して来たスキンヘッドのダンサーは白塗りの目の下が黒く、上半身裸に白い腰みののような衣装で、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」を思い出させます。
ユーモラスだったり恐怖に怯えているようだったり落胆したりと次々に変る彼の表情とムーブメント。 その姿からは微かに危うさや不気味さも感じられますが、そこに何を見ているのか、何に突き動かされているのだろうと思わず惹き込まれて見てしまいました。 飛んだり跳ねたり回転したり、でんぐり返しまであって運動量はかなりのもの。  この公演のfacebookには同じ衣装の男性が何人も写っている写真が掲載されていますが、何分くらいのどういう作品に仕上がっているのでしょう? 音楽もチャイコフスキーだし、すごく興味をそそられたので是非全編を見てみたいです。


「ドン・キホーテ」第三幕より ”ファンダンゴ” ”グラン・パ・ド・ドゥ”
  振付:パトリス・バール 音楽:レオン・ミンクス
  キトリ:アリーナ・ナヌ
  バジル:ミハル・クルチュマーシュ  

コール・ドによる華やかでスペイン情緒が感じられるファンダンゴが嬉しいサプライズ! キトリを踊ったアリーナ・ナヌはプラハ国立歌劇場バレエ団のプリンシパルとの事ですが、大柄で見栄えがし、バランスや回転が安定している足の強そうなダンサーでした。 バジルのミハル・クルチュマーシュはもうちょっとテンション上げても良かった気もしますが、第1部のトリらしく舞台を盛り上げてくれました。



第2部 たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~
  振付:ケネス・グレーブ 音楽:トゥオマス・カンテリネン

  ムーミントロール:フローリアン・モーダン
  スノークのお嬢さん:ルツィエ・ラーコスニーコヴァー
  ムーミンパパ:キンモ・サンデル
  ムーミンママ:イラ・リンダール
  スニフ:ルアン・クリグフトン
  スナフキン:ジュゼッペ・マルティーノ
  ちびのミイ:イーガ・クラタ  

舞台奥に置かれた二つのベッドに横たわる大きく膨らんだ白いもの・・・。 ムーミンパパ&ママ、ムーミンのお目覚めです!(笑) アニメや絵本で親しんだまんまのムーミンたちがそのままビッグサイズで目の前にいるって事だけで、もう見に来た甲斐があるというものです♪  スノークのお嬢さん(というよりノンノンだよなー、やっぱり)がポアントでつつつー(凄い!)と登場して来て2カップルでゆったりと踊るのですが、90度くらいまで脚をあげて、あんなバランスの悪い衣装をつけてトウでバランスを取っている姿は健気でとってもラブリ~~でそれだけで感動的! 
スニフもまんまスニフでしたが、こちらはもう少し動き易そうです。 
ちびのミイはともかく元気が良くてみんなを振り回して・・・。 でもとってもキュートで憎めない感じの女の子。 クラシックバレエ的な踊りも思いの他多くて、ムーミンと並ぶもう一人の主役のような存在でした。
物語は平穏な日常にムーミンが見つけた魔法使いの帽子を巡っていろいろな事が起こるという設定ですが、ムーミン谷の自然やファンタジーをほどよく絡ませた楽しい演出だったと思います。 後半に出てくる魔法使いとルビー(チュチュ)の踊りはクラシックバレエのPDDとしても良かったですしね。 
ラストシーン、背を向けてベンチに座りムーミン谷を眺めながら大きな赤い風船(ハート型だったかな?)を手に寄り添うムーミンとノンノンの姿には会場の空気もホッコリでした。 


この公演はスペシャル企画として第2部のカーテンコールのみ、席からの写真撮影が認められていました。
(左から順に、ルビー、魔法使い、ママ、パパ、ノンノン、ムーミン、ミイ、モラン、スナフキン)
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パリ・オペラ座バレエ団「グラン・ガラ」 3月11日マチネ
2017/03/18(Sat)
グラン・ガラはドロテ&ジョシュアの「テーマとヴァリエーション」、オーレリとエルヴェの「ダフニスとクロエ」を見たくて11日のマチネを選びました。 最初の発表ではドロテはこれ一回きりの出演予定だったのですよね・・・。 


テーマとヴァリエーション
  振付:ジョージ・バランシン
  音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
      管弦楽組曲第3番ト長調作品55 第4楽章

ヴァランティーヌ・コラサント、フランソワ・アリュ
オーレリア・ベレ、セヴリーヌ・ウェステルマン、ロール=アデライド・ブーコー、ソフィー・マイユー
シリル・ミティリアン、ダニエル・ストック、イヴォン・ドゥモル、パブロ・レガサ


主役2人が見たかったドロテ&ジョシュアからコラサント&ジョシュア、結果的にコラサント&アリュに変った時点でかなりがっかりモードになってしまったこの作品。 
2人とも十分に上手くて悪くはなかったのですが、自分の好みとは違いました。 もちろん難しいステップなどもきちんとこなし、真ん中らしい存在感もあるのですが、終盤に向かってヒートアップして行くにつれ、わりと奔放に勢いよすぎる感もあったので、もう少し抑制の効いたアカデミックなダンスが見たかったです。 特にアリュはショーマンシップ隠し切れず・・・という感じだったし。 ま、ともかく好みの問題という事で・・・。 しかし、さすがオペラ座だけあって美形の多い男性コール・ドは眼福でした。 
が、全体的には先月の新国の同作品があまりに美しく素晴らしかったので、しつこいですが、好み的に少し見劣りしたかなぁという感じです。
でも、アリュってとっても人柄の良さそうなダンサーですね。 最後にコール・ドのダンサーたちに深々とお辞儀をしている姿にそんな事を思いました。 彼のショーマンシップは7月の「レ・ブルジョワ」で楽しみたいです♪ 


アザー・ダンス
  振付:ジェローム・ロビンズ
  音楽: フレデリック・ショパン
       マズルカ作品17-4、41-3、ワルツ作品64-3、マズルカ作品63-2、33-2
   ピアノ: ヴェッセラ・ペロフスカ

リュドミラ・パリエロ、マチアス・エイマン

アザー・ダンスはバレエフェスで2度ほど見た事があるのですが、何度も見たいと思えた作品ではなかったので今回のガラでは未見の作品が見たかったのになぁぁとテンション低かった作品・・・。 ですが、パリエロとエイマン、素晴らしかったです! 
エイマンの流麗で軽やかな身のこなしは常に美しく、高度な技術もショパンの旋律に溶け込むようにしてサラッとこなしてしまうのは本当に素晴らしいです。 バリエロはおそらく初めて見るダンサーだと思いますが、しなやかで優雅でありながらメリハリのあるラインが綺麗でした。 膝丈のドレスで隠すのがもったいない脚の美しいダンサーですね。 それぞれのソロが素晴らしかった上に、2人のダンスでの対話、身体での会話がなんとも言えない落ち着いた大人の世界を作っていて惹きこまれました。 もちろん、ピアニストとの呼吸も合っていて美しい旋律との一体感もこの上ないものだったと。 


ダフニスとクロエ
  振付:バンジャマン・ミルピエ
  音楽: モーリス・ラヴェル

クロエ: オレリー・デュポン
ダフニス: ジェルマン・ルーヴェ
リュセイオン: レオノール・ボラック
ドルコン: マルク・モロー
ブリュアクシス: マチュー・コンタ


前奏が始まったとたんに幕が開いたと思ったら、白と黒(こげ茶??)の細いストライプの中幕がかかっており、中央に小さな長方形の画像が浮かび上がるとそれが四角や円に形と大きさを変えやがて小さくなって消えていくという、なんのモチーフでどういうメッセージなのかなぁと思いつつ何気にずっと見てしまった(笑) 
「ダフニスとクロエ」は2012年3月のモンテカルロ・バレエ団の公演で一度見ていますが、あの時は会場で痛めた首のせいで後半観賞どころではなく、「シェヘラザード」とのエロス二連発みたいなコメントしか残しておらず・・・。 そんな事もあり、今回のミルピエ版もモローは降板だしあまり期待はしていなかったのですが、思っていたより楽しめました。 
ボレロは諸事情で見送ってしまった久々のオーレリ、匂い立つような艶やかさは衰えをみせず別格のオーラを放っていました。 エルヴェに変ってダフニス役を務めたのが昨年11月にプルミエ・ダンスールに昇格し、翌月12月の「白鳥の湖」主演後にエトワールに任命されたというジェルマン・ルーヴェ。 まだ23歳ですかね? 爽やかなマスクに長身でスタイルの良いダンサーです。 オーレリの横にいるとなんかちょっとぽあ~んとした感じに見え、演技は少し弱いような気もしましたが、2人の並びはさほど年の差を感じさせるわけでもなく(オーレリ、凄い!)、幸福感溢れる終盤のダンスなどはとても良かったです。 ただ、オリジナルキャストのエルヴェだったらまたずい分違った2人に見えたのでしょうねー。 
リュセイオンのポラックはミステリアスな悪女をクールに演じ、先日のエフィとは全く違った大人な雰囲気。 ルーヴェともモローともパ・ド・ドゥを流麗に踊っていたのが印象的です。 身体で語れるダンサーですね。 7月の公演ではルーヴェとポラックの黒鳥のPDDが見られるのですよね。 こちらも楽しみ♪
モローは派手さはないけれど、嫌な奴を好演。 この役こそアリュで見てみたいと思ったブリュアクシスにキャストされたマチュー・コンタはまだコリフェですが、オーレリ相手に臆することなく、踊りも滑らかにダイナミックで良かったです。 上から吊るされた四角い装置に頭をぶつけていましたが、あの円や四角の装置は吊るす高さを間違えると危ないですよね。 
男性コール・ドたちは衣装を変えつつ出番も多く、この演目でも美形ダンサーたちを堪能!
という事で1時間弱のこの作品、けっこう楽しく見る事ができました。 ミルピエの振付も奇をてらったところがなく、動きはナチュラルでストレスもなかったですしね。 また、東フィルの演奏がとても良かったのも舞台の好印象の大きな要因だと思います。
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パリ・オペラ座バレエ団「ラ・シルフィード」 3月2日
2017/03/05(Sun)
オペラ座の「ラ・シルフィード」は初日に見に行って来ました。
オーレリ、パケット、サイズ目当てでパリオペの舞台を見てきた自分としては、今回はあまり積極的になれずNBSに掲載されているインタビュー記事なども全く読まずに迎えた公演ですが、帰りの電車でなんでラシルにミリアムの写真がないのだろう?とプログラムを見ながら不思議に思っていたら、彼女、今回が初役だったのですね。 びっくりでした。

そのミリアム、ふわぁ~っとしたムーヴメントや所作は人のそれとは違い、また屈託なく悪気のない振る舞いなど、ジェームズが惹かれないではいられない抗えないイノセントな魔力を持ったシルフィードでした。 ここまで嫌味も奔放さも感じさせない上品なシルフは初めて見たかもしれません。 これで初役なんて凄すぎますね。 柔らかで綺麗なアームスの動きも印象に残りましたが、床との接触を感じさせないような爪先と足首の柔らかさが際立って素晴らしいと思いました。 
エイマンのジェイムズはお見事の一言! 踊りのラインは端正で美しく、速い動きでも乱れることはない。 ジャンプは信じられないほどに軽く高く、回転は滑らかで切れもあり軸も安定。 繰り返されるアントルシャも綺麗でした。 
エフィのレオノール・ボラックは初見かなぁ? エイマンとの並びもよく、きっちりとした踊り。 様々な感情に揺さぶられるエフィーをナチュラルに演じていたと思います。
ラコット版は1幕にかなり長いオンブルがあるのでしたね。 言いようのない不安にかられるエフィーとほぼ放心したようなジェイムズと無心に2人の間を裂こうとするシルフの3人の踊りは緊張感も漂う見応えのあるものでした。 
パ・ド・ドゥの二人はなかなか押し出しの強い踊りでしたが、アリューは豪快さもありますね。 バランシンはどうなんだろうなー。
2幕の妖精たち衣装の白がけっこうボリューミーな質感で、ミリアムの空気感とはまた違った世界を醸し出しているような・・・。 ここでもミリアム@シルフの特別感が強かったです。
終盤、マッジから渡されたストールを掛けられた事で死んでゆくシルフとジェイムズの別れのシーン。 遠のいていく意識の中、必死に思いを伝えようとするミリアムの演技が秀逸で指輪を返すところでは胸が詰まりました。

さて、もう一演目のグラン・ガラ、私は11日のマチネを見に行きます。 エイマンがアザーダンスでどんな鮮やかなステップを見せてくれるのか、期待大です。 オーレリとエルヴェのペアが見られなくなってしまったのはとっても残念ですが、多分初見のジェルマン・ルーヴェを見られるのは楽しみです。





ラ・シルフィード: ミリアム・ウルド=ブラーム
ジェイムズ: マチアス・エイマン
エフィー: レオノール・ボラック
魔女マッジ: アレクシス・ルノー
ガーン: イヴォン・ドゥモル
エフィーの母: ニノン・ロー

第1幕
青の娘たち: ローランス・ラフォン、カミーユ・ボン、ロール=アデライド・ブーコー、
        エミリー・アスブン、ロクサーヌ・ストヤノフ、ペギー・デュルソール、
        ジュリー・マルテル、カロリーヌ・オスモン
赤の娘たち: マリーヌ・ガニオ、セヴリーヌ・ウェステルマン、ジュリアンヌ・マティス、
        ソフィー・マイユー、ジェニファー・ヴィソッチ、ジュリア・コーガン、
        クレール・ガンドルフィ、アメリ・ジョアニード
青の青年たち: ヤン・シャイユー、オレリアン・ウエット、シリル・ミティリアン、ジェレミー=ルー・ケール、
         マチュー・ボットー、マチュー・コンタ、ミカエル・ラフォン、シリル・ショクルン
赤の青年たち: アリステル・マディン、マルク・モロー、ダニエル・ストック、アドリアン・ボデ、
          ジュリアン・コゼット、グレゴリー・ガイヤール、パブロ・レガサ、マクシム・トマ
パ・ド・ドゥ: エレオノール・ゲリノー、フランソワ・アリュー

第2幕
魔女たち: マチュー・ボットー、フランチェスコ・ミュラ、マクシム・トマ、ジャン=バティスト・シャヴィニエ、
       シリル・ショクルン、アントナン・モニエ
三人のシルフィードたち: マリーヌ・ガニオ、エレオノール・ゲリノー、ジェニファー・ヴィソッチ
シルフィードたち: オーレリア・ベレ、ローランス・ラフォン、セヴリーヌ・ウェステルマン、
           カミーユ・ボン、ロール=アデライド・ブーコー、エミリー・アスブン、
           ジュリアンヌ・マティス、ソフィー・マイユー、ロクサーヌ・ストヤノフ、
           アネモーヌ・アルノー、アンブル・シアルコッソ、ジュリア・コーガン、
           ウジェニー・ドリオン、ペギー・デュルソール、クレール・ガンドルフィ、
           クレマンス・グロス、アメリ・ジョアニード、ジュリー・マルテル、
           カロリーヌ・オスモン、ニノン・ロー
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新国立劇場バレエ団「コッペリア」 2月24日
2017/02/27(Mon)
新国立劇場の「コッペリア」、プティ版があまり好きではない私は最後に見たのは2007年5月の新国の本島&サラファーノフの公演でした。 10年見ていなかったのね~~。 今回そのプティ版を見に行こうと思ったのはやはり主演が小野&福岡ペアだから。 ダンサーとして絶頂期にありこの2人ならではの舞台を作ることのできる今の2人の公演は可能な限り見ておきたいと思うのですよね。 来期は今まで敬遠していた「白鳥」も行こうと思っています。 さて、10年前の自分の記録を読み返してみたのですが、スワルニダの友人が「湯川麻美子、真忠久美子、厚木三杏、西川貴子、川村真樹、堀口純」だったのですね。 今回も豪華メンバーですがこの時は本当に超豪華!  この頃私は川村さんLoveだったなぁ~~。  

先週の「テーマとヴァリエーション」では久々の唯ちゃんとのペアも新鮮な感じで悪くなかったですが、やっぱり雄大君は絢子ちゃんとのペアが自分にはしっくりきます。
で、この公演、私的にはもう絢子ちゃんにつきました。 登場して壁に寄りかかりながら広場を見つめている時の表情がや~けに艶っぽく憂いまで秘めちゃってこの路線でスワルニダか!と一瞬ドキっとしましたが、その後は表情豊かにお茶目で愛らしく、ユーモラスに色気を振りまく様もとってもキュート! つれないフランツを必死に追いかける姿も可愛いったら。 前回の事はあまり覚えていなかったのですが、スワルニダって本当に踊りっぱなし、動きっぱなしなんですね。 特に2幕はワンマンショー的なダンス量ですが、パワーが落ちる事なく最後まで踊りきった小野さんの体力は凄いです。 踊りは終始軽快で音楽性豊かで安定感抜群。 どこを切り取っても素晴らしかったけれど、特にフレックスなどこの版特有のステップでの脚さばきがクリアで雄弁でした。  雄大君とのパートナーシップは今更言うまでもなく、もうともかく自然に磐石な2人。 2幕のPDDでフランツが体が真横になったスワルニダを投げ上げてくるくるっと二回転させるリフトも二回ともスピーディーに危なげなくさらっとこなしていましたものね。
雄大君もフランツを楽しんでいる感じで踊りも演技も良かったです。 一つ一つの踊りに余裕があって伸びやかで切れもありましたね~。

かな~りお久しぶりのボニーノさんも変らずの存在感で舞台を引き締めプティの精髄を見せてくれたと。 以前ほどの鋭さがなくなったムーブメントは少し落ち着いたキャラクター作りにも自然に繋がっていてより深みが増したというか、今回のコッペリウスの方が好みでした。 

スワルニダの友人の6人も皆踊りも演技もさすがの上手さ。 先週はこの上なく美しいラインでバランシンを見せてくれたダンサーがこれでもかのプティ仕様でお尻振り振り(笑)とってもチャーミングでキュート!  入団早々主役に抜擢されている木村優里ちゃんもこういうポジションを数多くこなしていろいろ吸収し、観客からも周りのダンサーたちからも信頼や賛辞をもらいながら成長していって欲しいですね。 お化粧も良くなったしとっても可愛かった。  細田さんや寺田さんも相変わらず見事!
娘たち・・、ファニーなお化粧をものともしない美人揃いの新国バレリーナたちもブラボーでした。
衛兵たちもファースト・ソリスト含め惜しみないキャスティングで見応えあったのですが、帽子のつばと付け髭で判別がなかなか難しい。 渡辺さんと全身から濃いオーラ放出の木下さんはわかりましたが、現在注目中の浜崎さんはなかなか分からず、最後はもうムキになって端から端までオペグラで覗きまくりましたわ・・・。 一応わかったつもりです(笑) 

プティ版があまり好きではないというのは、ライト版のほんわりとしたエンディングと比べると、心が少し重くなるような切ないエンディングがね・・・・。 
でも、今回は絢子ちゃんの素晴らしいパフォーマンスに酔った余韻か、終演後のカーテンコールでは本当に幸せな気分で拍手をする事ができました。

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新国立劇場バレエ団 ヴァレンタイン・バレエ
2017/02/19(Sun)
<第1部> 
テーマとヴァリエーション
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:ジョージ・バランシン
米沢 唯、福岡雄大

寺田亜沙子、奥田花純、細田千晶、飯野萌子
貝川鐵夫、木下嘉人、小柴富久修、浜崎恵二郎



<第2部 パ・ド・ドゥ集>
「ドン・キホーテ」グラン・パ・ド・ドゥ
音楽:レオン・ミンクス
振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
柴山紗帆、井澤 駿

ソワレ・ド・バレエ
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
振付:深川秀夫
米沢 唯、奥村康祐

タランテラ
音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク、ハーシー・ケイ
振付:ジョージ・バランシン
小野絢子、八幡顕光


<第3部>
トロイ・ゲーム
音楽:ボブ・ダウンズ、バトゥカーダ
振付:ロバート・ノース
福田圭吾、中家正博、池田武志、小口邦明、原 健太、福田紘也、宝満直也、髙橋一輝


最近では珍しい雄大君と唯ちゃんのペア。 始めのうちはなんとなくお互い硬いような、特に唯ちゃんが緊張しているようにも見えましたが、ソロあたりからはそんな感じもなくなったように思います。 難易度の高い振り付けを音楽にきちんと合わせてさらっと踊ってしまう二人はさすが。 雄大君は12月のシンデレラと比べると若干踊りが重いような気もしましたが、相手が誰でもサポートに落ち着きが出て来ましたね。 ま、唯ちゃんはサポートいらないようなものだけれど・・
4組のカップルも皆上手く、一人ひとりをもっとじっくり見たかったなぁ。 個人的には細田さんの描く美しいラインが好みでした。 男性ではシンデレラでのまるで王子な雰囲気に気になるダンサーとなった浜崎さんが、アーティストながら抜擢されていてやはり思わず目が行ってしまいました。 コッペリアではどんな役で見られるかしら?
そして、作品をより格調高いものにしたのがコール・ド。 ほっそり長身とスタイルもよく踊りも端正で、チャイコフスキーの音楽とバランシンの振付をこれ以上ないほどに美しく表現していると思いました。 さすが、新国のコール・ドです!!

ドンキPDDの柴山さんは今まであまりソロで見た事がなかったのですが、音取りも良いし、技術のしっかりしたバレリーナなんですね。 体の軸が安定していて回転もとても綺麗です。 32回転は後半にもダブルをいれていて最後ちょっと落ちかけたのが残念でしたけど、後半をシングルで纏めていれば完璧に綺麗に回れたと思います。 
井澤さんも怪我も治ってダイナミックでしたね。 ただ、ちょ~~~っとだけプレパレーションが長くて流れが切れる感じもするので、もっと自然に動きが繋がればいいなぁと。

「ソワレ・ド・バレエ」は初めてみましたが、グラズノフの甘くロマンティックな旋律にのった星空の下のダンス。 可愛らしい雰囲気の中にも大人のしっとり感もしっかり漂わせている唯ちゃんは、こちらの作品の方が生き生きとしていて断然魅力的! 
奥村君は身のこなしが軽やかで、しなやかできっちりした踊りが気持ちいいですね。 2人のコンビネーションも良かったです。

「タランテラ」って本当に運動量が半端じゃないですね・・・。 絢子ちゃん、コミカルな役も何気に似合っていてチェーミングでした。 久しぶりの八幡さんとの息も合っていて2人ともアレグロの音楽に軽快に乗って楽しそうに涼しい顔して超絶技巧♪  タンバリンのたたきっぷりも豪快で気持ち良かったな! 

男性8人による「トロイ・ゲーム」も初見。 舞台写真もしっかり見た事なかったようで、上半身ほぼ裸に超短パン+レッグウォーマー?な格好にちょいとビックリしました。  ギリシャ風の衣装なんだそうですが・・・。
自己陶酔?な8人の戦士?によるエネルギッシュでユーモラスな作品。 軽快なサンバのリズムを多く使っているのもいいですね! 舞台上を思い切り走ったりジャンプしたり、ソロでテクニックを見せつけたり、また武術のような動きもあったりと男性ダンサー的には踊り甲斐のある演目じゃないでしょうか。 それぞれ個性豊かに芸達者で良かったです。 中家さん、クールに決めてましたね♪


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キエフ・バレエ「新春特別バレエ」 1月3日(訂正あり)
2017/01/04(Wed)
キエフバレエの「新春特別バレエ」を観て来ました。
この日より5日連続の鑑賞となる予定で、明日から会社が始まってしまえばもう感想を書いている時間など取れないのは目に見えているので、短いですが感想です。
(4日の白鳥を見て、パキータのカトルで印象に残ったダンサーがビコヴェツではなくリガイだったと分かりましたので関連文章を訂正しました)

第1 部『パキータ』より
パキータ: イリーナ・ペレン
リュシアン: レオニード・サラファーノフ

パ・ド・カトル: ヴラディスラヴァ・コヴァレンコ、 マルガリータ・アリアナフ
         ティモフィー・ビコヴェツ 、 オレク・リガイ
ヴァリエーション:アンナ・ムロムツェワ、マリーナ・ステパンチェンコ
          カテリーナ・ディデンコ、オリガ・スクリプチェンコ

夏もそうでしたが、ペレンはかなりほっそりした感じで少し筋肉も落ちたかしら?  柔らかい踊りは目に優しく良かったですが、好みで言えばもう少し威厳を感じさせるような雰囲気とメリハリのある踊りが見たかったです。 とは言うもののコンテばかりだった夏には見られなかった彼女らしい美しいクラシックのラインを堪能できたのには満足です。
サラファーノフは変らず端正な踊りで磐石。 コーダでのアントルシャは何回だったのだろう? 高いジャンプで余裕がありました。

パキータはめったに踊らないのかな? 8人のコール・ドは始めから終わりまでかなりバラバラでした。
他のダンサーは惜しいなと思うところが無きにしも非ずなダンサーもいましたが、よく踊れていたかと。 ゆったりと優雅なジャンプを見せていたカトルのビコヴェツリガイ(記事をアップした時にはビコヴェツと書いたのですが、本日の白鳥のトロワでビコヴェツを確認できてカトルで気に入ったダンサーはリガイの方だったと分かりました)とヴァリエーションの3人目の長身でラインの綺麗なムロムツェワ(多分)が特に印象に残っています。 ヴァリの4人目のディデンコもきっちりかっちり回転も綺麗で上手かったです。 


第2 部『白鳥の湖』より第1 幕2 場
オデット: カテリーナ・カザチェンコ
ジークフリート王子:デニス・ニェダク
ロットバルト: ドミトロ・チェボタル

小さな白鳥:カテリーナ・ディデンコ、イーナ・チェルナヤ
       ユリア・リュビンツォーワ、アナスタシア・寺田 

念願のカザチェンコの白鳥! ほっそりと長い手足の描くラインが本当に美しく、過剰なものは一切なく、振りを丁寧に踊るだけでオデットをあれだけ表現できるのですね。 肩というのか腕のつけねの動きがとても優雅で綺麗。 ニェダクのノーブルさも相変わらずで、心にしみ入るようなとっても大人なオデットとジークフリートを見せてくれました。
8日の2人の白鳥、チケットは取ってあったのですが、用事が入って見に行けなくなってしまったのが心から残念です。



第3 部『眠りの森の美女』より第3 幕
オーロラ: エレーナ・フィリピエワ
デジレ王子: ミキタ・スホルコフ

リラの精: カテリーナ・カザチェンコ
フロリナ王女: オレシア・シャイターノワ
青い鳥: ティモフィー・ビコヴェツ
ダイヤモンド:カテリーナ・ディデンコ
宝石の精:マルガリータ・アリアナフ、カテリーナ・ペチ、ナタリア・パテンコ
赤ずきん:カテリーナ・シロチナ
狼:ドミトロ・チェボタル
白い猫:エリザベータ・ゴギィゼ
長靴をはいた猫:ヴィタリー・ネトルネンコ
シンデレラ:カテリーナ・チュピナ
フォーチュン王子:コスチャンチン・ポジャルニツキー

フィリピエワはある時点から年齢を重ねるのを止めてしまったような・・・。 全く衰えを感じさせることもない見事な踊りとプレゼンス。 若いスホルコフと並んでも自然な雰囲気を作ってしまうのも流石ですね。 スホルコフも夏のガラで眠りのGPDDを踊った時より安定してとても良くなったと感じました。 ニェダクという素晴らしい王子様のお手本も身近にいるので貪欲に吸収して欲しいです。
オデットを踊ったばかりのカザチェンコがリラも踊ってくれたのも嬉しい。 本当にこの人のスタイルの良さはキエフの中でも抜きん出ていて踊りのラインも美しく目を惹きつけます。 5日の眠りでペレンとの美脚競演というのも楽しみですねー。
青い鳥のビコヴェツは力みがなく軽やかなブリゼが良かったです。  5日はニェダクが青い鳥なんですねー。 こちらも楽しみ! 
フロリナ王女役の、おそらく初見のシャイターノワはわりと小柄でむっちり体型のバレリーナで、スパッ、パキッとした踊りは安定感もあり、見せ方も心得ているのですが、ちと逞しい・・・。
その他のダンサーたちも好演で、特にダイヤモンド&宝石の精たちの踊りも破綻なく上々の出来だったように思います。 誰か一人あれって言う事がけっこうありますものね。 ディデンコ、上手いし今回のツアーで活躍しそうなバレリーナです。


そしてキエフと言えばオケ! 最初から安心の演奏でとても良かったのですが、眠りはいっそう熱が入ったというか素晴らしかったです。 ですが、眠りはわりとテンポが速いですね。 オーロラとデジレのGPDDなどマールイと比べるとかなり速い気がします。 

指揮:ミコラ・ジャジューラ
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

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