アカデミー・バレエ「親子で楽しむ年末バレエ・ガラ・コンサート」 12月26日
2015/12/30(Wed)
26日にサンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエの「親子で楽しむ年末バレエ・ガラ・コンサート」に行って来ました。
いや、なぜか、場所が東京文化会館だからか、3部構成だからか、会場に着くまで親子ガラだという事をすっかり忘れていまして、お子さんの多さに「あ、そうだった・・・」と思い出した次第です。  
プログラムでは3部構成休憩2回で2時間25分となっているのですが、実際は3時間かかってしまったので、4歳以上を対象にする公演としてはちょっと長すぎましたかね? 私はたっぷり楽しめたので嬉しかったですが、おとなりの親子は2部途中からお子さんがぐずり始め、3部は見ずに帰られた模様。


<第1部>
「レ・シルフィード(ショピニアーナ)」
音楽: F.ショパン 振付: M.フォーキン

ノクターン:アーラ・ボチャロワ、エレーナ・チェルノワ、
      オルガ・ミハイロワ、アルチョム・プハチョフ
ワルツ11番:エレーナ・チェルノワ
マズルカ:アーラ・ボチャロワ、アルチョム・プハチョフ
プレリュード:オルガ・ミハイロワ
ワルツ7番:アーラ・ボチャロワ、アルチョム・プハチョフ
サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ


アカデミーのレ・シルフィードは今年舞台美術などが一新されたばかりとの事です。    
幕が開き、目に飛び込んできた白の世界は絵画のように美しくロマンティック。 
今回のツアーのプログラムでは詩人はステファン・デミンとなっていましたが、プーちゃんに変更で、個人的にはサポートだけの白鳥アダージョよりは詩人の方が踊りを見られるのでラッキー♪  プーちゃんのスラリとしたスタイルの良さとエレガントなラインが目を惹きます。 ワルツの終盤でみせた開脚ジャンプでの十分な高さと美しさはプーちゃんならでは。 バレリーナへのサポートも磐石でシルフの美しさを引き立てていました。
3人のバレリーナは皆そつなく。 くるみでもプーちゃんと組んでいるボチャロワはその落ち着いた風情からベテランなのかと思いましたが、2006年のワガノワ卒業生なんですね。 しなやかな動きのミハイロワも良かったです。
コール・ドは身長はバラバラでしたが、揃っていたし丁寧で優雅な腕の動きや上半身はとても綺麗でした。


<第2部>
「白鳥の湖」第1幕2場より アダージョ
音楽: P.チャイコフスキー 振付: M.プティパ、 L.イワノフ

オデット:ダリア・エリマコワ
王子:ステファン・デミン
サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ


やっとダーシャが見られました(ここまでくるみだけの長いツアーなので、自分が見たくるみでもどこかに出ていたのかもしれないけれど、全く分からず)。 彼女がマールイにいる時からオデットを見てみたいと思っていたので、演目チェンジでダーシャが黒鳥から白鳥に変わったのも個人的にはラッキーでした。 身長も高く手足も細く長いので白鳥のチュチュがよく似合いますね。 ダーシャも脚がまっすぐで綺麗! すでにペテルブルグでは「白鳥の湖」全幕の主役を踊っているのである程度の自分のオデットというのもあると思いますが、音楽をしっかり捉えようとしていたし、しっとりと心を込めて踊っていたと思います。 ただ、正面向かって王子にリフトされた状態で開脚を繰り返すところ、少し前のめりになってかっくんばっしーんと、とっても動きが変でした。 なんであれ直させないのだろう? あれを全幕でやられたらいただけなさすぎるけど・・・。
王子のステファン・デミンは身長もあってダーシャとの並びも悪くなく、ダーシャがしっかり踊っていたのでサポートも無難に。 次回はしっかり踊る役で見てみたいものです。
コール・ドの中に、一人異常に足の長い長身ダンサーがいました。上手と下手に一列ずつに分かれた時に上手の一番奥にいたダンサーなんですが・・・。


「くるみ割り人形」第3幕より パ・ド・ドゥ
音楽: P.チャイコフスキー 振付: V.ワイノーネン

マリー:エレーナ・チェルノワ
王子:アレクサンドル・アバトゥーロフ
4人の騎士:ワディム・スモロディン、ヴィクトル・クズネツォフ、
        イーゴリ・ヤチュメネフ、ダレル・ザパロフ


主役2人は19日に見た全幕と同じ。
チェルノワは19日の方が踊りにぶれがなかったように思います。 アバトゥーロフは、ちょっとした表情や仕草がなぜか演歌を連想させる・・・。 ヘアスタイルのせい?? 彼の跳躍は柔らかく高いですね。
2人のコンビネーションはこの日の方が良かったです。


「ゴパック」(“タラス・ブーリバ”より)
音楽: V.ソロヴィヨフ=セドイ 振付: F.ロプホフ

アンドレイ・グドゥマ

上背のあるダンサーによるダイナミックなパフォーマンス。 大味でなくてしっかりコントロールされていて良かったです。


「眠りの森の美女」第3幕より パ・ド・ドゥ
音楽:P.チャイコフスキー 振付: M.プティパ

オーロラ姫:アーラ・ボチャロワ
デジレ王子:セルゲイ・クリュロフ


ボチャロワはけっこう下半身しっかりタイプで、踊りの安定感も半端ないレベルで見せ方も充分すぎるほど心得た落ち着き払ったオーロラ姫でした。 
一方王子のクリュロフは若干いっぱいいっぱいな感じ。 ヴァリエーションは最初は良かったのですが、次第に体力切れなのか失速してしまって最後までもつのかひやひやしました。 たぶん緊張していたのでしょうねぇ。


「スパルタクス」より アダージョ
音楽: A.ハチャトリアン 振付:L.ヤコブソン

フリーギア:アンナ・イグナツェワ
スパルタクス:セルゲイ・ダヴィドフ


友人によれば私も見ているはずなのだけれど、全く見たという記憶がなかったヤコブソンの「スパルタクス」。 踊りと演劇的表現の融合加減がソ連というか大昔の映画的というか・・・。 とんでもないところで思わず笑ってしまったし・・・。 現代の感覚のダンサーたちが踊るのは逆に大変だろうなぁ。 でも、ロミジュリのラブロフスキー版ではないけれど、こういうベースがあって触発されイメージを膨らませて別の作品へと繋がっていくのかもしれませんね。


「白鳥の湖」第2幕より 黒鳥のパ・ド・ドゥ
音楽: P.チャイコフスキー 振付: M.プティパ、 L.イワノフ

オディール:スヴェトラーナ・スミルノワ
王子:アレクサンドル・アバトゥーロフ


スミルノワは足が細くてめちゃくちゃ長い。 まさか彼女がコール・ドに混ざっていたとは思えないけど、こちらもバランスが悪いほどに長い(笑)。 踊り慣れているなーという感じのオディールで、アラベスクなどのポーズはとても綺麗でした。
またまた演歌な王子様のアバトゥーロフ、溌溂系のバジルとかだとどんな印象なんだろう? 親子ガラとはいえ、王子のヴァリで手拍子が起きたのにはびっくり。


<第3部>
「パキータ」より グラン・パ
音楽: L.ミンクス 振付: M.プティパ

パキータ:ダリア・エリマコワ
リュシアン将校:アルチョム・プハチョフ
ヴァリエーション:倉内七、スヴェトラーナ・スミルノワ
          アナスタシア・デミヤノワ、エレーナ・チェルノワ 


ダーシャはとても落ち着いていて客席とのアイコンタクトもごく自然で、真ん中で踊る事がごく当たり前の事になっているというのが良く分かります。 こういう彼女の姿を見られたのが本当に嬉しいです。 それでもまだ20代半ば、容姿・技術もこのバレエ団のなかでは特に優れているので、これから舞台数をこなす事によって、ますます良いプリンシパルダンサーになるでしょうね。 その成長振りをまた近いうちに見られるといいなと思います。
プーちゃんのプレゼンスが舞台をびしっとほどよくまとめていましたが、もう少し踊りにダイナミックさがあっても良かったかなと贅沢な要求。 充分美しく質の高い踊りでしたけれどね。
コール・ドは最初出てきた4人x2はかなりバラバラでおやおや~~だったのですが、チュチュの色が違ったペアが二人、また二人と登場して、全員揃った踊りの華やかさはやはりロシアのパキータ!という感じで良かったです。 ヴァリエーションはデミヤノワがちょっと弱かったですが、あとの3人は上手かったです。 倉内さんは赤からブルーのチュチュに着替えてのヴァリでしたね♪ 



さてさて終演後、プーちゃんから最近のオーリャの様子を聞く事が出来ました。 こうすけさんからの情報(いつもありがとうございます)も一緒にご報告すると、今は小さな劇場で指導をしていて、そちらに時間を取られるので本人が踊る時間がなかなかとれないとの事。 でもとても元気だそうです。 おふたりのお子さんのディアナちゃん(美少女♪)はもう6歳で来年は小学校に入学ですって。 やはり身長が高く、運動が好きなお嬢さんみたいです。 
すでにバレエ団の皆さんはペテルブルグに戻っていますが、アカデミー・バレエ、時間をおかずまた来日して欲しいです。 
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サンクトペテルブルグ・アカデミー「くるみ割り人形」 12月19日
2015/12/22(Tue)
ギエムウィークで盛り上がっている上野方面を尻目に、東京国際フォーラムで行われた4年ぶりの来日となるサンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエのくるみ割り人形を見てきました。 国際フォーラムの地下一階には例年通り来年の干支のぬいぐるみツリーが飾られておりました。 

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(人が写らないようにとばかり気にしていたらしっかりとおトイレ案内が写ってしまった・・・。)

会場は1階席のみの開放。 中央通路より後方は5~6割くらいの入りでしたが、前方はほぼ埋まっていたかと。 ファジェーエフも客席で見ていたようで休憩に入る時にちらっと見かけましたが、あいかわらスーツ姿がかっこいいハンサムガイでありました。



アカデミーのくるみはワイノーネン版の復活バージョンで、2014/15シーズンに初演された時に舞台装置、衣装も一新されたとの事です。  ロシアの卓越した舞台美術家のウラジミール・フィーラと彼の息子のアレクサンダー・フランツォフというデザイナーが担当した舞台美術は、確かに背景画も衣装も古臭さややぼったさのないものでした。 特に背景画は現代的なメルヘン調でしたね。
全3幕となっていますが、通常1幕でシュタールバウム家のパーティーが終わりマリーがクリスマスツリーの前に一人になったところで休憩が入ります。 その後が2幕で3幕は通常の2幕です。 衣装変えなどの都合なのでしょうか?

マリーを踊ったエレーナ・チェルノワは2008年ワガノワ卒。 クルガン生まれと紹介されていますが、クルガンってどこ?と調べたところ、モスクワから2000キロ近く離れたカザフスタンとの国境あたりなんですね。 パッチリした目が印象的なバレリーナで、快活なマリーでした。 踊りは回転系は得意のようで軸ブレもなく綺麗に回っていましたが、アチチュードなどの脚のラインの美しさがもう少し欲しかったところ。

王子はキャスト表にあったステファン・デミンという2009年ペルミ卒の若いダンサーから2002年ペルミ卒のアレクサンドル・アバトゥーロフに変更。 ノーブルな王子タイプではありませんが、ジャンプは高く、跳躍系は良かったかと。 ただチェルノワとの息が合わず、見せ場のサポートでちょっと冷や冷やさせられたのが残念でした。 

個人的に大受けしたのがネズミの王様。 王様以外のネズミたちはネズミの横顔の3分の2くらいの被り物でふつーにネズミに見えるんですが、王様がね・・・。 最高潮に盛り上がった音楽で登場して来た王様は、はしびろこうかペリカンかっ?つー口ばしにしか見えないものを目の下に付けていて、びっくり&心の中で大爆笑。 でもってこの王様すっごい横暴で、くるみ割り人形と戦う前に、「おい、お前」と一匹のネズミ君を捕まえて、そのネズミ君のしっぽで自分の剣を研くんです。 コワ・・。 で、そのネズミ君も戦う王様を見守って控えながら、自分の尻尾を「さっきは酷い目にあったよなぁぁ」とばかりに愛おしそうに触り毛づくろい♪ 芸が細かくて妙に気に入ってしまいました(笑) 
そんな王様もマリーのスリッパの一撃でノックダウン。 マリーってば、かなり至近距離から王様の胸に豪速球ストライクでした。 椅子に逃げて脅えていても、座って近寄ってくるネズミたちにはクッションで凄い勢いで叩いてましたし、こちらもけっこう乱暴者! だからあの椅子、どれだけマリーが暴れても大丈夫なくらい異様に大きくどっしりしてたのだろうか?(笑)。

雪のシーンはコール・ドが16人に雪の精の2人が加わって18人だったと思いますが、とても動きが速くてフォーメーションチェンジも多く、なかなかに見ごたえがありました。 次から次へとフォーメーションを変えていくので非常に揃って見えたり見えなかったりというのはありましたが、総じて足音が静かで良かったです。 雪の精は2人とも上手かったですが、アンナ・スクヴォルツォワの音の取り方が好みでした。

3幕の各国の踊りもすべて好印象。
セルゲイ・クリュロフはアレルキンはいまいちでしたが、中国は良かったです。 4回連続ジャンプの2連荘はいずれも高さがありました。 ちょっぴり丸顔で最初ダーシャかと思ったアラビアを踊ったアンジェリーナ・グリゴレワの涼しやかに妖艶な雰囲気がとっても魅力的。 アンドレイ・グドゥマはドロッセルマイヤー、ネズミの王様も掛け持ちで大忙しですが、ロシアではダイナミックに。 アバトゥーロフが王子に変更となったため、急遽フランスを踊ったイーゴリ・コンタレフはそつなくノーブルな雰囲気でアバトゥーロフよりも王子っぽいかも。 若いし可愛いし♪
そして花のワルツの4人の騎士、密かに期待をしていたのでプーちゃんを見つけた時にはもう嬉しくて♪♪♪ やっぱり周りのダンサーとは佇まいからして違います。 スラリと伸びた脚の美しさも長い腕のエレガントなムーブメントも以前と全く変わらず、立っているだけで王子なんですよね、この人も。 ちょっと立ち位置や足のポジションを直す回数が多かったので、やはり普段はあまり踊る事のない役なのかな?とも思いましたが、GPDDの主役はそっちのけでプハチョフばかりを見ていました。 美しいものには自然に目が惹かれるのです。 プーちゃんの隣に立たざるを得なかったアバトゥーロフが少し気の毒にも思いましたが、こればかりは仕方ない。 
プーちゃんがマールイを退団した事に関しては、現在のマールイの男性主役の顔ぶれ&偏り加減を見るにつけ、今でも残念な気持ちが消えませんが、残りのダンサー生活を楽しんで踊りたい役を踊っていって欲しいと切に思います。 またいつか、オーリャと踊る姿を見られるといいなぁ。
(光藍社さん、来年の夏は現&元マールイシニア祭りにしませんか?)





マリー:エレーナ・チェルノワ
王子:アレクサンドル・アバトゥーロフ
ドロッセルマイヤー:アンドレイ・グドゥマ
フリッツ/くるみ割り人形:ダリヤ・ベロワ
ネズミの王様:アンドレイ・グドゥマ
コロンビーナ:アナスタシア・デミヤノワ
アルレキン:セルゲイ・クリュロフ
ムーア人:イーゴリ・ヤチュメネフ
シュタールバウム:ウラジスラフ・ミスニク
シュタールバウム夫人:スヴェトラーナ・ゴロブキナ
祖母:ダリヤ・トカレワ
祖父:バイル・タイビノフ
雪の精:アンナ・スクヴォルツォワ、倉内七
スペイン:ダリヤ・トカレワ、イーゴリ・ヤチュメネフ
アラビアの踊り:アンジェリーナ・グリゴレワ
中国の踊り:アナスタシア・デミヤノワ、セルゲイ・クリュロフ
ロシアの踊り:ナタリヤ・イニュシュキナ、ダリヤ・ベロワ、アンドレイ・グドゥマ
フランス:オリガ・ミハイロワ、ベリン・コカボソグル、イーゴリ・コンタレフ
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マリインスキーバレエ「白鳥の湖」 12月5日マチネ
2015/12/16(Wed)
スコーリクは3年前のガラの海賊でしか見た事がなかったので、彼女の全幕を見るのも白鳥を見るのも今回が初めてでした。 彼女、ちょっと顔立ちがきつく表情が恐いのでどうなんだろーとあまり期待はしていなかったのですが、ほっそりとした首と長い手脚のムーブメントで作り出される白鳥ラインがとても美しく、柔軟性のあるしなやかな踊りがとても良かったです。 時々前後に上げる脚の勢いがよすぎて優雅さや儚さを損なっていたのは残念でしたが、そういうところは今後自然になくなっていくのでしょうね、きっと。
今回は王子との間にあまり愛が感じられなかったので、愛を語れるパートナーと踊れば一つ一つのムーブメントにも感情が自然にこめられて、さらに美しく見えるようになるのだと思います。 表情だってもっと柔らかくなるでしょうし。
イケイケな感じの黒鳥。 オデットでは伏し目がちだった瞳全開でかなりインパクトが強く高慢そうな悪女。 踊りもシャープで勢いがありました。 ヴァリでは最初のピルエットダブルのあとのアチチュード・トゥールもダブルでバランスも崩れなかったですし、グランフェッテも前半ダブルを入れてあまり動く事無く回るなど技術レベルも高いようです。
王子がロットバルトに促されて愛を誓うところでは、さぁさぁさぁと言わんばかりに大きな目むき出しで見つめ、してやったりと高笑いして去って行きましたが、とっても楽しそうで、なんだか可愛かったです(笑) 踊り盛りのバレリーナののりのりのオディールっていいですよね! 

サラサラヘアーでハンサムなパリッシュはいかにもバレエの王子様なのだけれど、まだ王子らしい気品やオーラが少なく、大勢の中にいると意外に目を惹きません。 立ち姿、歩き方などもう少し美しくなるといいですが・・・。 舞台の数をこなしていないのでしょうからこの辺は仕方ないと思いますが、まだ間違えないように演技をしてしっかりパートナーをサポートしてと、それだけで精一杯な様子でした。 自分を役の中に落としパートナーと語り合って物語を紡いでいくというのはこれからですね。 踊りはロミジュリよりは良かったです。 マネージュも普通だったし、ジャンプもそこそこ高さがあったし。 そういえば、パリッシュにはオディールが投げ捨てた花は届かなかったのか、花を見つめるシーンはなくてちょいと残念♪ 

スメカロフのロットバルトは期待を裏切る正統派(笑)。 充分カッコ良く迫力もありましたが、もう少し荒々しくて濃いロットバルトを勝手に想像してました。 まぁ王子とのバランスもあるし、変に悪目立ちしないのも流石ですね。 スコーリクのサポートも万全でした。 そんなかっこいいロットバルトが3幕で息絶えた後、起き上がったスコーリク@オデットに、これっぽっちも存在を意識される事なく視線すら落としてもらえなかった(ように見えた)のは気の毒でしたねー。 
スコーリクちゃん、今まで自分を苦しめて来た悪魔が死んで横たわっているのだから、何か感じるところあるでしょー? 強すぎませんか・・・あなた。 スコーリク、なんだか気に入っちゃったなぁ(笑) 次は違う王子で見たいけれど、見たい王子がいな・・・。 あ、でもセルゲーエフが組めるのならセルゲーエフで見たいし、ズヴェレフも一応レパートリーにしてはいるんですよね。 でも次回はいつになるんだろう?? 

コール・ドは足音が少し気になり、揃いっぷりもソワレと比べるとイマイチのように思いましたが、ソワレは自分自身がそういう事は気にならない神経集中状態だったので実際には変わらなかったのかもしれません。 小さい4羽は若干乱れがありましたが、大きな4羽の印象はソワレと変わらず。

そして他のダンサーたち。
1幕1場は最初は余裕たっぷりにいろいろなダンサーを見ていたのですが、次第にチュチュンニックばかり追いかけるようになってしまいました(笑) ソワレの感想でも書きましたが、ロミジュリのジプシーを見ているうちにシヴァに似ていると思い始めて・・・、そうなったら気になって気になって・・・。 時折すごくまじめくさった表情をするところまで似てる(笑)。 次はソロで踊ってね~~♪
トロワのラティポフは脚が綺麗でした。 王子はちょっと無理というくらいの身長なのかと思っていたらパリッシュと並ぶとほとんど身長が変わらないんですよね。 パリッシュは頭が小さいので、実際より高く感じるのかな? ラティポフは脚捌きが綺麗でなかなか端正な踊りだったかと。
ゴンチャールの踊りはちょっとパキッパキッと流れが止まりすぎるのが好みではなかったですが、クラスノクーツカヤはポール・ド・ブラがとても優雅で柔らかく上品な踊りが素敵でした。
道化のバイボルディンは道化らしい道化というか、愛嬌があって可愛くて良かったです。 ア・ラ・スゴンドもけっこうなスピードで回っていました。 1幕1場の後のカーテンコールでカーテンからひょこっと顔を出して様子を伺うように出てきたのがかーわいい♪ 2幕でオディールたちがやって来た時も、怖い人たちが来たよ~~と騒いでましたし、道化の雰囲気がマチネとソワレでこれだけ違うのも珍しいかも。
2幕のディベルティスマンはソワレとほぼ同じ。 皆さんマチソワでお疲れ様&ありがとう!


そんなこんなでソワレとは比べ物にならないほどにリラックスした観賞でしたが、スコーリクの予想以上の出来に満足した公演でした。 
テリョーシキナ、コンダウーロワ、ソーモア、スコーリクと、プリンシパルだけでも4人、さらにシャプラン、コレゴワ、マトヴィエンコなどを加えれば、白鳥の踊り手は困らないほど揃っているマリインカ。 問題なのは王子ですよね・・。 どんなにオデットが美しく舞い、切ない思いと愛を語ったとしても、同じ技術レベルの美しさでオデットに寄り添い同じ世界観を作り出せる王子なくしては、マリインスキーの素晴らしい白鳥の舞台にはならないのだから。 
ロパートキナにはゼレがいてダニーラ&イワンチェンコがいて。 テクニックに若干の不安が出てくる一方で芸術性が円熟を見せるキャリアの集大成の時期に、長年ずっと一緒に踊って来てクラシック作品でのベストパートナーと言われる同年齢のダニーラがいるというのは彼女にとっても観客にとっても幸せな事ですよね。 
そのダニーラも今は指導に回る時間が増えているという事なので、次代の王子候補を遠慮なくびしびし鍛えて、誰もがマリインスキーの伝統的なスタイルを受け継ぐ王子と認めるような後継者を育てて欲しいです。



オデット/オディール:オクサーナ・スコーリク
ジークフリート王子:ザンダー・パリッシュ
王妃 (王子の母) :エカテリーナ・ミハイロフツェーワ
王子の家庭教師:ソスラン・クラエフの
道化:ヤロフラフ・バイボルディン
悪魔ロットバルト:ユーリー・スメカロフ
王子の友人たち:ヴィクトリア・クラスノクーツカヤ/ナデージダ・ゴンチャール
           エルネスト・ラティポフ
小さな白鳥:アナスタシア・アサベン/オクサーナ・マルチュク
        アレクサンドラ・ランピカ/スヴェトラーナ・イワノワ
大きな白鳥:ヴィクトリア・ブリリョーワ/ディアナ・スミルノワ
        エカテリーナ・チェブキナ/ズラータ・ヤリニチ
2羽の白鳥:クセーニャ・オストレイコーフスカヤ/ナデージダ・ゴンチャール
スペインの踊り:アナスタシア・ペトゥシュコーワ/マリーヤ・シェヴャコーワ
          アレクセイ・クズミンローマン・ベリャコフ
ナポリの踊り:アンナ・ラヴリネンコ/アレクセイ・ネドヴィガ
ハンガリーの踊り:オリガ・ベリク/ボリス・ジュリーロフ
マズルカ:クセーニャ・ドゥブローヴィナ/エレーナ・アンドローソワ
      ナターリヤ・ドゥゼヴーリスカヤ/ズラータ・ヤリニチ
      アンドレイ・ソロヴィヨフ/ドミートリー・プィハチョーフ
      アレクセイ・チュチュンニック/エフゲニー・ジェリャービン
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マリインスキーバレエ「白鳥の湖」 12月5日ソワレ
2015/12/12(Sat)
ロパートキナの白鳥全幕を見るのはこの日が8回目でした。 初めて見たのが出産&怪我からの復帰が危ぶまれた2003年の公演だったのでそれから12年ですね。 その内ダニーラとのペアで観たのが5回です。 2006年のダニーラ衝撃降板・・・。 ダニーラ絶好調だった2006年の公演でロパートキナとの白鳥を見られなかったのが心の底から悲しく激しくショックだった事は今でもはっきりと覚えています。 立ち直るのに時間がかかったし、代役のイワンチェンコはもちろん、その後のもの凄~く楽しみにしていたゼレとの舞台ですら空しさ漂いまくりでしたから。 あれからも9年。 時が経つのは本当に早いなぁぁぁ。 2009年からはこれが最後かもと思って二人の舞台を見ていながらも、幸いにも次ぎがありましたが、今回は本当に最後なのでしょうね。 淋しいですが、来る時が来たという感じです。 カーテンコールでの二人の表情、ロパートキナは晴れ晴れと充実感に満ちた笑顔、ダニーラもいつもの優しく穏やかな笑顔でした。 

ダニーラの登場は、こんなに大きな拍手で迎えられた事ってあったかな?というくらいの盛大な拍手でちょっとびっくり(笑)。 私のようにひたすらこの瞬間を待っていたダニーラファンに加えて、ようやくマリインカの正統派王子登場!と思ったマリインカファンが多かったのではないでしょうか? 3年前は体のラインに若干貫禄がつきつつありましたが、フェス同様今回はすっきりしてましたね。
一幕一場では穏やかで落ち着いたジークフリートで、立ち姿も歩く姿も人々と会話を交わす際に差し出す腕の動きも美しくエレガント。 そして王妃をエスコートする姿は風格ありすぎ(笑)。 それでも家庭教師と接する姿にはちゃんと敬意と親しみがありましたねー、何度もお酒を取り上げられて悲しそうでしたが。 そういえば一幕一場の王子のソロは、マチネ同様急に音楽の速度が遅くなって少し踊りにくそうでしたが、柔らかで優雅なアームスの動き堪能。 

ロパートキナのオデットは見るたびに少しずつ少しずつ変わっているように思います。 白鳥の女王としての威厳や気高さはあるけれど、以前強く感じた孤高とか容易には心を許さないというような印象は受けませんでした。 王子の出現に驚き躊躇いながらも、静かにゆっくりとごく自然に王子に惹かれていく出会い。 身の上を語り上手に消えていく時に足をとめ、振り返って王子の様子を伺うオデット。 王子に対して凄く素直に感情を見せているオデットでしたね。
二人のグランアダージョ。 優しく情熱的にオデットを見つめる王子の目線と対照的に、心の動揺を表すように宙を彷徨うような視線と心がほどけるように口元が少しだけ開けられたロパートキナが艶かしくも美しかったです。 王子にしなだれかかり首筋や背中で王子の愛と温もりを感じようとしているような姿も切なく官能的。
チャイコフスキーの甘美で美しい旋律を纏ったロパートキナの典雅な舞いに惹きつけられて呼吸すら忘れてしまいそうになりましたが、彼女の表情や何気ない仕草には温かみがあり、また王子に救いと愛を求めているようにも見えた事に少し驚きました。 今までの彼女の1幕のオデットが誰かに何かを求めるような事はなかったような気がして・・・。 アダージョの終わりだったか、王子との別れが迫った頃だったか、わずかな微笑みを浮かべていた姿も印象的でした。

ロパートキナが踊りやすい距離を取り、丁寧に優しく寄り添う包容力たっぷりなダニーラのサポートもいつもどおりに完璧。  彼自身の動きもやはりエレガントだし、ロパートキナと音楽性も合っているので彼女と二人で作り出すラインの重なりもこの上なく美しく、特にロパートキナのアームスの表情をさらに引き立てているようにも思います。 この日はロパートキナの感情表現がわりとはっきりしていたので、逆に彼はいつもの愛情駄々洩れ状態ではなく大きく包み込む感じでしたかね? 静寂の中で紡がれる二人の世界がともかく美しく崇高で、ずっとずっと見ていたかったです。
夜明けが来て白鳥に戻っていくオデット、別れ際にあれほど王子から目を離さずオデットの辛く悲しい胸の内を訴えるようだったのは初めて見たような気がします。 
 
ロットバルトのズヴェレフは踊りも安定、リフトなども安心して見ていられますが、踊りや演技にもう少し邪気が見えても良かったかなと思います。 メイクは充分すぎるくらい魔物なのにねえ! でも、まぁ、3人のバランスとしてはよく取れていましたよね。 

コール・ドは揃いっぷりという点では新国立などの日本のバレエ団の方がぴたっと揃っていると思いますが、体のラインの綺麗なダンサーばかりが集まった(おや?という人もいましたが)マリインカのコール・ドの醸し出す叙情性や静謐な美しさはやはり特別なものかと。 
小さい白鳥はマチネよりは良かったですが可もなく不可もなく。 大きな4羽も悪くはなかったですが、チェブキナはお化粧のセンスをもちっと磨いて欲しいかなと。

トロワのバトーエワとイワンニコワは二人ともすっきりと綺麗なラインを描いて伸びやかで良かったです。 ロミオで好評を得たスチョーピンは身長がさほどないのが残念だけれど端正な踊りで脚のラインも美しい。 コーダはアントルラッセではなくジャンプし足を2度打ち付けるバージョンでしたが、跳躍に余裕があるので斜めに傾いている空中でのポーズも綺麗でした。 そんな凄業を見せてもさらっと爽やかなスチョーピン、素敵なダンサーです。

道化のポポフ。 気合入りまくりのア・ラ・スゴンドはスピードがもの凄い勢いで加速したため最後少しバランスを失いかけましたが、そこは力技でねじ込んで無事フィニッシュ。 マチネのバイボルディンのような若手も出てきているので、まだまだ自分が第一人者、白鳥の道化という役は分かりきっているというプライドのようなものも感じました。 舞台上での振舞いもちょっと偉そうな感じでしたしね(笑)

ロパートキナの黒鳥はロットバルトとアイコンタクトをとる時だけはうっすらと邪悪さを滲ませていましたが、終始冷ややかにほとんど無表情を装った高貴な黒鳥。 その無表情さゆえに目力に不思議な妖しさがあって、王子はそれに騙されたようにも感じます。 柔らかで消え入るような透明感があったオデットとは対照的にきちっとポーズを決めたラインはとってもシャープ。 32回転はシングルで、少しスピードの落ちた音楽に合わせてゆったりと回っていました。 最後の方はきつそうでしたが、たとえ途中からシェネに切り替えたとしたって、そんな事はどうでもよかったのです。
ダニーラのヴァリは以前と比べればジャンプの高さもマネージュのスピードも落ちましたが、端正なラインは変わらずです。 ダニーラも最後は若干スタミナ切れに見え、先日目の前でシクリャローフの怪我の瞬間を見ているだけに、「飛ばさなくていいからともかく怪我をしないで! ロパートキナを支える人は他にはいないんだから!!」とドキドキしながら見守りました。
冷ややかな薄笑いを顔に浮かべながら王子の愛の誓いを見届け、薔薇の花束を投げつけて去っていったオディール。 掴んだ花を呆然と見つめる王子。 オデットへ捧げたはずの愛が無残にもバラバラになって、今は自分にはそのかけらしか残っていないと思い知らされたように愕然とするこのシーン、かなり好きです。 

スペインは女性はちょろっとしか見ていなかったのですが(あ、他もそうでした)・・・。 男性二人は下手のローマン・ベリャコフの方が動きのラインがすっきりしていて好みでした。 ひょっとして、このダンサーが愛の伝説で気に入った将校の一人だろうか? で、ティボルトを踊った上手のクズミンはやっぱりオーバーアクション気味ですねぇぇ(笑)。 二人とももうちょっとキレが欲しかった気がします。
ロミジュリのベンヴォーリオが好印象だったナポリのネドヴィガは地味といえば地味ですが、目に優しいソフトで端正な踊りをするダンサーですね。
マズルカのチュチュンニックが将校で気に入ったもう一人のダンサーでした。 チュチュンニックはオペラグラスでしっかり見れば違う顔立ちなんですが、客席から普通に見ると、シヴァに似て見えるんです! あごと横を向いたときの上半身がともかくよく似てる!! 背も高くてスタイルもいいしダンスも悪くないので、一日も早くソロの役がつくようなダンサーになって欲しいですねー。 実はマチネの1幕1場は王子にはあまり目が行かずチュチュンニックばかり見てました(笑)。 プーちゃん兄も渋くて素敵。 そして、後から分かった事ですが、一人常に動きが遅くてパリッとしていなかったエフゲニー・ジェリャービンはマールイにちょっと在籍して2012年の公演では西宮でボルチェンコ相手にジークフリートを踊ったデリャビンなんですね! ちょっとがっかりな出来。 

3幕の幕開きは美しいですねぇ。 ちょっぴり客層が違ったマチネではほぉ~~っというため息が辺りから聞こえましたっけ。 
悲しみと失意の表情を浮かべるオデット。 本当に儚げですがそれでも凜としているのがロパートキナらしい。 過ちを詫び許しを請う王子をオデットが許すまでの流れも一途な王子の想いに揺れ動くオデットの感情が痛いほどに伝わってきて心打たれました。 オデットが王子を許し、王子がその喜びをかみしめた瞬間、自分の中でも張り詰めていた緊張感がいっぺんに解けた感じ。 二人の愛の力によってロットバルトを倒し、朝の光の輝きの中、見つめ合い寄り添うオデットと王子の姿は本当に美しく幸せそうでした。  



感慨深く素晴らかった舞台。 幕が降りてしばらくはついに終わってしまったんだなーという淋しさに襲われましたが、何度も何度も笑顔でカーテンコールに答えてくれた二人の姿を見ているうちに、私にとってこれ以上のペアはありえないこの二人の舞台を今まで何度も見られた幸運に感謝したい気持ちになりました。

 



オデット/オディール:ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子:ダニーラ・コルスンツェフ
王妃 (王子の母) :エカテリーナ・ミハイロフツェーワ
王子の家庭教師:ソスラン・クラエフ
道化:グリゴーリー・ポポフ
悪魔ロットバルト:コンスタンチン・ズヴェレフ
王子の友人たち:エカテリーナ・イワンニコワ
        ナデージダ・バトーエワ
        フィリップ・スチョーピン
小さな白鳥:アナスタシア・アサベン
      オクサーナ・マルチュク
      アレクサンドラ・ランピカ
      スヴェトラーナ・イワノワ
大きな白鳥:ヴィクトリア・ブリリョーワ
      ディアナ・スミルノワ
      エカテリーナ・チェブキナ
      ズラータ・ヤリニチ
2羽の白鳥:クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
      ナデージダ・バトーエワ
スペインの踊り:アナスタシア・ペトゥシュコーワ
        マリーヤ・シェヴャコーワ
        アレクセイ・クズミン
        ローマン・ベリャコフ
ナポリの踊り:アンナ・ラヴリネンコ
       アレクセイ・ネドヴィガ
ハンガリーの踊り:オリガ・ベリク
         ボリス・ジュリーロフ
マズルカ:クセーニャ・ドゥブローヴィナ
     エレーナ・アンドローソワ
     ナターリヤ・ドゥゼヴーリスカヤ
     ズラータ・ヤリニチ
     アンドレイ・ソロヴィヨフ
     ドミートリー・プィハチョーフ
     アレクセイ・チュチュンニック
     エフゲニー・ジェリャービン
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ロミジュリ ほんのちょっと
2015/12/02(Wed)
マリインカのロミジュリ、1日、2日の公演を見てきました。
わたし、マリインカのロミジュリは生舞台でも映像でも見た事がなかったので(2003年の来日では、ザハロワとゼレのダブル降板ショックでチケット払い戻ししてしまったのでした。 あの当時は払い戻しがあったのですよね)初めてだったのですが、1日はあのティボルトの衣装とオレンジの鬘に愕然としてしまい・・・・、なかなか立ち直れませんでした(笑)。 
テリョーシキナはどんな時でもバレエ的に美しいフォルムだし、踊りは素晴らしく言う事なしだったのですが、いかんせん、ジュリエットという雰囲気ではなく。 始めから貴婦人でした・・・。 パリッシュは小さな頭に長い手足でハンサムで見た目はとってもロミオでしたが、踊りはまだ発展途上なのでしょう、きっと。 
マキューシオ、ティボルトはセルゲーエフとスメカロフの方が断然素晴らしかったせいもあり、私は今日の舞台の方が良かったです。 シャプランも可憐で彼女なりによく考えたジュリエットだったと思うし、アスケロフもサポートはバッチリだし、マネージュやピルエット、アントルラッセでパッと開脚した脚も綺麗だったし(その辺、パリッシュには不満足)、思ったよりも良かったです。
個々の感想は白鳥が終わってからでも書けたらいいなと思いますが・・・。 

よく考えてみれば、秋からの新しいバレエシーズン、1シーズンの間にクランコ、ラヴロフスキー、マクミランとロミジュリ御三家のご本家での公演が見られるんですよね! すっご~~い&なんて贅沢!! 
ロイヤルのロミジュリが6月16日から連続4日5公演と発表になっていますが、問題は現在未発表のキャストです! 見たいのはボネッリなんですが、来て踊ってくれる可能性はあるのだろうか?  発表は年明けかな~???

<12月1日>
ジュリエット:ヴィクトリア・テリョーシキナ
ロミオ:ザンダー・パリッシュ
マキューシオ(ロミオの友人):キミン・キム
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):アレクセイ・クズミン
パリス(ジュリエットの婚約者):コンスタンチン・ズヴェレフ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人):アレクセイ・ネドヴィガ
キャピュレット卿(ジュリエットの父):ソスラン・クラエフ
キャプレット卿夫人:エカテリーナ・ミハイロフツェーエワ
モンタギュー卿(ロミオの父):アンドレイ・ヤコヴレフ
ジュリエットの乳母:リラ・フスラモワ
ロレンス神父:アンドレイ・ヤコヴレフ
ヴェローナの大公:ドミートリー・プィハチョーフ
ジュリエットの友人:ナデージダ・ゴンチャール
吟遊詩人:フィリップ・スチョーピン
道化:ワシーリー・トカチェンコ

<12月2日>
ジュリエット:クリスティーナ・シャプラン
ロミオ:ティムール・アスケロフ
マキューシオ(ロミオの友人):アレクサンドル・セルゲーエフ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):ユーリー・スメカロフ
パリス(ジュリエットの婚約者):コンスタンチン・ズヴェレフ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人):アレクセイ・ネドヴィガ
キャピュレット卿(ジュリエットの父):ソスラン・クラエフ
キャプレット卿夫人:エカテリーナ・ミハイロフツェーエワ
モンタギュー卿(ロミオの父):アンドレイ・ヤコヴレフ
ジュリエットの乳母:リラ・フスラモワ
ロレンス神父:アンドレイ・ヤコヴレフ
ヴェローナの大公:ドミートリー・プィハチョーフ
ジュリエットの友人:ナデージダ・ゴンチャール
吟遊詩人:フィリップ・スチョーピン
道化:グリゴーリー・ポポフ
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マリインスキーバレエ「愛の伝説」 11月27日
2015/11/30(Mon)
マリインスキーの「愛の伝説」、2日とも見てきました。
キャストの違いはもちろん、見る側としての初回の緊張と2度目の慣れ、座席(同番12列違い)の違いなどもあって、二つの舞台の印象はけっこう異なりますが、見応えのある作品ですし生で見られて本当に良かったです。 
ともかく1日目はロパートキナが舞台にいる限りはロパートキナ集中!だったので、力が入りすぎてしまいました(笑)が、2日目は話の展開もダンサー登場のタイミングなどもわかっているので落ち着いて、また全体を見る事もできた感じです。

ロパートキナのラインのなんと美しく鮮やかなこと。 音楽をしっかり捉えた腕や脚の動き、全身のポーズがすべて美しく、クリアなラインが一つ一つ目に焼き付けられていくようでした。 気高く威厳のある女王バヌーでしたが、クールではあるけれど、恐れ、怒り、嫉妬、悲しみなどが全身から伝わって来ました。 また、2幕の始め、一人フェルハドへの思いに悩み苦しみながら舞台奥の小さな空間で膳を組んだような姿ですら、威厳があり目を離せない。 次第に体をくずし、物憂げに脚などをさすっている姿ときたらそれはもう悩ましく・・・。  バヌーは1幕から3幕まで踊りもかなり多いんですね。 背筋にそうとう負担がかかりそうな独特の動き、そしてスピーディーな踊りが多い中にクラシックバレエ的なピルエットやグランフェッテなども組み込まれていて、2幕の後半はかなり辛いのではないかと思いました。 ただ、愛の伝説の独特な舞踊言語の中に唐突にグランフェッテというのが少し不自然な気もしましたが・・・。 ソロで踊っている時間も長いので踊り手次第では見ていて飽きそうです。 しかし、ロパートキナの身体能力も衰えないですね。 3幕のフェルハドとのPDDで立っているエルマコフのウエストベルトを掴んだだけで倒立というアクロバティックな振付を完璧に美しくこなしたのには驚きました。 本当に素晴らしい! 

シリン役のシャプランは昨年マールイに半年ほど在籍し、当初今年のマールイのジゼルにキャストされており、あの当時はマールイでレベデフとのペアを見るのを楽しみにしていました。 マリインスキーに移籍後も順調にレパートリーを増やし主演数も増えていたので、この来日公演では一番注目しているダンサーです。 涼しげで可愛い顔つき、スレンダーなラインは好みのタイプ(笑)。 かなり長身ですが、それでもまだロパートキナの方が背が高いのですね・・・。 シリンもかなり踊りが多いですが、頑張っていたと思います。 ただロパートキナと同じ空間に立ち主役として渡り合うには、当然の事ながらまだまだ荷が重過ぎる感じでした。 前日の疲れもあるのか安定感に欠く場面もちらほら。  

フェルハドのエルマコフ、こんなにどっかんとガタイがよかったでしたっけ? この青い中途半端ソロルみたいな衣装がいまいちよろしくない?? 柔らかでダイナミックな踊りは良かったしサポートも万全ですが、控えめというか押し出しが弱いのが惜しいというか・・・。 姉妹二人から愛される愛憎劇の主人公なので、そのドラマを色づけるような強くはっきりとした表現が欲しかったです。

で、そんなエルマコフとは全く正反対で滅茶苦茶強烈な印象を残したのが宰相役のスメカロフ。 今となっては皆ベテランですが、彼もワガノワ98年組なんですよねー。 女王への激情も強く深く痛々しく、濃い表現にキッレキレの迫力あるダンスが素晴らしかったです。 さすが元エイフマンダンサー。 

怪しげな魔術をかける托鉢僧はプー(元マールイのアルテム・プハチョフ。 12月のアカデミーの来日で会えるといいなぁ!!)兄ドミトリー。 白塗りなんで顔があまりよく分かりませんが、横顔なんかはプーちゃんにやっぱり似てる。 
フェルハドの友人4人で顔と名前が一致するのはトカチェンコだけですが、開脚は綺麗に開いて軽快、ピルエットも安定していて彼が一番上手かった。
道化のポポフはバネのある跳躍も高速回転も良かったです。

コール・ドの踊りもてんこ盛りでした。 
なかでも金銀財宝を渡すという女性コール・ド16人とバトーエワの黄金の踊りは、リズムが狂うようなステップと複雑なフォーメーションがクラシックバレエとは全然違っていて難しそうで変わっていて新鮮(笑)。 
男性コール・ドも見せ場が多かったですね。 1幕で3人+3人、8人、8人、6人がめまぐるしく入れ替わり立ち替わり現われては踊り、音楽もヒートアップし宰相も加わってどんどん迫力を増していく様は見ごたえたっぷりでした。 マリインスキーなので勇壮ながらも品があるのですが、これがボリショイだったらどこまでワイルドにパワーアップするのかとボリショイでも是非生の舞台を見てみたいと思いました。 その3人+3人の将校?役でそれぞれ一人ずつ気に入ったのですが、キャスト表には出てないしプログラム見ても誰なのか分からないしでちょっと悔しい。

オーケストラの演奏も良かったです。 弦は柔らかく美しく金管も安定していたし、特にトランペットの表情付けが豊かで素晴らしかったです。 現代音楽にありがちな不協和音などがなく、単調に感じられるメロディーはあったものの、標題音楽的というか映画音楽のように分かりやすく聴きやすい音楽だったのが良かったです。



シリン(王女):クリスティーナ・シャプラン
フェルハド(宮廷画家):アンドレイ・エルマコフ
メフメネ・バヌー(女王、シリンの姉):ウリヤーナ・ロパートキナ
宰相:ユーリー・スメカロフ
托鉢僧:ドミートリー・プィハチョーフ
フェルハドの友人たち:エルネスト・ラティポフ、ワシーリー・トカチェンコ
           アレクセイ・ネドヴィガ、アンドレイ・ソロヴィヨフ
シリンの友人たち:石井久美子、スヴェトラーナ・イワノワ
           クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
黄金の踊り:ナデージダ・バトーエワ
踊り子たち:アナスタシア・ペトゥシュコーワ、エカテリーナ・チェブキナ
道化:グリゴーリー・ポポフ
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シュツットガルト・バレエ団「ロミオとジュリエット」 11月13日
2015/11/20(Fri)
シュツットガルトの「ロミオとジュリエット」は2005年に同じアマトリアン&フォーゲルで見て以来。 クランコのロミジュリ自体もその後は見ていないから10年ぶりという事で、しっかり記憶にあるのはクッションダンスと大広間とレースのカーテン越しのホワイエというキャピュレット家の家の造りと懸垂キスくらいだったかな?(笑) 舞台美術や衣装は変わっていないと思いますが、橋脚がアーチ型になった回廊の上下のスペースの効果的な利用と絵画のように美しい色彩の衣装は本当に素晴らしいですね。
その10年前のキャストはマキューシオがアレクサンドル・ザイチェフ、ベンボーリオがミハイル・カニスキン、ティボルトがイリ・イェリニク、というスターダンサーばかりでしたが、今は皆バレエ団を離れていて時の流れとカンパニーの変化を感じます。 また、その間、マクミランのロミジュリは映像も含めると10回程度は見る機会があったので、久々に見たクランコ版は、マクミランと比べると演出がわりとシンプルでスピーディーで、ロミオとジュリエットにしても14歳とか16歳にそれほどこだわる必要もないように感じ、ダンサーも自分なりのアプローチがし易いのではないかと思いました。 フォーゲルとアマトリアンは共に30代半ばですが、それがどうというようには感じませんでした。 年齢差がないのがいいのかもしれませんね。
 
フォーゲルのロミオは流石に10年前のような能天気に明るく若さに溢れた向こう見ずなロミオではなく、所作にどことなく落ち着きを感じたりもしたけれど、無邪気でまっすぐな雰囲気はそのままです。 幕開きで、マントにくるまり一人ロザリンドへの想いに酔っているトロ~ンとした表情がさまになるのもフォーゲルならではかと(笑)。 
彼の踊りはポーズを決める時にぐうっと伸びる体のラインが綺麗で、私はそれがとても好きなのですが、この日も1幕の広場での踊りでは一際それが目立っていました。 キャピュレット家の舞踏会に忍び込む前の館前でのマキューシオ、ベンヴォーリオとの3人の踊りはマクミランに負けず劣らずハードな振付で、フォーゲルの年齢にはきっついだろうなーとも思いますが、若干崩れつつも切れよく綺麗に纏めていたと思います。

アマトリアンのジュリエットは無理に少女っぽくは作らず自然体で、素直にすくすく育ったお嬢さんという感じでした。 パリスに対しても家にとっての大切なお客様に礼儀正しく振舞うといった雰囲気かな? 
バルコニーのシーン。 ロミオと出会って生まれて初めて知ったときめきと、その初めての感情にのぼせてしまいそうな様子をアマトリアンはとてもキュートに演じていました。 短いシーンだけれど、ロミオが訪ねて来る前に一人でどきまきするジュリエットは本当に微笑ましいですね。 ロミオを見つければ驚きと恥かしさで植木の陰に隠れちゃうし。

二人のPDDは本当に素晴らしかった。 ここで何よりも好きなのは、ジュリエットへの思いは体中から溢れんばかりと背中を大きくゆったりのけぞらせるロミオのランベルセ。 フォーゲルのランベルセは美しく雄弁でうっとりです。 マクミラン同様かなり複雑で動きの速いリフトの連続も、組みなれている二人はスピーディーに滑らかに、高まる互いの気持ち、至福の時を過ごす喜びを見事に表現していたと思います。 もちろんフォーゲルの安定したサポートがあってでしょうが、アマトリアンの動きがしなやかで空中でのどんなポーズも素晴らしく美しかった。 
そして階段のないクランコ版といえば、ロミオがジュリエットを抱きかかえてバルコニーに戻したあとの別れ際の懸垂キスですね♪ 

最終日のロミオ役にもキャストされていたマキューシオ役のダニエル・カマルゴ、ベンヴオーリオ役のパブロ・フォン・シュテルネンフェルスは、共にフォーゲルがインタビューで才能豊かで個性も持っている若手と語っていたダンサーなので、期待しながら見ていたのですが、確かに二人とも溌溂とした良いダンサーでした。 特にカマルゴは3人の踊りと舞踏会でのソロで見せたバネのきいた余裕のある跳躍が印象的で、さらにティボルトとの剣舞?では剣の扱いも上手く、それでいてバランスを崩さない軽快な動きが見事でした。 彼はブラジル出身なんですね。 ティボルトに刺されて死んでゆくところはおどけてみせるシーンも少なく、戦わなかったロミオを責めるわけでもなく、痛みに耐え、いきなり訪れた死の恐怖への動揺を見せまいと必死になっているようでマクミラン版よりもリアリティーというか悲壮感を感じました。

ティボルト役はプリンシパルのロマン・ノヴィツキー。 登場した時にはちょっと線が細い?とも思いましたが、不遜で、モンタギューの人間に対する敵対心をこれっぽっちも隠そうとしない常に殺気だっているようなティボルト。 演技も上手かったですが、こちらもマクミランと比べると死に様は意外にあっさりなんですね。 まぁ、あちらはちょっとやりすぎですが。
ティボルトの死を知ったキャピュレット夫人の取り乱し方は納得できる範囲だったのですが、自ら髪をほどいたのがわかったのと、ガウン?の胸元のボタンをはずしてはだけたようになったのが少し演技としては不自然。 

パリス役のコンスタンチン・アレンはハワイで育ったアメリカ人プリンシパルで、まだ20代前半と若いダンサーです。 ハンサムではありますが、お化粧のせいかプロフィールの素顔っぽい写真よりもダークな感じ? フォーゲルよりも少し高い長身のダンサーで身のこなしも綺麗でした。 フォーゲルがオネーギンの日のレンスキーだそうで、なんとなく逆な印象・・・。 

3幕のロミオとジュリエット別れのシーンのPDDもリフトを多用したアクロバティックな振付でした。 抑えきれない喜びに溢れていた肢体がここでは言いようのない絶望感をまとっているのがなんとも痛ましい。  ベッドで目覚めたロミオがジュリエットの長い髪を自分の指に絡めて愛おしそうにしながらも虚ろな表情なのがとても切なく、ロミオは命を絶つ前にも同じ仕草をするのでとても印象に残るのですが、10年前の公演の感想でも同じ事を書いていて・・・。 という事はフォーゲル仕様なのか、はたまたクランコロミオのお決まりなのか?  

一人残されパリスとの結婚までの猶予がなくなったジュリエットがロレンス神父のもとに走り薬をもらい、またその薬を飲むまでの葛藤も展開が早かったです。 他の版はもう少しジュリエットの葛藤がじっくり描かかれ、ここで踊り手ではなく演技者としての力量が問われたりもしますが、クランコ版はここまでも過剰な演出はなかったのでここもテンポよく。

薬を飲んだ仮死状態のジュリエットが葬られている霊廟でジュリエットの死を悼むパリス。 結婚の承諾をするまでに激しくパリスを拒み、彼の自尊心をひどく傷つけたという演出ではなかったので、心優しいパリスならば彼女の死を嘆くというのは自然ではあるけれど、ロミオがパリスを殺すというのはあまり好きではないのでそのままあっさり消えてもらいたかった。
ラスト、それぞれの絶望と身を切られるような思いの中、別々に命を絶つロミオとジュリエット。 悲しい運命はわかりきっていても、ここまで舞台上で役を生きてきた二人の死を見るのは切ないですね・・・。 会場の静寂が悲しみをいっそう増したような気がしました。


しかし、オーケストラの演奏は酷かったですね・・・。 最後の最後までドラマティックなところで金管がよくはずしてくれた事・・・。  バレエ団はホームではシュツットガルト州立管弦楽団の演奏で上演しているのでしょうから、ちょっとびっくりだったのではないでしょうか?  

余談ですが、こちらはバレエ団の日本ツアーのブログ。 ティボルトを踊ったノヴィツキーが今回のブログカメラマンを務めているそうですが、普段見られないリハーサルや楽屋での様子がわかって嬉しいです♪





キャピュレット家
キャピュレット公:ローランド・ダレシオ
キャピュレット夫人:メリンダ・ウィザム
ジュリエット:アリシア・アマトリアン
ティボルト:ロマン・ノヴィツキー
パリス:コンスタンチン・アレン
乳母:ダニエラ・ランゼッティ

モンタギュー家
モンタギュー公:キリル・コルニロフ
モンタギュー夫人:エレナ・ブシュエヴァ
ロミオ:フリーデマン・フォーゲル
マキューシオ:ダニエル・カマルゴ
ベンヴォーリオ:パブロ・フォン・シュテルネンフェルス

ヴェローナの大公:ルイス・シュティンス
僧ローレンス:ルイス・シュティンス
ロザリンド:アヌーク・ファン・デル・ヴァイデ
ジプシー:アンジェリーナ・ズッカリーニ、森田愛海、ロシオ・アレマン

カーニバルのダンサー:ルドヴィコ・パーチェ、ルイジ・ヤン、パウラ・レゼンデ
オスカン・アイク、ロジェ・クワドラド

ヴェローナの貴族と街の人々:シュツットガルト・バレエ団


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新国立劇場「ホフマン物語」 10月30日
2015/11/03(Tue)
10月30日に新国立劇場の新作「ホフマン物語」の初日を見てきました。
詳しいストーリーは劇場サイトのこちらの<ものがたり>の項目で確認いただくとして、日本のバレエ団が取り上げる作品としてはどうなんだろうと、若干不安な気持ちを抱きながら会場に足を運びましたが、8人いるプリンシパルのうち7人を一度に見られるという贅沢なキャスティングとダンサーたちの踊りに満足して帰って来ました。

20代の若いホフマンがそうとは知らずに恋をした、まるで生きているかのような人形オリンピア役の長田さん。 カクカクッとした人形振りでの踊りばかりだったので、彼女のたおやかで柔らかい踊りが見られなかったのは残念ですが、彼女の長い腕の動きが人形振りをより表情豊かに見せていたと思います。 ポワントでの人形的な動きをベースに難しそうな振りも多く、そこに押し殺したような人形の感情も織り込んで、非常に大変な役なのだろうと思いました。 
30代のホフマンが愛する女性は、小野さん演じる過度な運動が生命の危機となるという謎の病を患うアントニア。 登場の瞬間からキュート&清楚なオーラに包まれています。 場の雰囲気をあっという間に作れるダンサーになりましたねー、絢子ちゃん。 アントニアの幕はコール・ドも含め、ポージングや衣装でどことなくライモンダを思わせるクラシックバレエを存分に楽しめる幕で、新国のダンサーならではの美しく上品なバレエを堪能できました。 小野さんの存在感は本当に際立つものがあって、音楽性あるしなやかな踊りも素晴らしい。 
信仰生活に入っている40代?のホフマンがサロンで出会った高級娼婦ジュリエッタ役の米沢さん。 なんとなく幼い雰囲気のある米沢さんが娼婦役というのは意外な感じがしましたが、お化粧のせいか?なかなかに妖艶で不敵な感じもあって良かったです。 踊りは本当に隙もブレもなく、どんな動きもポーズも思いのままで、アクロバティックな振り付けも見事にこなしていました。

さて、主役ホフマンの雄大くん。 踊りはいつも通りに磐石。 流れるように柔らかい踊りで安定感も抜群です。 ピーター・ダレルの振付って、これまであまり目に馴染みのない、動きのベクトルに逆向きの負荷をかけるような独特なものがあるように感じましたが、それもそつなくこなしていたのでは。 クラシックシーンでのタイツ姿がもうちょっと絞れていれば言う事なかったのだけれど・・・。 コンビという面ではやはり小野さんと組んでいる時が一番自然でスムースでしたが、雄大君の踊りもけっこう多く、その上に3人のサポートと、技術的な大変さに加え肉体的タフネスを求められる役でした。 
惜しむらくは演技面の物足りなさかな? ホフマンという人物像をもう少し色濃く、深く表現できると良かったと思います。 日本のバレエ団が取り上げる作品としてどうか?と思っていたのは、ダンサーたち、特にホフマン役のダンサーが演劇的部分をどれだけのレベルでこなせるかという事でしたが、初演という事もあり、まだホフマンの人生を十分には語れていなかったように感じました。  

そういう面でやはりさすがだったのがマイレンで、ホフマンの人生に姿を変えてまとわりつき、ホフマンを苦しめ続ける4人の悪魔を冷徹、コミカル、不気味に演じて強烈な印象を与えていました。 3の線のこっけいなお化粧だったのが残念でしたが、スパランザーニ役では久々にマイレンの軽快でラインの綺麗な踊りが見られて嬉しかった。

ラ・ステラ役の本島さんは出番は少ないながら、華やかな雰囲気が役にぴったりでした。 彼女も持ち前の演技力でどんな役でもこなしますよね。

その他の出演者では、プロローグでホフマンの友人を演じた、八幡さん、福田さん、奥村さんの3人の踊りが印象的。 それぞれ、ダリルの振付がかなり難しそうなのですが、音楽に乗って切れの良い踊りを見せてくれました。
特に堀口さんの伸びやかな踊りが良かった2幕の幻影の3組も磐石で、コール・ド・ダンサーの踊りも綺麗に揃っていてさすが新国という感じでした。 


演劇面でさらに全体的なレベルを上げて、三つの恋物語をもっと魅力的に、ホフマンの人生をもっとドラマティックに伝えてもらいたいという注文はありますが、音楽も聞きやすく、舞台装置・衣装(3幕はやや微妙ですが・・・)も素敵な作品なので、また近いうちに再演して欲しいと思います。


 


ホフマン:福岡雄大
オリンピア:長田佳世
アントニア:小野絢子
ジュリエッタ:米沢唯
リンドルフ/スパランザーニ/ドクターミラクル/ダーパテュート:マイレン・トレウバエル
ラ・ステラ:本島美和
ホフマンの友人(ルーサー):福田圭吾
ホフマンの友人(ナサーニエル):八幡顕光
ホフマンの友人(ハーマン):奥村康祐
ウェイトレス:五月女遥、奥田花純、柴山紗帆
スパランザーニの召使い:小口邦明、高橋一輝
幻影たち:寺田亜沙子、堀口純、丸尾孝子
      奥村康祐、井澤駿、小柴富久修
芸人たち(パ・ド・カトル):寺田亜沙子、堀口純、貝川鐵夫、林田翔平

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サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター「眠れる森の美女」 9月5日
2015/09/13(Sun)
9月5日のソワレを見てきました。
タッチキンの「眠り」は物語的にちょっと他の版との違いがあり、舞台を見ながらコンフューズする箇所がいくつかあって、きちんとプログラムを読んでから見るべきだったと若干後悔。
それでも最初の休憩で友人に教えてもらえたのでまだ助かりました。

<プロローグ>
序曲の途中で幕が上がると、そこは薄暗い地下牢のようなカラボスの城。 手下が大きな鍋をかき混ぜ何かを煮立てているのを見ながら満足そうに不気味な笑みを浮かべているカラボス。 落とし格子の向こうから国王夫妻(この二人、ちょっと気品に欠けるのだけれど、まぁ国王夫妻なんだろうなとは分かる)が現れる。 見ている時はよく分からなかったけれど、子供を授かれるようにとカラボスにお願いに来たらしい・・・。 カラボスは袋に入った薬を渡す。 その時に一度は夫妻が躊躇していたので何やらいかがわしく危ない薬なのかと思いきや、プログラムによれば、娘が誕生したあかつきにはカラボスの元で洗礼を受け娘が成人するまでカラボスの城で暮らさなければならないという条件付きだったので、それをとんでもないと拒否したのであろうと・・・。

夫妻はめでたく女の子を授かり洗礼式が行われている。 約束したカラボスの城ではなく夫妻の城で・・・。
白鳥に続き、眠りの式典長もルダコさん。 白鳥は演技らしい演技はないけれど、眠りの式典長は周囲への細かい気配りやコミカルなお芝居も必要となるなかなか大変な役なので、ルダコ、大丈夫なのか!と踊らなければ踊らないで心配になります(笑) 
妖精たちの衣装がそれぞれに美しく、やはり眠りは華やかでいいわぁぁと思ったのですが、いつまでたってもリラの精が出てこないのが非常に気になりました。 リラが出てこないままに妖精たちの踊りが始まって、鷹揚の精の直塚さんがリラの曲でイタリアン・フェッテを踊りだした時にはプチパニック。 プロのダンサーたちはたとえ非常事態でもあたかもそれがオリジナルバージョンのように見せてしまう技量の持ち主なので、ひょっとしたら幕が開く直前にリラのダンサーが踊れない状態になってしまい、代役も立てられないまま急遽変更したのではないのか・・・、ここは凌いでも、じゃぁ誰がカラボスから城を守って、デジレとオーロラを引き合わせるのか???なんて色々勝手に考えてしまいました。 そんな状態での鑑賞ではありましたが、直塚さんの踊りは軸ぶれもなく、シャープなラインのポーズがとても綺麗でした。 彼女は身長はさほど高くありませんが、腰の位置が高く足も長くてロシア人の中にいてもプロポーションの見劣りはありません。
祝福ムードをぶち壊すように宮廷に不穏な空気が流れ、カラボスが手下をつれて登場する。
白鳥の家庭教師でもいい味を出していたディムチク・サイケーエフのカラボスは、所狭しと舞台上を動きまくり悪態をつき放題。 洗礼式に呼ばれなかった事だけに腹を立てていたわけでなく、自分の城で執り行うという約束を無視された事に対しても怒っていたわけですね。 一方こちらはお約束どおりですが、式典長はカラボスの手下に後ろ手に押さえつけられ、髪の毛をす~~べてむしり取られて丸坊主です。 中途半端なてっぺん禿よりはまだかっこいいかも(笑) で、ルダコさんのお芝居は80点くらいかな?
18歳(16歳ではないんです)の誕生日に赤い薔薇で指をさして(糸紡ぎの針じゃないのねー)オーロラは死ぬだろうと国王夫妻に迫ったところでようやくリラの精が姿を現す。 でもね、白いチュチュなんですよ(金の刺繍が施されていてすっごく綺麗なんですが)・・・。 ライラックカラーをイメージしていただけに音楽がなければ分からなかったかも・・・。 やはりリラの精の力には適わないカラボスたちは退散しリラの踊り。 マリア・ベリカイアは2羽の白鳥を踊っていた長身のバレリーナですが、長い手足を生かした優美な踊りで良かったです。

<1幕>
オーロラは薔薇の棘で死ぬと予言されたのだから編み物の踊りがあるはずもなく、ここはパスだろうと思っていると、降りたままの幕の前に上手から式典長が現れる。 散歩?
と、向かいから誕生日パーティーの豪華な料理のために国外から招かれた料理人(だそうです)が台車に料理を乗せてやって来る。  ルダコさんが中身を検めると、18本の赤い薔薇が飾られた見事なバースデーケーキが・・・。 「あー、とんでもないものを見つけてしまった」とおろおろおたおた・・・貧血でも起したかのように座り込むルダコさん。 似合いすぎ♪ そこに現れる国王夫妻。 ルダコさんダブルパーンチで職務放棄!!  国王は怒って料理人を処刑しろというものの、これは薔薇をかたどった美味しいケーキですと試食を進められた王妃は自分で食し、事情を知らない国外の料理人が作ったケーキなのだからと国王の怒りを収めて一件落着。  舞台転換の準備に必要なのはわかりますが、このくだりが長すぎ・・・。 さらに、こういう設定なのかしらないけれど、国王の振る舞い、演技に品がなさすぎでやすっぽすぎ・・・大衆劇場の売れない喜劇役者みたいなのは勘弁です。 王妃も似たり寄ったりだし。

庭園での祝宴。 ガーランドワルツのコール・ドは8組でもそれなりに華やかですが動きはバラバラ・・・。 踊りこんでいるはずの白鳥でさえ揃っていなかったので、この辺を期待するのはちょっと無理なんでしょうね。 ルダコさん、帽子を取って来賓に挨拶していましたが、18年経っても髪は生えてこないんですねぇぇ。
淡いローズ色のチュチュのコレスニコヴァ@オーロラ姫の登場。 可憐というイメージからはちょっと遠いタイプのダンサーなので、ある意味怖いもの見たさのようなところもあったのですが、若干作った初々しさがあったものの笑顔はわりと普通ににこやかで違和感はありませんでした。 ローズアダージョの前半はアチチュードの足の高さも充分で、無理なくアン・オーに腕をあげる余裕ぶり。 後半のプロムナードではアン・オーにまでは持っていかずそのまま次の王子の手を取り、やや表情が硬かったですが、ぐらつく事もなく。 その後のヴァリエーション、ゴメスの影がちらついて困ったりもしましたが(笑)、しっかりして安定した踊り。 
しっかし、娘の踊りをみている国王の様子が落ち着きがなく、足を投げ出して座っていたりと本当に品も威厳もなくて・・・こんな王様初めて見たわ!
老婆が現れ、オーロラに渡したのは笛? すぐに口をつけていたように見えて、知らない人から手渡されたものにいきなり口をつけちゃうお姫様っていうのもどうかと思いましたが、その笛のようなものから一厘の赤い薔薇が出てきたような? ここがちょっとよく見えなかったのです。 そして薔薇の棘が指にささりオーロラの体に毒が回る。 ただ、その場に倒れるのではなく王子の一人に支えられ舞台下手奥にしつらえられたガゼボの中へ入って行き、そこに横たわって100年の眠りにつく事になります。 このアイディアはなかなかいいなと。
悲しみにくれる人々の前にリラの精が現われ、金の薔薇の杖を振って皆を眠りに付かせる。  一番上手の国王夫妻の隣にいたルダコから順に魔法にかけられていくのだけれど、なぜ夫妻を眠らせないのか??  不思議に思っているうちに幕がおり、降りた幕の前を国王夫妻が手に手を取り合ってうつむきながら下手へと消えて行く。
国王夫妻は民のために国を治めなくてはならないので、娘とともに眠る事ができず庭園を後にしたのだと幕間に教えてもらってようやく納得。 
まー、確かにそうなんですけど、フェアリーテイルでそこだけ妙に現実的にならなくても・・・。 この後100年もこのご夫妻が生きて国を治められるわけがなく、オーロラ以外の誰かに王位継承するわけで、そうしたらせっかく100年後に目を覚ましたオーロラが後を継げないかもしれないし、邪魔者として命を狙われるかもしれないじゃない!?

<2幕>
休憩で2幕にもルダチェンコが出てくるからお楽しみに~と教えてもらい、きっと貴族の仕切り役だろうと見当をつけていたら見事に外れてしまい、これは大変!と目を皿のようにして舞台上で輪投げに興じるダンサー一人一人をチェックしていたので(全く何やってるんだか・・・)、フロリムント王子の事はすっかり忘れていました。 すら~っとしていかにも王子然としたロヂキンが出てきて、あ、そうだ・・・と。 流石に流麗な踊りですが、目元の化粧のせいか、なんとなく陰りがある王子様ですね・・・。
で、ルダコさんは王子の登場前に、貴族の小姓に小さな弓で射られて怪我した農民?みたいな、なんでそんな役が要るの?という役で右往左往しながら舞台の後方を横切ってお仕舞いでした。 これはほんとに意味不明。
アイボリー(かな?)のロングドレス(マールイのリラのような衣装)のリラが現れ、オーロラの幻影を見せる。 ここのコレスニコヴァのチュチュの色がまったく思い出せない・・・。 淡い色だったと思うのですが、1幕と同じでしたっけ? すごく切なく辛そうで、魂はどこかにいっちゃっているような彼女の表情が印象的。 ヴァリエーションは確かなかったような。 コール・ドの踊りも短めでした。 
幻影たちが去った後、リラと王子が少し踊り、オーロラの眠る場所を教えて欲しいと乞う王子にリラは金の薔薇の杖を渡す。
一旦幕が降り舞台転換。 
え、やるの??とびっくりなまさかの間奏曲・・・・。 だってオケひどいんだもの・・・。 急遽この公演の演奏をすることになり、リハーサルも多分あまり時間が取れなかったのだろうから大変だったとは思うのですが、白鳥のときはあまりの酷さに指揮者が逃げ出すんじゃないかと冷や冷やしたくらいで、この美しい間奏曲、破綻なくできるのか・・・と恐ろしくなりました。  まぁ、なんとか演奏しきりましたけど、アニちゃんの魔法が欲しかったな。    
金の薔薇の杖に導かれ王子はカラボスの城へ行き、手下とカラボスと戦い打ち負かす。 といっても倒したのはリラの精の杖の魔力です♪ 最後はご老公の印籠なみにかざしてましたもんねー。 
王子はオーロラの眠る庭園に急ぎ、薔薇の杖で家臣たちを次々に起こし、オーロラにキスをして100年の眠りから解放する。

<3幕>
オーロラ姫とフロリムント王子の結婚式。
100年経った城は宮廷も少し豪華に模様替え。 この祝宴の席にいる国王夫妻(演じ手も違います)は1幕の国王夫妻とはどんな関係なんでしょう? 衣装もそれらしく豪華になって物腰もそれらしい。 
この人たちの踊りはないよなーと思うアラビアンやチャイナっぽい衣装のゲストも含め、結婚式のゲストはリラの精がオーロラが眠りについている100年の間に書かれたたくさんの素敵な物語の主人公たちをオーロラに紹介するために招待したキャラクターたちなのだそうです。 ほぉぉぉ、なるほど。
ルダコさんは100年経って、ようやく髪は伸びたようです♪ でもなー、やっぱり何か踊る役で見たかったな。
宝石さんたちのチュチュは皆とても綺麗で、長身でプロポーションの良いダンサーが揃っているので見栄えがします。 白鳥で見ていいなと思ったミジノワのダイヤモンドもフォルムが綺麗で良かったです。 
フロリナ王女の直塚さんの描くシャープなラインはとても綺麗です。 踊りも堅実でしっかりした技術を持ち合わせた今後楽しみなダンサーです。 青い鳥のトカチュクは脚捌きがもう少しクリアだったらとも思いましたが、力みのないいい踊りだったと思います。
その他のキャラクテールの踊りもまずまずみな良かったと。
オーロラ姫とフロリムント王子のGPDD。 コレスニコヴァのチュチュはここでは薄い山吹色でちょっと意外な感じでしたが、リラの精が純白のそれっぽいチュチュなのでオーロラも白だとダブりますしね。 踊りの方は普通でした。 というか、やっぱりオーロラは彼女に合う役ではないよなぁ・・・。 1幕の雰囲気をあまり変えずに無理に笑顔で明るい表情を作ろうとしているのか、ずっと歯が見えたままの口元がけっこう気になってしまいました。 ここは彼女らしくもっと堂々としていた方が良かったと思います。 ヴァリもちょっと笑顔が不自然すぎて踊りも?でした。 当然技術的にどうのという人ではないのだから結局キャラ違いというべきか。 ロヂキンも普通に良かったと思いますが、後半は疲れたのか?マネージュなどは少し重かったように見えました。 それぞれの踊りはさておき、2人の間にもう少し通い合う幸福感のようなものがあれば良かったなと思います。
国王夫妻とリラの精が若い2人の門出を祝福し、大団円で幕。


5日連続で6公演とタイトスケジュールでしたが、ダンサーは一生懸命な舞台を見せてくれたと思います。 客入りがそれほど良くなかったのが残念ですが(今回はバレエフェスで散財していたバレエファンも多かったかもしれませんしね!)、あまりバレエ全幕公演のない9月に来日してくれたのは嬉しかったです。 次はドンキのような明るく楽しい演目を見たいです。 お!っと思うようなゲストにもまた期待しちゃいます♪





オーロラ姫 :イリーナ・コレスニコヴァ
フロリムント王子 :デニス・ロヂキン
カタルビュット(式典長):ドミトリー・ルダチェンコ
カラボス :ディムチク・サイケーエフ
善と光の精(リラの精) :マリア・ベリカイア
優しさの精:エカテリーナ・ボンダレンコ
元気の精:リュドミラ・ミジノワ
鷹揚の精:直塚美穂
呑気の精:ヴァレリア・アンドロポワ
勇気の精:ディアナ・エルモラエヴァ

ダイヤモンド:リュドミラ・ミジノワ
サファイア:エリザヴェータ・サヴィナ
ゴールド:ヴァレリア・アンドロポワ
シルバー:ユリア・コチェマソヴァ
フロリナ王女:直塚美穂
青い鳥:ミハイロ・トカチュク
白い猫:ラリッサ・ファブリクノワ
長靴をはいた猫:アントン・マリツェフ
赤頭巾ちゃん:橋本有紗
狼:ディムチク・サイケーエフ
シンデレラ:ナデージャ・ラーシュコ
フォーチュン王子:ユーリィ・バリシニコフ
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サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター「白鳥の湖」 9月3日
2015/09/05(Sat)
サンクトペテルブルグ・バレエ・シアターの「白鳥の湖」を見るのは2004年、2011年に続き3回目。 そういえば前回の震災直後の来日時、タッチキン氏の挨拶があり、今後は毎年でも来日公演を行いたいとの事だったのですが、結局4年も経ってしまったんですね。 でも招聘元が安心の光藍社さんに変ったので、これからは本当に頻繁に来日できるようになるかもしれませんね。 

プログラムによれば、来日ダンサーは44名なので、舞台に乗っているダンサーの数がやや少なめになるのは仕方ないですが、それでも一人のダンサーが何役も担当しながら上手くやりくりして舞台を盛り上げていました。 所帯の小さいバレエ団の公演はどこも大変ですよね。

ムンタギロフはおっとりと人が良く純真そうな青年王子。 王子として敬われながらも周りから親しみを持たれるタイプの御曹司ですね。 成人の祝宴で飲んでいたお酒を家庭教師に取り上げられてすごく不満そうな顔をしていたのが妙に可笑しかったです(笑)。
道化のフェドルコフはよく動き回って忙しそうでしたが、祝宴の最後の見せ場のピルエットは回転も速くぶれも少なく上手かったです。
パ・ド・トロワは3人とものびのび踊っていたと思います。 前回同様、日本人のコール・ド・ダンサーをキャストするのは日本公演用の配慮なのでしょうか? 
王妃は2007年にワガノワ卒というとても若いダンサーで13年にタッチキンに移る前はエイフマンにいたそうで長身のダンサーです。 
爺やという感じの家庭教師は前回と同じディムチク・サイケーエフ。 このバレエ団に長く所属するキャラクテールダンサーのようですね。 全体的にバレリーナよりも男性ダンサーの方が定着度が高いのか、前回ツアーに参加しているダンサーが多いようです。

コレスニコヴァの白鳥は3回目ですが、それほど変った印象はありません。 丁寧な踊りと感情に振付を合わせていくイメージの考え抜かれた身体表現。 常に白鳥を意識させる彼女のアームスの動きはとても印象的です。 ただ、彼女のオデットは自己陶酔というか自己完結型なので、自分の悲しい身の上、愛する事のできる王子に出会った喜びや不安をいずれも切々と雄弁に語っているのだけれど、パートナーとの語らいが見えない。 ムンタギロフがオデットを一生懸命追いかけているように見えてしまったのが残念でした。
一方オディールは生き生きと、ロットバルトの娘らしい魔力に満ちた妖しくふてぶてしいオディールでした。 王子が愛を誓うのを見届けて思いっきりバカにしたように高笑いをして去っていく姿が様になりすぎ。 踊りも磐石。 ヴァリではダブルで回ってのランベルセもさらりと決めていましたし、32回転はシングルでスピーディーにあっという間に回りきりました。  
2幕(舞踏会)でのムンタギロフの踊りはとてもソフトで端正。 若いんだからもう少し勢いがあってもいいのにとも思いましたが、先日のフェスも同様だったので、これが今の彼のスタイルなのかな? 

ロットバルトのドミトリー・アクリーニンは前回も同じロットバルトで見ています。 ルダコとともにバレエ団のプリンシパルですが、存在感のある踊りと安定感のあるサポートでしっかり舞台を支えていました。

そして、そのルダコさん、来日メンバーに名前はあるものの写真付きで紹介はされていないし、当日のキャスト表にも載っていないしで諦めていたのですが、舞踏会の式典長としてご出席♪ こうして見ると、身長はあるし、ハンサムなんだし、まだまだ踊る役で頑張って欲しいところです。 途中でささーっと上手にはけていったので、もしかしたらディベルティスマンで踊ってくれるかな?と期待したりしたのですが、それはありませんでした。 怪我や体調不良などでないといいですが。

白鳥コールドは18人でしたが、動きはすこしばらけていました。 小さな白鳥には日本人ダンサーが2人入っていましたが、こちらは動きも揃っていて良かったです。
大きな白鳥のリュドミラ・ミジノワはトロワを踊ったダンサーですが、可愛らしい美人で脚も綺麗なダンサーで好みです。 気に入ってしまいました。 眠りでは何を踊るのかな~~。  

最終幕もオデットの嘆きが私にはかなりじっとり重く感じましたが、ジークフリートがロットバルトを倒し、魔法から解かれてもとの娘の姿に戻れた嬉しさをかみ締めながら微笑む姿は、演技の呪縛からも解き放たれたようでとてもナチュラル。 見つめあい寄り添う二人の姿は爽やかに幸福感漂っていました。 





オデット/オディール: イリーナ・コレスニコヴァ
ジークフリート: ワディム・ムンタギロフ
ロットバルト: ドミトリー・アクリーニン
王妃:ナタリア・スミルノワ
家庭教師: ディムチク・サイケーエフ
道化:アンドレイ・フェドルコフ
パ・ド・トロワ:ミハイロ・トカチュク、直塚美穂、リュドミラ・ミジノワ

小さい白鳥:ヴァレリア・アンドロポワ、ラリッサ・ファブリクノワ、橋本有紗、直塚美穂
大きい白鳥:リュドミラ・ミジノワ、マリア・ベリカイア
イタリア:アントン・マリツェフ、橋本有紗
ハンガリー:グリゴリー・イワノフ、エリザヴェータ・サヴィナ
ポーランド:イーナ・スヴェチニコヴァ、ゲルマン・シュナイダー
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