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キエフ・バレエ「バヤデルカ」 12月26日&27日
2014/01/06(Mon)
キエフ・バレエの「バヤデルカ」を両日見てきました。
26日は仕事を翌日回しにして来てしまったので、27日は厳しいかなーと思ったのですが、思いのほかサクサク進み、問題なく会場へ来れました。 バヤは大好きだから2日間見られて良かった~~。
キャストは主役3人、太鼓の踊り、アイヤ以外は両日同キャストでした。

キエフのバヤデルカはマリインカと同じで影の王国でお仕舞い。 衣装とセットがちょっとショボ目で、うーむ・・・というのもありましたが、やっぱり旧ソ連系バレエ団のバヤデルカは大好き!!

フィリピエワはやっぱり凄い!というのは置いておいて、個人的に一番収穫だったと思うのは、ソロルを踊ったニェダク。 まだプログラムを買っていないので、プロフィールは分からないのですが、ここの劇場の立派なプリンシパルだなと納得の踊りでした。 スター然とした輝きを放つタイプではないけれど、サポートは良いし、身のこなしや所作は常にノーブルで踊りも安定していて目に心地よい綺麗なラインを作っていました。 背も高いしお顔も光藍社サイトの写真よりは素敵だし(笑)。

目鼻立ちくっきりはっきりでちょっと肌の色が濃い目なマツァークはヴィジュアル的にはこれ以上ぴったりな人はいないだろうというくらいの超美人なインドの舞姫。 まぁ、もうちょっとアイメイクを抑えてもいいかと思いましたが、と~~~っても美しい。 演技と踊りはとても丁寧でというか思いの他おとなしめでしたかね。 ニキヤ役に関する限りは踊りでの表現と演技が少し弱いかなぁぁ。 ガムザッティがフィリピエワだったので、3幕でガムザが出て来なくなったら主役がいなくなってしまったような感じがしなくもなく・・・。 ただ、難しいヴェールの踊りも特に問題なくこなしていたようだし(しなやかさはなかったけれど)、コーダの高速でのシェネとアラベクでの後退の素晴らしさなど高い技術を持ったバレリーナだと思うので、キトリなどはつらつとした役が合うのかなという印象でした。 

フィリピエワはやはり一人だけ別格感が漂っていました。 気高い領主のお姫様の大きな瞳に見つめられたら、ソロルももうどうにも太刀打ちできませんって感じでした。 ともかく彼女は目の表情が豊かなので、その動き一つでとってもこわ~~いガムザになるのです。 踊りもきれのある跳躍や安定した回転などいっこうに衰えをみせないのが凄いです。

27日の主役3人について、初日と比べたらけっこう見劣りしてしまうかなと失礼な事を思ったりもしたのですが、そんな事はありませんでした。 というか、3人のバランスは案外こちらの方が良かったかも・・・。

ニキヤのゴリッツァは恋する若いふつーの女性という感じで特別な舞姫とか神聖な巫女という雰囲気はないのだけれど、去年の眠りの時と比べて綺麗になったなと思いました。 夏のガラのオデットでも感じたけれど、光藍社のサイトに乗っている写真の雰囲気とは変ったような。 1幕の最初の方は踊りや仕草に少し変なしながあるような感じを受けたのですが、ソロルとのPDDあたりから気にならなくなりました。 べつに媚を含んでいるわけではなく、感情をこめようとしてそうなるのかな?と。
彼女は上半身が柔らかくて踊りが綺麗に見えますね。 特に2幕の嘆きのソロは旋律の響きを体全体で上手く表現していたと思います。 3幕のヴェールの踊りは少し難易度を下げて安全策を取ったようですが、よろけたりして観客をはらはらさせるよりはいいのかもしれませんね。 

長身のヴァーニャはソロルの衣装がよく似合う。 ニェダクのような隙のないエレガントなラインではないけれど、キャラクテール的な要素を活かした戦士ソロルだったと思います。 
2日見ると細かいところがいろいろ違うのが分かって面白いのですが、ヴァーニャ@ソロルの位置取りは、1幕のニキヤの祝福の舞いの時も2幕のニキヤのソロの時もニキヤに背を向けて(ガムザッティが客席に近い席に座っていた)硬い表情のまま絶対に顔を合わせようとしない。 ニェダク@ソロルは1幕ではちらっと見たり、ニキヤが側にやってくると立ち上がって気づかれないようにしてみたり、2幕は大方のソロルの定位置(上手で一番客席側)に座ってしっかりニキヤの踊りは見ていました。
ヴァーニャで一番「ええっ!!」と思ったのは2幕の最後。 毒に倒れたニキヤに駆け寄って・・・、自分も床に身を投げニキヤに添い寝するようなポーズで幕が降りてしまったこと。 添い寝・・・するか??? 普通抱き上げたり、そのまま天を仰いだりするじゃない。 吹きだすような場面じゃないのですが、ちょいと呆気にとられてしまいましたですよ・・・。
あーそーだ。 2幕の婚約式(マリインカと同じで結婚式なのかな?)に象に乗って登場するシーン。 右足がずっとぶるぶる動いていたのが気になった(笑)。 高いとこ苦手なの? 

ガムザッティのキフィアク。 私は2009年の来日時は1公演しか見ていないのでオリガ・キフィアクは2007年以来かな? あの頃はテチアナ・ロゾワ、ユリア・トランジタルなどと主役ダンサーたちを支える重要な役どころで見ることが多かったバレリーナです。  今回も高慢でちょっと冷たそうな姫を好演していて、踊りも終始安定していました。
2幕のガムザ。 フィリピエワは登場の時だけグラン・パの4人組みたいなセパレートの衣装で、その後、結婚式用の華やかなチュチュに着替えていましたが、キフィアクは最初から結婚式用のチュチュでした。

2日目の舞台で客席の空気がいきなり熱気を帯びたのは、やはりフィリピエワの太鼓の踊りでした。 まー、あの音楽が流れて男性のソロダンサーが出てきただけでも気分が高揚しますが、ノリノリのフィリピエワの姿にこちらの気持ちも「きゃ~っ」とか「わぁぁ~~っ」て具合に一気に高まります。 割れ割れの筋肉美と溌剌としてちょっぴり挑発気味に楽しくてたまらないって表情のフィリピエワを堪能。 いやもうほんとにこれを見られただけでもこの日会場に来た甲斐がありました♪ 

バヤデルカの見せ場の一つである影の王国。 ツアー仕様なのか、本国でも同じなのかどうかは分かりませんが、スロープが一段しかありませんでした。 その1段のスロープもわりと緩やかで、精霊たちがゆっくりと舞い降りてくるという幻想的なシーンとしては少し物足りなかったです。 1日目は設置の仕方がまずかったのか、ダンサーが出てくるところあたりの繋ぎ目?がギシギシ音をたてていてちょっと残念でした。 2日目は全く問題はなかったです。
スロープは一段でしたが、精霊は総勢32人で、降り始めの頃こそ若干ぎこちない動きがありましたが、地上に降り立ってからは綺麗でした。 身長的に少しでこぼごしていて揃わない並びのようにも思いましたが、グラグラするダンサーも少なくよく纏まっていたと思います。 2日目はさらに良かったです。 やはり一度本番を経験すると違うものなのですね。 ダンサーのそういうものの吸収力というのは凄いな。  
影のトリオは3人ともキエフの他のバレリーナと比べても異人類的に長身で手足が長すぎるくらい長い。 なので体のコントロールや音楽にきちんと乗せながら体全体のラインを綺麗に見せるのはかえって難しいのかもしれませんが、カザチェンコはやはり上手い! カザチェンコ、グランパのセパレートの衣装のときなんて、わきの下のすぐ下にもうウエストのくびれがきているくらいに胴が短くて足が長~くて・・・・。 ほんとに驚異的なプロポーションだわ!
でも影のトリオのヴァリって、どうしてもマールイの記憶を呼び覚まさせられるのですよね・・・。 特に第1ヴァリはミリツェワちゃん、第3ヴァリはコシェレワ・・・と、なんとも辛いものがあるのです。

マグダウィアのヴィタリー・ネトルネンコの軽く飛び上がって滞空時間の長い跳躍は良かったです。 なのに全く派手さがないのがなんかキエフらしい。 ソロルと大僧正の間で困惑するさまもしっかり演技してました。 3幕でソロルにアヘンをすすめながら慰めの踊りを踊る場面、笛吹きさんの座る位置が蛇の籠に近すぎて踊り難そうだったのがちょっと気の毒。 キエフの蛇もマールイと同じ・・・。 どうやって動かしているのかなぁ?
奴隷のデニス・オディンツォフは長身スリムでなかなかイケ面だったような。 体を浅黒く塗っていなかったので、おやっ?という感じではありましたがニキヤの衣装が汚れないのはいいですね。
壷の踊りは、両脇の日本人の女の子の踊りがなかなか上手くてそちらに目が行ってしまいました。
アイヤは二日目のナタリヤ・エフレモワがちょっと不気味な感じがしたのです。 あのポーズで思いっきり体をかがめてすすすーと出てくるのがね・・・。
婚約式の捧げ物がトラではなく豹だったのにちょっとうけました。 確かにインドにも豹は生息していますものね。 
お、そうだ。 オケは2日とも良かったです。 個人的に一番心に残っているのは2幕のニキヤの踊りでのチェロの物悲しい音色。 そして毎回思うことですが、オケと舞台の一体感があってミコラ・ジャジューラさんもしっかりダンサーを見てくれています。

2日間充実した舞台を楽しむ事ができましたが、影の王国で終わってしまいニキヤとソロルの結末がこちらに委ねられるバージョンって受け取り方が難しいですね。 ニキヤがソロルを許したのかどうかもよくわからなかったし、二日とも影の王国でのニキヤとソロルの感応というのはあまり伝わって来なかったので物語性が少し薄かったなぁ。  
一昨年のマリインカの時は、コルスンツェフソロルはニキヤを追って下手に消えて行ったときにあちらの世界へと昇天してしまったと思えたし、イワンチェンコソロルはアヘンの眠りから覚めたらニキヤとの事は良い思い出にして(それも勝手だけど)、現実を受け入れて行くんだろうなというストーリーが自然と浮かんで来たんですけどね。 でも、何度も何度も見ているダンサーと一緒にしちゃいけないな。

12月26日
ニキヤ: ナタリア・マツァーク
ソロル: デニス・ニェダク
ガムザッティ: エレーナ・フィリピエワ

12月27日
ニキヤ: オリガ・ゴリッツァ
ソロル: ヤン・ヴァーニャ
ガムザッティ: オリガ・キフィアク


大僧正: セルギイ・リトヴィネンコ
トロラグヴァ(戦士): セルギイ・クリヴォコン
ドゥグマンタ(ラジャ=インドの藩主): ヴラディスラフ・イワシチェンコ
マグダウィア(苦行僧): ヴィタリー・ネトルネンコ
アイヤ(ガムザッティの召使): ナタリヤ・イシチェンコ(26日)
                  ナタリヤ・エフレモワ(27日)
奴隷:デニス・オディンツォフ
ジャンペー :オリガ・モロゼンコ、ヴァルヴァラ・ミルケヴィチ
黄金の偶像: イワン・ボイコ
マヌー(壺の踊り): マリヤ・トカレンコ
太鼓の踊り: オクサーナ・グリャーエワ(26日)
        エレーナ・フィリピエワ(27日)
        コスチャンチン・ポジャルニツキー、ワシリー・ボグダン
グラン・パ:  カテリーナ・カザチェンコ、アンナ・ムロムツェワ、
        アナスタシア・シェフチェンコ、ユリア・モスカレンコ
        セルギイ・クリャーチン、セルギイ・クリヴォコン
幻影の場ヴァリエーション: カテリーナ・カザチェンコ、アナスタシア・シェフチェンコ、カテリーナ・ディデンコ
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キエフ バヤデルカ 続き(3)
2014/01/06(Mon)
マグダウィアのヴィタリー・ネトルネンコの軽く飛び上がって滞空時間の長い跳躍は良かったです。 なのに全く派手さがないのがなんかキエフらしい。 ソロルと大僧正の間で困惑するさまもしっかり演技してました。 3幕でソロルにアヘンをすすめながら慰めの踊りを踊る場面、笛吹きさんの座る位置が蛇の籠に近すぎて踊り難そうだったのがちょっと気の毒。 キエフの蛇もマールイと同じ・・・。 どうやって動かしているのかなぁ?
奴隷のデニス・オディンツォフは長身スリムでなかなかイケ面だったような。 体を浅黒く塗っていなかったので、おやっ?という感じではありましたがニキヤの衣装が汚れないのはいいですね。
壷の踊りは、両脇の日本人の女の子の踊りがなかなか上手くてそちらに目が行ってしまいました。
アイヤは二日目のナタリヤ・エフレモワがちょっと不気味な感じがしたのです。 あのポーズで思いっきり体をかがめてすすすーと出てくるのがね・・・。
婚約式の捧げ物がトラではなく豹だったのにちょっとうけました。 確かにインドにも豹は生息していますものね。 
お、そうだ。 オケは2日とも良かったです。 個人的に一番心に残っているのは2幕のニキヤの踊りでのチェロの物悲しい音色。 そして毎回思うことですが、オケと舞台の一体感があってミコラ・ジャジューラさんもしっかりダンサーを見てくれています。

2日間充実した舞台を楽しむ事ができましたが、影の王国で終わってしまいニキヤとソロルの結末がこちらに委ねられるバージョンって受け取り方が難しいですね。 ニキヤがソロルを許したのかどうかもよくわからなかったし、二日とも影の王国でのニキヤとソロルの感応というのはあまり伝わって来なかったので物語性が少し薄かったなぁ。  
一昨年のマリインカの時は、コルスンツェフソロルはニキヤを追って下手に消えて行ったときにあちらの世界へと昇天してしまったと思えたし、イワンチェンコソロルはアヘンの眠りから覚めたらニキヤとの事は良い思い出にして(それも勝手だけど)、現実を受け入れて行くんだろうなというストーリーが自然と浮かんで来たんですけどね。 でも、何度も何度も見ているダンサーと一緒にしちゃいけないな。
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キエフ バヤデルカ 続き(2)
2014/01/04(Sat)
2日目の舞台で客席の空気がいきなり熱気を帯びたのは、やはりフィリピエワの太鼓の踊りでした。 まー、あの音楽が流れて男性のソロダンサーが出てきただけでも気分が高揚しますが、ノリノリのフィリピエワの姿にこちらの気持ちも「きゃ~っ」とか「わぁぁ~~っ」て具合に一気に高まります。 割れ割れの筋肉美と溌剌としてちょっぴり挑発気味に楽しくてたまらないって表情のフィリピエワを堪能。 いやもうほんとにこれを見られただけでもこの日会場に来た甲斐がありました♪ 

バヤデルカの見せ場の一つである影の王国。 ツアー仕様なのか、本国でも同じなのかどうかは分かりませんが、スロープが一段しかありませんでした。 その1段のスロープもわりと緩やかで、精霊たちがゆっくりと舞い降りてくるという幻想的なシーンとしては少し物足りなかったです。 1日目は設置の仕方がまずかったのか、ダンサーが出てくるところあたりの繋ぎ目?がギシギシ音をたてていてちょっと残念でした。 2日目は全く問題はなかったです。
スロープは一段でしたが、精霊は総勢32人で、降り始めの頃こそ若干ぎこちない動きがありましたが、地上に降り立ってからは綺麗でした。 身長的に少しでこぼごしていて揃わない並びのようにも思いましたが、グラグラするダンサーも少なくよく纏まっていたと思います。 2日目はさらに良かったです。 やはり一度本番を経験すると違うものなのですね。 ダンサーのそういうものの吸収力というのは凄いな。  
影のトリオは3人ともキエフの他のバレリーナと比べても異人類的に長身で手足が長すぎるくらい長い。 なので体のコントロールや音楽にきちんと乗せながら体全体のラインを綺麗に見せるのはかえって難しいのかもしれませんが、カザチェンコはやはり上手い! カザチェンコ、グランパのセパレートの衣装のときなんて、わきの下のすぐ下にもうウエストのくびれがきているくらいに胴が短くて足が長~くて・・・・。 ほんとに驚異的なプロポーションだわ!
でも影のトリオのヴァリって、どうしてもマールイの記憶を呼び覚まさせられるのですよね・・・。 特に第1ヴァリはミリツェワちゃん、第3ヴァリはコシェレワ・・・と、なんとも辛いものがあるのです。

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キエフ バヤデルカ 続き(1)
2014/01/03(Fri)
27日の主役3人について、初日と比べたらけっこう見劣りしてしまうかなと失礼な事を思ったりもしたのですが、そんな事はありませんでした。 というか、3人のバランスは案外こちらの方が良かったかも・・・。

ニキヤのゴリッツァは恋する若いふつーの女性という感じで特別な舞姫とか神聖な巫女という雰囲気はないのだけれど、去年の眠りの時と比べて綺麗になったなと思いました。 夏のガラのオデットでも感じたけれど、光藍社のサイトに乗っている写真の雰囲気とは変ったような。 1幕の最初の方は踊りや仕草に少し変なしながあるような感じを受けたのですが、ソロルとのPDDあたりから気にならなくなりました。 べつに媚を含んでいるわけではなく、感情をこめようとしてそうなるのかな?と。
彼女は上半身が柔らかくて踊りが綺麗に見えますね。 特に2幕の嘆きのソロは旋律の響きを体全体で上手く表現していたと思います。 3幕のヴェールの踊りは少し難易度を下げて安全策を取ったようですが、よろけたりして観客をはらはらさせるよりはいいのかもしれませんね。 

長身のヴァーニャはソロルの衣装がよく似合う。 ニェダクのような隙のないエレガントなラインではないけれど、キャラクテール的な要素を活かした戦士ソロルだったと思います。 
2日見ると細かいところがいろいろ違うのが分かって面白いのですが、ヴァーニャ@ソロルの位置取りは、1幕のニキヤの祝福の舞いの時も2幕のニキヤのソロの時もニキヤに背を向けて(ガムザッティが客席に近い席に座っていた)硬い表情のまま絶対に顔を合わせようとしない。 ニェダク@ソロルは1幕ではちらっと見たり、ニキヤが側にやってくると立ち上がって気づかれないようにしてみたり、2幕は大方のソロルの定位置(上手で一番客席側)に座ってしっかりニキヤの踊りは見ていました。
ヴァーニャで一番「ええっ!!」と思ったのは2幕の最後。 毒に倒れたニキヤに駆け寄って・・・、自分も床に身を投げニキヤに添い寝するようなポーズで幕が降りてしまったこと。 添い寝・・・するか??? 普通抱き上げたり、そのまま天を仰いだりするじゃない。 吹きだすような場面じゃないのですが、ちょいと呆気にとられてしまいましたですよ・・・。
あーそーだ。 2幕の婚約式(マリインカと同じで結婚式なのかな?)に象に乗って登場するシーン。 右足がずっとぶるぶる動いていたのが気になった(笑)。 高いとこ苦手なの? 

ガムザッティのキフィアク。 私は2009年の来日時は1公演しか見ていないのでオリガ・キフィアクは2007年以来かな? あの頃はテチアナ・ロゾワ、ユリア・トランジタルなどと主役ダンサーたちを支える重要な役どころで見ることが多かったバレリーナです。  今回も高慢でちょっと冷たそうな姫を好演していて、踊りも終始安定していました。
2幕のガムザ。 フィリピエワは登場の時だけグラン・パの4人組みたいなセパレートの衣装で、その後、結婚式用の華やかなチュチュに着替えていましたが、キフィアクは最初から結婚式用のチュチュでした。
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キエフ・バレエ 「バヤデルカ」
2013/12/31(Tue)
キエフ・バレエの「バヤデルカ」を両日見てきました。
26日は仕事を翌日回しにして来てしまったので、27日は厳しいかなーと思ったのですが、思いのほかサクサク進み、問題なく会場へ来れました。 バヤは大好きだから2日間見られて良かった~~。
キャストは主役3人、太鼓の踊り、アイヤ以外は両日同キャストでした。

キエフのバヤデルカはマリインカと同じで影の王国でお仕舞い。 衣装とセットがちょっとショボ目で、うーむ・・・というのもありましたが、やっぱり旧ソ連系バレエ団のバヤデルカは大好き!!

フィリピエワはやっぱり凄い!というのは置いておいて、個人的に一番収穫だったと思うのは、ソロルを踊ったニェダク。 まだプログラムを買っていないので、プロフィールは分からないのですが、ここの劇場の立派なプリンシパルだなと納得の踊りでした。 スター然とした輝きを放つタイプではないけれど、サポートは良いし、身のこなしや所作は常にノーブルで踊りも安定していて目に心地よい綺麗なラインを作っていました。 背も高いしお顔も光藍社サイトの写真よりは素敵だし(笑)。

目鼻立ちくっきりはっきりでちょっと肌の色が濃い目なマツァークはヴィジュアル的にはこれ以上ぴったりな人はいないだろうというくらいの超美人なインドの舞姫。 まぁ、もうちょっとアイメイクを抑えてもいいかと思いましたが、と~~~っても美しい。 演技と踊りはとても丁寧でというか思いの他おとなしめでしたかね。 ニキヤ役に関する限りは踊りでの表現と演技が少し弱いかなぁぁ。 ガムザッティがフィリピエワだったので、3幕でガムザが出て来なくなったら主役がいなくなってしまったような感じがしなくもなく・・・。 ただ、難しいヴェールの踊りも特に問題なくこなしていたようだし(しなやかさはなかったけれど)、コーダの高速でのシェネとアラベクでの後退の素晴らしさなど高い技術を持ったバレリーナだと思うので、キトリなどはつらつとした役が合うのかなという印象でした。 

フィリピエワはやはり一人だけ別格感が漂っていました。 気高い領主のお姫様の大きな瞳に見つめられたら、ソロルももうどうにも太刀打ちできませんって感じでした。 ともかく彼女は目の表情が豊かなので、その動き一つでとってもこわ~~いガムザになるのです。 踊りもきれのある跳躍や安定した回転などいっこうに衰えをみせないのが凄いです。
(明日以降に続きます。) 


さて、2013年も残すところあと2時間となりました。 これから年越しそばの仕度にかかります。 ブログの更新頻度がかなり落ち、しょぼい内容が多くなってしまった2013年でしたが、来年も多分こんな具合ではないかと・・・。 そろそろブログを終了してしまおうかなどと思った事もありましたが、やはり次のマールイ来日まではなんとしても続けたい・・・という思いも強くありまして。 ホント、早く来て欲しいです!! まさかマリインカの方が先に来ちゃうなんて事はないですよね??
そんなわけで、今年も拙ブログを訪問して下さった皆様、本当にありがとうございました。 良いお年をお迎えください。





12月26日
ニキヤ: ナタリア・マツァーク
ソロル: デニス・ニェダク
ガムザッティ: エレーナ・フィリピエワ

12月27日
ニキヤ: オリガ・ゴリッツァ
ソロル: ヤン・ヴァーニャ
ガムザッティ: オリガ・キフィアク


大僧正: セルギイ・リトヴィネンコ
トロラグヴァ(戦士): セルギイ・クリヴォコン
ドゥグマンタ(ラジャ=インドの藩主): ヴラディスラフ・イワシチェンコ
マグダウィア(苦行僧): ヴィタリー・ネトルネンコ
アイヤ(ガムザッティの召使): ナタリヤ・イシチェンコ(26日)
                  ナタリヤ・エフレモワ(27日)
奴隷:デニス・オディンツォフ
ジャンペー :オリガ・モロゼンコ、ヴァルヴァラ・ミルケヴィチ
黄金の偶像: イワン・ボイコ
マヌー(壺の踊り): マリヤ・トカレンコ
太鼓の踊り: オクサーナ・グリャーエワ(26日)
        エレーナ・フィリピエワ(27日)
        コスチャンチン・ポジャルニツキー、ワシリー・ボグダン
グラン・パ:  カテリーナ・カザチェンコ、アンナ・ムロムツェワ、
        アナスタシア・シェフチェンコ、ユリア・モスカレンコ
        セルギイ・クリャーチン、セルギイ・クリヴォコン
幻影の場ヴァリエーション: カテリーナ・カザチェンコ、アナスタシア・シェフチェンコ、カテリーナ・ディデンコ
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ミラノ・スカラ座「ロミオとジュリエット」 9月22日 第3幕
2013/10/09(Wed)
第3幕
<第1場:ジュリエットの寝室>

まだ寝入っているジュリエットの体に触れキスをし、離れ難い気持ちを押し殺し一人そっと出て行こうとマントを羽織るロミオ。 その気配に目覚めたジュリエットが慌てて駆け寄り引き止める。 二人の別れのPDDは、離れたくないし離したくない、でも今一緒にいる事は許されないという諦めの思いが溢れていて切なく辛い。 ロミオは自分の犯した罪なのでどこかに覚悟のようなものがあるけれど、残される身のジュリエットは心を落ち着けられず狂いそうな気持ちが隠せない。 ロミオに駆け寄るジュリエットの細かく速いステップにその思いが感じ取れる。 ロミオが出て行った後を追いかけてもの凄い勢いで階段を駆け上がり、肩を落としてゆっくり一段一段降りてくるジュリエットの姿に思わず胸が詰まりました。
両親がパリスを連れて現れ、ジュリエットにパリスとの結婚を承諾するように言い渡す。 パリスを拒みベッドに逃げ込むジュリエットを引きずり出し怒りを顕にする父キャピュレット。 結婚はできない、どうかそれをわかって欲しいと必死の思いで父と母に交互にすがるジュリエットの姿があまりにも痛々しい。 そんな娘の姿に余計に腹を立て激昂して部屋を出て行く父。
一人になったジュリエットは絶望しベッドに座り込む。 ぼんやりと考え込み宙を浮いていた定まらない視線が止まるとジュリエットの表情がみるみる生気を帯び、一縷の望みを見出したジュリエットはロレンス修道僧の教会へ向かう。 コジョカルの表情の変化、心の動きを代弁する目線の使い方が素晴らしかった。 

<第2場:教会> 
ロレンスに自分の置かれた状況を説明し、なんとかしてほしいと必死の思いで頼むジュリエット。 教会に着いてロレンスを探し回る姿にもロレンスの体を揺さぶるようにして懇願する姿にも、追い詰められた悲愴感と、それでもロミオを想い何があってもパリスと結婚する事はできないというジュリエットの強い気持ちがあふれていました。 
仮死状態に陥る薬をすすめられて恐ろしさに一度は拒むものの、他にどうしようもなく、ロレンスとともに祈りを捧げて家へと急いで戻っていくジュリエット。 

<第3場:ジュリエットの寝室> 
ロレンスに手渡された薬を飲む事への恐怖をぬぐえないでいるジュリエットは人の気配を感じて慌てて薬を枕元に隠す。 両親が再びパリスを連れてやって来て結婚受諾をせまる。 ジュリエットが再び父に望まぬ気持ちを訴えるも叶わず、パリスと踊らされる。 パリスが嫌がるジュリエットに対して態度を荒げるのはこの踊りの前でしたっけ? この振る舞いに結婚したら妻を虐げそうな奴だと嫌悪感を抱くパリスもいるけれど、マッシミのパリスはなぜそこまで自分を拒絶するのかと問いたい故の冷静さを失わない怒りでした。 とっても好感度の高いパリスではあったのです。 一幕の舞踏会での踊りと同じような振りながら、拒絶の心以外に全く意思を持たない人形のようなジュリエットの踊り。 ジュリエットは覚悟を決め結婚を承知するけれども、安堵したパリスの口づけは最後までかたくなに拒む。
両親たちは式の準備に部屋を出て行き、一人残されたジュリエットは枕もとの薬を取り出し、恐怖心と戦いながらも祈りを捧げ、ロミオとの未来を信じて一気に薬を飲み干す。 薬が体に周り、苦しさにもだえながらベッドに這い上がり意識を失う。
ジュリエットの友人たちがやって来てお祝いの踊りを踊る。 いつまでも起きて来ないジュリエットを起こそうとして彼女の異変に気づいた友人たちがうろたえているところにドレスを持った乳母がやって来た。 体をゆすっても目を覚まさないジュリエットに乳母は泣き崩れてしまう。 ジュリエットの心のうちのすべてを知っていた乳母の後悔と悲しみはいかばかりか・・・。 ジュリエットに対して懐深い愛情を惜しみなく注いで慈しみながら世話をしてきたデボラ・ジズモンディ演じる乳母はとても好ましいキャラクターだっただけに、ジュリエットの死を嘆き悲しむ彼女の姿にも心痛みました。 キャピュレット夫妻、パリスもジュリエットの死に愕然とし悲嘆にくれる。  

<第4場:キャピュレット家の墓室> 
ジュリエットの部屋のベッドがそのままお墓の安置台となっている。 ロミオが葬列に紛れて墓室に忍びむ。 キャピュレット夫妻と乳母が最後の別れを告げ墓室を去った後も、一人残っていたパリスがロミオをみつけ短剣を抜く。 ロミオも躊躇する事なく剣を抜き、パリスを刺し殺してしまう。 
ロミオは口付けをし、体をゆさぶっても目を覚まさないジュリエットを抱き上げ踊ろうとするけれども、ジュリエットは力なく地に崩れ落ちるだけでピクリとも動かない。 ジュリエットを振り回し引きずりながら、この瞬間にも目を覚ますのではないかとばかりに悲愴な顔つきでジュリエットをみつめ続けるロミオの姿は痛ましすぎる。 フォーゲルが肩に担ごうとする時だけ力を入れて飛びつき、後は全く力を抜いていたコジョカルの演技も巧みだった。 ついにジュリエットの死を受け入れたロミオは彼女をベッドに横たえ抱きしめキスをして、ジュリエットの手を胸にあてながら携えていた毒薬を呷る。 薬を口にする瞬間、キッとした表情を見せたロミオはその一瞬に何を思ったのだろう。 
息絶えたロミオと入れ替わるようにジュリエットが仮死状態から意識を取り戻す。 何度見てもこのシーンは切ない。 もう少し早ければ・・・と思わずにいられないもの。 体を起したジュリエットの目が倒れているパリスを捉える。 余談ですが、20日は目覚めてすぐにこの暗がりがどこなのか分からず恐がってあたりを見回していたところでパリスに気づいていました。 その舞台によって細かい違いがいろいろあって、全く同じ物語は生まれないのだとつくづく思い、演じている本人たちにとっても筋書きはないものなのだなぁと。 パリスに驚き、墓所を逃げ惑っていたジュリエットが倒れているロミオに気づく。 頭を下に仰向けに倒れているロミオに愕然としながらも駆け寄って抱き起こし体をゆさぶり目を覚まさせようとする。 そしてロミオの両腕を自分の首に巻きつけ、なんとか立たせようとするも全く動かないロミオに激しく慟哭するジュリエット。 コジョカルのその悲嘆の様子があまりにも痛々しくて涙が止まりませんでした。 そしてジュリエットはパリスの短剣を拾いあげ、迷う事無く胸を突き刺す。 力を振り絞ってベッドに這い上がり、遠のいていく意識の中でようやくロミオの手に触れた直後に力尽きて息絶える。   

                        -幕-

もちろん、脇を支えたスカラ座のダンサーたちの素晴らしいパフォーマンスがあってこそですが、自分にとってはこれ以上はないだろうという夢のような主演キャストで久しぶりに心から感動した舞台でした。 舞台上でジュリエットとして生き、ロミオに恋をして喜び悲しみというのをとても自然に感じさせてくれたコジョカルのジュリエットは本当に見事でした。  会場も拍手喝采でカーテンコールは何度も繰り返され、最後の方はかなりの観客がスタンディングオベーションでダンサーたちを称えていました。
フォーゲルとコジョカルの相性もいいみたいなので、是非また全幕の舞台で共演してくれる事を望みます。 イングリッシュ・ナショナル・バレエをどこかが招聘してくれて(ロホもダリアも踊れるうちに早くね!)、その時にフォーゲルをゲストというのはどうだろう?などともう勝手に思いをめぐらせています。
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ミラノ・スカラ座「ロミオとジュリエット」 9月22日 第2幕
2013/10/04(Fri)
第2幕
<第1場:市場>

マキューシオ、ベンヴォーリオ、娼婦たち、街の若い男女が大騒ぎしながら踊っている賑やかな市場に幸せに浸り天にも昇る心地のロミオが現れる。 ロミオというかフォーゲルのでれ~~っとしまらない顔がほんとに・・・幸せそうでした。 いつものようにいちゃついてくる馴染みの娼婦を愛想なくつっかえすつれないロミオ。 まぁ本当に20日はそこまで冷たくしなくてもと思うくらいの虐げぶりでしたが、22日はもう少し大人な対応だったかな? 娼婦の方もかなりしつこかったし、周りからもなんだよなんだよその態度と非難?されてましたからね。  でも、おでこ以外にキスしちゃ駄目じゃない(笑)! ここでのロミオはフォーゲルの大らかな明るさがぴったりの幸せそのものの陽性な踊り。 マンドリンの芸人たちと結婚式の行列。 マンドリンのソロは両日とももう少し軽快にぶれなく踊れると良かったと。
結婚式でさらに賑わう市場にジュリエットの乳母がジュリエットから預かった手紙をロミオに渡すためにやってくる。 みんなで乳母をからかったりロミオが乳母のスカートをまくりあげてというのは相変わらず・・・。 二人だけの結婚式を挙げましょうというジュリエットの手紙に喜んで舞い上がったロミオにキスをされ、気を失いかけ倒れる乳母がかわいい♪
何も言わずに有頂天で去っていったロミオを訝しげな表情で見送るマキューシオ。 ステラのマキューシオは顎鬚のせいで精悍というかちょいと怖いというか、姿だけをみるとティボルトと間違えそうな雰囲気なので、彼が見せた表情が思いのほか記憶に残っている。 

<第2場:教会>
ロレンス修道僧の教会。 大小さまざまな蝋燭が灯され壁の上中央にキリストの磔刑図が飾られている素朴なセットで落ち着いた趣があります。 ロレンスの衣装は年季が入ってちょっとくたびれていたけど・・・。 ロミオが勢いよく走りこんできてロレンスにジュリエットの手紙を見せ、今から式を挙げてほしいと頼みこむ。 乳母と一緒に現れたジュリエットはロミオの姿をみとめるなりロミオに駆け寄り抱きつく。 早く誓いの儀式をとロレンスに迫り、別れ際にいつまでもキスをし続ける二人の姿は、微笑ましいというよりこの日は時間のない恋人同士が生き急いでいるように見えてしまいました。

<第3場:市場>
結婚式のお祝いムードも最高潮で人々の踊りも一段とエネルギッシュに盛り上がっている市場に、荒れた様子のティボルトが現れる。 大公にきつく戒められているにも関わらずマキューシオを挑発し剣を交える。 戻って来たロミオに気がついたティボルトが今度はロミオを挑発するが、親戚となったティボルトと争いを起したくないロミオはなんとか事を納めようとする。 そんなロミオに嫌気が刺したような顔のマキューシオがティボルトと再び剣を交える。 二人とも二刀流で見事な剣さばきでした。 ただ髭づらでちょっと血の気が多いような気がするマキューシオがおどけた様子を見せていても、やはりなんだか違う感じに見えてしまうんですよね。 ティボルト二人・・・とまでは言わないけれど。 
優勢だったマキューシオはやはり最後はロミオと闘わせたかったのか、ロミオに自分と代わるように迫る。 それをかたくなに拒むロミオに軽く小突かれた瞬間、背後にいたティボルトの剣がマキューシオの体に突き刺さる。 驚くロミオ、静まり返る群衆。
マキューシオは何でもないとおどけて見せ周りを安心させるけれど、彼の傷は致命傷でやがて踊りながら地面に倒れて絶命する。 マキューシオは倒れる寸前にロミオとティボルトをそれぞれ指差し激昂する。 初日はロミオに敵を打てと言っているのかと思ったけれど、この日は両家の争いのために命を落とすことの怒りをぶちまけていたように見えた。
マキューシオの亡骸にしがみついていたロミオの嘆きがティボルトへの怒りに変わり、剣を抜き我を忘れてティボルトに襲い掛かる。 怒りにまかせたロミオの剣がティボルトの体を突きティボルトは倒れる。 倒れながらもロミオに飛び掛ろうと大ジャンプをするティボルトの死は壮絶。 ティボルトの遺体を蹴り唾をはき貶める街の娘たち。 嫌な奴の死とはいえ、普通の娘たちがと思うとちょっとぞっとする。
騒ぎを聞きつけたキャピュレット夫人が現れ、娘たちを突き飛ばしてティボルトの亡骸に抱きつきながら慟哭する。 夫人は拾い上げた剣をロミオに向かって振りかざすがベンヴォーリオに止められる。 ロミオは夫人のスカートに取りすがって泣きながら謝罪するが夫人が許すはずもなく、ベンヴォーリオに促されてその場から逃げ去る。 やり場のない悲しみと憤りに地を叩き、自分の体を地面にぶつけるように転げまわるキャピュレット夫人の激しい嘆き。 狂気と怒りと悲しみが渦巻く凄まじさ。
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ミラノ・スカラ座「ロミオとジュリエット」 9月22日 第1幕(4~6場)
2013/09/30(Mon)
<第4場:舞踏会場>
キャピュレット家の外壁のセットが上がるとそこは舞踏会会場。 着飾った紳士淑女が集まって豪華絢爛ではあるのだけれど、一場の市場で使われていた石の階段がそのまま設置されていて、館の中のボールルームというには思い切り野外な感じで初日はちょっと面食らった。 階段の上には立派な燭台がたくさん並べられていて絵的にはとても美しいですけどね。
キャピュレット家の人々とゲストたちの踊りは、20日は少しまとまりがなくダンサーたちのラインに緊張感がないというかぬるい感じがしたのですが、この日は良かったです。 女性ダンサーたちのドレスさばきがきまると洗練された感じで華やかさも際立つ。
紛れ込んだ舞踏会場でもひたすらロザリンデにつきまとうロミオ。 中央では舞踏会の主役のジュリエットがパリスと踊り始める。 嫌がるわけではないけれどはにかみながらのパリスとのPDD。 コジョカルも踊りが大きくて一つ一つの動きをはっきり見せている。 そんなジュリエットの姿を、ロザリンデに話しかけるのを止めてふと後ろを振り向いたロミオの視線が捉え、踊りを終えてパリスから逃げるようにしてきたジュリエットの視線とぶつかり二人は見つめあう。 その後は二人とももうお互いにお互いから目を離すことができず、ロミオの熱い視線に戸惑いはにかんでいたジュリエットも、次第に見つめられているという事に心ときめかせ、子供っぽい少女から異性への恋心に気づいた乙女へと急激に変っていく。 仮面をつけていても、なんて愛らしいんだ!という驚きとジュリエットにめぐり合えた嬉しさを隠せていないのがよ~~くわかるロミオ。 
ロザリンデのことなど今や目にも入らず、いったいどうしたんだ!と驚くマキューシオとベンヴォーリオにお前らテキトーによろしく!でしたものね。
周りのことなど全くおかまいなしのロミオはジュリエットの友人たちの踊りにも割って入り、見つめあう二人は人々の注目を集めてしまう。 
そんな周囲の様子に気づいたマキューシオが人々の目をそらそうと踊り始める。 音楽にしっかりと乗って切れの良いダンス。 ベンヴォーリオのダンスは音楽からしてちょっとぬけた感じだけれど、ま、こんなもんですね。
誰もいなくなった広間に二人だけになったロミオとジュリエットの踊りは微笑ましいというか、二人の思いがどんどん高まり距離を縮めていくのがよくわかります。 思わず仮面を投げ捨てるロミオ。 
気配に気がついてやってきたティボルトがロミオの正体を見破り、自分が恋に落ちた相手がモンタギュー家の一人息子だと知らされるジュリエット。 狼狽をみせるものの、一度芽生えてしまった恋心が消えるわけもなく、舞踏会がお開きになるまでお互いの姿を求め合う二人。

<第5場:キャピュレット家の外>
居眠りをしている輿の担ぎ手たちを起こしにくる子供二人。 日本人ではなかったようですが、イタリアから連れて来た子供たちなのかしら?
キャピュレット家の舞踏会に忍び込み、あろうことかジュリエットに近づいたロミオに対する怒りが収まらないティボルトが剣を抜いて振り回す。 ビュンという音がしっかり聞えるほどに本気モード。

<第6場:ジュリエットの部屋のバルコニー>
ヴェローナのジュリエットの家のバルコニーそのまんまのバルコニーなのが心憎い。 高揚した気持ちのままバルコニーでロミオとの出会いの喜びをかみしめるジュリエット。 ロミオが別れ際に口付けをした自分の手をじっと見ながら優しく触れ、幸せそうに頬杖をついているコジョカルの、ほんとそのままとろけちゃいそうなほどふにゃふにゃの笑顔が反則なほどにキュート。 無敵です。
闇に紛れてキャピュレット邸に潜んでいたロミオが現れ、しばし二人は見つめあう。 お互いにお互いしか見えない恋人たちの特別な時間が始まる。 
大好きなマクミラン版のバルコニーのPDDをフォーゲルのロミオで見られるのはほんとに嬉しい。 たっぷりと上体をしならせたランベルセがとても美しく、高まる気持ちそのままに勢いとスピードのある連続回転も良かった。 コジョカルも細かいステップが綺麗で、リフトされた時の体のバランスの取り方が素晴らしくポーズが美しかった。 常に視線を絡ませ、狂わんばかりの熱い思いと互いの幸福感を伝え合う二人の演技はとても自然で、本当にいつまでもいつまでも見ていたいピュアで甘美なPDDでした。

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ミラノ・スカラ座「ロミオとジュリエット」 9月22日 第1幕(1~3場)
2013/09/29(Sun)
ロミオ:フリーデマン・フォーゲル
ジュリエット:アリーナ・コジョカル
マキューシオ:アントニーノ・ステラ
ティボルト:ミック・ゼーニ
ベンヴォーリオ:マルゴ・アゴスティーノ
パリス:リッカルド・マッシミ
キャピュレット公:アレッサンドロ・グリッロ
キャピュレット夫人:サブリナ・ブラッツォ
大公:マシュー・エンディコット
ロザリンデ:ルアナ・サウッロ
乳母:デボラ・ジズモンディ
ロレンス修道僧:マシュー・エンディコット
マンドリン・ダンス(ソロ):ヴァレリオ・ルナデイ
3人の娼婦:ベアトリーチェ・カルボネ、エマヌエラ・モンタナーリ、アレッサンドラ・ヴァッサッロ
モンタギュー公:ジュゼッペ・コンテ
モンタギュー夫人:セレーナ・コロンビ
ジュリエットの友人:
アントネッラ・アルバノ、クリステッレ・チェッネレッリ、ヴィットリア・ヴァレリオ、
ルーシーメイ・ディ・ステファノ、アントニーナ・チャプキーナ、ジュリア・スケンブリ


やはり「ロミオとジュリエット」は、異性としてときめく事ができ同性として寄り添える見目麗しいダンサー同士での舞台がいいですね。 3度目の正直でようやく初共演となった二人の舞台が日本だったなんて、それを2度も見られたなんて、本当にありがたく幸せな事です。

第1幕
<第1場:市場>

夜が空けた市場に人々が集まってくる。 2月にシアタスカルチャーで見たロイヤルのロミジュリと比べると舞台に乗っている人数はやや少な目かな? 初日はそんな事が気になりましたが、多分初日は舞台上が暖まるのに少し時間がかかったような気がしたからなのだと思います。 22日は最初からダンサーたちのテンションも高く、活気に溢れた舞台でした。
ロミオ、ベンヴォーリオ、マキューシオの並びは身長的に大・中・小。 やはりフォーゲルは長身で金髪で一人目立ちます。 でもこの人の不思議なところは目立つんだけど周りと馴染んでしまうところ。 東バの「白鳥」「ジゼル」に客演した時もそうだった。 
市場の喧騒の中での踊り。 フォーゲルの客席を向いてふわっと浮いた柔らかなジュテがはっとするほど綺麗でした。 特に20日はこの最初の一ジャンプだけで周りとのダンサーとしての違い、華の違いに思わずドキッとした。 
しっかし、3人衆含めたここの男たち、娼婦だろうがただの町娘だろうがおかまいなしにスカートめくりまくりって・・・。 ロイヤル版ではこんなにしつこい記憶はないんだけどなぁ(笑)。 
人々の雑踏の中に胡散臭い男たちが混じり始める。 ティボルト率いるキャピュレット家の郎党たち。
渋くて不敵な顔つきのティボルトのミック・ゼーニ。 身長もそこそこ高いし脚が綺麗です。 ティボルトのキャスティングもひっじょーに大事ですが、不穏な空気を撒き散らすゼーニはとってもいけてます! 
キャピュレット家とモンタギュー家に分かれた若者たちはちょっとした事をきっかけにいさかいとなりすぐに剣を抜きあう。 このシーンも20日よりも22日の方が初めから勢いがあり、ダンサーたちが舞台狭しと動き回っていましたが、こういうところは普段から合わせ慣れているスカラ座ダンサー同士の方が迫力がありますね。 フォーゲルはちょっと及び腰気味で剣を持っていない左手の動きがいまいちだったかと。 

<第2場:キャピュレット家のジュリエットの控えの間>
オレンジがかった?ピンクのドレス姿が愛らしいコジョカルのジュリエット。 乳母を相手に無邪気に戯れ部屋を走り回る様子は意外にもかなり活発な女の子。 パリスに対してははにかみながらしとやかに挨拶をするものの手にくちづけをされそうになるとあわてて手を引っ込めて逃げ出してしまい、見知らぬ男性に手をとられる事自体にまだ慣れていない幼いジュリエット。 
パリス役のリッカルド・マッシニはほりが深くもの静かで思慮深い感じのハンサムガイ。 彼も脚がまっすぐ綺麗でラインの美しいダンサーでした。

<第3場:キャピュレット家の家の外>
キャピュレット家の舞踏会に招かれた客人たちが続々と集まってくる。 シックで美しい女性たちの衣装で何よりも目立っていたのがエナン。 長い円錐形や、なぜかムール貝を連想させるロザリンデのかぶりもの、大きな三日月形や、キャピュレット夫人の角型の2重エナンなどデザインも様々。
幕開け同様、全く相手にされないロザリンデにひるむ事無くちょっかいを出し続けるロミオ。 フォーゲルだとやけに楽しそうに見えるのよね・・・。
キャピュレット家の門前でのロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオの踊り。 マキューシオのステラの動きはとてもシャープで、細かく早いステップも軽快にこなしていた。 ベンヴォーリオのマルゴ・アゴスティーノもよく踊っていてマキューシオとの揃い方は初日のクリスティアン・ファジェッティよりも良かった。 フォーゲルは初めてのマクミラン版だし長身ということもありややぎこちなさを感じた20日よりも動きはスムースで、3人並ぶと彼の踊りはとても速い音楽の中でも体をゆったりと大きく使ってポーズが綺麗に見える。
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「ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界」Bプロ 第3部
2013/09/03(Tue)
<第3部>

「眠れる森の美女」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ/マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
メラニー・ユレル、マチアス・エイマン 

ドリーブ組曲では気になったエイマンの腕の動きはこちらでは気にならず、エレガントな王子様でした。 パリオペの衣装ってゴージャスで美しいのだけれど、好みとしてはごてごてしすぎで、そこに装飾いっぱいのヌレエフ版の踊りなので若干目にしつこく感じてしまうのですよね・・・。 ユレルは落ち着いて気品のある素敵なオーロラ姫でしたが、踊りがやはり安定しない。 そしてあまり幸福感のないGPDDでした。 エイマンが時々思い出したようにユレルに微笑みかけていたけれど、ハンブルグペアのハートマークが見えそうな結婚式の後なので余計につらかったような。


「チーク・トゥ・チーク」
振付:ローラン・プティ 音楽:アーヴィング・バーリン
上野水香、ルイジ・ボニーノ 

水香ちゃん、足は細くて長くて綺麗だしこの作品の小粋で大人な世界を作り出そうと頑張っていたとは思うけれど、いかんせん音感と演技力が足りないのが惜しい・・・。 一方自分の作品というくらい身に染みこんじゃっているボニーノはさすがだし変わらないですねぇ。


「ナウ・アンド・ゼン」
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:モーリス・ラヴェル
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン 

久しぶりに聞いたラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。 10年くらい前までよくコンサートに足を運んでいた好きなピアニストのCDで一時期頻繁に聞いていました。 でもそんな感傷的なムードもボァディンの赤っぽい臙脂?のレスリングウエアのような衣装でぶち壊し(笑)。 レッグウォーマーみたいなのも付けてませんでしたっけ? 胸元に赤い縁取りのある水色のユニタードのブシェはその驚異的なスタイルが一層引き立ち、足の雄弁さも圧倒的。
幾度も幾度も愛をささやきかける男の誘惑を冷たくはぐらかす女というドラマと、プツッと糸が切れたように突然去って行った男とその男を意外そうな顔をしてみつめる女という幕切れのコントラストが面白かった。 


「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:ボリス・アサフィエフ
アシュレイ・ボーダー、ホアキン・デ・ルース 

このハイテンションとスピードがご本家NYCBのダンスなのねと堪能させてくれた「タランテラ」とは対照的に、オシワシコンビのこの作品のインパクトが強い自分の目には若干大人しめに見えましたが、土の匂いのする力強いオシワシペアとは違った趣の、上品で正統派的な踊りがとても良かったです。 特にホアキンは超絶技巧を繰り出しながらも終始エレガントでした。 


「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス
ピアノ演奏:菊池洋子

一言で言ってしまえば、みんな違う!という印象でした。 
ピアノは演奏会レベルの素晴らしさとパッションで、特に後半はバレエの伴奏というのを超えてしまっていたように思います。 上手きゃいいってもんじゃないんですねぇぇ、難しい・・・。 
ヴィシとゴメスは高難度のリフトも激情のままの勢いを失う事もなくとても見事で、息の合った踊りはとても良かったのですが、自分のイメージではなくて・・・。 黒のコートに全身を包んで佇んでいるだけのマルグリットの姿に無言の強さを感じたのは初めてでしたが、アルマンの視線を前にしても精神的に追い詰められた明日をも知れぬ命の女の儚さや惨めさのようなものはなかったです。 ゴメスもマルグリットを深く愛しているというのは分かるのだけれど、繊細でどこか神経質でというアルマンのイメージとは違ってラテンの情熱に溢れた偉丈夫で・・・。 
こういう演劇性の高い作品の場合、個性が強く一定のイメージをもたれてしまっているダンサーが小ピースとして取り出して演じるのは難しい事なのでしょうね。 そしてそれは多分にこちら側の問題なのですが、全幕で見てみればもっとすんなり見られるのかもしれません。 


<Finale>
プロローグのフィナーレ版(笑)って事で、こちらもゴメスの演出だそうですが、もう22時を15分くらい越えてましたよ、この時点で。 なので、席を立ち岐路につく人も多く舞台を見終わった客席の一体感があまりなくて残念。 フィナーレの後に普通のご挨拶も延々と繰り返され、開放された(笑)のは22時半。 ここまで充実した時間のかかるプログラムだったら18時半開始にして欲しかったです。 全幕とは違ってガラの場合、一日働いた後だと長時間集中するのってけっこう難しいような。 基本的に平日の公演は9時半終演(どうせ伸びるし)をめどにプランをたててくれないと帰宅の問題が出る方も増えるのではないですかね?  SAYONARAと See you again の電飾看板(垂れ幕だった?か、記憶は怪しい)が降りシリーズ化を予告していましたから、次回は今回を踏まえた上で・・・、是非!
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