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サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ「白鳥の湖」 11月3日の感想
2011/11/10(Thu)
アカデミー・バレエの「白鳥の湖」から一週間経ってしまい、その間にパゴダの王子を見たりして記憶がかなり薄れてしまったので、きちんと覚えている事だけのさらっと感想です。 

ティアラこうとうには初めて行きました。 客席は綺麗だし、頭をもたれさせる位置と角度の調度良い座り心地の良い椅子はいいんだか悪いんだか(笑)。 文京シビックもこの椅子に取り替えて欲しいと切望。
ただ、ステージは奥行き・幅とも少し狭めなので、舞台装置しっかりめの全幕バレエにはきついですね。

開演前には新芸術監督のファジェーエフのミニトーク。 私は着席が遅れたので、一番最後の「白鳥の湖について語りだしたらきりがないので、実際の舞台をご覧下さい」しか聞けませんでしたが、黒のスーツに身を包んだファジェーエフは当然の事ながら若々しく、スタイル良く、頭激小さく。 ファジェーエフの話が終わるなり、テープ演奏による公演の幕が上がる。 開演予定より1分早かったよ・・・。


実はアカデミー・バレエの全幕を見るのは初めてで、長身のダンサーが思ったよりも多くて少し驚きました。 やはりロシアの層は厚いのですね。

スミルノワはほっそりしていて手足が長い白鳥の主役にふさわしいラインを持ったバレリーナです。 とっても好みのライン。
アチチュードの足などもそこまで上げなくてもと思うくらいよくあがり、一つ一つのポーズはとても綺麗だったのですが、もう少し抑制が効いてムーヴメントの繋ぎをもっと丁寧にしたら、そこに詩情も生まれオデットとしての見え方もずいぶん変るんじゃないかなぁ。
オディールはクールで品がありながら、王子を騙そうとする妖しげな目つきが魅力的でした。 グランフェッテの出だしで軸が大きく傾いたので転ぶんじゃ?とびっくりしましたが、見事に立て直し最後まできちんと回りきったのはプリマの意地?
 
ミーロフは華奢な体つきですが、金髪サラサラ背が高くて白タイツ姿の似合うダンサーです。 遠めでみるとちょいとケビン・ベーコンに似ている顔つきが、グランアダージョなどでは少し感情を分かり難くするのだけれど、オディールに騙されて瞬時に動揺していく様子などは深刻味を増すように見えました。
踊りもサポートもしっかりしていましたが、黒鳥PDDのヴァリなどは、舞台が広かったらもっとのびのび踊れただろうなという感じ。 王子らしい立ち振る舞いに関しては、これからファジェーエフからたっぷり教われば、さらに良くなるだろうと思います。 

二人とも感情表現はわりと控えめに見えましたが、気持ちがこもっていないというのではなく、届きにくい部分があったかなぁと。 表情とともに身体でもっと表現できるようになれば、その辺はぐっと違ってきますよね。

湖畔のコール・ドは4x4で16人。 ずっと同じテープ演奏で踊ってきているせいもあるかもしれませんが、良く揃っていました。 小さな4羽もよく合っていたけれど、意外にそれほど小さくなかった(笑) 最終幕の2羽の白鳥は大きな3羽にもキャストされているダンサーだと思いますが、やや、ボリューミーな元気な白鳥でした・・・。

道化のセルゲイ・フェドーコフは道化としてはわりと身長があって、筋肉質そうな体つきのダンサー。 グランピルエットなど客席から大きな拍手がおきていましたが、テクニックが高く、演技も良かったです。

本当の意味でファジェーエフのカラーが出てくるのはこれからでしょうから、次回の来日も楽しみです♪



オデット/オディール:スヴェトラーナ・スミルノーワ
王子:ユーリー・ミーロフ
ロッドバルト:イリア・オシポフ
道化:セルゲイ・フェドーコフ
パ・ド・トロワ:アレキサンドル・アバトゥーロフ、アレクサンドラ・バーディナ、アンナ・ボロドゥーリナ
大きい白鳥の踊り:アンナ・イグナチエワ、アンナ・ナウメンコ、ダリア・マカロワ
小さい白鳥の踊り:ルイーザ・ガリエワ、アレクサンドラ・バーディナ、
            ナタリア・イヌシキナ、アンナ・ボロドゥーリナ
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スターダンサーズ・バレエ団「コッペリア」 10月29日の感想
2011/11/03(Thu)
スワルニダ: 吉田都
フランツ: フラヴィオ・サラマンカ
コッペリウス博士: 東秀昭
村長: 高谷大一
宿屋の主人: 新田知洋
コッペリア(人形): 渡辺恭子
ジプシー: 天木真那美
暁: 林ゆりえ
祈り: 白椛祐子
婚約: 荻野日子、橋口晋策
戦い: 大野大輔


<1幕>
都さんの百面相的にころころ変る豊かな表情が可愛らしく、フランツに対するあまりにも分かりやす過ぎる恋心もいじらしい。 音と戯れ旋律を纏うような踊りはいつ見ても変らない。 細かいステップも軽快で乙女の弾む心そのままの小気味良さもいいです。 彼女の柔らかくて歌うようなボール・ド・ブラからは幸福の雫が飛び散っているようにも感じる。
サラマンカは都ちゃんとの身長のバランスがちょうどいい感じで、マックレーと同じくらいなのかなぁ? 身体能力の高そうなダンサーで柔らかなジャンプが目を惹きました。 1幕のチャルダッシュでの爪先まで伸びきって綺麗な膝下の動きにやけに色気があったなぁ。 都さん同様表情もとても豊かで分かりやすく、明るくてお調子者なフランツを好演していました。 1幕の最後、コッペリウス博士の家に忍び込もうとはしごを抱えてうろちょろするシーンではルパン3世的というか、ほとんどギャグに近いユーモラスな演技も彼のフレッシュさなら好感が持てる。
チャルダッシュのコール・ドはけっこう身長高めのダンサーを揃え、深い緑と赤の衣装も似合って見応えありました。 アニハーノフさんの音楽も冴え渡っていたなぁ。 スワルニダの女の子の友達8人は、音のとり方がややバラバラだったりもしましたが、華やかで良かったです。 たぶん中里みゆきさんというバレリーナだと思いますが、切り返しが早くてアレグロでもきっちりとテンポがあっているメリハリのある踊りが印象的でした。

<2幕>
踊りまくりの都さんですが、人形振りも可愛いし、少しずつ命を注がれて人形から人間らしい動きになっていく様子も上手い。 細かい足裁きは本当に衰え知らずで素晴らしいです。 扇子を持ったスパニッシュな踊りではそれまでの愛らしさから一変して爽やかな色香を漂わせる大人なスワルニダ。 コッペリウスの家の異様な雰囲気に恐ろしくなっておののく様子や、恋敵のコッペリアの正体がわかった時の満足げな顔、コッペリウスをからかう無邪気ないたずら好きの顔等々、ともかく魅力全開の無敵の自然体! 
8人の女の子たちもこの場面でのそれぞれのお芝居や、都さんとの掛け合いがとても自然で可愛くて、都さんがゲストとは思えないほどの一体感でした。
 
<3幕>
林さんを暁で見られたのは嬉しかったです。 以前都さんが客演した「くるみ割り人形」でのクララ役がとても良かったのですが、この日も正統派的な堅実な踊りでした。 
祈りの白椛さんはとても緊張しているようにも見えましたが、最後まで気持ちを込めて丁寧に踊っていたと思います。
戦いの大野さんも中央でピルエットをしっかり決めてフィニッシュ。 この時にマエストロが指揮棒を大野さんに向けて「やっ!」とばかりに高々と上げて音楽をピタッと止めておりまして(その前からもかもしれませんが、私が気づいたのはここでした・笑)、言いようのない幸福感を覚えてしまったわたしでした・・・。 でも、遠き良き日を思い出して少ししんみりもしましたが。
都さんとサラマンカのGPDD。 一幕では都さん相手にも臆する事無く伸び伸び踊っていたサラマンカが、少し緊張気味というかサポートなどとても慎重になっているように見えました。 彼の身のこなしは十分にエレガントだったけれど、若干ゆるくなったラインを見て、ここはカレーニョで見たかったなぁとちろっと思ってしまった事でした。 でも、ヴァリエーションは美しく勢いもあって良かったです。 一方、都さんは全くペースが落ちる事もなく、穏やかで晴れやかな笑顔での素晴らしいヴァリエーションとコーダでした。 片足ポアントも見事だったし、音にぴったり合って鮮やかだったピケターン(でしたよね・・・)は、都さんに向けられたアニちゃんの指揮棒とバシッとシンクロしてフィニッシュ!
そのままダンサーたちもオケも最高潮に盛り上がって大団円。 久しぶりにステージ上のダンサーとオケピットがぴったりと寄り添った舞台を見たような気がします。 それが劇場つきの指揮者とオーケストラではないところがまた素晴らしいですね。
そして、コッペリアに本当に命が吹き込まれるライト版のラストは何度見てもいいなぁと思います。 東さんのコッペリウスも、こういう幸せな結末が与えられてもいいよねと観客が素直に思える役作りで良かったです。 でも、けっこう天真爛漫そうに見えたコッペリアにこれから振り回されるかも! そんな微笑ましいエンディングでした。
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シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2011 Aプロ 10月25日の感想
2011/10/30(Sun)
<第1部>
「白の組曲」
シエスト:乾友子、高木綾、渡辺理恵
テーム・ヴァリエ(パ・ド・トロワ): 田中結子、木村和夫、後藤晴雄
セレナード:西村真由美
プレスト(パ・ド・サンク):佐伯知香、松下裕次、氷室友、長瀬直義、宮本祐宜
シガレット:吉岡美佳
マズルカ:木村和夫
アダージュ(パ・ド・ドゥ):上野水香、柄本弾
フルート:小出領子
東京バレエ団


2007年のルグリガラで見ていたのにもかかわらず、記憶がない。 幕が開いたときの整然とした美しさにちょい感動。
田中、木村、後藤というのもなんとも贅沢なトロワですね。 クラシックで木村さんと並んでしまって、ごとやん大丈夫かと心配しましたが、この日は調子も良かったと。 木村さん田中さんは磐石。 
個人的に一番印象に残ったのが佐伯さん。 メリハリのあるくっきりとした動きに彼女らしい愛らしさも加味されて華やかな雰囲気。 一つ一つのパも綺麗だし、技術も高い人なのでしょうね。 この振付だったら、やっぱりこの人たちだろうなという男性カトルチーム、アントルシャてんこ盛りも最後まで乱れる事無く踊りきって見事。 松下さんが安定していてラインが綺麗なのはいつもの事だけれど、この日は長瀬さんの堅実な踊りも目を惹きました。
シガレットの美佳さんはほんわり周りを包み込むような優しさに溢れた踊りで目の保養。 終始にこやかな水香ちゃんと彼女をしっかり支えまくった柄本さんペアも良かった。
フルートの小出ちゃん。 このパート、曲に合わせて踊るのがとても難しそうで、フルートソロの旋律とミスマッチにならないタイミングとニュアンスをきちんと表現するのはさらに大変そうに感じましたが、小出ちゃんらしい、はっきりとしたムーヴメントで魅せてくれたと思います。
フィナーレでソリストたちが次々に入ってきて盛り上がりながら大団円ってのはやっぱりスカーッとしていいですよね~~。


「マノン」より第一幕(寝室)のパ・ド・ドゥ
シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル


ルグリ先生の7月の公演からの短い期間に4キャストでこのシーンを見るというのも日本にいながらでは驚きですよね。
4者4様ではあるけれど、一番落ち着いていたというか、出合ったばかりの恋人たちの幸福の絶頂というよりは、穏やかな愛の日々ってな風にも見えました。 でも、ギエムの表情や仕草はとても自然で可愛かったなぁ。


「スプリング・アンド・フォール」よりパ・ド・ドゥ
吉岡美佳、高岸直樹


この作品、見たことあっただろうか? 春と夏の方ではない跳躍と落下という世界はこのPDDだけでは表現しきれていないと思うけれど、美佳さんは独特の雰囲気があって良かった。 ただ、二人から伝わってくるものはわりと淡々としていて、ドヴォルザークの夢み心地になるほどの美しいメロディラインに、思わず目を瞑ってオケの音に集中したくなってしまった・・・。




<第2部>
「田園の出来事」
ナターリヤ:シルヴィ・ギエム
ベリヤエフ(家庭教師):マッシモ・ムッル
ラキティン:後藤晴雄
ヴェラ(養女):小出領子
コーリア(息子): 松下裕次
イスライエフ:アンソニー・ダウエル
カーチャ(メイド):奈良春夏
マトヴェイ(従僕):永田雄大


2005年に見た時はそれほど面白い作品とは思わなかったのだけれど、今回は40分があっという間に過ぎた気がします。 前回の配役ではギエムとムッルはともかく、小出ちゃんの記憶しかないと思って調べてみたら、小出ちゃん以外は、全員海外からのゲストダンサーだったのですね。 

ギエムは、ベリヤエフにかき乱される想いと、家族の前では妻として母としての自分を演じきらねばという思いに揺さぶられている一人の女性を、踊りと演技でとても細やかに表現していたと思います。 そんな中でラキティンにベリヤエフへの気持ちを少女がはにかむ様な表情で打ち明けてしまったシーンがなんだかとても微笑ましかった。 そしてその瞬間、ジ・エンドになってしまった後藤@ラキティンの表情もまた可笑しく・・・。 
前回のムッルのベリヤエフは爽やかでナターリヤに対する青年らしい一途さの印象だけが強く残ったのだけれど、今回はヴェラやカーチャに見せる別の顔もしっかり記憶。 
小出ちゃんのヴェラはギエムとムッルに負けない存在感を放ち、ヴェラの感情表現もストレートで容赦ないのがいい。 奈良さんの純度100%の明るさもすごく魅力的。 奈良さんって自分的には真夏の強い日差しの中のひまわりって印象なんですよね。
でも、この日の私的一番は松下さんの弾けっぷり。 まさに彼にぴったりの難度の高い振付(決して飛んで跳ねてだけのダンサーではないですが)で、踊る事の素晴らしさと楽しさを伝えてくれたなぁ。 
騒動から一歩離れたところにいるようなイスライエフだけれど、ダウエル卿の見せる哀愁、時に達観してしまったような表情がドラマに味わいを与えていたように思います。 
平凡な家族の避暑地での生活に起こった波乱、感情をさらけ出した事でそれぞれに傷つきながらも、家族としての何か見えない絆を深めたような、そんな風にも感じさせてくれました。



指揮: アレクサンダー・イングラム
ピアノ: ケイト・シップウェイ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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新国立劇場バレエ団によるバレエ オープニング ガラ 10月1日の感想
2011/10/02(Sun)
20111001新国立


<第1部>

『アラジン』から「序曲」「砂漠への旅」「財宝の洞窟」
振付:デヴィッド・ビントレー 音楽:カール・デイヴィス

アラジン:八幡顕光
プリンセス:小野絢子
魔術師マグリブ人:マイレン・トレウバエフ

オニキスとパール:さいとう美帆、高橋有里、大和雅美、江本拓、菅野英男、福田圭吾
ゴールドとシルバー:西川貴子、丸尾孝子、貝川鐵夫、清水裕三郎
サファイア:湯川麻美子
ルビー:長田佳世、厚地康雄
エメラルド:芳賀望、寺島まゆみ、寺田亜沙子
ダイヤモンド:川村真樹


「アラジン」は今年5月の公演で初めて全幕を見たのですが、その時とほぼ同じキャストじゃないかと。 あの時は、1幕の最後に置かれたこの財宝の洞窟でけっこうお腹いっぱいになっちゃって、その後の肝心な2幕3幕でなんとなく集中力が途切れちゃったのですが・・・。 こうやって単独で上演しても、ほんと、見応えのある場面ですよね。
砂漠から洞窟の入り口に立ち、その不思議な洞窟の中に入って行くアラジンの冒険心を掻き立てるようなあのセットが非常にお気に入り!
八幡さんはアラジンをすっかり自分のものにしているので、アラジン的にはちょっと中途半端な場面でも、しっかり役に入っていられるのがいいですね。
マイレンも怪しくしたたかなマグリブ人になりきってましたが、当人比ではわりと濃度薄め? この日の公演では踊りが見られなくてとても残念でした。

オニキスとパールは仮面をつけているので誰が誰やらわからないのがじれったいのですが、みなさん、切れがあって颯爽とした踊り。 このメンバーですから、磐石なはずです!
ゴールドとシルバーは本来格調高くいくところなんだろうけど、それなりに無難に。
サファイアの湯川さんが良かったです。 しなやかに柔らかく、うっすら色香も漂い、回転なども安定していてとても目を惹く踊りでした。 
ルビーはやたらリフトの多いパートですが、長田さんと厚地さんの息もぴったりで安心して見ていられました。 厚地さんはかなり線の細いダンサーですが、リフトのサポートの安定感は抜群なので、長田さんのポーズも毎回キレイに決まってました。
ダイヤモンドの川村さん。 新国でチュチュ姿の一番映える人といったら間違いなく彼女でしょうね。 立ってポーズをとっているだけで、圧倒的なプリマの輝き。 踊りのラインも相変わらず美しかったけれど、若干足元が乱れていたようでさほど好調という感じではなかったかな。  


<第2部>

「眠れる森の美女」第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・チャイコフスキー
オーロラ姫:小野絢子
デジレ王子:福岡雄大


二人とも最初はかなり緊張していたようで、固かったと思います。
小野さんのオーロラは堂々たるものでしたが、好みの問題で駄目でした。 あまりに直線的なスパッとした動きがどうにも見慣れているオーロラの舞からはほど遠く、振付自体もかなり違うので、まぁ、仕方ないです。
福岡さんはサポートにまだ安定感がなく、二人での流れに流麗さを失わせてしまうところがありましたが、ソロは素晴らしかったです。 動きが柔らかく美しく、足音もほとんどしないしスピード感のある跳躍も綺麗。 途中細かな回転ではやや大味になったところもありましたが、今後はこのバレエ団を背負っていける人だと十分に思わせる出来だったと思います。
ただ、この二人の組み合わせってどうなのかなぁ・・・。 菅野さんの方が小野さんには合うかなぁなんて思ったりして。


「ロメオとジュリエット」第1幕よりバルコニー・シーン
振付:ケネス・マクミラン 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ジュリエット:本島美和
ロメオ:山本隆之


パゴダの王子を降りた山本さん、大丈夫かなと思っていましたが、無事踊りきれて良かったです。 本島さんも頑張っていたとは思うけど、体のしなやかさが足りないのと音楽を纏えないのがこのPDDだけという上演にはちょっと辛いかな・・・。  


「ドン・キホーテ」第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー 改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ 
音楽:レオン・ミンクス
キトリ:米沢唯
バジル:菅野英男


菅野さんはキエフ・バレエの来日公演で何度か見ていて純クラ向きの端正な踊りのダンサーという印象だったので、バジル?とちょっと意外だったのですが、けれんみはそれほどないものの、安定した美しい踊りで魅せてくれました。 さり気なかった片手リフトをはじめ、サポートもとても上手いです。 女性がきっちりした技術の持ち主だったとしても、そんなバレリーナを傾けちゃったりする人もいるので、なんかとても気持ちの良いサポートでした。
米沢さんもそのきっちりしたテクニックを持っているダンサーなんですね。 軸がまっすぐで、回転系はとても綺麗でした。 グランフェッテも得意なようで、最初2回ほどトリプルも混ぜていました。 場数を踏んでいけば主役の華のようなものも出てくるでしょうし、楽しみなダンサーだと思います。  


「シンフォニー・イン・C」から最終楽章
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ジョルジュ・ビゼー

第1楽章プリンシパル:長田佳世、福岡雄大
     コリフェ:西山裕子、大和雅美、小口邦明、小柴富久修
第2楽章プリンシパル:川村真樹、貝川鐵夫
     コリフェ:細田千晶、川口藍、清水裕三郎、田中俊太郎
第3楽章プリンシパル:寺田亜沙子、輪島拓也
     コリフェ:寺島まゆみ、堀口純、野崎哲也、宝満直也
第4楽章プリンシパル:丸尾孝子、古川和則
     コリフェ:さいとう美帆、高橋有里、アンダーシュ・ハンマル、原健太


これは全楽章見たかったですね。 これだけのダンサーを揃えていながらなんともったいない!
最初に出てきた4楽章のペア、失礼ながらコリフェにさいとうさんと高橋さんを従えていては、丸尾さんにはちょっと荷が重いかなぁと。 そして古川さんが、パートナーに対してこんなに優しかったでしたっけ?というちょっとびっくりな(こちらも失礼ながら)印象の変化。 ダンスも柔軟性に秀でていて良かったです。 
すべてのダンサーが揃うフィナーレに向かって、まず第1楽章のダンサー登場。 長田&福岡ペアは眼福~~。 長田さんはいつ見ても長い腕が描く軌跡が綺麗で、音取りやニュアンスのつけ方もすごく好みというのがありますが、キラキラ輝いてたな~~。 福岡さんはもうこういう踊りは無敵な感じで柔らかいバネのきいた跳躍は本当に素晴らしいです。
川村さんは、やはり気品があってラインが綺麗。 2楽章はコール・ドも長身のダンサーを配しているので、海外のバレエ団かと見まがうくらいの壮観さ。
3楽章の寺田さんは、やや頼りない感じで、自分としてはまゆみさんで見たかった。 輪島さんはちょい地味ですが無難な踊り。
最後に舞台狭しと全員で踊る様は本当に美しく圧巻でした。 これを見るにつけ全楽章を上演しなかった事がつくづく残念に思われ、来シーズンには是非オール・バランシン・プログラムを組んでもらいたいものだと思いました。



今回のガラが平成23年度文化庁芸術祭オープニングも兼ねていたため、皇族や関係者を招いた事で一般に開放された席が少なくなり、公演を見たかった人がすべて見られなかったようなのはとても残念です。
ただ、今回の公演の内容自体は新シーズンの幕開けに相応しく、ダンサー総出の華やかで素晴らしいものだったので、来シーズン以降、日頃新国立劇場のバレエ公演に親しんでいる観客向けに劇場独自のオープニング・ガラを催してくれたらと思います。 

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東京バレエ団「ジゼル」 8月17日の感想
2011/08/24(Wed)
チュージンは昨年のダンチェンコ来日の際はキャスト変更の煽りで見ていないので、2008年のミハイロフスキー劇場でのロミジュリ以来、約3年ぶり。 あの時は小柄なヤパーロワちゃんと組んでいてもそれほど違和感なかったのだけれど、ウィルフリードの柄本君よりもちょっと高い身長にけっこうびっくり。 
ウェーブがかかった豊かな金髪のチュージンは貴公子というより、冒険物語のヒーローにでもしたいような感じですが、彼のアルブレヒトはプレイボーイ路線とも純愛路線とも違う、たまたま見つけた美しい娘に惹かれた今の気持ちに正直な恋って感じかな? 
踊りは若さと勢いを感じるもので、一幕の最初の跳躍の高かった事。 その後はヴィシニョーワとのバランスを考え少し遠慮がちだったような気さえしました。 高いアントルラッセの跳躍でさらに高く上げられた脚も見事でしたが、好みとしてはあまり美しくは感じなかったです。 比較してはいけないけれど、先日のフォーゲルの美しいフォルムとは違う。
チュージンに関しては2幕でのアントルシャの高さと脚捌きの細かさが特筆ものだったかと。 腕の反動を全くつけない脚力だけのジャンプであれだけ綺麗に高く飛べるというのも凄いですね。 チュージンの脚はすらっとしてたけど、太ももはそれなりに筋肉がついてましたものね。 サポートとリフトも上手かったですが、歩き方がちょっと気になったかな。
お芝居的には特に思うところはなかったです。 身分の高さや気品などはしっかり出していたと思うけれど、ジゼルに対しての愛情がつかみにくかった。 これは多分に情念的なヴィシとのバランスの問題かもしれませんが。
ラストシーンでは、ジゼルが消えてしまったあとに、夢か幻かと問うような表情も一瞬見せていたと思いますが、視線の先にジゼルがミルタに捧げようとした百合を見つけて、自分の命を助けてくれた彼女の深い愛の尊さに改めて気づいて愕然としたアルブレヒトでした。 最後に高くかざした一厘の百合を悲痛な面持ちで見つめながら立ちすくむアルブレヒトは何を思っていたのだろう。 

ヴィシのジゼルは2006年のマラーホフとの共演以来ですが、ちょいとびっくりしたピンクの衣装からスタンダードな白にブルーというものに変っただけでなく、髪形も1幕から耳を隠し、お化粧もトーンを落としている感じで、元気な娘というイメージから一転してやや内向的でねっとりとした艶と影のあるジゼルでした。 
この日のヴィシニョーワのジゼルは、1幕からすでにあちらの世界の気配を身に纏っているようで、ラストの狂乱のシーンを待たずとも、何かの拍子に魂が肉体を離れてしまいそうな瞬間がいくどか見られたように思います。 そして多くの人が演じるジゼルより胸の苦しみに襲われるシーンが多く、アルブレヒトがバチルダの手に口付けをしたのを見て卒倒するなど、狂乱して死に至るというラストシーンへの伏線が多かったと感じました。 
その狂乱のシーンは大仰なものではなく、アルブレヒトの愛が偽りのものだったというショックと絶望に心が壊れて徐々に気が狂れていった姿をしっかりとみせてくれた。 ただ少々不自然なほどに傾いた首の角度が恐くてですね・・、悪霊に取りつかれたエクソシストチックなホラーが始まるんじゃないかと思うくらいの勢いでちょっと背筋がぞおっと。
役作りからメイクからいろいろ前回と違ったというのもあるのだれど、1幕の間は時折ヴィシがフェリに見えたり、オシポワに似て見えたりして、なんだか落ち着かない感じもしたのでした。
  
踊りに関しては身体能力の高さというか揺ぎ無いヴィシのダンステクニックの素晴らしさにも改めて感心させられました。 ウィリの登場シーンの旋回の軸のぶれなさと速さは見事だし、そういう秀でたテクニックでの踊りにこれみよがしな印象を与えなかった事はそれ以上に感嘆すべき事なのだろうなと。 また、チュージンにリフトされて宙を漂うヴィシニョーワの姿がとても美しく、儚げで昇天しそうというのではなく、そこにもしっかりした意思があるのだけれど、まさに幻想の世界の美しさでした。 ま、チュージン共々2幕の出だしのPDDで物凄い着地音を立てていたのは、かなり気になったし、ヴィシはポワントのせいか、かなり足音が大きかったのが残念。
ウィリとなったヴィシのジゼルはアルブレヒトを強く思い、必死で守ろうとしていたけれど、目の前のチュージン演じるアルブレヒトと感応しながらドラマを紡いでいるという感じは希薄に思いました。 最後、夜明けを告げる鐘が鳴り、倒れているアルブレヒトの後ろから両手を広げ優しく包み込むようにした時に初めて感じたかなぁ?

東バのジゼルはけっこう見ていますが意外にも田中さんのミルタは初めてで、以前見たと思っていたのは高木さんでした。 堅固な意志を持って情け容赦なく獲物は踊らせ殺すという強さのあるミルタでしたが、威厳と存在感はもう一つというところ。 安定感のある踊りはいつも通りだけれど、上半身と腕がもう少し柔らかな軌跡を描ければなぁ。 できれば跳躍での足音はもう少し消して欲しい。 ドゥ・ウィリの西村さんと吉川さんは良かったです。 
ヒラリオンの木村さん、どんなゲストが来てもひけをとらないスタイルとプレゼンスは、観客としても頼もしい限り。 ジゼルの家の戸口に立ち、彼女の事を思いながら一人はにかんだり浮かれたりして鼻の下を伸ばしている様子を見るといつもこちらが気恥ずかしくなってしまうのですが、この登場のシーンはけっこう好きです。 演技はヴィシに合わせてか、けっこう濃かったように思います。 アルブレヒトが貴族たちがやって来るのに気づいて上手に去って行く時、その後姿を追いかけて、必ず正体暴いてやるぞとばかりにがん飛ばしていた姿が熱かった。
ウィルフリードの柄本さんも地味ながらいい演技。 特にジゼルとの軽はずみな恋愛を諌めようとして反対に怒られてしまった時の、誰も傷つかないうちに止めて欲しいというような悲しそうな顔が印象的だった。
パ・ド・シスは良く纏まっていたと。 緑組、茶組、それぞれに男の子の踊りがけっこう揃っていたのを見て、昔はお互い合わせようなんて意識が全くなかったよなぁと変に懐かしく思い出したりして。
美佳さんのバチルダもお初でしたが、清楚で気品ある貴族の姫でしたね~。 アルブレヒトがジゼルに手を出したという事自体にはわりと冷静で、ジゼルとは住む世界の違いのようなものを感じさせていた。 見た目も私的には美佳さんとチュージンの方がしっくりしていた感じです。

ヴィシもチュージンもそれぞれのジゼルとアルブレヒトを演じ、踊りきったと思いますが、やはり初顔合わせでのジゼルという物語は微妙なものがあるというか、オーソドックスでないアプローチだからとかいろいろありましたが、この役柄としては合わない組み合わせだったのかなという気もしないではない初日公演でした。
ヴィシニョーワはマリインカのロンドン公演のあと、一息つく間もなく日本に来てくれたのですよね。 その彼女の気持ちはとっても嬉しかったです。 もちろん、チュージンにも来日してくれて感謝です。
  



ジゼル: ディアナ・ヴィシニョーワ
アルブレヒト: セミョーン・チュージン
ヒラリオン: 木村和夫

<第1幕>
バチルド姫: 吉岡美佳
公爵: 後藤晴雄
ウィルフリード: 柄本弾
ジゼルの母: 橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
高村順子-梅澤紘貴、乾友子-長瀬直義、佐伯知香-松下祐次、吉川留衣-宮本祐宜

ジゼルの友人(パ・ド・シス):
西村真由美、高木綾、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

<第2幕>
ミルタ:田中結子
ドゥ・ウィリ:西村真由美、吉川留衣


指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

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キエフ「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」 7月30日の感想
2011/08/02(Tue)
<第1部>

「眠りの森の美女」より ワルツ、ローズ・アダージョ
音楽:P・チャイコフスキー 振付:M・プティパ

オーロラ:カテリーナ・ハニュコワ
4人の王子:シドルスキー、ベンツィアノフ、ポジャルニスキー、ブリチョフ
キエフ・バレエ

8組のガーランドワルツ付き。 キエフの男性は長身でスラッとしたダンサーが多いですね。 私が勝手にキエフのジョシュ・ハートネットと名づけているダンサーも今回も来日。 ちょっとばかり体全体に肉がついたかなー。 女の子の中には日本人らしきダンサーも二人ほどいましたが、ここのバレエ団のダンサーなのかしら?
4人の王子はなんだかみんな薹が立っちゃってるというか、王様と王妃様がいないからって緊張感なさすぎ!(笑)という感じでしたかね。 なんだか歩き方一つとってもふつーに歩いちゃって・・・という具合でした。 シドルスキーまでそんな感じだったのにはちょっと驚いた。
オーロラのハニュコワは安定した踊り。 アチチュードバランスは昨年同様、すぐに次の王子の手を取っていましたが、上げられた脚の位置がきちんとキープされていて美しかったです。 去年ほどの初々しさはなくて、どちらかというと3幕くらいの落ち着いたオーロラでしたが、こういうガラではそれもいいと思います。 だいたい王子たちからしてねぇぇぇ。


「白鳥の湖」第1幕2場より
音楽:P・チャイコフスキー 振付:M・プティパ L・イワノフ

オデット:ナタリヤ・ドムラチョワ
王子:チムール・アスケーロフ
キエフ・バレエ

<グランアダージョ~4羽の白鳥~ハクチョウたちの踊りとフィナーレのアンサンブル>
この演目に関しては昨年と全く同じ印象で、ドムラチョワの白鳥はちょっと流麗さに欠け、アスケーロフのサポートもなんとなくぎこちなく、さらに二人の間に芽生えた愛情が薄い。 
アスケーロフはセカンドソリストとしてマリインスキーに移籍してしまったので、このツアーには参加しないのかと思いましたが、ちゃんと来てくれたんですね。 
4羽の白鳥にも先ほどの日本人ダンサーがいて、コール・ドの中にも数人いたような・・・。 4羽は、若干ですがスタンダードなものより音楽が遅い気がして、動きもちょっとコキコキしてたかなぁ。   


「海賊」第1幕より 奴隷のパ・ド・ドゥ
音楽:P・オルデンブルグ 振付:M・プティパ

ギュリナーラ:カテリーナ・ハニュコワ
ランケデム:ルスラン・ベンツィアノフ

昨年の海賊ハイライトでもハニュコワがギュリナーラでベンツィアノフがランケデムでしたが、ベンツィアノフはこのキャラが似合いすぎというか、だいたいこの路線というか・・・。 かな~りお腹周りのお肉が気になりましたが、元気にすっ飛びながらステージ上を走りまくってました。 ハニュコワが小さくて華奢だからリフトも万全。
ハニュコワは踊りに余計な力が全く入っていなくて、パのつなぎも回転も凄くきれいです。 演技的には売られる事への拒絶感が少なく、特に媚を売るというわけでもないのてすが、それならランケデムを落としてしまえみたいに見えない事もなかったような罪のない艶がありましたねぇ。


「バヤデルカ」第2幕より パ・ダクシオン
音楽:L・ミンクス 振付:M・プティパ

ガムザッティ:ナタリヤ・ドムラチョワ
ソロル:セルゲイ・シドルスキー
キエフ・バレエ

会場についてキャスト表をもらい、シドルスキーのソロルを見られると喜んだのですが、そのシドルスキーが今日はどうもおかしい。 ガムザッティとの婚約式であんなにニヤニヤ嬉しそうにしていいんだか・・・。 ラジャの決めた事にはさからえずどころか、してやったり!くらいのニヤケ顔。 
ドムラチョワはオデットよりもガムザッティの方が彼女の踊りの特性にあっていて断然いい。 シドルスキーのサポートがあれ?な部分もありましたが、全く動じる事無く踊ってました。 イタリアンフェッテもその後のグランフェッテも切れがあって良かったし、真ん中のオーラがありました。
シドルスキーもソロはマネージュもピルエットも綺麗に決めてました。



<第2部>

「くるみ割り人形」第2幕より 花のワルツ、アダージョ
音楽:P・チャイコフスキー 振付:V・コフトン

マーシャ:ナタリヤ・ドムラチョワ
王子:セルゲイ・シドルスキー

くるみの花のワルツってなんだか幸せな気持ちになりますねぇ。 リードを務めた二組のカップルはどちらも良かったです。 男性二人はザンレールもアントルシャもとても綺麗に決まっていました。 女の子は黒髪で落ち着いた感じのダンサーの踊りが綺麗でした。
キエフのくるみは前回の来日公演で見ていますが、アダージョで王子がマーシャを肩でかかえながらくるっと廻すようなリフトなんてあったっけ? ドムラチョワとシドルスキーの息も先ほどよりはだいぶ合っていたので、このリフトも危なげなくこなしていました。 くるみと聞いてシドルスキーのヴァリを楽しみにしていたのですが、残念ながらヴァリエーションはなしでアダージョのみ。 ドムラチョワとハニュコワが出演する演目が多いので仕方ないけど見たかったなぁ。


「人形の精」よりパ・ド・トロワ
音楽:J・バイヤー 振付:N・レガート、S・レガート

人形の精:カテリーナ・ハニュコワ
ピエロ:ルスラン・ベンツィアノフ イェヴゲン・クリメンコ

昨年と同じ三人。 去年も「人形の精」ってこんなに大騒ぎだったっけ?とびっくりしましたが、特にベンツィアノフが200%パワーアップ。
ハニュコワはピンクのチュチュとリボンが良く似合って本当に可愛いです。 まぁ、ちょっと去年と比べると化粧が濃い感じもしますが・・・。 滑らかな踊りでフェッテは少しずつ角度をずらしていく回転をみせてくれました。 脚がつよい〜という印象ではないのだけれど、なんでもさり気なくさらっとこなしてしまって、もったいないと言えばもったいないかも。 人形に淡い恋心を抱くピエロというより、ただの仕切りやおやじだったベンツィアノフのあしらい方もさり気なく&そっけなく(笑)。
クリメンコは先ほどのくるみのリードの一人。 踊りは好調で回転やジャンプも綺麗でした。 おやじと対照的に爽やかな風を送ってくれた感じ(笑)。
で、ベンツィアノフ、見た目は重量感たっぷりなのですが、捻りを入れた回転や開脚ジャンプなどを見るからに、軽かった頃はテクニシャンとして売っていたダンサーだったのだろうと。 まぁ、それにしてもカンフーっぽいアクションなども盛り盛りで、バレエ作品というよりはショーという趣に、多少やりすぎかなとも思いましたが、子供たちが楽しそうに笑っていたので、ま、いっかと。


「瀕死の白鳥
音楽:C・サン=サーンス 振付:M・フォーキン

田北 志のぶ

出の腕の動きが綺麗でした。 空に舞い上がりたいという強い気持ちはあるものの、飛び立てない体に死を悟ったような凛とした白鳥。


「パキータ」より
音楽:L・ミンクス 振付:M・プティパ

パキータ:ナタリヤ・ドムラチョワ
リュシアン:チムール・アスケーロフ
カテリーナ・ハニュコワ、田北志のぶ、キエフ・バレエ


舞台が明るくなると、ウエスト周りだけ黒でアクセントをつけてある真っ赤なチュチュのコール・ド・ダンサーが斜めに一列に並んでいて、なんとも華やか。
ドムラチョワは黒のボディにスカートの先20センチくらいが黄色のこれまた鮮やかなチュチュで彼女の雰囲気にとても良く合っている。 メリハリのある踊りもとても良く、特にヴァリエーション(マールイガラでボルチェンコが踊った曲)は脚の強いドムラチョワならではの安定感に華やかさが加わって見事でした。  
アスケーロフは赤に黒で将校を意識したような上衣に白タイツ。 彼もシドルスキーに負けず劣らず長い脚のラインがとても綺麗なダンサーですね。 サポートだけのジークフリートよりこちらの方が踊りも表情も断然良かったです。 かなりの長身だと思いますが、大技も音楽に遅れる事なく綺麗に決めていて、今日のシドルスキーがいまいちらしくなかっただけに、最後にアスケーロフが良いパフォーマンスを見せてくれて嬉しかったです。 
主役以外に、ハニュコワと田北さんのヴァリエーションが入りました。 ハニュコワは相変わらず、す~いすいという感じでさらっと踊り、田北さんは高い跳躍が素晴らしかったです。 


「ゴパック」
音楽:V.ソロヴィヨフ=セドイ 振付:R.ザハロフ

ルスラン・ベンツィアノフ

なんでパキータの後にゴバックなんだ??と思っていたのですが、パキータのコール・ドをステージに残したまま暗転する事なく音楽がかかり、ベンツィアノフが踊り始めたので、それほど違和感はありませんでした。
しかしおっさん(といってもツァルと同い年)元気だな・・・。 力を振り絞った?豪快なゴバックでした。



フィナーレの音楽は何かな~?なんて楽しみにしていたら、今回は特に用意してなかったみたいです。 ベンツィアノフが仕切る感じで全員でレヴェランスをしたり、カップルごとだったり。 というわけでツアーも終盤とは思えないくらいのバラバラな(笑)フィナーレでした。
節電の日本の夏に体力を必要以上に消耗されないといいなぁと思っていた今回のツアーですが、中盤以降、わりと涼しい日が続いて良かったです。 ツアーは明日、あさっての2公演を残すところとなりましたが、無事に終えて元気に帰国して下さいね。
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「マニュエル・ルグリの新しき世界II Aプロ」 7月16日の感想
2011/07/31(Sun)
<第1部>
「ホワイト・シャドウ」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:アルマン・アマー
マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ
吉岡美佳、上野水香、西村真由美
松下裕次、氷室 友、小笠原亮、宮本祐宜、岡崎隼也
高木 綾、奈良春夏、川島麻実子
梅澤紘貴、谷口真幸、井上良太、杉山優一、中村祐司
吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵、河合眞里、河谷まりあ

バナの作品だし1時間もあるコンテという事で、見る前はちょっと心配だったのだけれど、意外にも飽きる事無く楽しむ事ができました。
それは多分に美佳さんのおかげだと思います。 5列目センターというオペラグラスも全く必要のない至近距離で見ることができたせいもあるけれど、舞台上というかこの作品の中で一人異種な存在、すべてを見ながら時空を彷徨っているような美佳さんの表情と身体での表現にすっかり引き込まれました。 1時間あの役に入り込んだ精神状態をコントロールできる事って凄いんじゃないかと思います。
今回のA,B両プログラムの中でルグリの事を改めて特別なダンサーだと感じたというか感動したのは、実はこの演目。 マノンやオネーギンでの素晴らしさは言わずもがなですが、単純に人が踊る姿の美しさ、眩しさみたいのを感じたのがこの演目だったのでした。 まだまだいけますね~~。 
東京バレエ団の面々もとても良かったと思います。 特に男性5人チームの真ん中を務めた松下さんの充実振りに感心。 まぁ、ちと水香ちゃんは、踊りは良いのですが、ずっと同じ顔で固まっていて何気に恐かったな。 その振付で表現したい気持ちや状況、音楽の旋律にかきたてられる感情で自然と出てくる身体や顔の表情ってあると思うのですが、そういうのがあまりなくてちょっと不思議。 クリアチュアの時はいいなと思ったのになぁ。  ルグリにはそういう面でもとても素晴らしいと思ったのです。 


<第2部>
「海 賊」
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ
コノヴァロワは前日よりも今日の方が、踊りが安定していて、グランフェッテもダブルを入れながらほとんど動かず一点で回っていました。 ヴァリはガムザッティの方で、コノヴァロワの雰囲気にはこちらの方が合っているような気がします。 
チェリェヴィチコ(打ち難い・笑)には、コノヴァロワは少し大きいかな? 少年のようにあどけない笑顔がサポートでは時々真顔になっていたような。 踊りには少し力みも感じられたけれど、スピードに乗ったマネージュと540二連荘で会場を沸かしてました。 あれで一気に盛り上がってラストまで駆け上がったように思います。 


「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
バルボラ・コホウトコヴァ、フリーデマン・フォーゲル
軽快に筆を走らせていたルグリとは対照的に、ペンを持ったままぽぉ~っと幸福に浸っているようなフォーゲルを見たとたんちょっと噴出してしまった失礼なアタクシです。
ベッドの天蓋の柱に寄りかかりながらデ・グリューを見つめるコホウトコヴァの蠱惑的な視線にちょっとぞくっと。 手紙を書く手を邪魔してベッドに誘おうとする姿も小悪魔的で、こんなマノンじゃフォーゲルのデ・グリューにゃ、太刀打ちできないなと(笑)。 そしてフォーゲルの真っ直ぐさがすこぶる気持ち良く、この瞬間をまさに至福のひとときと思わせてくれた。 前日のチャイパドの時にはいまひとつしっくりこなかった二人だったけれど、この日は息もよく合っていてリフトも鮮やかに決まり、それぞれの踊りも演技も良かったです。 


「アレポ」
振付:モーリス・ベジャール 音楽:ユーグ・ル・バル
ミハイル・ソスノフスキー
初見。ソスノフスキーのワイルドさと押しの強さが上手くいかされている作品。 好みなタイプではないですが、良いダンサーだなと。 


「ラ・シルフィード」第2幕 より
振付:ピエール・ラコット(タリオーニ版に基づく) 音楽:ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー
ニーナ・ポラコワ、木本全優
東京バレエ団
森の背景付き。 コンテミックスのガラだとこういう舞台装置のある古典作品は嬉しいし、作品世界に入りやすいです。 森の中のシルフィードたちの白い衣装を見ているだけで、なんだか涼しく心地よくなってくる気がしました(笑)。
ポラコワのシルフは大人無邪気に色っぽいというか・・・。 足音も消しながら細かいステップを綺麗に踊っていたと思います。 回転バランス系ガラ常連演目ばかりを踊ったコノヴァロワとは対照的にいろいろな顔を見せてもらったポラコワでした。 
木本さんは、こちらも妖精ばりに軽やかな身のこなしで爽やかです。 アントルシャの連続も高いジャンプで綺麗に決まってました。 来年のカンパニーの公演ではどんな役で見られるでしょうかね? 楽しみです。


「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/ルドルフ・ヌレエフ 音楽:P.I. チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ、ドミトリー・グダノフ、ミハイル・ソスノフスキー
ヌレエフ版という事で楽しみにしていたのは、当然の事ながらマント姿の麗しいロットバルト。 ソスノフスキー、NBSのサイトやチラシで顔写真だけを見ていたときは、その男っぽい面構えに勝手にツァルのようなスタイルを想像していたのだけど、それほど体型には恵まれていないのですね。 マントが自分の物ではないのか、丈が長めで、いきなり顔にかぶちゃったりマント捌きにちょいと苦労しているようでした。 でも、スピード感あるマネージュやちょっと冷ややかな眼差しやさり気ないオディールとの結託ぶりは良かったです。
コノヴァロワは個人的にはこの演目が一番好みだった。 涼しい顔してジークフリートをちゃんと手玉に取っているし、目の表情が鋭いのがいい。 デコルテが切り込みで隠れるようなデザインのチュチュも彼女に似合っていて・・・というか、コノヴァロワはダンサーとしてはかなり豊満なバストなので、スタンダードなデザインの上半身だとその体型が気になってしまい・・・。 
グダーノフは前日よりは良かったと思うけれど、踊りの方はあまり好調ではなかったです。 何気ない仕草は優雅で美しかったですが、正直なところボリショイのプリンシパルとしては物足りなかったかな。   


「ファンシー・グッズ」
振付:マルコ・ゲッケ 音楽:サラ・ヴォーン
フリーデマン・フォーゲル
東京バレエ団
筋肉ってあんなに細かくきれいに割れるんですね。 ライトに照らし出されたフォーゲルの上半身がとても美しかったです。 同じゲッケの振付と照明使いにBプロのモペイと似たような印象もありますが、フォーゲルの踊りのスケールの大きさとノリの良さで見応えのある作品になっていたと思います。 サラ・ヴォーンの渋いヴォイスもいい具合に効いていたなぁ。
カーテンコールでは観客の熱い拍手に応えて3度も出てきてくれて、その度に満面の笑顔と真摯な眼差しを客席に向けるフォーゲルに、こちらもなんとも満ち足りた気持ちになりましたことよ!


「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:P.I. チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト、マニュエル・ルグリ
ほぼ前日と同じ感想です。 昨日以上にタチアーナの決別の苦しみが伝わってきたような気がしますが、やはり2日間続けると前日ほどのピュアな感動はないというか・・・。 
来年のシュツットガルト・バレエ団の来日公演での演目は「白鳥の湖」と「じゃじゃ馬慣らし」とすでに発表されていますが、「オネーギン」も追加してくれたらいいのになーと思わずにはいられない、そんな二人のPDDでした。



フォーゲルのチャイパドをもう1回見たくてチケットを買い足したかったけれど、マールイ以外で3連休中に2度も家を空けるってのも気兼ねがありまして諦めましたが、両日とも良い公演で楽しむ事ができました。
一度は中止に追い込まれそうになったこの公演を実現してくれたルグリには心からの感謝の気持ちでいっぱいです。 6月に寄せられた彼からのメッセージを再び読み返し、改めてこの公演を見ることができて良かったと思いました。 また、急遽参加となったパトリック・ド・バナもホワイト・シャドーのリハのため、ずい分前から来日して熱心に稽古をつけてくれたそうですし、地震、空気、水、食べ物と不安だらけの日本に来てくれたすべてのダンサーと関係者にも感謝です。
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ABT「スペシャル ドン・キホーテ」7月22日の感想
2011/07/24(Sun)
ABTのドン・キホーテは2005年の来日公演でマーフィー&カレーニョで見ていますが、細かい事はものの見事に覚えていません。 彼の事は見た事ないと思っていたディビッド・ホールバーグもその時にエスパーダで実は見ていたし。

<1幕>
カレーニョはその時よりは少し全体的に肉付きがよくなりましたが、ノーブルさと踊りの美しさは変らない。 ピルエットも美しいですね。 力を抜いて惰性で綺麗に回りきって音楽にぴたっと合っているというのも変らない。 キトリのヘレーラとのお芝居の掛け合いも良かったです。 明るく元気な町娘キトリのヘレーラも力強い大きな踊りが見事でした。 
で、わかっちゃいたけど、メルセデスのバールトはでかい! ジロに似た美貌とデカサで存在感抜群でした。 長身スターンズともそれほど身長さがなかったしな~。 そのスターンズのエスパーダがうぬぬ・・・・でありました。 スラットしたスタイルで衣装も似合ってかっこ良いのですが、踊りは緩々なエスパーダ。 あまり踊りなれていないのかもしれないけれど、ムレタを翻しながら斜めに進むところ、背中は反らないし、ムレタはふわふわしてるし、あそこくらいはビシッと決めて欲しかったなぁ。  
闘牛士の男の子たちの中で背が低く黒髪で南米系な感じのダンサーが跳躍力があって動きも俊敏で目立ってました。 あとの子たちはやはり温め。 そういえば、街の男の子の胸が緑で赤いサッシュベルトのダンサーの落ち着きのなさと髪の感じが若い頃のシヴァに似てたなぁ(笑) 

<2幕>
レイエスは2004年の新国ロミジュリ以来、コレーラは多分2005年の牧の白鳥の湖以来で二人とも凄くお久しぶりでしたが、可愛らしくてスウィートなレイエスも爽やか笑顔でやんちゃな感じのコレーラもイメージは変らず。 コレーラもカレーニョ同様、体つきに少し貫禄が出始めたような気はするけれど、お芝居も踊りも良かった。 特に狂言自殺のナイフでちょっと指を切っちゃったみたいな細かい芸や死んだ振り中の茶目っ気には客席からくすくすと笑い声がもれてました。
レイエスのドルシネアというかクラシックってどうなんだろうと思ってましたが、ヴァリで足を上げた時のラインなどは好みではなかったけれど、最後のピケターンの連続、あまりのハイスピードにびっくり。 
バールトは森の女王役も。 前回の全幕では森の女王は別のダンサーが踊っていたので、スペシャルドンキ用特別バージョンですかね? 雰囲気的にはメルセデスの方が良かったけれど、彼女のクラシックラインはやはりこの中では目が和みます。 しっかしよりによってバールトとレイエスだから、ものすごいボリュームの差で、二人が前後になっているシーンでは大鷲がハトに襲いかかっているような感じにも見え・・・。
キューピッドのサラ・レインはキュート。 ここのコール・ドはかなり乱れてましたが、揃わない事よりポール・ド・ブラにあまり神経がいってなさそうなのが気になりました。  ま、全幕ではもう少し良くなるかな?と。 
続く居酒屋では、メルセデスとエスパーダだけでなくバジルも踊るので見所満載です。 スターンズは1幕よりはシャキット度が少し上がったかもしれないけど、こんなに美味しい役をさらっと流しちゃうのはもったいない! 音楽も妙に軽めなアレンジだったけどね。 音楽に関しては低音抜いてアレンジが軽めだったりプチ序曲っぽかったり、ずいぶんな独自路線を行ってますね。

<3幕>
メルセデスとエスパーダがファンダンゴのメイン。 主役二人と変らぬほど出ずっぱりなキャラで、この日は主役が幕代わりだったから、一番お疲れ様なお二人さん。 
GPDDの前に出てきた女の子たちは、体も温まり、気持ちものって来たのか1幕2幕よりは魅力的でした。 GPDDのヴァリを踊った二人も一幕のフラワーガールの踊りよりメリハリもあったし腕の雑さもなくなって綺麗に踊っていたと思います。
会場の大拍手に迎えられ加治屋さんとシムキン登場。 よく組む相手同士なのかは知りませんが、二人の息がイマイチあっていなくて、シムキンのサポートもあまり上手くないのか彼のサポートつきの加治屋さんのピルエットはかなり乱れがちでおやおや・・・だったのが残念でした。 
加治屋さんのヴァリは良かったと思いますが、ヘレーラ、レイエスというプリンシパルを見た後だっただけに、やはり見劣りしてしまった感があります。 グランフェッテでは少しずつ角度をずらして回るというテクニックも見せてくれたけれど、あれ、周りにごちゃごちゃダンサーがいる舞台上では、よほどのダンサーじゃないと、それほど目立たないんですよね。 思い切って4分の1くらいずらしてくれるとまだわかりやすいんだけどな。
シムキンもソロはのびのびと踊っていて技術の高いところをみせてくれたけど、やはり全幕で見たときの方が生き生きしていたような気がします。 
この若いペアだけ、お芝居しながら気持ちも乗ってくるというシチュエーションじゃなくて、なんだか気の毒にも思いましたが、客席からの熱い拍手に満足してくれていれば良いなと。 

てっきり終幕後は1幕2幕のキトリ&バジルも出てきてくれて3カップルで華やかにカーテンコールだと思っていたのに、そのまま普通のカーテンコールで終わってしまいました。 つまんないの!!  




キトリ&バジル(1幕):パロマ・ヘレーラ&ホセ・マニュエル・カレーニョ
キトリ&バジル(2幕):シオマラ・レイエス&アンヘル・コレーラ
キトリ&バジル(3幕):加治屋百合子&ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ:アロン・スコット
ガマーシュ:クレイグ・サルスティン
ロレンツォ:アイザック・スタッバス 
メルセデス:ヴェロニカ・パールト
エスパーダ:コリー・スターンズ
花売り娘:マリア・リチェット、ミスティ・コープランド
ジプシーのカップル:シモーン・メスマー、ジョセフ・フィリップス
森の女王:ヴェロニカ・パールゴ
キューピット:サラ・レイン

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「マニュエル・ルグリの新しき世界II Bプロ」 7月15日の感想 
2011/07/18(Mon)
<第1部>
「ビフォア・ナイトフォール」
振付:ニル・クリスト 音楽:ボフスラフ・マルティヌー
ニーナ・ポラコワ、ミハイル・ソスノフスキー
高村順子-宮本祐宜、佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-長瀬直義
2007年のルグリガラで見た時同様、、「この楽曲が漂わせる激しい叙情性、迫り来る破滅に立ち向かう我を忘れた生を賭けた戦いのリズムを視覚的にーだが抽象的な方法で表現する事を試みた」というテーマを、「おぉ、そうか!」と感じる事は出来なかったのですが、ダンサーの踊りは皆良かったと思います。 ソスノフウキーもポラコワもあまり大柄ではないので、東バのダンサーたちと一緒の舞台で違和感なかったですね。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/ルドルフ・ヌレエフ 音楽:レオン・ミンクス
リュドミラ・コノヴァロワ、デニス・チェリェヴィチコ
ヌレエフ版のドン・キホーテを見るのはものすご~~く久しぶりです。 そういえば、2003年の光藍社のヌレエフガラでクチュルクとミハリョフが確かヌレエフ版を踊ったんでしたよね。
2010年にウィーン国立バレエに移籍したコノヴァロワは、モスクワ・バレエアカデミー卒業後、ロシア国立バレエ団に入団、2年目でプリンシパルに昇進して多くの古典作品で主役を踊ってきたダンサーとの事です。 しなを作るような首と肩の独特な動きがちょっと気になったりもしましたが、舞台上では堂々としたプレゼンス。 若干安定さには欠けますが(翌日はもっと良かった)、回転やバランスなどテクニック的見せ場の多い作品担当ダンサーのようです。 
チェリェヴィチコは多少エンジンのかかりが悪かったところはありましたが、跳んで回って元気系路線で、ベルリンのタマズラカル的ポジションなダンサーですね。  


「モペイ」
振付:マルコ・ゲッケ 音楽:C.P.E.バッハ
木本全優
マルコ・ゲッケという振付家の作品は多分初見。 ロシア系の公演ばかり見ていたらなかなかお目にかかれないユニークな振付家ですね。 細かい動作というか痙攣したような身体の動きが印象的。
黒いパンツに上半身裸のダンサーが背景も黒の中でスポットライトを浴びながら踊るというのも視覚的に効果があって、腕や上半身の動きの残像がとても綺麗なんですよね。 木本さんはこの公演で初めて知りましたが、華奢ではあるけれど、手足が長くてスタイルの良いダンサーです。 10分はなかったのかもしれないけれど、ずっと激しく動きっぱなしなのに、スタミナが切れた様子もなく体全体でのコミカルな表現も上手かった。 最後、天井を向いてふっと息を吐くと照明が消えてジ・エンドなのですが、その姿もキュート。


「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト、フリーデマン・フォーゲル
ウィーンの3人の男性ダンサーの後に出てきたフォーゲルを見て、今の時点ではいろいろな意味での格の違いを感じた次第です。 体のラインも踊りも、いや、ほんとに美しいです。
フォーゲルには世間知らずで純粋で一途な愛を注ぎ込むアルマンは合うだろうと思っていましたが、まさにぴったりでした。 この後に待ち受けている悲運の足音など全く感じさせないアルマン。  
アイシュバルトは瞬間瞬間に今の幸福をじっくりかみ締めているのがアルマンに向ける眼差しに読み取れるマルグリッド。 
それぞれはとても良かった二人ですが、最後には、ほわんとした人の良さが滲み出てしまっているようなフォーゲルのアルマンと人生の刹那を感じさせるようなアイシュバルトのマルグリッドが微妙にかみ合っていないというような印象も受けた。 


「クリアチュア」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ
上野水香、パトリック・ド・バナ
水香ちゃんは、やはりクラシックよりもこういう解放的な踊りの方が合っていると思います。 バナとのコンビネーションもとても良い感じ。
トルコの伝統音楽がベースになっているイスラムの色彩濃い音楽は好みだし、ダンスも音楽と良く合っていて良い作品だとは思いますが若干長い気もしました。


「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
ニーナ・ポラコワ、マニュエル・ルグリ
幕が上がり、机に向かいペンをさらさら走らせているルグリの若々しい姿にびっくり。 美しいタイツ姿も健在。 ポラコワのマノンはなんていうのか、あまりにも屈託がないというか陽性すぎるというのか・・・、マノンの感情ではなくて、こんな素晴らしい作品をルグリと踊れるなんて嬉しい、光栄ですっていう彼女の気持ちに思えちゃって、それはそれでとても好感が持てて微笑ましかったのですが、ドラマとしては、えーと・・・という感じでした。 なので、ルグリの踊りや表情が素晴らしくても物語としては入り込めなかったかな。



<第2部>
「サイレント・クライ」
振付:パトリック・ド・バナ 音楽:J.S. バッハ
パトリック・ド・バナ
先ほどのクリアチュアとこの作品でなんとなくバナの舞踊言語というか、彼の振付の特徴のようなものは分かったような気がします。 選曲が自分的には外れていないので助かってはいますが、一つの公演でいくつも見たい種類の踊りではないです。


「グラン・パ・クラシック」
振付:ヴィクトール・グゾフスキー 音楽:フランソワ・オーベール
リュドミラ・コノヴァロワ、ドミトリー・グダノフ
いつになったらテリョーシキナの呪縛から開放されるのだろう(笑)というほどに凄い刷り込みのある女性パート。 踊るダンサーを選ぶ作品なので、残念ながらコノヴァロワでは満足感はありませんでした。 でも彼女、バランスなどは得意なようですね。
コノヴァロワよりもこれでいいのか?と思ったのがグダーノフ。 いくら最近のモスクワの夏が暑いといっても日本のこの蒸し暑さはしんどいと思いますが、コノヴァロワへのサポートも大変そうだったし、踊りには精彩を欠いていました。 ただ、指先爪先は美しかったですし、着地音がほとんどしないのはさすがです。 


「カノン」
振付:イリ・ブベニチェク 音楽:オットー・ブベニチェク、ヨハン・パッヘルベル
デニス・チェリェヴィチコ、ミハイル・ソスノフスキー、木本全優
ウィーン3人衆の裸の上半身比べな作品(笑)・・・って嘘ですが、この3人、身長はさほど変らないけどあまりにも体型と踊りのタイプが違い、パッヘルベルのカノンながら3重カノン。 皆それぞれに踊りこなしていましたが、伸び伸び素直な踊りの木本さんが一番良かったかな? ソスノフスキーのワイルドな雰囲気も捨てがたいけど。
で、面白かったのはこの3人のカーテンコール。 とりあえず並びの順に木本、チェリェヴィチコ、ソスノフスキーの順にレヴェランスしてるんだけど、なんかちぐはぐで息が合ってなく、思わず笑ってしまいました。 残り2日は上手くいったかな?


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:P.I. チャイコフスキー
バルボラ・コホウトコヴァ、フリーデマン・フォーゲル
椿姫でも美しい踊りを見せてくれたフォーゲルですが、チャイパドはさらに素晴らしかった。 ロミオでもいいでしょという衣装に眩しいくらいの幸福感に包まれたフォーゲル。 大柄なダンサーにありがちなもっさり感も皆無で流れるように軽快に美しく音と戯れ、踊る楽しさを隠し切れないようなその笑顔はなに??(笑) 
コホウトコヴァはオールマイティなダンサーだと思うし、可憐で上手いのですが、この日は踊りのリズムというか波長がフォーゲルとは別物だったので、二人が代わる代わるソロを踊る度に目に見える音楽が変ってしまい、最後のリフトでは呼吸が合わなくてもたつくなど、淀みのない川の水の流れのようには見えなかったのが残念と言えば残念でしたが、とっても良かったです。  
フォーゲル、本当にいいダンサーになりましたね~。 彼の踊りをもっともっといろいろ見てみたいです。 来年のシュツットガルトの来日が楽しみ♪


「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:P.I. チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト、マニュエル・ルグリ
手紙を手に体の奥底から湧き上がってくる呼び覚ましたくなかった思いに打ち震えるアイシュバルトのタチアーナに目を奪われた瞬間から、もう物語に惹き込まれました。 ひたすら求め、すがるオネーギンの愛と、その想いに心を砕かれそうになりながらも決別に向かって振り切ろうと苦しむタチアーナの揺れ動く気持ちが、じわじわと切なく伝わってきてとても素晴らしいPDDでした。 初日はただもう感動。 見終わって、しばし呆然としてしまったほどでした。 
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東京バレエ団「白鳥の湖」 6月18日の感想
2011/07/07(Thu)
東バの「白鳥の湖」、数回は見ている気になっていたのだけど、実はポリーナ&フォーゲル客演の1回しか見ていなかった事を公演後に確認した・・。 ありゃ、そうだったっけ? その後に他の演目でかなりここのバレエ団の公演を見ていて自分なりの親近感がありそんな気になってたんだわね。
以下、ぽちぽち書いていた感想です。


<1幕>
後藤さんはまっすぐ育った心優しい青年で村人からも家臣からも友人たちからも好かれている王子という、想像した通りのジークフリート。 

トロワは見慣れている版とかなり違う振り付けに時々目が驚いてしまうのは相変わらずだけど、よくまとまっていて良かったです。 吉川さんもこういうポジションでの踊りにもだいぶ落ち着きが出て来て着実にステップアップしている感じですが、自分的には乾さんのすっと広がりを見せて動く腕に目が留まりました。 松下さんもノーブルで柔らかな踊り。 しっかし道化とトロワの芯を踊るダンサーって珍しいよね。 

その道化の小笠原くん。 最初の踊りのフィニッシュが決まらなかったりと出だしは気持ちだけでなく体の方もけっこう緊張していたのではないかと思いましたが、だんだんとほぐれて踊りも表情も良くなったと。 最後のピルエットは高速を維持して軸も崩れず見事でした。 白鳥の道化といっても衣装やその色やダンサーの醸し出す雰囲気でその印象はかなりマチマチなのだけれど、全体的にパステル調の色彩の中にあって赤い衣装の小柄なダンサーが所狭しと動き回るのはけっこう目立つものですね。 どこにいても一生懸命な感じの道化でした。


<2幕>
岩山の頂に黒光りして動く物体。 ここのロットバルトの鉄の芯でも入ってそうなばっさばっさした大きな羽、やはり重そうだ・・・。

小出ちゃんオデットの登場。 深い悲しみに包まれてはいるけれど凛とした白鳥だ。 弓を持つ王子に驚いて飛び去ろうとせんばかりに大きく腕を羽ばたかせていたのが印象的。 その後の追いつ追われつのシーンはちょっと音楽が速いように感じた。 後藤さんの表情も良くて、運命の出会いという瞬間を感じただけにもう少しゆっくりとしたテンポの中でオデットが王子と向かい合うまでを見たかったように思う。 
小出さんは小柄だけれど頭が小さく体のバランスが良いので、一つ一つのポーズも美しく、長身のコール・ドの中にあっても女王然とした存在感がある。 そしていつにも増して爪先から指先まで旋律と一体となっている彼女のムーブメントが素晴らしかった。

コール・ドは、相変わらず元気がよいというか・・・。 セルゲイエフ版などと比べると動き自体が多いし速いし、肘や上半身の動きもシャープで、切り替えしのような動きも多いように感じる。 前回ポリーナとフォーゲルを見たときには主役ばかりを追いかけてしまいあまりコール・ドには目が行かなかったのだけれど、今回は後から考えるとしっかりコール・ドも見ていたように思う。 それは多分小出ちゃんのオデットが白鳥たちの群れに投げかけた視線のせいのような気がする。 ジークフリートに身の上を話す時に白鳥たちを振り返りながら思い詰めたような深刻な表情をしていたのが印象的で、オデットと白鳥たちの繋がりを今までになく感じたように思います。
もう一つの大きな理由は、マールイの新版の白鳥の湖がゴールスキー版に由来するからという事。 どれほど東バの白鳥たちと共通点があるのだろう、こんな風になるのか、あんな風にもなるのか・・・とちょっと否定的な目線で見てしまった。 

そんな気持ちも持ちながら見ていたグランアダージョでしたが、溢れんばかりの愛情をダイレクトに注ぐ王子に少しずつ心を開いていったオデットが最後に王子に静かに身を寄せた姿は美しかった。


<3幕>
前回フォーゲルと王妃様のやりとりにすっかりはまってしまい、ほとんど目が行かなかった花嫁候補の踊りも今回はちゃんと見られました(笑) 佐伯さんの踊りがメインっぽく、彼女の無敵な愛くるしさが炸裂してましたね。 あのマイム漫才な王子と王妃(よろしければこちらを)は何だったんだろうというくらいこの日の王子と王妃は普通でした。 そこにオデットの姿のない花嫁候補たちの踊りを空しそうに見つめる王子。 この中の誰が妃に選ばれるのかしらと穏やかで満足げな視線をなげる王妃様。 つまんね・・・。

オディールとロットバルトの登場。
やっぱりですね・・・、髭が似合っていい感じに男臭い柄本さんの胸にちょこっと可愛らしく付いてる黒鳥アップリケって・・・、萎えます・・・。 ファンファーレと共に颯爽と姿を現したと思った次の瞬間に「ええ~~~!!」だよ(でも、なんで木村さんが被っていたトナカイ兜は被らないんですか???)。

小出さんのオディールはジークフリーと手玉に取る事を楽しんでいる上品な悪女でした。 後藤さんの騙されっぷりもまたなんとも言えず自然で、絶妙のコンビネーション(笑)。
GPDDも小出さんは安定して磐石。 グランフェッテは後半けっこう移動してしまったけれど切れ味のよい回転でした。 一方後藤さんは、この日の公演を通して調子は良かったと思うし悪くはないけれど、クラシックとしてラインが美しいとは言えないのが残念でした。 ただ、小出さんのフェッテから続いた渾身のグラン・ピルエットはぶれることもなく綺麗に回っていたと思います。

ディベルティスマンはチャルダッシュのリードソリスト二人の切れがあってリズミカルな踊りが素晴らしかった。 特に西村さんの舞台をパッと明るくするような華やかさは、ディベルティスマンの一番手として相応しいですね。
スペイン。 木村さんと柄本さんは身長的には合っているのだけれど、ずいぶん体の厚みが違うなぁぁ、なんて事を思いながら見ているうちに終わってしまいましたが、やはりシャープでどこをとっても隙のない美しいラインを作っている木村さんの踊りが良かったです。


<4幕>
出の音楽はパ・ド・シスの3曲目。 白鳥たちの絶望と悲しみがより色濃く感じられる。 王子の裏切りに傷つきながらも白鳥たちを気遣うオデットとオデットを優しく労わるような白鳥たち。
オデットを追いかけ湖畔に戻って来たものの、白鳥の群れの中にオデットを見つけられず後悔と絶望に打ちのめされそうな王子。 そんな王子の姿にいたたまれなくなって姿を現し真っ直ぐな視線を返すオデット。 
オデットと王子の心が再び通い始めたのに気づいたロットバルトがオデットを奪い返しに来る。 ここまでの流れがとても自然で凄く説得力があったなぁ。 ただ、オデットが力尽き倒れた後の王子とロットバルトのジュテ合戦での闘いが二人ともスタミナ切れだったのかやや迫力と美しさに欠けた気がします。 スフォーゲルと木村さんの時は、こんな最後の最後に息をのむような見せ場があったのかと感動した覚えがあるんですよね。
ロットバルトの呪いが解けたオデットと王子が喜びに満ちて寄り添い幕。



小出さんの初役とは思えない堂に入った踊り、役作りにまたもや関心させられた舞台でした。 プライベートでもパートナーだからそれがそのまま舞台上のオデットとジークフリートの造形に繋がったというのではなく、それぞれの思い描く人物像を忠実に表現しながら物語を紡いでいったように思います。

いやしかし・・・、自分たちのバレエ団の白鳥として踊り継いで肌に馴染ませてきた東京バレエ団によるゴールスキー版「白鳥の湖」は良い作品だと思うのですが、ペテルブルグのマールイが・・・と思うとやはり複雑な気持ちになります。 湖畔のシーンがどれほど変わってしまっているのか・・・。 少しでもペテルブルグ派の様式美を継承していける作品であるよう望むばかりです。




オデット/オディール:小出領子
ジークフリート王子:後藤晴雄
王妃:松浦真理絵
悪魔ロットバルト:柄本武尊
道化:小笠原亮

【第1幕】
家庭教師: 佐藤瑶
パ・ド・トロワ:乾友子、吉川留衣、松下裕次
ワルツ(ソリスト):西村真由美、高木綾、田中結子、加茂雅子、小川ふみ、二階堂由依

【第2幕/第4幕】
四羽の白鳥:高村順子、村上美香、吉川留衣、河合眞里
三羽の白鳥:西村真由美、乾友子、矢島まい

【第3幕】
司会者:宮崎大樹
チャルダッシュ
(第1ソリスト):西村真由美-松下裕次
(第2ソリスト):村上美香、岸本夏未、氷室友、岡崎隼也
ナポリ(ソリスト): 河合眞里-小笠原亮
マズルカ(ソリスト): 奈良春夏、田中結子、宮本祐宜、長瀬直義
花嫁候補たち:乾友子、佐伯知香、阪井麻美、渡辺理恵、川島麻実子、大塚怜衣
スペイン:高木綾、矢島まい-木村和夫、柄本弾

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