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マールイ「くるみ割り人形」 12月24日の感想
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2007/12/24(Mon)
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マーシャ : エレーナ・エフセーエワ
王子 : アンドレイ・マスロボエフ ドロッセルマイヤー : アレクセイ・マラーホフ くるみ割り人形 : デニス・トルマチョフ フリッツ : アレクセイ・クズネツォフ 父 : ミハイル・ヴァンシコフ 母 : アンナ・ノヴォショーロワ ねずみの王様 : アントン・チェスノコフ コロンビーナ : サビーナ・ヤパーロワ ピエロ : ニコライ・コリパエフ スペイン人形 : マリア・リヒテル、ニキータ・クリギン 中国の人形 : ナテリア・リィーコワ、アレクセイ・クズネツォフ アラビアの人形 : アリョーナ・ヴィジェニナ パストラル : エレーナ・シリャコワ、アリョーナ・サマールスカヤ、パーヴエル・ヴィノグラードフ トレパック : ナタリア・パルフョーノワ、ナタリア・オシポワ、 パーヴェル・ノボショーロフ、ドミトリー・クドリャーフツェフ ワルツ : エルビラ・ハビブリナ&デニス・モロゾフ、オリガ・ステパノワ&ドミトリー・ルダチェンコ、 ユリア・カミロワ&アルテム・プハチョフ、エレーナ・コチュビラ&ミハイル・シヴァコフ 指揮 : ミハイル・バブージン マールイの「くるみ割り人形」を観て来ました。 ちょっとチープとは言え、やっぱりこのセット、この衣装を見ると気持ちが落ち着く。 それでも舞台上の空気がいつもとちょっと違う感じがするのはパーティーで踊っている男女コール・ドの顔が子供役も大人役も雪の国のバレリーナたちも半分くらい知らない顔だったという事。 コール・ドは聞いているよりも人が入れ替わっているような気がする・・・。 男女ともに身長の高い人が増えたみたい。 エフセーエワ、すっかりこの細い体のラインがこちらの目にも馴染んで来ています。 もう、昔はね・・・なんて話をするのも憚られるくらいしっとりと大人っぽくなったなぁ・・・。 くるみ割り人形にそっと手を触れたり、愛情たっぷりに覗き込んだりするちょっとした仕草に慈しむような優しさを見せるようになったと思う。 それでも愛らしさはしっかり残っていて彼女にニコッと微笑まれると大概の悩み事は飛んでいってしまいそうだ(笑)。 フリッツにくるみ割り人形を壊されてしまって泣いていたマーシャが、ドロッセルマイヤーがなにやら直してくれたらしい気配を感じて涙を拭きながら振り返った時のエフセーエワがまたと〜〜っても可愛かった! 踊りもとても丁寧で滑らかになって、本当に安心して見ていられるんだけど、以前のようなもっと溌剌として直線的な潔い踊りも懐かしい。 トルマチョフのくるみ割り人形も軽快なピルエットやユニークな振りの踊りが冴えていた。 後ろにすわっていた二人連れの女性がくるみ割り人形の一挙手一投足にすごくうけていて、思わずこちらまで笑ってしまった。 初めて見たら、けっこうインパクト強いものね。 でもなー、何度見てもあの王子とくるみ割り人形の変身ダンスはテンション下がるんだなー・・・。 その王子のマスロボエフ、人形から変身した直後の人形から人間に変わりつつある事を表現している腕の動き、芸の細かさに関心(笑)。 マスロボエフももうすっかり主役が板に付いて来た。 踊りも悪くはないけれど、もう少しためがあると綺麗に見えるような気がする。 ドロッセルマイヤーのマラーホフ。 この役もせっかくのハンサムなお顔がそのまま拝めなくてもったいない・・(笑) 相変わらず綺麗なおみ足です。 あのわけわかんないドロッセルマイヤーの振りを品良く踊ってくれました! 本日の私的見所その1だったアントン・チェスノコフのねずみの王様。 さすがに師匠(クリギン)との隔たりはまだかなり大きいものがあるようで、ハァー!!とかいう気合をこめた声もアクションもまだまだ小さいぞ!!(笑) 2幕の人形たちの踊りは、初めて見るキャストが多くてちょっと不思議な気持ち。 スペインを踊ったニキータ・クリギンは父親譲りのスタイルの良さで、踊りもまずまずだったので今後に期待です! やっと顔がわかったけれど、次に見た時に判別できるか自信なし。 コロンビーナのヤパーロワはやっぱり細くてちっちゃい。 でも華やかな感じで、きっちりした踊り。 本日の私的見所その2だったヴィジェニナのアラビア人形は超妖〜〜〜艶!! こんなにこの役にうってつけのバレリーナは今マールイに彼女をおいて他にないというくらいはまりすぎだった。 先日、白鳥を見たときにも感じたけれど、かなり体が絞れていると思う。 思わずゾベイダを見たくなってしまったよ〜〜。 金の奴隷は誰にしましょうかね? パストラルを踊ったアリョーナ・サマールスカヤは、先日ピーテルの「チッポリーノ」の二日目を飾ったバレリーナだと思うので注目していたのですが、もう一人のエレーナ・シリャコワも初見のため、どっちがどっちだかわからず。 私はここよ!オーラを放っていたのは上手側の子だったけどね・・・。 さぁぁぁー、そして! 本日のメイン・イベント「花のワルツ!!!」。 とーぜん、今日はここに登場のシヴァを観に行ったようなものなのです。 が、・・・仏頂面でしたねーーーーー、1人だけ! たまに思い出したように微笑んでいたけど、なんだか魂抜けてたなぁ。 で、また隣のルダちゃんがどーしたんだ!ってくらい思いっきり作った笑顔を振りまいてました。 こういう時、さり気なーくいつも爽やか笑顔なのがプハチョフなんですねー。 モロゾフはモロゾフだった・・・。 シヴァは夏と比べると体は少し絞れているなと思いましたが、なんとなく心配だなぁ・・・。 あの屈託のない笑顔が見たいです。 で、ただ立っているだけなのにやっぱりプハチョフは美しいんですね、胸から肩のあたりとしっかり5番な脚のラインが! 女性陣では、ハビちゃんの優しい笑顔が印象的でした。 マーシャと王子を含めたこのパ・ド・シスの男性ダンサー、なんと5人揃って98年組みというのは、私は初めて見た気がします。 なんだかワガノワの卒業公演のノリ??(笑) 今回の変革後もみんなちゃんといてくれて嬉しかったなぁ! そんな訳で、シヴァが舞台にいる時は、エフセーエワとマスロボエフのPDDはあんまり見ていなかったけれど、エフセーエワのヴァリは踊りをすっかり自分のものにしていてとても良かった。 エフセーエワの終演後のレヴェランスも、いつもとても心がこもっていて、見ていて関心してしまいます。 オケも今日は概ね良好。 アニちゃんじゃなかったのは残念だったけれど・・・。 年明けの眠りはアニちゃんが振ってくれますように!!! そういえば、今回はホリコフさんは来日していないんですよね。 エフゲニー・ぺルノフという方が来日しているようです。 |
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ダンチェンコ 「くるみ割り人形」 12月22日の感想
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2007/12/23(Sun)
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マーシャ : ナタリア・レドフスカヤ
王子 : ミハイル・プーホフ ドロッセルマイヤー : アントン・ドマショーフ ねずみの王様 : セルゲイ・ゴリュノーフ 人形 : ガリーナ・イスマカーエワ ムーア人 : セルゲイ・ゴーマン 道化 : ウレジーミル・ドミトリーエフ フリッツ&くるみ割り人形 : アンナ・アルナウートワ パ・ド・トロワ(あし笛) : ガリーナ・イスカマエワ、ユリア・ゴリュノーワ、ボリス・ミャスニコフ スペインの踊り : イリーナ・ベラヴィナ、ドミトリー・ハムジン 東洋の踊り : ダリア・ダリエンコ ロシアの踊り : エカテリーナ・ガラーエワ、インナ・ブルガーコワ、ドミトリー・ロマネンコ 中国の踊り : オリガ・シズィフ、アレクセイ・ポポーフ 指揮 : ゲオルギー・ジェムチュージン 演奏 : 国立モスクワ音楽劇場管弦楽団 舞台美術はモダンでシンプル。 1幕は切り絵細工の白い雪の結晶がモチーフ。(公演サイトのこちらの写真の上2枚) ワイノーネン版なので、ここの版だけの特別な話の運びはないのだけれど、シュタールバウム家のパーティーで他の子供たちと楽しげに遊んでいるマーシャがレドフスカヤではなかった事に一抹の不安・・・。 先日フィリピエワが開幕直前に降板となりキャスト表の変更が間に合わなかったという話を思い出し、動揺。 (レドフスカヤはドロッセルマイヤーが見せた夢の世界でのマーシャ役という事で、1幕後半から登場したので安心しました。 キャスト表にそれがわかるようにもう一人のマーシャの名前も出しておいてよー!) ドロッセルマイヤー役のダンサーを一目見た瞬間になぜか新国立のイリインが浮かんでしまって、私の中ではその後、ずっとイリインでした・・・。 道化、人形、ムーア人の踊りは普通。 人形はもうちょっと人形っぽい方が好きだなぁ・・・。 大人たちだけの踊りの時に、おじいちゃま、おばあちゃまが出てくると、なんかそれだけでほんわかしますね。 マーシャの夢の世界。 ドロッセルマイヤーの両腕を広げた大きなマントの陰から1匹、2匹とねずみたちが現れる。 ねずみの衣装はシルバーグレーの宇宙服みたいな素材で胴と頭はそれとなく甲冑風(笑) 一際でかい紫色っぽいマントつきのねずみの王様は、登場するやいなや、下々のねずみたちに一匹ずつ崇め奉らせるという独裁者系。 くるみ割り人形率いる兵隊さんたちとの戦いはしょぼかったけど、なかなかここのねずみさんたちも面白かったです! 戦いが終わり、マーシャとくるみ割り人形の前に再び現れたドロッセルマイヤーが大きくマントを広げ、大人になったマーシャのレドフスカヤと王子のミハイル・プーホフが入れ替わりに登場する。 うー、ここまでが長かったわー、というか知っていれば何でもない事だったんだけどねー、全く! マーシャと王子のパ・ド・ドゥ。 レドフスカヤの踊りは優雅さとシャープさがほど良く相俟って見ていて気持ちがいい。 長身のプーホフと並ぶと小柄さを改めて確認するのだけれど、踊っている時はそんなことこれっぽちも感じさせないくらい大きく堂々として見える。 プーホフは長身で見栄えは良いのだけれど、踊りはいまいちエレガンスと安定感に欠け、リフトに不安があった。 比べながら見ていたわけではないけれど、キエフのシドルスキーと同じ年らしい(99年バレエ学校卒)。 一度レドフスカヤを落としそうになった時にはヒヤッとしたけれど、二人とも何もなかったように踊り続けていたのは流石。 雪の国のコール・ドの踊りはとても綺麗だった。 ここでもダンサーのチュチュの表面に雪の結晶を形どったものがぐるっと付いていてちょっと斬新なデザイン。 二人で踊っていたダンサーが最初踊りがバラバラだったんだけど双子みたいに良く似ていたなー。 おとぎの国への旅の乗物は球面体の鳥かごみたいなものに電飾がついているちょっとユニークなもの。 他にも道化などが乗っている別の球面体が2つくらいあったかな?(失念) おとぎの国の舞台美術もまたシンプルだけどとても綺麗。 説明するボキャブラリーがないので先ほどの公演サイトのページの写真をご覧下さい。 下2枚です(笑) 踊りはおなじみの様々な国の踊りが披露されるのだけれど、デザインはそれぞれ違うものの、 衣装が白を基調に赤、青、ピンク、黄など色違いのボンボンがついているというつまらないと言えば言えなくもないものだったのが少し残念。 スペインを踊ったドミトリー・ハムジン(2004年、ペルミ卒)といういなせなアンちゃんがいたく気に入ってしまった。 ドン・キのエスパーダなんかが似合いそうなダンサー。 プログラムの写真で素顔を見ると、マトヴィとメルクリエフを足して割ったような感じかな(笑) パ・ド・トロワのボリス・ミャスニコフというダンサーも上手かった。 花のワルツは女性が白いロマンティックチュチュで、男性は白のタキシード。 ダンチェンコのくるみは、ともかく白がキーカラーですね。 全体的には良かったけれど、男女が交互に並び整列した状態で男性が女性を腕だけでリフトするのは、力が足りずにブレまくっているダンサーが多かったのであまり美しくはなかった。 マーシャと王子のPDDは、やはりレドフスカヤのベテランらしいそつのない踊りが美しかった。 ただプーホフとのコンビネーションはいまいちかなぁ。 ソロでのピルエットなどは軸もぶれずに速くて美しいのに彼のサポートが入ると軸が曲がったりして、今ひとつ呼吸があっていなかったようです。 プーホフのソロは、回転の着地が乱れがちだったりと、プリンシパルだと思うと少し物足りない。 まだまだこれからのダンサーなのでしょうね。 レドフスカヤやチェルノブロフキナと組む事でもっと成長できると思います。 ラストは夢からさめた少女のマーシャにもどって幕。 美しい美術にとても満足した公演でしたが、正直S席16,000円に見合う出来かと言われると即答イエスとは言えないなぁ・・・。 次は27日の「白鳥の湖」です。 念願であるチェルノブロフキナのオデット&オディールを無事に見る事ができますように!! |
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キエフ・バレエ「ライモンダ」 12月4日の感想
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2007/12/16(Sun)
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初めて見る作品なのにメモもとらなかったので、すでにあやしくなった記憶をベースに
とりあえず書いてみました。 思い違い、勘違い、順番違いもあるかもしれませんがあしからず・・・。 <プロローグ> 暗い舞台の奥にシルフィードのように宙を舞うダンサーが僅かに見える。 黒子にリフトされている白い貴婦人の田北さんのほっそりした腕の動きのしなやかで美しいこと! <1幕> ライモンダの誕生日を祝うためにドリス家に集まっている人たちの中にライモンダの婚約者でもあるジャン・ド・ブリエンヌの姿もある。 セルギイ・シドルスキーは本当に白タイツの良く似合うダンサーで、物腰も相変わらず優雅です。 踊りも今日は持てる力全開!という感じでジャンプも開脚も大きく綺麗だった。 舞台下手奥からライモンダ登場。 なんとなく眠りみたい、でもライモンダの衣装はチュチュじゃなくてロミジュリみたいな上品な袖のあるドレス。 中央で女性たちから一つ一つ花を受け取り軽やかに舞っているライモンダは毅然たる輝きを放っていたが、ジャンの前に進みで、彼から永遠の愛の印である白いスカーフを渡されると若い娘らしい恥らいを見せながら幸せそうに微笑んでいる。 ライモンダの友人のテチアナ・ロゾワとオリガ・キフィヤクは2人ともメリハリのある踊りがとても良かった。 この2人も毎日重要な役で大活躍ですね。 男性の友人の2人も足先まで綺麗に伸びた踊りが目に気持ちよかった。 アンドレ2世も祝いの席に駆けつけ、ライモンダを祝福した後、ジャンを促しその場を去る。 アンドレ2世と肩を組むようにしてジャンは旅立ってしまったが、ライモンダに別れを告げ、もっと騎士らしく堂々と出立しなくていいのか・・・。 アンドレ2世の王位を感じられないチープな衣装はちょっとどうにかしてあげた方がいいですね。 この作品で一番しょぼかった・・・。 で、いきなり宮中の照明が異様に赤みを帯びたかと思うとあの音楽が・・・、 え〜??? もう出てくるの〜?と心の準備のできていない私の前にはすでにコルプ@アブデラフマンが・・・・。 うわっ、なんだか周りから浮きまくった凄い衣装の色彩・・・、それに顔に書きまくったラインは何?? ちょっとこの化粧は減点度が高かった。 コルプの持つせっかくの眼光の鋭さを半減させてしまう。 踊りの方もすんばらしく爆発しておりました。 あの衣装で軽がるジャンプしてなんであそこまで背中が反るのだろう。 そして不気味に妖し過ぎ・・・。 フィリピエワ@ライモンダは彼を初めて見た瞬間は驚きと嫌悪のようなものを感じさせたけれど、次第に抗えないアブデラフマンの魔力(どう考えても魔力!)に落ちていくという感じだった。 赤いスカーフを渡された時には、離れがたく思う動揺を隠せず・・・。 ライモンダの友人が気を紛らわせようとリュートを渡すが、晴れない表情のライモンダ。 この後の友人たちとのやりとりは記憶から飛んでます・・・。 一人になり、寝入ってしまったライモンダのもとへ白い貴婦人が現れ、ライモンダの真の想いに気づかせようと夢の世界でジャンと引き会わせる。 チュチュを着たコール・ドたちの中からジャンが現れ、ライモンダと幻想的で美しいPDDを踊るのだけれど、甘い幸せに包まれたという感じではなかった。 ジャンが消え、夢も覚めるのかと思いきや、予期せぬアブデラフマンの登場にまたもびっくり。 (白い貴婦人、ここまでは公平だったのよね・・・。) 一層情熱的で一層妖しい夢の中のアブデラフマンにライモンダはどうしようもなく心惹かれてしまう。 でもですね、やはり私にはこのメイクでこの衣装のアブデラフマンでは、無理を感じてしまったのです。 プログラム通りの白いターバンと普通のブーツと野性味だけを強調できるようなメイクだったら、もう少し端正に正統派でいってくれたら、もっとドラマティックになったと思う。 目覚めたライモンダが、白いスカーフと赤いスカーフを手に取り途方にくれて幕。 <2幕> ドリス伯爵夫人の城では闘いに勝利したジャンを迎えるための祝典の準備をしている。 落ち着いた色調と重厚感のあるセットは良かったけれども、かなり踊れるスペースが狭くなった。 ライモンダの友人達の踊りはここでもとても良かった。 特に菅野さんとポジャルニツキーのシンクロナイズされた動きが素晴らしかった。 一つ一つのパのタイミング、ジャンプの高さ、回転の速さと着地などがこれほど見事にそろっているデュオは見た事がない。 クレメンスとヘンリエットのヴァリもそれぞれのバレリーナの雰囲気にあっていたし、特にこの日のオリガ・キフィヤクはとても良かったと思う。 アブデラフマンが供の者たちと現れる。 コルプの衣装が・・・。 淡いエメラルドブルーのちょっと見、飯場のスリムな作業着風・・・? 開いたドアから入って来たのがジャンではなくアブデラフマンだった事に一瞬驚くものの、高鳴る胸の鼓動を隠せないようなライモンダ。 満足そうに不敵な笑みを浮かべながら供の者達に踊りを披露させるコルプ@アブデラフマン。 アラブっぽい衣装の女性たちの中でエロティシズム全開で踊りまくるコルプはそんなに見せつけてどーすんだーってくらい妖しかった。 ドン・キのファンダンゴを思わせるエスパーニャっぽい音楽での踊りもとってもかっこよかった。 アブデラフマンと踊っているライモンダの心はすっかりアブデラフマンに魅了され、いつまでもこのまま幸せに二人で踊っていたいというような雰囲気だった。 そこに帰還したジャン。 こんなにやばくて重たい空気のジャンの帰還のシーン、ライモンダがジャンに駆け寄り抱き留められようとしないシーンを初めて見た。 会場の空気まで緊張感漂ってましたからね・・・? ジャンとアブデラフマンの(あまり迫力のない)決闘シーン。 ジャンがアブデラフマンに斬られそうになったその瞬間、白い貴婦人が現れ、魔法でジャンを助ける。 一挙に形勢逆転したジャンがアブデラフマンに致命傷の一撃を与える。 断末魔の苦しみの中、にじり寄るようにライモンダに近づくアブデラフマンの物凄い形相。 迫力! 体を痙攣させながらも必死でライモンダに手を伸ばし、口づけをして息絶えるドラマティックで壮絶な死。 アブデラフマンの亡骸をかかえて従者たちが立ち去った後、ジャンがライモンダに歩み寄り、変わらぬ愛を誓い二人のPDD。 アブデラフマンの死にショックを受け、ジャンの想いを受け入れる事ができず、拒絶しながら踊るライモンダにあくまでも優しく誠実な想いをぶつけて踊るジャン。 切ないPDDでした。 そこへ三度現れた白い貴婦人が白いスカーフをライモンダとジャンに巻きつけるとライモンダの心の中からアブデラフマンは消えてしまい、幸せな恋人同士に戻る二人。 うーーーぬぬぬ・・・。 白い貴婦人、だったら、最初っからライモンダがアブデラフマンに惹かれないような魔法をかけたらどうよ!! ライモンダとジャンの盛大な結婚式。 嬉しそうに踊るドリス伯爵夫人とアンドレ2世。 二人の衣装はもう少し品があってゴージャスな方がよいのでは? 歩く姿がとても美しいリュドミーラ・メーリクでしたが、ちゃんと踊れるのね! この結婚式のシーンはオケの奏でる美しい音楽(ライモンダのヴァリのピアノはちょっと頼りなかったが・・・)と次々に繰り出されるダンスシーンに大満足だった。 男性4人の回転&アントルシャ合戦もとても見応えがあったし、シドルスキーの端正で堂々とした踊りも良かった。 でも、なんといっても圧巻だったのはフィリピエワの踊り。 特にヴァリエーションは、ライモンダという女性が内に持つ情熱的な面をキラキラ輝きながら表現していて素晴らしかった。 祝宴は全員がそろい大団円を迎える。 舞台中央でよりそうライモンダとジャンを祝福しに白い貴婦人が現れ幕。 最後に小さなピンクのボンボンみたいのを散りばめた白いドレスを着て現れた白い貴婦人が主役の前に立って幕だったのが正直ブーイングだったのと、白い貴婦人の在り方自体がなんだかナーなところもありましたが、オーケストラも良かったし、バレエ団の底力を感じたとてもまとまりのある楽しい舞台でした ライモンダ : エレーナ・フィリピエワ ジャン・ド・ブリエンヌ : セルギイ・シドルスキー アブデラフマン : イーゴリ・コルプ 白い貴婦人 : 田北忍のぶ クレメンス : テチヤナ・ロゾワ ヘンリエット : オリガ・キフィヤク ベルナール : 菅野英男 ベランジュ : コンスチャンチン・ポジャルニツキー ドリス伯爵夫人 : リュドミーラ・メーリク アンドレ二世 : オレグ・トカリ ドリス家の執事 : セルギイ・リトヴィネンコ |
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キエフ・バレエ「白鳥の湖」 11月30日の感想
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2007/12/07(Fri)
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オデット/オディール : ナタリヤ・ドムラチョワ
ジークフリート王子 : セルギイ・シドルスキー ロット・バルト : ルスラン・ベンツィアノフ 王妃 : リュドミーラ・メーリニク 家庭教師 : オレグ・トカリ パ・ド・トロワ : オリガ・キフィヤク、ユリヤ・トランダシル、コスチャンチン・ポジャルニツキー 大きな白鳥 : 田北しのぶ、テチヤナ・ロゾワ、 ユリヤ・トランダシル、イリーナ・ボリソワ 小さな白鳥 : ナタリヤ・コストグリズ、オクサーナ・シーラ、ナタリヤ・ソルダテンコ、ユリヤ・シュマク 花嫁候補 : 田北しのぶ、テチヤナ・ロゾワ、ユリヤ・トランダシル、イリーナ・ボリソワ ヴェニスの踊り : コスチャンチン・ポジャルニツキー <1幕1場> 先日のフォーラムでの白鳥と大きく違うのは王子のシドルスキーと、トロワの組み合わせ。 シドルスキーのやや節目がちな目線にナイーブな感じを受けるけれど、所作がエレガントで舞台で歩いている姿も美しい王子だった。 トロワのコスチャンチン・ポジャルニツキーは、手脚の動きは綺麗だし、ふわっとした跳躍も美しかったけれど、ザン・レールはあまり得意ではないようで着地が乱れてしまったのが残念。 ユリヤ・トランダシルは先日の白鳥でも目を惹いていたので期待をしていたのだけれど、この日は調子が今ひとつのようで、少し安定感に欠け、踊りは繊細なのだけれど、なんとなくそのまま儚く消えていってしまいそうだった。 ジゼル向き? 一方のオリガ・キフィヤクは、軸が安定している丁寧な踊りでポール・ド・ブラも綺麗だった。 コール・ドの踊りは小刻みに刻むステップが多いような気がする。 その中でも男性はアントルシャの連発だけれど、足裁きは皆綺麗だった。 友人達も去り、一人になった王子は椅子に座りテーブルに肘をつき指を額にあてて浮かぬ様子。 まるで、ニキヤの存在を知らされ、ソロルの肖像画の側のテーブルにもたれて悩むシェスタコワのガムザッティのようだった・・・(似てたのよ〜)。 <1幕2場> ロットバルトのルスラン・ベンツィアノフは今日もよく飛んでいた。 王子の後ろに不気味に纏わりつく演出はやはり面白い。 ドムラチョワのオデット。 腕を波打たせパ・ド・ブレで横に進むオーソドックスな出。 弓を持った王子の存在に気づき怯えるオデット。 ここでシドルスキーが弓を静かに置く仕草がなんとも優しげで、オデットを驚かしてしまった事を丁寧に詫びていて、妙に後々まで印象に残ったシーンだった。 ドムラチョワは脚が強そうなダンサーで、アラベスクなどのポーズでぐらつく事が全くなく終始安心して見ていられた。 シドルスキーも丁寧に、そつなく踊ってはいたのだけれど、やや雑でたおやかさに欠けていたオデットとただ穏やかで優しげなジークフリートからは特に心に響いてくるようなものが無かったのは少し残念だった。 多分、ドムラチョワが組みなれているパートナーは怪我をしてしまったイシュクだと思うのでその辺も影響したのかもしれない。 大きな4羽の白鳥は、田北さんとトランダシルの腕の動きが特に美しかった。 小さな4羽の白鳥はこの日も見事! フォーラムと同じメンバーだけれど、ひょっとして・・・、ツアー中、不動の4人?? 最後の方でコール・ドがみなトゥで立って長いこと右手を前に上げてピタッと静止していたのは見事だった。 <2幕> 花嫁候補の踊りはみな一様に上手くて感心しきり。 テチヤナ・ロゾワの王子への自信満々のアピールと、誰も選ばれなかった後に一人だけ恨みがましい目で王子を見ていたのがツボにはまる(笑)。 舞踏会シーンは舞台上のダンサーの数が少なくて閑散とした雰囲気なのだけれど、花嫁候補の踊りが終わってディベルティスマンが始まった時、今日はちょっと楽しみを発見してしまった(笑) 舞台奥左右に一つずつ長椅子が置かれ、正装した男女のカップルが一組ずつ座っている。 上手側のカップルは寄り添って座り時々笑顔で言葉を交わしている。(多分私語なんだろうけど、客席まで聞こえてくるわけではないし、とりあえず私は全く気にしないのですが) ところが下手側のカップルは、踊りを見るわけでもなく定まらない視線でボォ〜〜っとしている男性の隣に少し距離を開けて座った女性が無表情で踊りを見ている。 なんかねー、この二組の対比がわけもなく面白かった(笑) ディベルティスマンの踊りを終えたダンサーたちが、どんどん舞踏会の客として加わっていっても基本的に彼らは変わらず! ディベルティスマンではチャルダッシュを踊った男性ダンサーの踊りが冴えていた。 彼は1幕でもアントルシャのジャンプが高く脚捌きも綺麗だったので、コール・ドの中でも目立っていた。 トロワのコスチャンチン・ポジャルニツキーがヴェニスの踊りでも活躍。 オディールと王子のGPDD. ドムラチョワは小柄な体を大きく使い伸び伸びと踊っていた。 オディールのヴァリやトリプルを混ぜた高速32回転などでは技巧の高さを感じたけれど、フェッテの軸が傾いているようであまり綺麗に見えなかった。 でも綺麗に回れるだけの技術は十分持っていると思う。 演技的にはかなり勝気で自己満足タイプのオディ−ルだった。 片側の口元だけニヤッと笑っているのは恐いわ〜(笑) シドルスキーの丁寧なサポートとエレガントな踊りには好感が持てる。 ジャンプの着地はいつも脚がそろっていて綺麗。 ただ、ジュテやアントルラッセなど、もう少しエネルギッシュでもいい感じがする。 彼の踊りから高揚する気持ちというようなものはあまり伝わってこなかった。 王子を見事に騙した後、オディールは王子を指差しながら「アッハハー!!!」という感じでご満悦で去って行った。 これもこれでフィリピエワに負けず劣らず凄い・・・。 <3幕> やっぱりオデットが戻ってきた時のみんなで手首ひらひらは好きでないなー。 オデット、帰ってきた時は少し元気良すぎだったのだけれど、心から許しを乞う王子の気持ちに心安らいでからはしっとりとした情感が出てきたと思う。 王子も穏やかさの中に今度こそオデットを守るという強さが感じられた。 よく黒いチュチュのダンサーは子白鳥と言われるけれど、コフトゥン版では、舞台中央で寄り添うオデットとジークフリートを、3羽ずつ上手と下手に別れた黒鳥が2人を守るのではなく、ロットバルトのために逃げ出さないように囲っていたように見えたので(白鳥はこの時舞台上にいない)、この版ではロットバルトの手下のようにも思える。 オデットを助けたい一心で王子はロットバルトに立ち向かい、羽をもぎ取り悪魔を倒す。 今、世界中のバレエ団でどれだけのバージョンの白鳥の湖が上演されていて、ハッピーエンドと悲劇バージョンとどちらが多いのかな? ふとそんな事を考えました。 最近は悲劇バージョンの方が二人を想いながら自分だけの余韻に浸れて好きだな・・・。 そしてもうすぐその好きな悲劇バージョンがやって来る・・・。 |
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キエフ・バレエ「白鳥の湖」 11月24日の感想
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2007/12/03(Mon)
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<1幕1場>
コール・ドの衣装は白とブルーを基調にした爽やかな衣装。 女性は皆可愛らしく、男性は長身&美脚ダンサーばかりで溜息もの。 負けてるぞ! マールイ(笑) ワレーリー・コフトゥン版には道化は出て来ない。 すぐに踊りはしなかったけれどトロワの登場が早かったです。 トロワの登場ってその前の音楽が終わるとコール・ドの後ろにいつの間にか3人が恭しく控えているっていう版が好きだったりする。 コルプ@ジークフリート王子登場。 気になっていたのは髪型だったんだけど、ふつーでした(笑) ま、客演ですしね。 とても若々しく屈託のない表情の王子だったのにも意表を突かれる。 ここの白鳥は1幕から王子の踊るシーンが多いので、コルプのしなやかでエレガントな踊りをたっぷり堪能できました。 彼の跳躍の高さ、背中の柔らかさ、床に吸い付くような着地はネコ科の動物の動きを思わせる。 瞳も獲物を狙うように妖しく光っているし! トロワを踊ったセルギイ・シドルスキーは劇場ではほとんどの主役を踊っている長身のダンサー。 上品な動きに余裕があるのでポーズが美しく、着地の足も綺麗に決まっていた。 ただ、少し小さく纏まっていた感じがします。 女性二人もそれぞれに良かったと思いますが、ブルーの衣装のテチヤナ・ロゾワの音に合った踊りとポール・ド・ブラの美しさ、細く長く真っ直ぐな脚で抜群のプロポーションが印象に残りました。 トロワの踊りの最後には王子も加わり華やかさが一層増したコーダだったと思います。 祝宴に来ていた人たちが皆去って、一人で椅子にもたれグラスにつがれたお酒を飲み干す王子。 コルプ、妖艶すぎ! 祝宴のさなかでも、ふとメランコリックな表情を浮かべる王子は多いけれど、コルプのジークフリートは一人になるまではそういう心情をほとんど見せていなかったので、臣民の前では明るく立ち振る舞いながらも、彼の背負っているものに対する悩みは深いのだと改めて感じさせられた気がする。 <1幕2場> ロットバルトのルスラン・ベンツィアノフは比較的小柄なダンサーなので、マールイのマラトを見慣れた目には少々物足りない気もするけれど、バネがあって直線的でシャープな踊りをするダンサーだった。 ジークフリートの背後に潜み、王子に同じような振りをさせることによって王子すら彼の魔力で翻弄できるのだと匂わしている演出がなかなか良かった。 白鳥の気配にジークフリートは弓をひこうとする・・・。 そういえば、湖に戻ってくる白鳥たちの演出がなかったような・・・? でも、オマルの白鳥よりはない方がいいかも。 フィリピエワ@オデットの登場は、あまり白鳥を意識させないあっさりとしたものだった。 彼女はザハロワのような造形美に溜息をつくようなダンサーではないけれど、丁寧な踊りに情感が込められていた。 出だしは地味で硬い印象があったのだけれど、グラン・アダージョの途中あたりから、心と体の動きが一つになり白鳥の女王らしい気品の中にしっとりとした静かな情熱が感じられた。 コルプのジークフリートの醸し出す色気がフィリピエワのオデットの雰囲気とうまく溶け合っていたと思う。 広いフォーラムAのステージにコール・ドが18人体制と少なかったのは残念だったけれど、足音がほとんどしない見事な18人だった。 ただ、振り付けにやや鬱陶しい面があり、もう少し静かな方がいいと思ったところがあった。 小さな4羽の白鳥は4人の動きが揃っていて見事。 大きな4羽も皆良かったけれど、少々腿のあたりが太目ながらイリーナ・ボリソワの静止したポーズがとても綺麗だった。 夜明けが近づき別れの迫る二人は、切ないながらもしっとりと大人な雰囲気で叙情的。 背中を向け白鳥へと姿を変え、袖へと消えて行くフィリピエワの腕の動きが非常に素晴らしく、細かく動かされた両腕の動きはまるで湖の水面に次から次へとさざなみが立つようだった。 <2幕> 王子と王妃が登場し、舞踏会が始まる。 前回の記憶がほとんどなかったので花嫁候補がチュチュなのにびっくり。 テチヤナ・ロゾワのチュチュ姿がまた美しい。 ここで初登場のユリヤ・トランダシルはさらにか細く長身のバレリーナ。 王子が誰も選ばず、王妃に叱責されているところへオディールとロットバルト登場。 続くスペインの踊りの上手側の男性。 なんとなくジョシュ・ハートネットに似ているけれど、一幕では髪を後ろで束ねてなかったっけ? 別人?? などと思っている間に終了・・・。 ヴェニスの踊りは男性一人に3,4人(失念)の女性がバック。 菅野さんは跳躍力に加え、回転も得意なようで、最後のグランド・ピルエットではほとんど軸もぶれず見事な回転を見せてくれた。 キエフ版に道化がいたら、まちがいなく踊りそうなダンサー。 舞踏会のシーン、たいていはロットバルトが王妃の横に不敵な笑みを浮かべて座り、会話など交わしているのだけれど、キエフ版は王妃はずっとひとりぽっちで所在無さ気・・・。 パ・ド・シスの中の音楽でロットバルトのソロ。 飛びまくり、回りまくりで、テクニックの見せ場てんこ盛りだったが、気ぜわしい感もあった。 この振りだと長身のダンサーにはきついかも。 オディールと王子のGPDDはとにかく素晴らしかった。 コルプ演じるジークフリートにも全く動じる事無く余裕でしたたかに誘惑するフィリピエワのオディール。 彼女、以前よりも綺麗になったように思いました。 コルプはここでも伸びやかな踊りがひたすら美しい。 フィリピエワのグラン・フェッテはダブルを織り交ぜながら、高速で軸もぶれずに音楽をかなり残して終わってしまいました。 最後に別の振りを入れるほど余裕のあるグラン・フェッテは初めて見たように思います。 ジークフリートの愛の宣誓を目で促すように見つめるオディール。 王子が高々と誓いの手を上げると、してやったりと高笑いしたあげく、傷ついた王子をさらになぶるような仕草をして去って行くオディール。 凄かったです・・・フィリピエワ・・・。 <3幕> 2羽の白鳥の一人の田北さんの安定した踊りが良かったです。 戻ってくるオデットを迎えるコール・ドたちが手首をヒラヒラさせていたのがやけに印象に残っているが、好みでない。 オデットの後を追い、湖にやって来た王子はオデットをみつけると自分の過ちを詫びる。 オデットは深く傷ついているのだけれど、すでにそこには許しと慈愛があったように思う。 2人の演技の波長も合っていて、お互いを求め合う苦しく一途な気持ちがよく伝わってきた。 ロットバルトとの戦いで、マリインスキーのように王子がオデットをリフトしたままロットバルトに向かって進むシーンがあるのだけれど、コルプの足腰の強さと盤石なリフトに感心しました。 一度は倒れた王子が起き上がり、持てる力を振り絞ってロットバルトに挑みかかりついに羽をもぎ取り勝利する。 悪魔の支配から解放された事が信じられないというような表情を見せながらも喜びに溢れたオデットが王子にかけよりハッピーエンド。 ゲストのコルプとバレエ団の中で別格の存在であるフィリピエワのコンビネーションがとても良く、脇も実力あるダンサー達で固めた良い舞台でした。 ちょっとした突込みですが、ラストシーン、王子とロットバルトの死闘の最中にオデットが舞台の奥を上手の袖に消えていくのは、オデット逃げる?みたいで、ちょっと?でした(笑)。 その後王子がロットバルトを倒した後に上手手前から出てくるだもの・・・。 キャストはこちら。 |
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東京バレエ団「真夏の夜の夢」 10月25日マチネの感想
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2007/11/07(Wed)
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10月25日に観てからだいぶ時間がたってしまってから書いた感想であり、公演時にメモも取っていなかったのでもしかしたら激しく記憶違いの事もあるかもしれません。 どうかお許しを。
キャストはこちら。 「バレエ・インペリアル」 幕が上がるまでの前奏曲・・・、夢の世界への誘いのひとときのはずなんだけど、ピアノの音が・・・・。 鍵盤の上をあっちに引っ掛かりこっちに引っ掛かり忙しなく移動しているというかなり残念なものだった。 幕が開き、金色の紗幕ごしに見える明るい舞台にポーズを撮っているダンサーたちの並びがとても美しい。 ソリストの奈良さんは、もうどんな役でも大丈夫なくらいばっちりお顔は覚えました(笑) 目力の強い華やかな感じのバレリーナです。 曲に乗って流れるような動きがたまに途切れてしまったようなところもあったけれど、常に笑顔で溌剌と踊っていてとても気持ちが良かった。 真ん中を踊るだけの華と貫禄も出てきたように思います。 続いて登場した上野さんはなんとなくどんよりとした感じで主役の輝きがなかった。 ただ振りをこなしているだけで体が歌っていないのが何よりも残念だったし、指先までの心配りが感じられない柔らかみのない腕の動かし方ばかり気になってしまった。 早いうちに気づいたのだけれど、左膝のお皿の周りと右の内腿にテーピングをしていた事から察して状態が悪かったのかもしれない。 高岸さんは、舞台の空気に紛れるようにしっとりと落ち着いた様子で登場し、詩情豊かに語りかけてきた。 上野さんも頑張って答えていたとは思うけれど、なんだか音楽からも周りからも浮いちゃってるのよね・・・。 それでも彼女のフェッテなどの技術系は得に悪いとは思いませんでしたが。 高岸さんの最後のアントルシャは、ジャンプも高くスムースでした。 ゲスト公演でもない平日マチネのキャスティングなので、割り引いて見なくてはいけないのだろうけど、男性ダンサーたちの多くが小柄だったのがビジュアル的に痛かった・・・。 ソリストの一人の髪型(ざんばら髪とは言わないが・・)も衣装や作品の雰囲気に合わず、ちょっと興醒め。全体的な出来としても、う〜〜〜んという感じでバランシンを見たという気持ちにはなりませんでした。 「真夏の夜の夢」 まず何が素晴らしいって舞台美術です。 ロイヤルご本家のセットですから、湿っぽさを感じさせる奥深い森林の夜そのもの!! メンデルスゾーンの、細かいバイオリンの旋律が妖精たちの登場とこれから何かちょっとした騒動が始まりそうという雰囲気にぴったり合っていた。 妖精たちは名前のついた4人の衣装が色違い。 他の妖精たちの衣装もスカートが適度にふわふわっとしていて幻想的で綺麗です。 コール・ドの踊りは揃っていて良かったけれどポワントの音は物凄いものがありましたねー。 オベロンの後藤さん、長身で逞しいので衣装負けしていないし、緑のアイラインを効かせたメイクもよく似合って舞台栄えしますね。 小出さんのタイターニアは縦ロールが似合ってとっても愛らしい。 彼女的にはツンとしてちょっと居丈高な雰囲気も出しているんだけど、でも可愛い! 女王然としたオーラが少なめの、妖精の女王になりたてって感じですかね? 2人が取り合いしている男の子は、オベロンとタイターニアの間でどうしたらいいか分からないと言うよりは、舞台の上で何が何だか分からなくてプチ放心状態みたいな感じで、気の毒にも思ったけれど、とても可愛かったです。 バックの松下さんは身軽そうでよく飛んでました。 後藤@オベロンに従順なやんちゃな妖精。 ちょっと白鳥の道化の雰囲気も入っていたので、もう少し小悪魔的な表情があったら良かったと思いますが楽しそうに踊っていて良かったです。 合唱が入るタイターニアの最初のソロ、2回転しながら斜めにすすむ繰り返しも、小出さんの踊りは安定していたし、腕や脚の動きは、空気と戯れているように軽やかでした。 オベロンの踊りもピルエットをしてそのままアラベスクという連続技でとても難しそう。 ハーミアとライサンダー、ヘレナとデミトリアスの恋人達も、踊りにお芝居に検討していたと思いますが、ヘレナの田中さんはもう一皮剥けて役になりきってもらいたかった気もします。 デミトリアスの野辺さんはもうちょっと踊りが綺麗に見えるといいな・・・と。 ハーミアの西村さんは深いオレンジの衣装が、派手な顔立ちによくお似合いで踊りもお芝居もとても良かったです。 舞台栄えという点ではナンバーワンかもしれないですね。 妖精たちがいったん寝静まった後にやってきた村人たちの踊りもテンポよく軽快で、輪になって踊っている時に一人が空中に投げられるというシーンも上手く決まってました。 バックの魔法によってロバのボトムに変えられてしまった村人役の氷室さん、ポワントでのロバ歩きはちょっとテンポが落ちて慎重になりすぎてましたが、幽霊ポーズ?のように両手首を曲げてのリズミカルなロバステップや、背中を木にこすり付けたりして笑いを取るところはきちんと取っていて感心。 あのロバの下あごは固定されていないのね。 ダンサーが動くたびにフガフガ動いていて可愛かったしとても効果的。 タイターニアとボトムの踊りも楽しかったです。 小出ちゃんがロバを相手に可愛らしい色気を振りまいていましたね(笑) 2組の恋人たちにもう一度魔法をかけてきちんと元のさやに収めた後のオベロンの踊りは、複雑なステップやジャンプの連続で非常に高度な技術を要求されると思います。 後藤さんもスムースな動きを見せていましたが、もう少しスピード感とシャープさが欲しかったです。 でも、本当に難しそう! バックの松下さんはここでのピルエットは速くて軸もぶれずに上手かったですし、最後まで軽やかに楽しそうに踊っていたのには好感が持てました。 魔法が切れて正気に戻ったタイターニアとオベロンは男の子を巡る夫婦喧嘩に仲直り。 直後に流れる結婚行進曲。 あまりにも一人歩きしているこの曲ってもともとはこの「真夏の夜の夢」の中の曲なんですよね。 喜びと晴れやかさ溢れる良い曲だと改めて感じました。 終盤のタイターニアとオベロンのPDD。 小出ちゃんはごとやんのサポートを受けて安心しきって物語の中にすっかり入り込んでしまったように伸びやかに自然に踊っていました。 このPDDでのタイターニアの腕の振付は上手く表現できないけれどかなり独特ですね。 2人手をつないだままアラベスクをしたり、体の向きをいろいろ変えたりととても難しそうな振付が多かったですが、息もぴったりな2人の踊りを見ているだけでとても幸せな気持ちになれました。 欲を言えば・・・、もう少し2人の動きがこなれて柔らかさが増したら、全体的にメリハリが効いてもっと良くなるのではないかと思います。 下手奥の彼らの寝室に戻って眠りにつくラストシーン、オベロンが、がしっとタイターニアを抱きしめるのが良く見えました(笑)。 あれはオベロンだったのか素の後藤さんだったのか! いや〜、いいなぁー、本当に楽しかったなぁ〜〜♪ということで、近いうちに是非!再演していただきたいです。 いろいろなキャストで見てみたいし! ただ、一度ロイヤルのセットを見てしまった以上は次も絶対にロイヤルのセットでお願いしますね!(笑) そしてタイアップで持ってくる作品は「インペリアル」以外でお願いしたいものです。 東バファンの人たちのようにそれほど東バの舞台を見ているわけではありませんが、小出さんに限っては「眠り」「田園」「ドン・キ」「真夏」とデビュー公演を見ているのです。 もちろん「眠り」で惹かれるものがあったから他の演目も見ているわけですが、彼女は私にとって第2の都さん的存在になりそうです♪ |
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「ニジンスキー・プロ」 9月12日の感想
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2007/09/15(Sat)
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レ・シルフィード
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:フレデリック・ショパン プレリュード:小出領子 詩人:木村和夫 ワルツ:西村真由美 マズルカ:奈良春夏 コリフェ:乾友子-田中結子 前奏のスピードがやけ〜に遅く単調で、いきなり眠気に襲われ・・・。 ソトニコフ氏、入り方が緩めな事はいつもだけど、この演目は終始遅すぎ。 照明がかなり明るい。 月光の元なんだから、もっと落ちた青白い照明の方がいいですね。 遅すぎる音楽でダンサーが踊りにくそうだったのと明るすぎる照明のせいで幻想的という雰囲気にはほど遠かったのが残念。 青白い光の中で白いチュチュが残像を残しながらふわふわ揺れるっていうのが好きなんです。 木村さんの踊り、もう少し伸びやかだったら良かったとは思いましたがすごく丁寧でした。 小出ちゃんは音に良く乗って浮遊感も見事だったのだけれど、そのわりには動きが少し硬いようにも感じた。 木村さんと小出ちゃんという組み合わせを初めてみたのだけれど、一箇所リフトにミスがあったからというわけではなく、なんだか微妙な呼吸だな・・・。 見せ場であるワルツであまりうっとりとはさせてもらえなかった。 あとは、全体的に細かいパ・ド・ブレの美しさが少し足りなかったような気がしました。 薔薇の精 振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カール・マリア・フォン・ウェーバー (編曲:L.H.ベルリオーズ) 薔薇:マチアス・エイマン 少女:吉岡美佳 なんだか立派なセットだ。 上手下手の両窓(白いカーテン付き)に舞台奥には長いす。 他にも数脚壁に寄せてあり、薔薇の花台は下手奥。そして少女が座る通常の椅子。 ガウンを纏った少女が舞踏会から戻り、心持ち興奮冷めやらぬ様子で長いすにもたれる。 何か妖しい気配を演出するが如く微風にカーテンが揺れている。 その気配を感じてか?少女は立ち上がりあたりを伺うがそのまま上手手前の椅子まで進み出て胸元から出した小さな薔薇の花の匂いに誘われまどろみ始める。 いやー、薔薇の花がちっちゃくて良かったナー(合同ガラの薔薇がティッシュで作るようなデカイ薔薇だったの・・・・)、でも脱いだガウンがいかにも脱ぎっぱなしという感じのだらしなさで最初だけ気になった。 マノンの寝室とかなら気にならないが・・・(笑)。 マチアスの薔薇の精登場! ただ、窓枠のところで少し踊っていて、いきなり窓から飛び込んで来ないんですよ・・。 ここは音楽と共に華麗に一気に視界に飛び込んで来て欲しいんだけどな(笑) マチアスの衣装には小さな薔薇の花や蔓が刺繍されていてとっても素敵でした。 薔薇の精ってこんなにシェネでぐるぐる回ったっけ?と思うほどの高速のシェネが彼らしい。 跳躍も大きく高かったですが、2回転しての着地が若干不安定だったかな? 空中での姿勢は綺麗だったと思いますが。 くっきりはっきり力強いポール・ド・ブラや上体の動き、特に首、は、ペテルブルグ派とは全く違うものだったけれど、それは流派の違いという事で納得。 両性具有的な雰囲気や匂い立つような色気はなく、もうちょっと体の動きに柔らかさがあれば良かったと思うけれど、やんちゃで爽やかな風の精(シルフとは違いますが・・・)という感じで好印象でした。 まだ若いんだものね。 どんなダンサーに成長していくのか楽しみです。 美佳さんは・・・。 あの被り物って微妙なんだよな・・・。 残念ながら彼女の踊りがあまり良くなかったように思います。 ソロの時は姿勢が悪いような気がしたし、エイマンと踊るところでは、彼のスピードについていけなかったのか(彼が速すぎるのか?)乱暴な感じを受けました。 後半は良くなったと思いましたけど。 まー、しかし、いつまでコルプのルジすべでの薔薇が脳内占領し続けるのかなぁ??? ずっと居てくれていいけどね! 牧神の午後 振付:ワツラフ・ニジンスキー/音楽:クロード・ドビュッシー 牧神:シャルル・ジュド ニンフ:井脇幸江 ルーブル美術館のギリシャの壷に描かれた神話の登場人物の絵からインスピレーションを得たといわれているこの作品を観るのは3回目です。 初回はプリセツカヤとラトマンスキー、2回目はプリセツカヤとジュドで見ています。 ニンフ=マイヤ様なので今日の井脇さんがどう映るのだろうと期待と不安がありました。 いきなりジュドの牧神の存在感に圧倒される。 笛を吹いて葡萄をばくっと齧りつくところから、もうなんだか引き込まれてしまった。 ジュドは50代半ばを過ぎた頃らしいけれど、無駄のない筋肉のスリムなボディラインに驚嘆。 半身半獣の牧神は時に野獣としてのおどろおどろしさや性的な面も垣間見せるのだけれど、決して下品にはならないところが流石。 水浴にやって来たニンフたちの事は品定めするような好奇心あふれた厭らしい目つきで見ているのに、井脇さんのニンフが現れるとキッとした表情で彼女に視線を止める。 井脇さんのニンフは、あのカツラのせいかいつもより少女っぽく見えてしまうけれど、彼女の目力は健在。 牧神と交わす視線の強さは素晴らしかったです。 独特のすり歩きというのか?その辺はもう少しといったところ、ジュドとの初日という事で緊張も半端ではなかったと思うので2日目以降はもっと良くなっていくと思います。 ニンフたちの衣装とと井脇さんのスカーフに描かれていた模様がなんとな〜く変なんですが・・・。 マイヤ様は白っぽい無地だったように記憶しているんだけどな・・・。 ニンフが落として行ったのを牧神が拾い上げて残り香を愛しみ、エロティックでもあり気高い雰囲気(ジュド様だからですが・・)さえ漂わせるラストシーンに合わないなーなんて事思っていたのは私だけか・・・。 ペトルーシュカ 振付:ミハイル・フォーキン/音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー ペトルーシュカ:ローラン・イレール バレリーナ:長谷川智佳子 ムーア人:平野玲 シャルラタン:高岸直樹 生の舞台でも映像でも今まで見た事がなく、所見でした。 謝肉祭を祝う人々でごったがえす広場。 民衆役の人はキャストが載っていなかったのでどれが誰だかほとんど分からなかったけれど、気がついたら高村さんが弾けながらフェッテを回っていたり、奈良さんの踊り子が色っぽく闊歩していたり、古川さんが酔っ払って踊っていたり、コサックダンスなどなど、舞台が狭いのが功を奏したのか群集が喜び合い、羽目を外して楽しんでいる様子がとても良く出ていたような気がする。 ぺトルーシュカのイレールは、白塗りだけれど眉と目元が強調されているくらいで、本人の顔立ちが分かるくらいのお化粧でした。 約一ヶ月前に「さすらう若者の歌」で見たときには動きに若干しんどそうな感じも受けたのだけれど、この日はそんな感じは微塵もなかった。 人形なのに人間の心を吹き込まれてバレリーナに恋してしまった、人形なのか人間なのかどちらつかずのぺトルーシュカの辛さや苦しさを脚の動き、身もだえなど全身で訴えてくるイレールの表現は本当に素晴らしかった。 ただうつむいているだけ、ただ肩を落とすだけで言い知れぬ哀切が伝わってくるのは、年齢と経験を重ねた才能あるダンサーのみにできることなのだろうと思った。 ムーア人の平野さん、強くて大きいムーア人という設定からは外れるけれど、足音をバタバタドタドタ響かせながら大きなジェスチャーで動き回っている姿はなかなか。 バレリーナの長谷川さんは上半身や腕の動きが人形らしくてご本人の可愛らしい雰囲気とあいまってとても良かったと思う。 人々の目の前でムーア人に殺されてしまった挙句、シャルラタンにはおがくずが詰まった人形が壊れただけと片付けられてしまったぺトルーシュカ。 シャルラタンを残し人々が去ってしまった広場に亡霊となって姿を現し、無念さと恨みを込めた声にならない悲痛な叫びをシャルラタンに浴びせながら力尽きていく姿が哀れでかわいそうだった。 シャルラタン役の高岸さんの演技も素晴らしかった事を添えなくては。 |
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ゲストレポ! 合同ガラBプロ 9月2日
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2007/09/06(Thu)
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うみーしゃさんから、9月2日の合同ガラBプロの素晴らしいレポを頂きましたのでご紹介します。
この日は私は見られなかったので嬉しいわ! どうもありがとうございま〜す♪ バレエを愛するゆえ、バレエを習っている方ならではの視点、隠し切れないマールイへの愛♪など、読み応えたっぷりです! ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 9月2日(日)マリィンスキー・バレエ&ボリショイ・バレエ 世紀の合同ガラ公演・Bプログラム最終日ペテびいきにもかかわらず、ロパートキナ以外は、ボリショイに軍配。調整も、衣装も、きらきら感も・・・。 でも全体としてとても良かった。このような企画を実現してくれて、みんな来てくれてありがとう。ってことです。 あと、3F左寄りの座席だったので、斜めに見下ろす角度。美しい脚のラインを堪能できなかったのが残念!値段と相談だけど、やはり後ろの席はストレスがたまるわ・・・。 今回、すばらしい人とあきれる人に分かれてしまったのだが、ロシア・バレエが日本の観衆をなめていたとか、バカンス明けで直行したとかではなく、大舞台に緊張していたのだと思いたい・・・。願望です。ハイ。 “アレルキナーダ” 振付:プティパ 音楽:ドリゴ ★エフゲーニヤ・オブラスツォーワ/アントン・コールサコフ 女性の方はロパートキナの白鳥のDVDで4羽の白鳥の一人とな。小柄でかわいらしい彼女には合っていると思いますが、この演目を持ってきた意図は?ペテルブルグらしさを出そうとしたのかしら・・・?余裕のあるアントン・コールサコフに比べ、緊張がひしひしと伝わってきて、なんだか応援モードになってしまう。マールイなら点も甘甘になるけれど(←オイ)、今回のガラはコンセプトが違う。「これがペテルブルグのバレエだ」ってことを魅せてもらえなければ満足できないのよ。音楽も振りも楽しい演目だが心配しながら見ていてあまり楽しめなかったわ・・・。エフセーエワとシャドルーヒン(またはフィリモーノフとか))の方が魅せてくれると思う。 “病めるばら”:振付:ローラン・プティ 音楽:グスタフ・マーラー ★ウリヤーナ・ロパートキナ、イワン・コズロフ 「うっとり。」 やられてしまいました。湖の底を思わせるようなゆらゆらとした暗めの光が動く照明の中、男女が浮かびあがる。 超〜スローなアダージョ。これは、眠りの深渕をあらわしていたのかな?イメージですが。彼女じゃなかったらただ冗長なだけの難解な作品になっていたかもしれない。彼女が出てくると会場の緊張が高まり、しかし気温が5度くらい下がる気がする。これがバレエなんだなぁ・・・。 踊りの一つ一つから想いが聞こえ、音符が読み取れる。マーラーの音楽を存分に詠っていた。フランス語の語りは必要か?音が割れていて聞き苦しいような・・・。日本人には意味わかんないしね。プログラムがないので、どういうコンセプトの作品なのかはわからないけれど、私が白紙で見たところでは「記憶の底にある一番楽しかったけれど別れてしまった愛の思い出と後悔を夢の中で回顧したような感じ」・・・うまく言えないな。 最後の方は段々うるうるきてしまった。終わったあとは放心状態。近所の座席で鼻すする音が聞こえたから、泣いていたのは私だけじゃないはず。キナ、本当にありがとう。アナタを見られたことは今年一番の幸運だわ。。 キナに注視しておりましたが、彼女を支えるイワン・コズロフはまぁたくましくて、キナの頭ひとつ分大きくて、がっしりした身体付の割に動きのラインがキレイ。この作品のようにゆっくりした動きだと、優雅に見せるにはコントロールが相当大変だと思うのですが。2人で作品を踊りこんで来たということが伝わってきました。夏休みはあったのかなー??しっかし・・・スローな動きだった。この作品をガラで、この競演の場で選択するのも勇気があると思うけど。バレエはやっぱり奥が深くて、とても難しいものですね。技術はもちろん古典を充分踊り込み、精神を鍛錬し感性を研ぎ澄まし、バレエへの解釈と愛と身体のコントロールをバランスよく結びつけた、ほんの一握りのダンサーが到達しうる世界なのかも。これで今日終わりでもいいや、と思ってしまったほどでした。 “眠りの森の美女”より3幕のパ・ドゥ・ドゥ 振付:プティパ 改訂:セルゲーエフ 音楽:チャイコフスキー ★アリーナ・ソーモワ/アンドリアン・ファジェーエフ キナの後にこれ、分が悪いです。深い深い作品を見たあとだけに、2人が子供のように見えてしまった。すまん。アンドリューシャ、昔はファンだったけど、アナタは悪くないの。私が変わってしまったの。ソーモワは美貌と長い手足に恵まれたダンサーですが、まだまだ雑。あと、髪を染めてるの??金髪なのに生え際が妙に黒々していて、それが少し美しさを損なってしまった。 首をそらす角度も気になるし、手足のコントロールが大雑把。ファジェーエフも暴走するソーモワを支えるので手一杯。この踊りに関しては、昨年「バレエの女神」のペレン・ファジェのが良かったよ! “ジゼル” 第2幕のパ・ドゥ・ドゥ 振付:ペロー,コラーリ,プティパ 音楽:アダン ★オレシア・ノーヴィコワ/ウラジーミル・シクリャローフ ノーヴィコワの黒髪にはなんだか安心(?)します。振り返ったとき、彼女の黒い瞳がきらきらしていてとても印象強かった。目線って大事ですね。シクリャローフ君は若手の割によく表情をつけて踊っていたと思います。一度ジャンプの着地でぐらつきがありましたがその他は形もキレイに丁寧に決めていました。写真で見ると、若いながらも目に色気があるんですよね。これは役をつける上でお得です。ノーヴィコワ相手だとちょっと華奢すぎる感もありましたが。将来、サラファーノフと両雄になるか。サポートはまぁ、この日はまぁよかったです。はい。 “イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド”よりアダージョ振付:フォーサイス 音楽:ウィムレス ★イリーナ・ゴールプ イーゴリ・コールプ 衣装と音楽で気がついたんですが、これってギエムが昔よく踊っていたやつでしたっけ。ソロはよく見ますが男女2人の場面初です。ところで、コルプが髪をド金髪に!ヒデかと思った(笑)元からこの色でしたっけ?彼は存在感が強いですね!立っているだけでオーラが放たれている・・・。イリーナ・ゴールプもよく踊っていましたが、ギエムの印象が強すぎてすみません。しかし、恐ろしくスタイルの良い2人でしたわ。 “タリスマン” 振付:プティパ 音楽:ドリゴ ★エカテリーナ・オスモールキナ ミハイル・ロブーヒン オスモールキナはロパートキナのDVDではパ・ド・トロワに登場しています。ただ振付通り回るのではなく、彼女のこれが見たい!という売りがほしいところ。ロブーヒンにはノーコメント。プハチョフの方がよかった。普段あまりチェックしないが衣装はお粗末だった。今回アタクシ随分辛口ですわ。愛ゆえですよ。 “瀕死の白鳥” 振付:フォーキン 音楽:サン・サーンス ★ウリヤーナ・ロパートキナ これを日本で見られるなんて、1日2曲も踊っていただけるなんて。彼女の、「ペテルブルグの伝統を伝えなければ」という気迫が感じられました。始まる前から会場の空気が一変。これまた夜の湖を思わせるような照明の中、白鳥の「あ・痛いのかな?つらいのかな?でも頑張るのかな?」という様子というか、瀕死の彼女の声にならない声が腕から背中から聞こえてきました。やっぱり上手く言えないな・・・。キナの踊りからは、なんとなくペテルブルグの冬の寒さとか、寂しさが感じられるのよね。 “海賊”第2幕のパ・ド・ドゥ ★ヴィクトリア・テリョーシキナ レオニード・サラファーノフ 真ん中慣れしているというか、技術の安定があるからか、安心して見ていられたカップル。サラファーノフには踊る喜びみたいなきらきら感があるし、テリョーシキナもトリにふさわしい貫禄。今後が楽しみナリ。でもリョーナ(サラファーノフ)のジャンプは、未完成ながらもやっちゃえっていう勢いがあって時々はらはらしますので、踏み込みと着地かな?頑張れ!ヴィクトリアのフェッテは、拍手が起こらないのに心配してか、真ん中で突然ドゥブルが入ったりしました(笑) 回転系で喝采するような観客層ではないのでね。この日はね。 どちらかというとペテ好みのアタクシですが、本日ロパートキナとトリの海賊以外は厳重注意ですな。キナやヴィシがいなくなったらマリィンスキーどうなっちゃうんだろう。若手の育成は大丈夫か?という、厳しい前半を終えての後半です。オブラスツォーワ、ソーモワ、オスモールキナの3人娘はこの経験を是非大事に生かしてほしい。そして偉大な先輩方をよく見るように。会場の拍手喝采にはいろんな意味があるからね。対してボリショイ側は、明らかに今回の成績が(世界選手権じゃないって)来年の日本公演に影響することを考えている気合の入れようでした。 “ばらの精” 振付:フォーキン 音楽:ウェーバー ★ニーナ・カプツォーワ/イワン・ワシーリエフ やっぱいいなぁ。イスと花瓶だけってすごく寂しいけど。こちらのニーナには思い入れがあります。99年ボリショイの日本公演がTV放映されたとき、ドンキのキューピッドでした。まだバレエを見始めて浅かったけど、この人の音楽的な動きにほれ込んだ覚えがあります。あれから何年もたつのに、相変わらず愛らしくかわいらしく、暖かみのあるラインと表情、柔らかい動きです。衣装もいいなぁ。人によっては重たく見えてしまうかもしれないが、彼女が着ると軽やかだわ♪ ドンキは絶対いくわよー。キューピッド・アゲイン・プリーズ! ワシーリエフって逞しいな。 この演目が彼向けかどうかはおいといて・・・ですけどね。あちこちさまよった結果、Aプロのコルプ様で見たかったとちょっと後悔。 でもボリショイの男性皆様胸板厚くてステキです。(最近好みが変わったかも)今までノーチェックだったけど、上半身がしっかり鍛えられている男性は頼りがいありそうでマル。ばらの衣装だと少し重たく見えるけどね。 “ライモンダ”第2幕のアダージョ :振付:プティパ 改訂:グリゴローヴィチ 音楽:グラズノフ ★ネッリ・コバヒーゼ/アルテム・シュピレフスキー まず衣装の美しさにみとれました。なんだかきらきらしてるぞ。やっぱりボリショイは、「この日のために用意した」感じがします。マリィンカは「あるものを持ってきた」っぽかったもの。(笑)コバヒーゼはノーマークだったのですが、大好きになりました。長身にしっとりとした雰囲気がなんとも美しく、詩的で音楽的で、ほっとため息・・・。ずっと見ていたい踊りでした。アダージョだけって短くない?もっとやってよ〜。シュピレフスキー君は、厳しいけどアタクシまだまだ認めておりません。ハンサムなのはわかりますが、あちこちの大カンパニーを渡り歩いている割に、自分のものにしているのかなー?(って意地悪ですねー。)チャンスをいろいろもらえている幸運体質は才能でもあるので、是非大成して驚かせて下さいませ。そのときはこの言葉撤回してやるさ。待ってるぜ。 “白鳥の湖”第3幕の黒鳥のパ・ドゥ・ドゥ 振付:プティパ 改訂:グリゴローヴィチ 音楽:チャイコフスキー ★エカテリーナ・クリサノワ/ドミートリー・グダノフ 当初チャイコフスキーのパ・ドゥ・ドゥからこちらに変更したのはなぜでしょう。あちこちでやられる黒鳥はちょっと食傷気味・・・。チャイコフスキーの方が個人の技術やら音楽性をアピールできるんじゃないかと思うんだけど・・・というのは私の意見で、久々見たかっただけなんです。ザンネン! 踊りはハッキリくっきりと気持ちよくすぱすぱ決めてましたが、なんだろう。美しさとか妖艶とか、はっとする瞬間はなかったな。特筆すべきはグランフェッテで、シングル・ダブルの次にアームスはアロンジェ、脚はアラスゴンドで回転してました。これを3セットか4セット。後半はシングル。初めて見る組み合わせ。グダノフは手首の曲げ方が好みではありませんでした。動きがちょっと重く見えるが、この方も上半身はなかなかご立派。しかし、やはり上手に下がるときすぐに舞台モードでなくなるのがマズイですよ。 “スパルタクス”第3幕のパ・ドゥ・ドゥ 振付:グリゴローヴィチ 音楽:ハチャトリアン ★スヴェトラーナ・ルンキナ ルスラン・スクヴォルツォフ スクヴォルツォフはこの日のメンバー中一番がっしりしていたのでは?この方だったらどんなリフトも任せられますね♪いやいやそんなことよりも〜ルンキナですよ!すっばらしい! ボリショイのメンバーは大概演技が達者だとは思いますが、彼女のモノローグのような最初のソロ・アダージョから、その容姿の美しさも手伝って引き込まれてしまいました。バレエが芸術ってこういうことなのよね。踊れる人は、回転なんてしなくても観衆を引き込めるのね。 このお2人、なんていうか恍惚?とっても気持ちよさそ〜に踊るんですよ。そのくらい、動きのつなぎに澱みもブレも躊躇も力みもなく、まるでそういう生き物であるかのように自然なのです。全身の筋肉を使っているだろうに、とてもリラックスして見えて、身体のどの部分もスジが浮き出てこないってどういうことだ!?スパルタクスも全幕見たくなりましたん。というか、マールイのスパルタクスが心配になってきた・・・。 “ミドル・デュエット” 振付:ラトマンスキー 音楽:ユーリー・ハーニン ★ナターリヤ・オシポワ/アンドレイ・メルクーリエフ 衣装の感じは、先ほどのコールプたちに似ていますが、こちらは全身黒ずくめ。照明も暗い。メルクーリエフは正面向きだがオシポワが向かい合ってずっと後ろ姿。音楽は素晴らしいのだけど、起伏がない繰り返しが多いのに、振り付けも繰り返しが多い。パッセの連続など、ずっと動きっぱなしのオシポワに比べ、メルクーリエフの見せ場が少なくてザンネン!ちょっと動いたところなんて、見事に統制がとれていてステキだったのにな。後半になっても息切れを見せないオシポワのスタミナは立派! “ドン・キホーテ” 第3幕のパ・ドゥ・ドゥ 振付:プティパ 改訂:ゴールスキー 音楽:ミンクス ★マリーヤ・アレクサンドロワ/セルゲイ・フィーリン さすがベテラン、さすがオオトリ。さすがボリショイ。いやーすぱっばしっと決まって音楽を隅々までひっぱって、楽しい楽しいGPDDでした。 フィーリンは、映像では見ていますが、本物は初めてです。昨年の日本公演は両演目ともツィスリカーゼ兄さんでしたので。 彼は気品も風格もありながら、いたずらっぽいチョイ悪な目も良いし、回転もポーズも文句なくはまりますワ。マーシャのフェッテは普通にシングルでしたが、軸がキレイなのでほれぼれ。彼女の笑顔はステキですね。フィーリンの余裕のキメはみとれるばかり。圧巻でした。最後、レヴェランスでフィーリンがアレクサンドロワにひざまづいて手にキスを。いい絵だわ〜♪盛り上げてくれるよね〜!ファラオの方でも見たかったな。あのシーン大好きなのよ。覚えたい。(←オイ)TVで是非♪ ★★★フィナーレ(全員) うん?この音楽はなんだっけ。妙にロシアちっくだな・・・。白鳥から1曲目のピンクの衣装に着替えたロパートキナ組を筆頭に、1ペアずつハイライトの振りをはしょりながら交代で真ん中に。最後はマリィンカの女性が前に座り男性は後ろに立ち、ボリショイ組のペアは全員リフトをして集合写真のようなポーズで手を振り幕。ロパートキナが全員をほどよく座らせようと腰を浮かせて場所をずらしてるのがかわいかった。ちょっとしぐさがお母さんぽいぞ。 拍手喝采の中もう一度幕が開き、お決まりのレヴェランス。当然キナが真ん中で、左右の女性はキナの動きに合わせて前に出ますが・・・ 2回目か3回目か、キナが前に出て挨拶しようと2歩進んで周りも動きだしたその瞬間、彼女がはっと止まってしまい周りも止まった!(多分、袖に控えている指揮者を見つけたのだと思いますが・・・・)これには観客から爆笑が。徒競走のフライングのようだった。 キナとマーシャは隣同士で何かことばを交わしてました。この4公演、いろいろお互いの舞台を見て思うところもあったのでしょうね。彼らにとっても良い刺激になったのではないかしら♪ 紙テープと紙吹雪がどちゃっとデリカシーなく落ちてきたけれど、シクリャローフ君の頭が粉まみれに。ゴールプは脚にからまった紙テープを振りほどこうと必死。(笑)フィーリンはマーシャの頭に紙吹雪をばしゃばしゃかぶせてるし。お茶目だなー。最後は横断幕。ロシア語と日本語で、「またお会いしましょう。」と。 カーテンコールが終わって客席が立ち始めた頃、緞帳の裏側からピューーーっと口笛が聞こえてきました。「やったぁっ。これで無事4公演終わったね♪」という出演者の歓声でしょうか。モロ聞こえで客席また大爆笑。そして拍手。最後もう一度幕が上がり、出演者全員手を振ってお別れを。なんだか心温まる幸せな瞬間でした。 キナの「やり遂げた」感満面の笑みが嬉しかった。彼女の笑顔はなんだかありがたい。(笑)この公演を見る限り、ロシア・バレエと日本の観客は相思相愛だと思いました。また来てね〜 |
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ボリショイ・マリインスキー合同ガラAプロ 9月1日ソワレの感想
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2007/09/05(Wed)
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<第1部> マリインスキーバレエ
「アルレキナーダ」 エフゲーニヤ・オブラスツォーワ&アントン・コールサコフ <プティパ振付/ドリゴ音楽> このガラ公演で私的株が上がったのがコールサコフ。 童顔で、体型もちょっと油断をするとコロッとしがちなので勝手に苦手にしていたのだけど、いたって正統派なんですね。 この演目では一箇所ミスがあったけれど、安定したテクニックを持ち、柔らかな動きをするダンサーで、レパートリーも幅が広そう。 もーちょっとにこやかな表情の方が良かったとは思うけど。 オブラスツォーワは彼女の愛くるしい雰囲気がコロンビーナにぴったりで、パートナーも変わって安心したのか(笑)魅力全開でした。 白にピンクの刺繍?が入ったチュチュもとっても似合っていた。 「病める薔薇」 ウリヤーナ・ロパートキナ&イワン・コズロフ <ローラン・プティ振付/グスタフ・マーラー音楽> プログラムの作品解説からの引用ですが、この小品は、 「目に見えない虫が、おまえのベッドを見つけた・・・その虫の暗い、秘められた愛は、おまえの命を滅ぼす」バレエは、すべてを焼き尽くすような情熱をもつ虫と、暗く内に秘められた激しいその情熱に滅ぼされてゆく美の化身としてのばらを描いている。 と説明されています。 濃いピンクのミディドレスに髪には緑色の茨の冠のロパートキナと、ホワイトグレーの長いパンツだけのコズロフ。 ロパートキナのアームスの動きがとても滑らかで美しかった。 初めて見る作品だし、ロパートキナの一挙手一投足を見過ごすまいと、つい彼女ばかりを追いかけてしまい、コズロフの表情などをきちんと見ている余裕がなかったのが後で考えるととても残念。 ロパートキナが両腕を控えめに広げながら、コズロフだけをみつめて切なそうに走って来たときの表情がとても印象的だった。 密やかに秘めやかにかきたてられる想いがもう隠し切れなくなったというような彼女のあんな表情は初めて見た。 そして口づけ。 あまりに美しい絵で、このまま凍りついて透明になって砕け散ってしまいそうな感じがした。 2人の運命が静かに重なった瞬間から、薔薇は死へと導かれていく。 神秘的な世界に引き込まれた美しい作品だったのに、2人の残像と音の余韻に浸っていたかったのに・・・。 あまりにも無情にブチッとテープが切れた。 「眠れる森の美女」第3幕のパ・ド・ドゥ アリーナ・ソーモワ&アンドリアン・ファジェーエフ <プティパ振付/チャイコフスキー音楽> う〜〜〜〜む、なぜこの2人を組ませる・・・と、チャイパド以上に憤慨してしまった演目でした。 ソーモア、いきなりのアチチュードで上げる足が高すぎて品が感じられず嫌な予感。 彼女としては丁寧に踊っているのかもしれないけれど、やはりいろいろ雑に見えてしまう。 表情と上体の使い方も媚を売っているように見えて、がっくり。 それに、なんだか一人で踊っているというように見えてしまうのが一番まずいかも! せっかくのファジェーエフのキラキラデジレ王子の無駄使いだよね・・・。 そのファジェーエフもヴァリの後半のジュテはバテバテでらしくなかった気がします。 なんだか、ソーモアに振り回されてエネルギー根こそぎ取られちゃった感じだわ・・・。 オブラスツォーワと「ロミジュリ」を踊って欲しかったです!! 「ジゼル」第2幕のパ・ド・ドゥ オレシア・ノーヴィコワ&ウラジーミル・シクリャローフ <コラーリ振付/アダン音楽> ルンキナのジゼルを見てしまった後では、どうしても分が悪く、ノーヴィコワの首から肩へのラインとか腕が逞しく感じてしまい、儚げな様子や透明感も少なくて生身の女性に見えてしまった。 でも、1幕から踊っていたジゼルであればきっともっと良い印象があったと思うので、ここだけではちと可哀想でしたね。 それと、シクリャローフのパートナーリングの影響もあったと思い、貧乏くじ引いたかな・・・と。 シクリャローフがノーヴィコワをリフトするとき、米俵でも持ち上げるのか!と思うほどの腰の落としようは絵的にも非常に美しくないですし、リフトされる方も空中で舞いにくいでしょうね。 シクリャローフもこれからマリインスキーの中で主役を踊っていくダンサーとして期待されているのでしょうから、「若さゆえ・・」の通じるうちに苦手なものからどんどんお稽古していって欲しいです。 カーテンコールでは、ノーヴィコワはこわばった表情のままでシクリャローフをあまり見ることがなかったけれど、もし彼に対して思うところがあったとしても(ジゼルの世界から抜け出せないという感じでもなかったので・・・)、観客の前ではそれを見せてはダメよ! 袖に下がってから、お好きなように!(笑) 「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」アダージョ イリーナ・ゴールプ&イーゴリ・コールプ <フォーサイス振付/ウィレムス音楽> 短い!短すぎます!! 「アダージョ」ってところを見逃していたのよ・・・(涙) イン・ザ・ミドルはとっても好きで、しかもコルプだっつーのに、なんでこれだけしか踊ってくれないの(怒)。 コルプのしなやかな肢体の躍動美を堪能できるのを楽しみにしていたのに、あー、物足りない!! 「ばら」では分からなかったけど、コルプの髪もかなり金髪で中央部がいつぞやのベッカムモヒカンのように盛り上がってませんでした? ゴールプはこちらの演目の方が良かったと思いますが、この演目ってこういう感じでしたっけ? 「タリスマン」パ・ド・ドゥ エカテリーナ・オスモールキナ&ミハイル・ロブーヒン <プティパ振付/ドリゴ音楽> この2人、「ディアナとアクティオン」に引き続きこの演目ですか・・・。 なーんだか変わりばえしないですね。 ステパノワとプハチョフで3回も見たばかりだったし、オスモールキナのチュチュでの古典を見てみたかったです。 オスモールキナは柔らかい肢体を強調させるような綺麗な踊りで良かったですが、ロブーヒンは少し雑だったような・・・(プハチョフのマハラジャがとってもエレガントで美しかったものだから、プチ混乱)。 あと、緊張感全く無しでどっかどっか舞台を歩くのはよろしくないと! 「瀕死の白鳥」 ウリヤーナ・ロパートキナ <フォーキン振付/サン=サーンス音楽> マチネの白鳥よりも死に臨む姿がもっと厳かだった気がします。 こんな素晴らしいものを3回も見られて幸せです♪ ダンスマガジンの表紙の撮影で、彼女は「今日は白鳥になるのに時間がかかったの」と言っていたそうですが、「3つのグノシエンヌ」 「「病める薔薇」の後に、短時間の間で「瀕死」を踊る今回は、そういう気持ちの切り替えってどうだったのだろうと思いました。 それに、キナ、今日は3回も死んでしまったのだ・・・。 「海賊」 第2幕のパ・ド・ドゥ ヴィクトリア・テリョーシキナ&レオニード・サラファーノフ <プティパ振付/ドリゴ音楽> サラファーノフ、やっぱりその孫悟空みたいな金の短髪が気になるよ・・・。 アリとしては十分水準の高いパフォーマンスだったとは思うけれど、どこかが微妙に不調で、彼らしい冴えにはやや欠けたような気がする。 一方のテリョーシキナ。 踊りの正確さ、美しさ、音楽性、ほど良い強さのアピール感と客席とのコンタクトはグラン・パ・クラシック同様完璧だと思う。 指先まで注意を怠ることなく本当に美しい! 素晴らしい、美しいと思う瞬間はたくさんあったけれど、一度彼女が下手手前で見せたアラベスクの美しさには思わずはっとした。 伸びきった手足を静止させた彼女のフォルムの美しいこと・・・。 思えばこの公演中、特にマリインスキーのバレリーナでこういう美しいアラベスクを見せてくれた子がいなかった・・・。 テリョーシキナにはこのままの舞踊スタイルで、マリインスキーの大プリマとなって欲しいです。 <第2部> ボリショイバレエ 「ばらの精」 ニーナ・カプツォーワ&イワン・ワシーリエフ <フォーキン振付/ウェーバー音楽> ペテルブルグ派以外で見たのは初めてです。 コルプの後だからというだけでなく、ちょっと(いや、かなり)違うなぁ、なワシーリエフのばらの精だった。 ヴィジュアル的にも踊り的にも重く、しなやかさを感じられず、腕の動きも綺麗に見えないし、見る方にも踊る方にも気の毒な、どう考えてもミスキャストでしょ? カプツォーワはわりと大人めな少女だったけれど、軽やかで丁寧な踊りは良かった。 ただばらの精がばらの精だけに、ドラマにならず残念。 「ライモンダ」 第2幕のアダージョ ネッリ・コバヒーゼ&アルテム・シュピレフスキー <プティパ振付/グラズノフ音楽> ネッリちゃんの気品のあるライモンダと白いマント姿もバッチリな精悍な顔つきが騎士らしい格好いいアルテムのジャン。 まるで映画の世界から抜け出してきたような麗しの美男美女だわ! 2人とも大柄なので衣装も映えるし舞台上での存在感も抜群。 叙情的で甘美な雰囲気も漂わせながらのしっとりした美しい踊りを堪能しました。 2人の踊りがアダージョだけだったのがとても残念だった。 派手な超絶技巧があったわけでもないパフォーマンスのカーテンコールにはアンコールがかかりました。 多くの観客が求めているものが感じられたような気がします。 「白鳥の湖」 黒鳥のパ・ド・ドゥ エカテリーナ・クリサノワ&ドミートリー・グダーノフ <グリゴローヴィチ振付/チャイコフスキー音楽> クリサノワは脚が強い回転系を得意とするダンサーなんですね。 フェッテではダブルの時に両腕を上げるというようなテクニックも披露していましたが(彼女でしたよね、確か。すでに記憶が怪しいので他のダンサーだったらすみませぬ)、最後少しよろけていたのはご愛嬌? 体のラインもとても美しいダンサーです。 黒鳥の衣装だと腕の細さが多少ギスギス感を伴うかもしれませんが、オディールとして演劇性濃く踊ってくれてなかなか好印象。 彼女のオデットも見てみたい気になりました。 対するグダーノフは演技的にはあっさり系でクリサノワに答えていなかったのが残念だけれど、踊りは綺麗にまとめてくれました。 ただ、このダンサー、今日はカーテンコールでだったけど、ちょっとマナーが気になる。 気を抜くのが早くない? 「スパルタクス」 第3幕のパ・ド・ドゥ スヴェトラーナ・ルンキナ&ルスラン・スクヴォルツォフ <グリゴローヴィチ振付/ハチャトリアン音楽> ルンキナって可憐とか繊細というイメージが強かったのですが、切なさを感じさせながらも芯の強い情熱的でダイナミックな表現もできるんですね。 見せ場のリフトで始めにちょっと危ういところもあったけれど、後はバランスを崩す事も無くお見事でした。 スクヴォルツォフも適度にマッチョな体に衣装が似合っていたし、力強さと安定感があって良かったです。 前々回の来日の時に確か「スパルタクス」を持ってきたのですよね。 見逃したのがつくづく残念だ! 「ミドル・デュエット」 ナターリヤ・オシポワ&アンドレイ・メルクーリエフ <ラトマンスキー振付/ハーノン音楽> 音楽も聞いた事のない初めて見るコンテは7分くらいでお願いします。という私ですが、音楽がやや単調ではあるけれど、身体能力の高い二人のダンサーによるエナジー爆発のこの演目はけっこう楽しめました。 メルクーリエフはサポートに徹する事が多く、彼のソロはあまり楽しめなかったけれど、オシポワのバネの効いたダンスは堪能! あれだけハードに踊り続けられるというのは、やはり凄い筋力の持ち主なんですね。 カーテンコールでは、さすがの彼女も踊りきって疲れきって少し放心状態に見えました。 「ドン・キホーテ」第3幕のパ・ド・ドゥ マリーヤ・アレクサンドロワ&セルゲイ・フィーリン <ゴールスキー振付/ミンクス音楽> マーシャとフィーリン、最高!!! すべての観客を惹き付けて釘付けにしてしまうような素晴らしい2人のパフォーマンス。 アダージョからすべての動きが気持ちいいほど正確できっちり決まっていて、2人の間で交わされている心の会話が聞こえてくるようだった。 フィーリンのヴァリ、美しく決める決める!! このシリーズの私の大トリでもあるこの演目で、フィーリンの熟練の極みにあるような美しい踊りとテクニックを見せてもらって本当に感激です! マーシャのヴァリ、中央に進んできたところでのポアントのコツコツという硬い音を響かせたウッドペッカー並みの(笑)のパ・ド・ブレが凄い。 一気にマーシャワールドに引き込まれた感じだった。 燦燦とふり注ぐ真夏の陽光みたいな明るさのマーシャ! こんなに強烈で心地よいオーラは見たことない! フェッテはシングルで軸は微動だにせず、音に乗って、力強く美しく、余裕の笑み。 フィーリンのグラン・ピルエットも美しく、上手奥からのマーシャの竜巻のような回転もすごいんだけど正確で綺麗! クラシックバレエのGPDDはこうあるべき!と高らかに謳いあげたような見事なコーダでした! あの、炎のように赤いチュチュがあんなに似合うのも彼女だけだろうな! ☆フィナーレ☆ フィナーレで使われた曲はAプロもBプロも同じで「赤いけし」よりソヴィエト水夫の踊りという曲だそうです。 このソワレから、マリインスキー→ボリショイという公演順に変わったので、お互いの指揮者を迎えに行く順番もそう変更になるのですが、マーシャが思わず間違えてマリインスキーの指揮者を迎えにいこうとしてしまい、「あはっ、ごめんなさい!」という感じでロパートキナに笑顔で誤っていました。 マチ・ソワと、意外なところで両女王がお茶目な面を見せてくれて、客席も一層和みました(笑) いろいろ生意気な事も書いてしまいましたが、すべてロシアバレエ、バレエダンサーへの愛ゆえです! 日本でこのような素晴らしい公演を実現してくれたダンサーや関係者の方々すべてに心から感謝しています。 是非、定期的にこのロシアバレエの祭典を行っていただきたいと切望します。 |
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ボリショイ・マリインスキー合同ガラAプロ 9月1日マチネの感想
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2007/09/04(Tue)
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初日に息がイマイチ?と思ったペアも修正してきたし、ミスも減った分、初日よりも全体的に出来が良かったと思います。 <第1部>ボリショイバレエ 「エスメラルダ」 第2幕のPDD エカテリーナ・クリサノワ&ドミートリー・グダーノフ <プティパ振付/ドリゴ音楽> 初日にタイミングが合わなかったところなどもきちんと修正されていて、断然2日目の方が良かった2人。 クリサノワのアピール感も可愛らしくて良かったです。 足腰の強さには自信のあるダンサーなのではないかと思いますが、できればタンバリンをもう少し音楽にきちっと合わせてしっかり叩いて欲しかった。 バレリーナのアチチュードの回転をサポートしていたのはこの演目だったっけ? 足にぶつからないように距離をとってサポートするのが大変そうでした。 「マグリットマニア」 ネッリ・コバヒーゼ&アルテム・シュピレフスキー <ポーソホフ振付/ベートーヴェン音楽> 奇を衒いすぎた感のある音楽も2度目となると聞き流す事もできて(笑)踊りを楽しめました。 赤いドレスのスリットが割れて顕わになるネッリちゃんの脚が、黒一色の舞台の上で見事な美しさを放っていました。 シュピレフスキーのサポートも変わらず安定。 「海賊」 第1幕の奴隷の踊り ニーナ・カプツォーワ&アンドレイ・メルクーリエフ <プティパ振付/ドリゴ音楽> こちらも状況設定はほとんど気にせずに鑑賞。 メルクリエフ、爽快に踊っていたんだけど、ヴァリで下手奥からの難易度の高そうな回転の最後の着地で手をついてしまったのが悔やまれる。 一瞬見せた悔しそうなというより悲しそうな顔にこちらもキュンとなってしまったよ。 カプツォーワは売られる娘が・・・などと気にさえしなければ、足の運びが綺麗でキュートな踊りが良かったです。 「ジゼル」 第2幕のPDD スヴェトラーナ・ルンキナ&ルスラン・スクヴォルツォフ <コラーリ振付/アダン音楽> ルンキナのジゼルは静かな悲しみの中にいるような精霊だった。 スーブルソーの跳躍でさえ、ほとんどポアントの音が聞こえないような見事な踊り。 彼女のふわぁぁっという重力を感じさせない浮遊感が素晴らしい。 スクヴォルツォフのリフトも一役買っていたと思う。 ただ、2人の間にそんなに愛が、というか赦しとか悔恨がなかったような気がします。 「ファラオの娘」 第2幕のPDD マリーヤ・アレクサンドロワ&セルゲイ・フィーリン <プティパ,ラコット振付/プーニ音楽> とても素晴らしかったです。 テクニックや見せ方、ほんのわずかな時間なのに物語を紡ぎ出す力のすべてが素晴らしいと思った二人。 マーシャの踊りは相変わらず男前だけれど、フィーリンに投げる視線は女らしくて可愛らしくて、そんなところがたまらなく魅力です。 で、また、それをきちんと受けとめているジェントルフィーリンも素敵! 「パリの炎」 第4幕のPDD ナターリヤ・オシポワ&イワン・ワシーリエフ <ワイノーネン振付/アサフィエフ音楽> 初日同様、飛ぶは回るはでお見事です。 ワシーリエフが空中に投げ出した体を斜めにして回転するジャンプ、よくそのまま落ちないなと思いますが、当然ながら着地する時の足首の角度がもうすんごい事になっているんですよ。 もーの凄く柔らかいんだろうけど、よく怪我しないなと・・・。 ワシーリエフ、なんかサイボーグみたいだわ。 <第2部>マリインスキーバレエ 「ばらの精」 イリーナ・ゴールプ&イーゴリ・コールプ <フォーキン振付/ウェーバー音楽> 初日の印象とさほど変わらず。 やはりコルプのしなやかな肢体の動きは美しい、そしてゴールプは肌、焼きすぎ・・・。 「ヴェニスの謝肉祭」 エフゲーニヤ・オブラスツォーワ&ウラジーミル・シクリャローフ <プティパ振付/プーニ音楽> 大きな破綻がなくて良かった・・・。 演目解説にあるような、「ユーモラスなやり取りをしつつ高いテクニックを見せる楽しいPDD」という醍醐味を味わえたとは思わないけれど、初日がボロボロだっただけにオブラスツォーワがとりあえずにこにこ気持ち良さそうに踊っていただけで良しとしてしまった。 シクリャローフは、ソロはサポートの呪縛から解き放たれたように伸び伸びと踊っていたけれど、二人で踊る時はかなり慎重だったみたいです。 ラストも勢いを殺してオブラスツォーワとの距離を縮めてからガシッと抑技に入ってましたものね(笑) 「3つのグノシエンヌ」 ウリヤーナ・ロパートキナ&イワン・コズロフ <マネン振付/サティ音楽> 綱渡り的なパートナーシップを見せられた後に鉄壁のサポートによる美しいパフォーマンス。 ロパートキナの肢体を丁寧にキャッチしているコズロフの真摯な表情がまたとてもいい。 「ディアナとアクテオン」 エカテリーナ・オスモールキナ&ミハイル・ロブーヒン <ワガーノワ振付/ドリゴ音楽> このペアも初日よりも切れがあって良かったです。 オスモールキナが持っていた弓ならぬただのカーブした棒切れが相変わらず気になります(笑)。 ロブーヒンが豪快に踊って決めれば決めるほど、あまりに似合いすぎるあの衣装に神話の世界というよりも原始の世界へと妄想が膨らむ・・・・。 「グラン・パ・クラシック」 ヴィクトリア・テリョーシキナ&アントン・コールサコフ <グゾフスキー振付/オーベール音楽> テリョーシキナの高雅なダンススタイルに思わず溜息。 ヴァリでポアントで数歩進んだ後に体を回転させてさぁーっと水平に上がる脚の爽快さといったら・・・。 すべてに余裕があって体で音楽を聴いている感じの踊りがとても素晴らしい! コールサコフって「白鳥」の映像のパ・ド・トロワを何度も見ているので、すごく馴染みのあるダンサーのような気がしていたんだけど、実際に見るのは初めてだった事に気が付いた。 彼のソフトな跳躍と足首の柔らかさがいい。 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 アリーナ・ソーモワ&アンドリアン・ファジェーエフ <バランシン振付/チャイコフスキー音楽> ソーモアは初日よりは幾分雑さが減っていただろうか? ファジェーエフは本当に美しいわー。 お顔も体のラインもと〜っても美しいです♪ もう、やけくそ! だってホントに悔しいんだもん!! なんでソーモア??? 「瀕死の白鳥」 ウリヤーナ・ロパートキナ <フォーキン振付/サン=サーンス音楽> 死の世界の静寂と暗闇が一羽の白鳥を、己が内に引き込もうとしている。 その力に抗う事なくたおやかに腕を波打たせるロパートキナの白鳥。 和らいでいる表情の中で瞳だけが何かを強く語りかけているようにも見える。 一度激しく両腕を羽ばたかせると、脚を折り、翼を丁寧にたたんでうずくまる白鳥。 最後に首が落ち死の瞬間を見た時に思わず涙が溢れてしまった。 「ドン・キホーテ」 オレシア・ノーヴィコワ&レオニード・サラファーノフ <ゴールスキー振付/ミンクス音楽> 出だしのサラファーノフの横とび開脚180度のジャンプは高くて綺麗だったなと思うのですが、PDDを通して彼としては自分のイメージどおりの踊りができなかったのではないかな? ガラだから(ワシーリエフも意識の中にあったかもしれぬが)5回転よりも6回転とか思ってしまうのはよく分かるのだけれど、美しく回ってくれて綺麗に止まってくれるんだったら4回転でもいいよ!と思ってしまう今回のサラファーノフでした。 この気持ちはサラファーノフ個人へというのではなく、技巧に走りがちである今の若手ダンサーたちへの思いでもあります。 彼らにこそ、観客席から鑑賞させたかった公演かもしれません。 ☆フィナーレ☆ すべてのダンサーが一堂に会するとなんて豪華なんだろうと改めて思います |


