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12月26日マールイ「白鳥の湖」 ペレン&シヴァコフ
2005/12/27(Tue)
オデット&オディール : イリーナ・ペレン
ジークフリート王子  : ミハイル・シヴァコフ

東京文化会館でマールイの「白鳥の湖」を観たのは初めてでした。上の方はよく見えなかったけど、お客さんもよく入っていました。やはりフォーラムより全然良いですね!
指揮はアニハーノフでした。赤茶色のアニーヘアーも健在(笑)。 ただオケの出来はイマイチだったなぁ・・特に1幕はあまり良くなかったような。

1幕。シヴァのジークフリートを観るのも今回で6回目なのだけれど、1幕1場の登場シーンであれだけ拍手をもらったのは初めてだったと思って、
ちょっと感激! 相変わらずここの1場では王子の踊るシーンはないのでお預け状態にちょっとイライラ(笑) でも家庭教師や祝宴に集まった人々と交わす表情がとても柔らかになりました。
トロワは大きい組! ステパノワもコシェレワも大きく丁寧な踊りで上手いです。あんまり元気溌剌という感じではないけど、しっとり大人のお友達って感じ。だから家庭教師のブレクバーゼをくるくる回してからかうシーンはちょっとおとなし過ぎ。 ミリツェワ、ロマチェンコ組だとけっこうお茶目で笑えるんだけど! プハチョフも綺麗な踊り、ちょっとだけ華に欠けるかな?
残念ながらクリギンはポール持ちと給仕役を後進に譲ったようで?1幕には姿がありませんでした。 まぁ、気が散らないで済んだといえば済んだのですが、そうなるとなんか淋しい(笑)
1幕2場の湖畔。1場から2場に舞台転換する間に一人で場を持たせなければいけないシヴァ、憂鬱な、そして何かわからない物に惹かれたような表情で踊って頑張ってました。
オデット@ペレン登場。出の音楽は思ったより早かった。 もうちょっとゆっくり魅せてくれた方がいいな・・・ ジークフリートとの出逢いは、怯えよりも興味の方が強かったような気がしました。 2人のからみはとても良かったです。 気持ちの合わせ方が上手くなったと感じました。 シヴァに余裕が出てきたというか、パートナーを包み込むような包容力が見えてきて、そのおかげでペレンも安心して応えている感じ。1幕が終わった時にあんなに頬が紅潮して役から抜けたばかりでレヴェランスしているシヴァは初めて見ました。 
小さい白鳥の4人、今回も息がぴったりでブラボーもらってました! 少し淋しかったのは、ロットバルトがシェミウノフじゃなくて舞台上でのヴィジュアル的な迫力が欠けてた事かなぁ?? シェミウノフ、どうしたのでしょうね? 怪我でもしているのでしょうか?

2幕。スペインは、キャスト表には載ってていたポリョフコが踊らずモストヴァヤに変更。ポリョフコのあの反った背中を見られず残念。 3幕には白鳥で出ていたのに・・・
ディヴェルティスマンでは、ハンガリーのガルネツ、ポドショーノフが良かった。2人とも笑顔が良くて、特にポドショーノフは、いつも楽しそうに踊っていてとっても好感が持てます。 唯一クリギン登場のマズルカ、今回はオーバーアクションほとんどなしで普通のダンサー・クリギンでした。さーみし!(笑)
オディールとジークフリートのGPDD。 ペレンはとても体の調子が良かったみたいでこの幕は輝いてました。 色気としては相変わらず妖しくはなくて、明るい色っぽさなんだけど、目力があって良かったです。 踊りも切れがあって、ペレン?と思うほどスピーディーな脚裁きを見せてくれたところもあってちょっとびっくり。 バランスはいつまでやってんだ!と思うほど長かったです。 グランフェッテもいつも同様シングル・シングル・ダブルでダブルの時に曲に合わせる感じ。 あまり軸がぶれなくなりました。
そしてシヴァ! ヴァリの部分はちょっと振り付けが変わったような? 難しそうになりました(笑)  安心してみていられるような安定感が出てきたのはとても嬉しいんだけど、無難にまとめて個性が無くなるのは嫌なので、魅せるところはゼレみたいに体育会系でガンガン飛ばして欲しいかも。ヴァリの後のレヴェランス、最初は王子顔なのに、だんだんやばいぞ! あの少年笑顔!! 
 
3幕。キャスト表をちゃんと全部見ておかなかったので、いきなりハビちゃんが出てきて思わず「あっ」と小さな声を出してしまいましたぁ~~。2羽の白鳥にキャストされていたのです♪ もう一人のロバノワはもう少ししっとりと踊ってくれると良かったな。 
マールイのラストはいつ観てもスッキリしませんが、演出を少し変えるか、舞台装置を変えるかして、オデットとジークフリートが湖に消えていく悲劇の結末にもう少し余韻を持たせるようにして欲しいです!

舞台挨拶では、光藍社さんが例によってペレン、シヴァ、アニハーノフに花束を渡していましたが、その花束をシヴァが跪いてペレンに渡していました。ルジすべで、どこかのペアに刺激でも受けたかしら?(笑) アニハーノフからも受け取ってペレンも照れ笑い。 ペレンとシヴァは何度もカーテンコールで出て来てくれて、二人ともニコニコとても嬉しそうで、こちらもハッピーな昨日の公演でした。 
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26日マールイ「白鳥」 主役以外のキャスト
2005/12/27(Tue)
行って来ました。ペレンとシヴァの白鳥! うん! とても良かったです。 シヴァは本当に大人になったなぁ・・・いろんな意味で今日はシヴァに感謝!

とりあえず、主役以外のキャストです。だいたいがおなじみのメンバーですが、新しい名前もチラホラと・・・

ロットバルト : ウラジミール・ツァル
家庭教師 : アンドレイ・ブレクバーゼ
パ・ド・トロワ : オリガ・ステパノワ、イリーナ・コシェレワ、アルテム・プハチョフ
大きい白鳥 : イリーナ・コシェレワ、エレーナ・コチュビラ、
        ユリア・カミロワ、エレーナ・フィルソワ
小さい白鳥 : ヴィクトリア・シシコワ、ユリア・アヴェロチキナ、
        ナタリア・ニキチナ、アナスタシア・エゴロワ
スペイン  : ナタリア・オシポワ、エレーナ・モストヴァヤ、
        ヴィタリー・リャブコフ、アレクセイ・マラーホフ
ハンガリー : エカテリーナ・ガルネツ、マクシム・ポドショーノフ
マズルカ  : タマラ・エフセーエワ、マリーナ・フィラトワ、
        エレーナ・フィルソワ、アリーナ・ロパティナ
        アンドレイ・マスロボエフ、アンドレイ・クリギン、
        ミハイル・ヴァンシコフ、アントン・プローム
2羽の白鳥 : エルビラ・ハビブリナ、スヴェトラーナ・ロバノワ
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12月20日 新国立「くるみ割り人形」 ヴィシニョーワとファジェーエフ
2005/12/21(Wed)
親国のくるみは3幕仕立てですが、今年は1幕と2幕を続けて上演してくれたので、物語の途中で不必要に現実に戻される事無く鑑賞できて良かったです。舞台転換のために一度幕が降ろされシュタリバウム一家が最後のお客様を見送るのは、幕の手前、家の外というような感じに変更されていましたが違和感はありませんでした。

自分でも驚いた事に、なんと、ヴィシニョーワの全幕を観るのって初めてだったんです。
1幕のパーティーの場面でのヴィシニョーワ、観る前は大人っぽすぎて周りから浮いちゃうんじゃないかと思ったのですが、化粧も薄めだったし、仕草もとても自然な可愛らしさで、全くの杞憂に終わりました。

2幕。くるみ割り人形率いる鉛の兵隊とねずみの闘いのシーン。 ここのねずみの王様(市川透)、横顔がいつも猪に見えちゃうんだよな・・・(って私だけかな?) でも、なんとか敵をやっつけようと一生懸命策を練っているようなジェスチャーが可愛かった。 ここでのヴィシは白い薄地のネグリジェっぽい衣装。そのせいか、やっぱりこの辺からは彼女の隠し難い色香がほんのり漂い始めました(笑)。
ねずみを退治したところでようやくファジェーエフ王子の登場!! いや~~なんて素敵なんだろう!! ヴィシに差し出す手、向ける眼差し、もうそこに立っているだけで十分な美しい王子様でした。 やっぱり11月のルジすべのアリでは滅っ茶苦茶損してましたね! 均整の取れた体型で脚が長~くて綺麗です。 ここでのパ・ド・ドゥはとてもロマンティック、マーシャはすでに大人の女性という感じでしたけれど、二人の踊りは息もぴったりで溜息ものでした。

雪の国のコール・ドはさすが新国という美しさ。ここでの振り付けは、けっこう速い動きも多いのに綺麗に揃ってました。席がほぼど真ん中だったせいもあり、オケピットの中に6人くらいかな?合唱の女性が見えました。 あの合唱が入る部分って幻想的な雰囲気が増してとってもいいですよねぇ。

さて、3幕のお菓子の国でのそれぞれのデヴェルティスマンについては・・・
スペイン: 西川貴子、マイレン・トレウバエフ。 トレウバエフ、相変わらず超まじめ風。
東洋: とっても振り付けがつまらない。湯川麻美子さんだったのにもったいない!
中国: 遠藤睦子、吉本泰久。 遠藤睦子さんの動きが軽快で良かった。
トレパック: 丸尾孝子、楠元郁子、市川透。 長身の市川さんには大変な動きだと思うけど頑張ってた。
トロワ: 高橋有里、さいとう美帆、八幡顕光。 マーシャ@レジェニナのマリインスキーの映像の、健気なチビプハチョフ(現在マールイ在籍のアルテム・プハチョフの事です)がなぜかディフォルトになってしまっているため、なんとなく受け付けない・・・ここは本家に習ってジュニアでやったらどうでしょう?

そして、ばらのワルツは厚木三杏、寺島まゆみ、川村真樹、真忠久美子というメンバー。真忠さんが、割と目立たない。 厚木さんと川村さんになぜか目が行ってしまう。 川村さんけっこう好きかも。
パ・ド・シスは、4人の男性達が邪魔っていったら言いすぎなんだけれど、彼らによってファジェーエフが遮られる度にイライラ、ムカムカ・・・ 舞台袖にはコール・ドの皆さんもいて、ちょっと雑然としてるかなぁ・・ 4人のリフトは皆ちょっと危なっかしくて! 大柄ではないヴィシでぐらぐらしているようでは駄目でしょう! ヴァリエーションでのヴィシは丁寧で揺るぎ無い踊り。いささかもてあまし気味な気もしましたが、キラキラしていました。 ファジェーエフは優しく柔らかい踊り、それでいてジャンプは高く切れがあり、伸ばされた手や脚のラインはとても美しかったです。 多分に髪の色のせいかとは思いますが、ちょっとした所作や優しい表情が時々ゼレンスキーにだぶりました。 
そんなわけで、ヴィシニョーワとファジェーエフに魅せられた「くるみ割り人形」でした。 
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ギエム&東京バレエ団の公演(11月18日)
2005/11/19(Sat)
昨晩、ギエムの公演を観て来ました。会場入り口には大入と出ていました。

ギリシャの踊り
振付:モーリス・ベジャール  音楽:ミキス・テオドラキス

Ⅰイントロダクション
Ⅱパ・ド・ドゥ(二人の若者): 大嶋正樹-古川和則
Ⅲ娘たちの踊り
Ⅳ若者たちの踊
Ⅴパ・ド・ドゥ:吉岡美佳-平野玲 
Ⅵハサピコ: 井脇幸江-木村和夫
Ⅶテーマとヴァリエーション
ソロ:中島周
パ・ド・セット:高村順子-門西雅美-小出領子-
        長谷川智佳子-西村真由美-吉川留衣-乾友子
フィナーレ:全員

パァーっと明るい舞台に潮騒の音が聞こえてきただけで自分的にはかなり得点が高い。波の音が聞こえるビーチで好きな音楽を聴き好きなお酒を飲み好きな本を読むというのが私的パラダイスなので、すっかりそんな雰囲気にさせてくれたこの作品にアプローズ! ソロを踊った中島さんの腕の動き、ルジマトフのような妖艶な腕ではないけれど、大鷲が羽ばたいているようなイメージでとっても気に入ってしまった。 小出さんのリズミカルな踊りもやはり好み。余談ですが・・・最初の方に4ペアくらいだったかな? リフトされた女性のポーズがカエルみたいに見えたのがなんかとてもびっくりで、印象的で・・・・?

小さな死
振付:イリ・キリアン  音楽:W.A.モーツァルト
シルヴィ・ギエム  マッシモ・ムッル

小さな死ってそういう意味だったのか・・・(NBSさんのサイトをご参照ください)。ギエムとムッルのパートナーシップがとても良かったと思います。スピーディーで割とさっぱりした爽やかティストな動き。素足のギエムの筋肉にちょっと気を取られすぎたせいもあって、なんとなく競技系のエクセサイズって気がしないでもなかったな・・・
使われていたモーツァルトのピアノ協奏曲21番は甘美なメロディーが大好きな曲です。

ドン・ジョヴァンニ
振付:モーリス・ベジャール  音楽:フレデリック・ショパン 

ヴァリエーション 1 :門西雅美 西村真由美 佐伯知香
ヴァリエーション 2 :小出領子 
ヴァリエーション 3 :高村順子 井脇幸江
ヴァリエーション 4 :長谷川智佳子
ヴァリエーション 5 :大島由賀子 
ヴァリエーション 6 :吉岡美佳
シルフィード    :吉川留衣 

楽しい作品でした。女性ダンサーたちが入れ替わり立ち代り踊って自分の魅力をアピールして一人の男性を奪い合うというちょっとコミカルな作品。井脇さんのさすがの貫禄と美佳さんの美しさ。小出さんもとても可愛らしくて良かった。でも一番いいなぁと思ったのは大島由賀子さんの伸び伸びとした屈託の無い温かい踊りだった。彼女は夏に観たリラの精も良かったので、カラボス系ではなくてのびのび穏やか系が合うダンサーなのでしょうか?
それにしても最後のオチ・・・めげた・・・

ボレロ
振付:モーリス・ベジャール  音楽:モーリス・ラヴェル
シルヴィ・ギエム
木村和夫-平野玲-古川和則-大嶋正樹

ギエムのボレロ、私にとっては最初で最後になります。 今まで特に彼女の事を意識して公演を選んだ事はなく、数もたいして観ていないし、今年のマノンですら全く興味がなかったのですが、昨日の彼女のボレロにはとても感動しました。 もっと若い時のパフォーマンスを観ていたらジャンプやその他の動きのスピードなど切れが全然違ったのかもしれないけれど、それでも私にとっては昨日の舞台がギエムのボレロです。
最初のうちは控えめに、それでも何かを予兆させるような雰囲気でクライマックスに向けてどんどん動きも表情も激しくなって来る。彼女を崇め、周りを取り囲む大勢の男性を挑発しながら自らもどんどん高揚していって個々の持つエネルギーを大きな一つのエネルギーの渦としてしまうような・・・
円卓の上に一人立つギエムに、戦場で兵隊達を鼓舞するジャンヌ・ダルクや民衆を扇動するオスカルの一枚の絵が浮かんでしまった。なんて私らしい連想なのか・・・(笑) 座席はオペラグラスなしでオーケーなくらい前の方で非常にありがたかったのだけれど、この曲に限って言えば、最後は音も割れまくりの騒音の中って感じなのが痛かった。オーケストラの生演奏で聴けたらどんなに素晴らしかっただろうと思うと残念。

今回の公演は全国ツアーとして12月20日まで四国を除いて北海道から九州まで廻るのですね。なんかマールイみたいだ(笑)
ギエムにとってもかなり体力的にハードなツアーなのでは? ムッルも東バのダンサーたちも風邪ひいたり怪我しないで無事1ヶ月終えて欲しいです。それに、せっかくだから特にギエムとムッルには各地の美味しい日本食も堪能してきて欲しいです!!
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11月12日 アマトリアンとフォーゲルのロミオとジュリエット
2005/11/13(Sun)
12日マチネのシュツットガルト・バレエ団の「ロミオとジュリエット」を観て来ました。とてもとても素晴らしかったです。夢のような時間でした。

ジュリエット   : アリシア・アマトリアン
ロミオ      : フリーデマン・フォーゲル
マキューシオ   : アレクサンドル・ザイツェフ
ベンヴォーリオ  : ミハイル・カニスキン
ティボルト    : イリ・イェリネク

オネーギン同様、ユルゲン・ローゼの舞台美術、衣装がなんといっても素敵なの! 特に舞台の奥から4分の1くらいの位置に横に渡された、ある時は人々の往来の通りだったり、ジュリエットのバルコニーだったりするブリッジ(フィレンツェのアルノ川にかかっている橋脚がアーチ型の回廊みたいな)のようなものは、舞台に前後、上下という空間を作り出していて素晴らしい演出だと思いました。

アマトリアンとフォーゲルは、年齢的にも原作の2人に近い、はちきれそうな若さが溢れる等身大のロミオとジュリエットで観客を物語にすんなりと引き込んでくれたような気がする。

1幕
幕開きの市場のシーン。ブリッジの上を通る2,3人の平民の衣装の色合いとその向こうに見える背景がまさに中世ルネッサンスの絵画の色彩で、もううっとりしてしまった。キャピュレット家とモンタギュー家の若者が剣を交えて争う様子は、ダンサー1人1人がそれぞれの立ち回りを完璧にこなしていてけっこう迫力がありました(前に見た新国は、ちょっとおっかなびっくりだったような)。ティボルト役のイリ・イェリネク、長身に精悍なマスクがかっこいい! 
そして、キャピュレット家の舞踏会。今まで何度も写真で見ては、なんて煌びやかで美しい衣装だろうと溜息をついていたそのシーンが目の前に!! 黒をベースに金の配色がゴージャスだけれども品を保っていて美しいのなんのって! ここの音楽も大好きだし。ブリッジのアーチ型の橋脚のレース越しの向こう側はホワイエのような感じで、ジュリエットとロミオが踊っている時には、そこでも別のドラマがきちんと行われていて、なんと憎らしいほどの演出か。
ジュリエットの恋の落ち方は、こういう出逢いを予見していたようにも感じられるような物凄くストレートな感じ。2人が踊っている時にじっと見守る乳母の嬉しそうな温かな表情がとても印象的だった!「あぁ、私のジュリエットお嬢ちゃまも、ついに恋するお年になられたのだ」ってね。
舞踏会の会場に入る前の、ロミオ、マキューシオ、ベンボーリオのトロワでのトゥール・ザン・レール(で、いいと思うのだけれど)、フォーゲルのはどうなんでしょう? なんか膝がわれていて美しく見えなかった。
バルコニーのシーン、これもまた美術が美しい・・・ マクミラン版と比べるとロミオのソロが少なかったように思ったけれど、気のせいかな? 出だしでちょっと不安になったフォーゲルの踊りもここでは安定していて美しく、あのポーズ、何ていうんだろう? ランヴェルセ? 背中を大きく反り返しているのが、こみ上げてくる愛情を体全体で表現しているようでとても甘く美しかった。リフトも多かったけれど、アマトリアンのポーズも一つ一つが綺麗でした。

2幕
カーニバルのピエロのリーダーの脚を、他のピエロたちがぐるぐる回したりしてたのは可笑しかった。羨ましいくらい柔らかいのね!
そこにジュリエットの乳母がロミオ宛の手紙を届けに来る。フォーゲル@ロミオもとっても幸せそうに乳母と踊って、嬉しさのあまり乳母にキスしたみたいだけど、この場面は、マトヴィエンコの会場中に響き渡るようなキスが今でも微笑ましく甦ってくるわ(笑) ロレンス神父の立会いの下に結婚した2人。幸せの絶頂にいるロミオが広場に戻ってくると、なにやらティボルトがマキューシオたちと争っている。ジュリエットと結婚して彼女のいとこのティボルトとも親戚になったロミオは、なんとか事を収めようとするけれども、血気にはやった若者達の勢いは止らず、マキューシオがティボルトに殺されてしまう。騒ぎを起こして誰かを死に至らしめる事が目的だったような冷酷で不敵なティボルトの存在のせいでマキューシオの死がとても痛ましく感じられた。(ティボルト、やはり渋くてかっこいいぞ!)そして、ついには激情にかられたロミオがティボルトを殺してしまう。キャピュレット夫人の嘆きようはマクミラン版ほど大袈裟ではなかったけれど、衛兵が持ってきた戸板のようなものにティボルトの死体とともに担がれて行くのがちょっと異様だった。

3幕
ジュリエットの寝室での別れのPDD。今すぐ出て行かなければとするロミオの決意をジュリエットの一途な想いが鈍らせる。身を切られるような切なさを胸に踊るこのPDDを、プロコフィエフの音楽が一層悲しく彩っていたように感じた。なりふりかまわずという感じのジュリエットに対して、ロミオはこの恋によって成長した男らしさを見せていたような気がする。ここもまた、橋脚のアーチ型の部分がジュリエットの部屋の窓になっていて、窓にかかったカーテンの向こう側の曙の光をイメージした照明もとても効果的だった。
パリスとの結婚を拒みきれなくなったジュリエットが神父からもらった毒薬を呷るまでの葛藤の表現はとても良かった。毒薬を飲むことへの恐怖、計画が上手くいくかどうかへの不安、いろいろな感情と闘いながら、最後にはロミオとの幸せな行末を信じたような笑顔を見せて一気に飲み干す。
3幕はダンステクニックよりもジュリエット役のバレリーナの役者としての力量、アプローチの仕方に負うところが多いので見せ場でもあり、すべてを台無しにしてしまう可能性があるシーンでもあり、恐いですね。ジュリエットの役作りとして、1,2幕は無垢な少女らしさを強調して、初夜を過ごした後からは女性への成長を意識するバレリーナが多いような気がする中で、アマトリアンのそれは、最初からさほど差がない、ある程度女としての自覚を持ったジュリエット像だったように感じました。
ジュリエットの死を知ったキャピュレット夫人の悲しみって、なんであんなに静かなんだろうっていつも不思議。ティボルトの時は周りも見えないって感じの取り乱し方なのに。キャピュレット夫人とティボルトの関係はそれなりの・・・というのが当たり前なの??
ジュリエットの葬儀のシーンがまた凄い。ブリッジの上を一行が歩いていて、ジュリエットの死体だけが階下の霊廟に降りてゆくような装置ができている。常に空間は前後か上下の二つで使うという徹底ぶりが凄い。ただ、人形の死体とアマトリアンが入れ替わるところが暗闇の中でもなんとなくわかってしまったのが・・ ご愛嬌か?
霊廟には先にパリスが来て嘆き悲しんでいる。そこまで悲しむ気持ちがけっこう分からなかったりもするんだけれど・・・そこに仮死状態といういう事を知らされなかったロミオがやって来て、パリスを殺してしまう。2人も人を殺めてしまった事への後悔とジュリエットとの未来はないという絶望に打ちのめされロミオは短剣で命を絶つ。命を絶つ前に、ロミオは横たわるジュリエットを抱きしめ、彼女の長い髪を一掴み自分の指に絡めて愛しそうにするんだけど、それは寝室で目覚めた時と同じ仕草でフォーゲル・ロミオ独特の愛情表現なのかしら? とっても印象的だった。 目覚めたジュリエットはすべてを理解し、悲しみに打ちひしがれながらロミオの後を追って自害する。ここの情感表現は、こちらの胸に迫ってくるだけのものはあったけれど、頭で考えた演技の粋に留まっているような感じがないわけでもなかった。でも、クランコ版ではジュリエットがロミオの上に横たわるように死んでいくのがせめてもの救いでした。マクミラン版は伸ばしたジュリエットの手さえロミオの体に触れてはいけないので悲しすぎるもの。


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11月10日 シュツットガルト・バレエ団のオネーギン♪
2005/11/11(Fri)
シュツットガルト・バレエ団の「オネーギン」を10日に観て来ました。 初めて観るクランコの代表作という事で、予習がてら小説をスーパー斜め読みして楽しみにしていましたが、期待にたがわず素敵な作品でした。
舞台美術の素晴らしさは特筆もの。3幕6場がすべて異なる美術装置なのだけれど、どれもが洗練されていてシックで本当に素敵。細かいところまで気を配られたと~っても好みな色彩でした。衣装はところどころ、このままロミジュリ突入か?というところもあったけれど総じて美しい。 ユルゲン・ローゼさんはハイウエストのドレスが好きなのかしら?

1幕1場
ラーリナ夫人邸の庭でタチアーナの名の日の準備をしている夫人とタチヤーナと妹のオリガ。 小説ではオリガのあでやかさにタチヤーナはかなわないとなっていたけれど、それを意識した設定ではなく、二人ともちょっと個性的な魅力がある。
そこに近隣の娘や青年たちが現れて楽しそうに踊り始める。青年たちの服装とコサックダンスのような踊りに、あぁ、ロシアの話だったのだと改めて気づかされた。 オリガとレンスキーのPDD。オリガ役のエレーナ・テンチコワはワガノワ出身で90年にキーロフに入団しているのですね。柔らかな体のラインと踊りがきれいでした。レンスキー役のミハイル・カニスキンの踊りも良かったけれど、ブーツのせいか時々着地の音が大きかった。 ただ詩人という、どこかロマンティックで自己に酔っているような雰囲気はなく、ごく普通の若者でした。
そのレンスキーが連れて来た友人のオネーギン、黒の燕尾服に身を包んだルグリの登場のシーンからすっと空気が締まる感じ。タチヤーナに腕を差し出すオネーギン、遠慮がちに腕を組むタチヤーナ。一連のタチヤーナの立ち振る舞いは、田舎の娘が目の前に現れた都会からやって来た洗練された男性にとまどいをみせながらも心を揺さぶられ始めた雰囲気がよく出ていました。
ルグリは、周りの自然の美しさにも娘たちの若々しい美しさにも心を動かすこともなく、どこか冷めている様子を好演。
最後に、コール・ドとテンチコワがみせた、バレリーナが男性にサポートされてジュテをしながら舞台を斜めに横切るあのスピードにはちょっと目を見張りました。

1幕2場
この物語で一番良かったです。タチヤーナの想いがかなった幸せな愛の世界で、PDDは情感豊かでとても美しく素晴らしかったです。真っ白なサラッとした衣装がマリア・アイシュバルトの体のラインを引き立てていて、リフトされた時の安定した肢体、とりわけ開脚した脚の美しさは溜息ものだった。 ルグリの優しい笑みが見られるのもここだけだし・・・ 踊りは言うまでも無くエレガントで美しい。マノンの寝室のPDDに匹敵する甘美なPDDです。そして、夢から覚め、オネーギンへの恋文をしたためる時のアイシュバルトの溢れる想いを抑えきれないという演技も上手かったです。

2幕1場
タチヤーナの名の日のお祝いの日。手紙の返事をくれないオネーギンに不安を募らせるタチヤーナ。ルグリ@オネーギンは冷徹なまでの無表情さでタチヤーナの視線を避け、ただ、ある事を伝えるタイミングを窺っている。ようやく2人きりになると、タチヤーナを愛することは出来ないと告げて彼女の手紙を破ってしまう。原作では手紙は破らない。破らないどころか後に再会するまで大事にとってあるのだけれど・・オネーギンの冷酷さ、浅はかさを印象付けるための演出なのでしょうか?
その後、ただの退屈しのぎか気まぐれか、レンスキーからオリガを奪い、彼女と踊り続ける。女の自尊心をくすぐられたオリガも軽薄にオネーギンに応えて、レンスキーの怒りと嫉妬心を煽ってしまう。レンスキーはオネーギンに決闘(ピストルを使った果し合い)を申し込む。
多分、ここだったと思うのだけれど、紗幕が降りた向こう側でアイシュバルトが後ろ向きに下手に消えていくときのパ・ド・ブレ(で、いいのかな?)がとっても小刻みで速くて綺麗だった。

2幕2場
決闘を前にしたレンスキーのソロは、重々しく物悲しいのだけれどもうちょっと情感があれば、後姿からもっと伝わってくるようなものがあれば、なお良かったような気がする。
そして、姉妹の説得も空しく果し合いの末、レンスキーは命を落とす。

3幕1場
レンスキーを殺してしまった後、あてのない遍歴の旅をしていたオネーギンがペテルブルグに戻って来る。そして、ある日招かれたグレーミン公爵家の舞踏会で公爵の妻となったタチヤーナと再会する。人妻となったタチヤーナは、お下げだった髪型もアップされて気品溢れる中にも色香が漂っていて、子供っぽい田舎娘と歯牙にもかけられなかった1,2幕との差が歴然としていて効果的だった。彼女がオネーギンの存在に気づく前のグレーミン公爵とのPDDはしっとりとしていて良かったです。 これを遠まきに見つめるルグリの表情に、オネーギンの複雑な心境と心の乱れがが良く表されていたと思います。その前のゲストの男女達が踊る場面、照明はもう少し明るくても良かったのでは? 衣装があまり綺麗に見えなかった。

3幕2場
タチヤーナに手紙を出しても返事は来ない。想いをこらえ切れなくなったオネーギンはある夜、彼女の寝室に忍び込み愛を告白する。けれども彼女は最後まで拒み通す。ここのPDDは美しいけれど切ないです。情熱を一身にぶつけてくるオネーギンとその情熱に絆されまいと頑なに心を閉ざそうとするタチヤーナ。ほんの一瞬だけ、最後に一度だけとでもいうように心を解き放ったようにも見えたけれど、すがるオネーギンの目の前で彼の手紙を破り捨て、永遠の決別を彼に告げる。

踊りも演技も素晴らしかったのだけれど、あまりにも淡々と物語が進んでしまって、マノンのようなドラマティックなバレエを期待して、というか信じていた私としては、ちょっと肩透かしをくらったような感じでした。舞台で次に何が起こるかわからないのに、主役の表情を見ようとしてオペラグラスを多用して視野を狭めてしまったのもあまり良い鑑賞の仕方ではなかったかもしれません。もし、また舞台を観る機会があれば観る数だけ深い解釈ができて、本当の素晴らしさがわかるのでしょうね。
昨日の舞台、姉妹のキャスティングは良かったのですが、ルグリに対してカニスキンでは、まだ荷が重過ぎるのではないかと感じました。レンスキーをレパートリーにしているバランキエヴィッチで観たかったような気がします。
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ルジすべ、2日目と3日目の感想(11月5日、6日)
2005/11/08(Tue)
ルジすべの2日目、3日目、初日とは違う印象のものが多いので感じたままに書いてみました。(スペイン組の作品はうまく表現できないので抜けてしまっています。)

「ばらの精」 エルビラ・ハビブリナ、イーゴリ・コルプ
最終日、ハビちゃんが途中ですべってヒヤッとしたけれど何事もなく一安心!そういえば、2日目もドロテ?が同じような場所で滑ったっけ・・ハビちゃんの上品な可愛らしさ!好きだわぁ・・・ すっかりはまってしまったコルプは、1日目は目力に茶目っ気を感じ、奔放に思えたのだけれど、2日目、3日目は、奔放と言うより、自己陶酔型的な色気を感じました。柔らかい跳躍と大きな踊りがとても素敵だわ! それに、しつこいけどこの衣装がとっても似合ってる(笑)。

「ラ・フィユ・マルガルデ」よりPDD O・クチュルク、R・ミハリョフ
上手いです! でも、ミハリョフは腰に悪そうなポーズが多くて大丈夫なんだろうか? もうこうなったら全幕で観るしかないです! 光藍社さんにメールを出そう!! (でも、絶対持って来てくれるとすでに勝手に決めている・・・)

「竹取物語~月から来た姫~」よりアダージォ I・ペレン、M・シヴァコフ
慣れてきたら結構面白そうで全幕で観てみたくなりました。シヴァに対して欲求不満というせいもあるのですが・・・全幕を通じてボヤルチコフがどのような振り付けをしたのか、自分の目で確かめてみたくなりました。今回のPDDの音楽が好みだったので全部聞いてみたいという思いもあります。 やはりペレンのパートナーがシヴァだと安心して観てられる(はあと)

「シンデレラ」よりPDD ドロテ・ジルベール、カール・パケット
1日目はあまりいい作品とは思わなかったのですが、3日目にはかなり気に入っていました(笑)。 可愛いドロテちゃんと美形パケットのおかげですが、2人が絡ませる視線と視線がまさに恋人同士という感じで、舞台から漂ってくる甘やかな雰囲気かとても良かったです。

「ススピロ・デ・エスパーニャ~スペインのため息~」 
F・ルジマトフ、ロサリオ・カストロ・ロメロ、リカルド・カストロ・ロメロ
初日、2日目と、ルジとロサりオさんばかり見ていて、あまり追いかけられなかったリカルドさんを3日目はたっぷり堪能しました。彼がきざむステップとかけっこう熱かったです。最終日はみんな一段と情熱的でこの短い3日間の集大成を見せてくれたという感じです。ロサリオさんの母性溢れるスペイン女っぷりが良かったですね! 最後の別れのシーンもとても切なかったです。 ラスト、ロサリオさんがルジに「自分と思って!」と渡したストールと同じ色の紙ふぶきがルジの上から降ってくるはずだったのに、なんでなかったんだろう? あのシーン美しかったのに。

「エスメラルダ」よりPDD ドロテ・ジルベール、カール・パケット
この2人はこちらの演目の方がさらに魅力的です。ドロテちゃんも急な演目の変更だったのに凄く上手かったと思うし、バランスはやはり辛そうだったけど、タンバリンを叩くタイミングも3日目はほぼ完璧でした。ともかくキュート! パケットは1日目は舞台の狭さが心配だったのかちょっと抑えめだったけれど、2日目、3日目はエンジン全開で踊ってくれました! 彼の下半身はちょっと動きを重く見せてしまう気がするのだけれど、柔らかい綺麗なジャンプでした。 ここでも2人の視線はとろける様なラブラブ光線だわ(笑)

「ドン・キホーテ」よりGPDD V・テリョーシキナ、F・ルジマトフ
初日の不発が嘘みたいに素晴らしい! この2人で全幕を観てみたいです。 テリョーシキナは本当に一つ一つのポーズが美しいです。アチチュードの上げている膝の位置も高くてとっても綺麗。そして、彼女のヴァリは小気好い踊りと程よいお色気の振りまき方がと~~っても好み! ルジは、やはり最終日が一番いっちゃってましたね~。もう、ノリノリでミエきりもキラーポーズも、それはそれは魂入って決まっておりました。 

「カルメン」  オクサーナ・クチュルク、R・ミハリョフ
良いです! 何度でも観たいです!! ラ・フィユでのクチュルクはひたすら可愛らしく、カルメンでは凛とした美しさがあった。

「白鳥」 イーゴリ・コルプ
舞台の前方に進み出て、屈折した思いや恐怖を覆い隠してきたコートを脱ぎ捨てて己を解き放った瞬間から、コルプの毒の世界にしてやられた。サン・サーンスのあの物悲しい音色にのって何かに取り付かれたように踊っている時、何をイメージして、一つ一つのムーヴメントに何を代弁させていたのか、コルプ本人に聞いてみたいです。

「海賊」よりPDD イリーナ・ペレン、アンドリアン・ファジェーエフ
2日目、3日目は、ペレンも遅めの音楽にうまくのって踊れていたと思います。ファジェーエフも爽やかにエネルギーを爆発させていました。 コンサート・ピースでのアリとメドーラはどこまで心を通わせて良いものか・・・ 疑問です。 ペレンのグラン・フェッテはいつもシングル・シングル・ダブルで、ダブルの時に音楽に合わせるという感じなんだけれど、シングルだけで高速で回るという見せ方も試してみたらどうだろう? 冬にはドン・キにも再挑戦するんだし、スピードも意識して欲しいかも? でも、自然な笑顔は良かったな。

「アルビノーニのアダージォ」 ファルフ・ルジマトフ
コルプの救われない世界とは全く別のルジの救われない世界。コルプの世界のような毒はないけれど、心の叫びがある時は激しく、ある時はじわりじわりと迫ってくる作品。

フィナーレ
最終日のフィナーレではルジマトフが「タンゴ」の他にもマネージュやピルエットを披露してくれて凄く盛り上がりました。共演したダンサー達も充足感に満たされてとても楽しそうで、観客も含めてみんなハッピーという温かい素晴らしい公演でした。
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ルジすべ、ヒートアップな2日目
2005/11/05(Sat)
やっぱり2日目は初日とは全然違って、皆、物凄い勢いで調子を上げて来ました。

今日、1番びっくりしたのは、フィナーレでのルジの笑顔なんです。ってとても失礼な言い方ですが、アンコールともサプライズとも言える「タンゴ」を踊っていた時の楽しそうな雰囲気そのままに笑顔が絶えないのです。なんか嬉しくて幸せですごく満足でっていう気持ちがそのまま自然な笑顔になっていて、”孤高のカリスマダンサー、ファルフ・ルジマトフ”という纏い物を取り払った、あたかも家族や友人に見せるような姿とでも表現したくなるような! 大袈裟だけど私には本当にそう感じられたのです。 そしてそのルジの笑顔によって舞台と会場がホワァ~という温かさに包まれたような気がしました。これこそ凄いサプライズ! いいですねぇ、座長のあぁいう嬉しそうな顔。共演ダンサー達にとっても何よりのご褒美じゃないのかな? 明日もお願いします(笑)

コルプは、さすがに観る方も2回目となると免疫できてるし、おとといのような衝撃的なものはないですが、今日も「バラの精」、「白鳥」ともに素晴らしかったです。 今日は髭剃った?

一方ファジェーエフは、別人のように良かったと思います。変な力みと緊張がなくなったみたいで、彼のアリを爽やかに踊っていたように感じました。ペレンとのパートナーシップもとても良くなったと思う。ただ、やはりリフトは大変そうですが・・・

そして、ペレン! シヴァとの「竹取」の時の雰囲気からおとといとは違う感じでした。踊りがじゃなくて、レヴェランスの時の彼女の表情とかシヴァとの気持ちの通わせ方とか。 気持ち的に少しずつ持ち直してきているんじゃないかと感じました。
「海賊」も、遅めの音楽に踊りにくそうにする事なくきちんと合わせていて、笑みも自然になって、自然にファジェーエフともアイコンタクトが取れていました。ようやく本来のペレンらしい姿に戻りつつあるようで、今日は一安心です。 いろんな人にいろいろ言われているペレンだけど、やはりこれからも見捨てずに応援していかなくちゃ(笑)!と思えた今日でした。 
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「ルジマトフのすべて 2005」 11月3日(初日)感想
2005/11/04(Fri)
「ばらの精」 エルビラ・ハビブリナ、イーゴリ・コルプ
音楽:M.ウェーバー  振付:M.フォーキン
久しぶりのハビちゃん! もともと優しい雰囲気の彼女だけれど、お母さんになって一層優しさが増した感じです。ちょっとふっくらしたかなぁとも思うけれど、相変わらず綺麗だし可憐な少女役が今でもぴったり。コルプは、被り物を含めこの衣装が似合ってるなぁ・・綺麗な踊りです。目の表情がちょっとあやしげで茶目っ気もあって、奔放でいたずら好きな妖精に見えました。ただねぇ、なんで髭??

「ラ・フィユ・マルガルデ」よりPDD O・クチュルク、R・ミハリョフ
音楽:L.エロルド 振付:O.ヴィノグラードフ
クチュルクの魅力全開と言う感じでとっても可愛かった! 彼女の衣装もとっても可愛くて素敵です。 それに合わせた配色のミハリョフの衣装の方は赤とブルーがきつすぎてちょっとなーでしたが、踊りは良かったです。2人とも本当に上手くて隙がない。多分、彼らがボルドーから戻ってくる2006~7年の冬公演には全幕で持ってきてくれるんじゃないかと期待大! クリギンが母親役をやってみたいと言っていたしね!

「竹取物語~月から来た姫~」よりアダージォ I・ペレン、M・シヴァコフ
音楽:S.カロシュ 振付:N.ボヤルチコフ
全幕で観る勇気がなかったからガラでちょうどいいかもと思っていたけど、ここだけ見せられてもやっぱりよく分かりません・・・今回披露されたのは最終幕、深く愛し合うかぐや姫と帝がほんのひととき心を合わせて踊るというパートだそうですが、けっこう動きがアクロバティックだったし、ペレンの衣装はどうなってんだろ?とか考えてしまいました。 リフトしていたペレンを床に降ろした時にカツラがずれそうになってあわてて手で押さえていたシヴァ、笑えた!

「コル・ペルドゥ」 アイーダ・バディア、パトリック・ド=バナ
音楽:M.ボネ 振付:N.ドゥアト
ダンスについてはあまり良く分からないですが、女性の衣装は、動きのためにかなりアンダーウエアが露出してしまったのでスカートじゃない方がいいような。曲はとっても良かったな。最近映画で良く耳にするようなちょっとイスラムっぽい響きが好きです。

「シンデレラ」よりPDD ドロテ・ジルベール、カール・パケット
音楽:S.プロコフィエフ  振付:R.ヌレエフ
このPDD、夏のエトワールガラでも披露されましたが、個人的にいいなぁとは思わない作品。全幕で観れば違うのでしょうけど。ジルベールは手が長い!

「ススピロ・デ・エスパーニャ~スペインのため息~」 
F・ルジマトフ、ロサリオ・カストロ・ロメロ、リカルド・カストロ・ロメロ
音楽:D.ヤグエ  振付:R.ロメロ
白いシャツに黒いパンツ姿のルジがとっても素敵! 5センチくらいのヒールの高さはあったけれど、脚長いのね! 詳しい感想はまた後日(逃)

「エスメラルダ」よりPDD ドロテ・ジルベール、カール・パケット
音楽:R.ドリゴ 振付:M.プティパ/N.ベリオゾフ
衣装が豪華で綺麗で好み! 特にジルベールは良く似合ってました。彼女はテクニックもあって目線の使い方も上手いのですが、かなりグラグラしてしまったポワントのバランスになると、慎重なあまり演技から離れてしまうのがちょっと残念だったけど、パケットにサポートされた回転などは早くて綺麗でした。でも、エスメラルダは去年のルグリガラの時のオーレリの素晴らしいのを観ているので・・・。パケットは普通に良かった。ハンサムだから笑顔はとっても魅力的!

「ドン・キホーテ」よりGPDD V・テリョーシキナ、F・ルジマトフ
音楽:L.ミンクス 振付:M.プティパ
チョコチョコっとしたミスがあって、ルジもテリョーシキナもまだエンジン掛かっていない感じだけど、夏と比べてテリョーシキナはとても落ち着いたみたいです。 キトリは多分はまり役になるんじゃないかな? ハビちゃんが友人役で踊ってくれたのは嬉しかったんだけど、ちょっと雰囲気違いますね。 

「カルメン」 オクサーナ・クチュルク、R・ミハリョフ
音楽:G.ビゼー 振付:Y.ペトゥホフ
去年、初めて観た時からお気に入りの作品。お疲れ気味だった去年より切れがあってとても良かったです。この2人は本当に良いペアですね!

「白鳥」 イーゴリ・コルプ
音楽:C.サン=サーンス 振付:R.パクリタル
登場のシーンからすんごいビックリ! 一瞬スワンレイクで下着にコートを引っ掛けただけの王子が浮かびましたが、そんなもんじゃない(笑) コルプの誕生日にパクリタルが送ったコルプオリジナルの白鳥。ただひたすら髪型が楽しみだったコルプにここでしっかりはまってしまった・・・努力家でまじめなちょっと地味な人と思っていたら、凄~~い個性と表現力の持ち主だったのですね。髭もこのためだったのだけれど、できればこっちは付け髭にして欲しかったな。

「カドゥータ・リベラ」 アイーダ・バディア、P・ド=バナ
音楽:G.ヘンデル/O.サンガレ 振付:P.ド=バナ
こちらもヘンデルの歌曲とアフリカンミュージックはとても好みだったのですが、ダンスがな・・ちょっと長かった。私、こういうの理解する能力無いのだわ・・・

「海賊」よりPDD イリーナ・ペレン、アンドリアン・ファジェーエフ
音楽:R.ドリゴ 振付:M.プティパ/V.チャブキアーニ
今年の夏にもましてアダージョから音楽が遅い。あまりの遅さでペレンがかわいそうだった。2人とも間が抜けた感じに見えてしまったし。
今回のペレンのティアラ! 大~きすぎ! とっても変よ!! ファジェーエフは爽やかな感じだけれど、なんでここで彼がアリなんだろうか? それに彼にはペレンは大きすぎてリフトは上げきれていなかったし。 やっぱシヴァじゃないと・・・ 1演目しか踊らないし、ファジェーエフはコルプと比べてなんか損してないだろうか?? 

「アルビノーニのアダージォ」 ファルフ・ルジマトフ
音楽:T.アルビノーニ 振付:B.エイフマン
この曲、とにかく大好きなのです。メロディーは綺麗だし、厳かなんだけどじわりじわり迫り来るようなところがとても好き。この日のルジマトフの踊りもそういう感じで素晴らしかった!(シヴァコフもボロボロな衣装をまとってバックで参加。)  
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生舞台&映像 新国立「ドン・キホーテ」ザハロワ&ウヴァーロフ
2005/08/25(Thu)
6月26日の舞台を初台まで観に行って、その後走り書きしたままのメモを、収録放送を見たついでに書き直しておこう。

   キトリ: スヴェトラーナ・ザハロワ
   バジル: アンドレイ・ウヴァーロフ
   ドン・キホーテ: 長瀬信夫
   キトリの友人: 西山裕子、遠藤睦子
   森の女王  : 川村真樹
    
キトリデビューは、確か1シーズン前のどこかヨーロッパでのボリショイ海外公演だったと記憶しているんだけど、ザハロワのキトリってどんな感じなんだろうと興味津々で観に行った。やっぱり姫なのだろうか!?

<一幕>
果たして、ザハロワのキトリは気風のいい下町の娘というわけにはいかず、やはりザハロワだった(笑) 本人の踊りの質というのもあるだろうし、ザハロワのように長身で手脚も長いとなるとすべての動きに弾けるようなスピード感を出すのは簡単な事ではないのだろうと思う。キトリという役は彼女の天賦の才を活かせる役ではないとは思うけれど、ウヴァーロフ@バジルを相手に茶目っ気たっぷりに楽しみながら演じている彼女からは、今までに感じた事のない「可愛い」という印象を受けた。これって大収穫だと思う。ウヴァーロフと踊っている彼女を見ながら、彼女がボリショイに移籍して得た一番の宝が、彼女を好きなように躍らせながらしっかりリードしてくれる頼もしいウヴァーロフというパートナーなのかなと思った。もちろんマリインスキー時代にもゼレンスキーという素晴らしいパートナーはいたけれど、男性ダンサーの女性に対する位置が違うのだそうだ。以前ザハロワが、「マリインスキーでは、バレリーナ(主役を踊るクラスに限定されるとは思う)のイメージする通りにパートナーの男性は合わせて踊ってくれたのに、ボリショイでは男性ダンサーも自らの意見を持ち、ウヴァーロフは最初のうちは私の意見を全然聞いてくれなかった」とインタビューで語っていたという事を聞いた事がある。

そして、そのウヴァーロフは・・・。よくよく考えてみれば全幕を観るのは初めてだったんだ。ダイナミックながら美しいラインで素晴らしい踊りを見せてくれました。驚いたのは彼がとても芝居巧者だという事。まぁ、床屋の倅かといえば、こちらも限りなく王子に近いけれど、そんな事はどうでもいいってくらい楽しませてくれた。リフトも高くて安定していて、彼に片手で高々と掲げられてタンバリンを鳴らしているザハロワがとっても可愛かった。

新国のダンサーでは、キトリの友人の西山裕子さんの暖かみのある踊りが良かったな。どうしても彼女に目が行ってしまうので、もう一人の友人の遠藤さんは殆ど見てなくて、ごめんです。親国のダンサーではないけれど、エスパーダ役のガリムーリン、覚悟はしていたけど引退間際の太目のマタドールって感じだったなぁ。踊りは上手いんだけど・・・。 だって一番最近見たエスパーダはシヴァコフだから! メッチャ可愛くてカッコ良かったんだから!(笑)


<二幕>
ファジェーチェフの改訂版は二幕の順番が大半のものとはちがっていて、酒場→ジプシーの森→夢の場という順番なのでややとまどった。

1場。駆け落ちなのに何故お召し替え?というのはあるけれど、いろいろな衣装が見られるのは楽しい。キトリの衣装でブラックだけという色使いも珍しいんじゃないのかな?
ギターの踊りという女性3人の踊りは初めて見た。デュオの一人の深沢祥子さんが実はずっとお気に入りだったので、彼女の踊りがゆっくり見られて満足。大森さんの役はもともとあんなに暗い感じなのでしょうか??
ダンサーの役者としての個性が発揮されるバジルの狂言自殺のシーン、ウヴァーロフはもう最高!! マントをマジシャンみたいに手際よく床に敷いて「ではね、皆さん!」という感じで余裕の死んだふり!! 
2場。ジプシーの踊りではバリノフ君の、いつもながら躍動感溢れる踊りが良かったです。
3場。ザハロワのドルシネア姫はさすがに美しいし、見ていてしっくりきます。脚のしなりが凄いわ!! 森の女王の川村真樹さんは思ったより長身のダンサー。ザハロワと並んで同じ振りというのは、光栄な事でもあると思うけれど、いろんな意味で相当なプレッシャーでしょうね。パステル調のピンク、ブルー、イエローの綺麗なチュチュに身を包んだ親国のコール・ドは良く揃っていて本当に美しいです。まちがいなく世界一流レベルですよね。


<三幕>
結婚式は公爵の館で行われるのね・・ コール・ドの衣装も豪華でそのまま眠りの3幕が出来そうな感じ。ファンダンゴは音楽も好きなんだけど、女性の衣装がとても綺麗でした。あと、子供のキューピットの中にすっごく小っちゃい子いて、目が釘付け(笑)。

GPDDも華やかでしたね。ここでもウヴァーロフはジャンプも高くて・・・でもやっぱりノーブル入ってるなぁ・・・ザハロワもキトリっぽくと頑張ってたけれどやっぱり姫だ。フェッテはダブルも入れて高速で回っていたけれどあまり綺麗じゃないしけっこうあっちこっちフラフラ動いてました。
ファースト・ヴァリを踊った寺島ひろみさんの踊りも動きが綺麗で良かったな。

全幕を通して新国立のドン・キは、港町の喧騒とか汐の香りが漂ってくるような感じではなく、個々のダンサーの表現も優等生っぽく、ちょっと上品過ぎる気がした。ただ、かえってそれがザハロワ、ウヴァーロフペアの雰囲気とはマッチしていたのよね。それに、とても楽しかったのでこういうドンキも有りという事で!!


舞台を観ている時には、こちらも雰囲気にのまれて興奮していたせいか、ほとんど感じなかったのだけれど、映像で見ると、キトリを踊っている時のザハロワはちょっと雑かなぁという気がした。
同じ舞台を生と映像で両方観てみて、やはり生の舞台の素晴らしさを改めて感じましたって当たり前か・・。 当日は一階9列目で見ていたのだけど、夢の場を3階席くらいの角度から映してくれた映像を見られたので、フォーメーションなどがよくわかってちょっと得した気分。
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