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ライラの冒険 黄金の羅針盤
2008/04/07(Mon)
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」
原題 : THE GOLDEN COMPASS  (2007年 米 112分)
監督 : クリス・ワイツ
出演 : ダコダ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン
鑑賞日 : 3月14日 (新宿ミラノ)
ライラ

我々の暮らす世界とは似て非なる平行世界のイギリス・オックスフォード。 ジョーダン学寮で育てられた孤児のライラ(ダコダ・ブルー・リチャーズ)は、ダイモンのパンタライモンや親友ロジャーらと共に、
騒がしい日々を送っていた。しかし街では次々と子どもが連れ去られる事件が発生し、親友ロジャーも姿を消してしまう。そしてライラ自身もコールター夫人(ニコール・キッドマン)に連れられジョーダン学寮から旅立つことに。旅立ちの日、彼女は学寮長から黄金色の真理計を手渡され……。(goo映画より)

英国の作家フィリップ・プルマンが書き上げた三部作の冒険ファンタジーの映画化、第一弾。
「黄金の羅針盤」は1995年に、続く「神秘の短剣」が97年に、最終章となる「琥珀の望遠鏡」が2000年に出版されています。

主人公のライラが住んでいるのは私たちの世界と似て非なるパラレルワールド・・・という事でパラレルワールドなるものを理解しないといけないのね・・・。
時間軸にかかわるこういう世界ってちょっと苦手・・・。

この映画を見に行ったのは、ストーリーにそれほど期待したわけではなく、大画面で映像を楽しみたかったのと、人々の分身(守護精霊)である”ダイモン”と呼ばれる動物の形をした生き物が可愛らしかったので・・・。
ストーリーも面白くなかったわけではないけれど、112分という、この手の映画ではわりと短めな中で淡々と展開していってしまったのが、面白さというかスリリングさを若干削いだように感じる。
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ライラを演じたダコタ・ブルー・リチャーズはオーディションで1万人以上の中から選ばれ、本作がデビューの新人とは思えない子役。 目力の強い子でライラの意思の強さ、気丈な性格がよく伝わって来た。
ただ、ライラという少女はあまりにも簡単に難局を突破してしまったり、よろい熊の王ラグナー相手に平気で大嘘をついてみたりと、彼女の賢さが狡猾に感じられてしまい、何となく子供らしい無邪気な魅力に欠けて見えたのが残念。
ま、羅針盤が読める世界でたった一人の特別な能力を持った子供なんだから、それでも不思議じゃ
ないわけだけれど、自分に備わった特別な力とか、それゆえに運命に導かれていく事への不安のようなものがもっと見えたら、もう少しライラが愛しいキャラに思えたような気がします。 
ライラよりも、その時その時の心境で姿がころころ変わるパンタライモンの方に興味を持ってしまったけれど、この相棒がライラが成長した暁にはどんな姿となるのかを想像するのも楽しい。 ライラの叔父のアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)のゆき豹なんて最高にかっこいいし!

映像的にはアカデミー賞の視覚効果賞を受賞しただけあり、広大な自然の風景や町並みなどが溜息が出るほど美しいし、ダイモンたちの細かい動きや、イオレクとラグナーの大熊同士の戦いのリアルな感じも素晴らしい。 ただ最後の北の地でのタタール族、魔女族、ジプシャンが入り混じっての闘いが薄暗い中での出来事だったので迫力に欠けたあげく見づらかったのが残念。

登場人物はそれぞれ魅力的。
コールター夫人を演じたキッドマンは、彼女のアイシーな美しさと雰囲気がこの役にぴったり。 もともとキッドマンのイメージでこの人物のキャラクターを設定しているらしいので、ご本人はどう受け取っているのでしょうね? 彼女のダイモンが意地の悪そうな金の猿っていうのもなんとなく納得・・・。

さり気なくライラを守り、強く生き抜く力を持っているエヴァ・グリーン演じる魔女のセラフィナ・ペカーラが何気に美味しいキャラ。
これからの冒険でもライラの頼もしい指南役となりそうな気球乗りのリー・スコーズビー(サム・エリオット)と鎧熊のイオレクの活躍も楽しみです。
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リーピング
2007/10/24(Wed)
「リーピング」
原題:THE REAPING (2007年 米 99分)
監督:スティーブン・ホプキンズ
出演:ヒラリー・スワンク、デビッド・モリッシー、イドリス・エルバ、アナソフィア・ロブ
鑑賞日:10月13日 (DVD) 


“奇跡”の真相を暴く第一人者である大学教授のキャサリン(ヒラリー・スワンク)。彼女は「川の水が血に変わった」という現象を調査するため、相棒のベン(イドリス・エルバ)とともに小さな街・ヘイブンへとやってきた。ヘイブンで教師をするダグ(デビッド・モリッシー)とともに早速川を調べるキャサリンたちだが、いきなり大量の蛙が降ってくる不可解な現象に見舞われる。その時キャサリンは一人の謎めいた少女−街の人々が災いの元凶と恐れるローレン(アナソフィア・ロブ)と出会い……。(goo映画より)

ホラーレーベルのダーク・キャッスルの映画なのでこれもホラー、しかもB級ホラーなんだろうけれど、オカルト色も濃くけっこう面白かったです。 
サタンや天使を絡め、おち?というか、そう来たかというエンディングも悪くはなかった(笑)

アカデミー賞を2度も受賞しているわりにはヒラリー・スワンクって出演する映画を選ばないというか・・・、「11:14」(ゴーストのパトリック・スウェイジが老け役というか、老けたなぁ・・・)というわけのわからない映画でのちょっと頭のいかれた変なねーちゃん役で出演していたのはさすがにどうかと思ったけれど・・・彼女的に演じる価値があると思えばそれでいいのでしょうね。

キリスト教徒でもなく無宗教な人間にとってはこのストーリーには恐さはほとんど感じないと思う。
旧約聖書の「十の災い」を知っていれば、映画の中でその通りに順を追って起きる事も特にびっくりするわけではないけれど、真っ赤に染まった川やイナゴの大群などの映像はVFXを駆使して映像化しているだけに迫力満点。
その映像のリアリティーも素晴らしいけれど、フラッシュバック的に挿入されていたキャサリンの追憶や幻想のようなシーンもとても印象的だった。

旧約聖書、出エジプト記の「10の災い」は
 1.水を血に変える
 2.蛙を放つ
 3.ぶよを放つ
 4.虻を放つ
 5.疫病を流行らせる
 6.腫れ物を生じさせる
 7.雹を降らせる
 8.イナゴを放つ
 9.暗闇でエジプトを覆う
10.長子を皆殺しする

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「ブラック・ダリア」のスワンクは彼女の雰囲気と役柄の設定とのギャップが気になっていまいちすんなりくるものがなかったけれど、今回のキャサリン役の彼女は、自然体でとても綺麗だったと思う。 見る者を引き込む彼女の演技力はやはり凄いです。

キャサリンとなんとなくいい感じだったダグ役のデビッド・モリッシーはカットによってはジョシュ・ルーカスに似ていて(もち、ジョシュの方がいい男♪)、最初のうちはジョシュが良かった・・なんて思って見ていたけれど、やっぱりジョシュが演じるべき役ではないわ!(笑)

少女ローレンを演じたアナソフィア・ロブの無実を主張する意志の強そうな目がとても良かったです。
オカルトやホラー映画で子役が重要な役を演じているのを見るたびに、オンとオフの精神的なバランスをどうやってとっているのかと気になってしまうけど、まぁ、撮影現場にイナゴやカエルが飛びまくっていたり、川が真っ赤に染まっているわけではないので、実際にないものを相手に演技をしているその演技力に感心すべきなのでしょうね。

聖書というととっつきにくい感じもしますが、こんなマンガの旧約、新約聖書もあるのでけっこう重宝しています。
マンガ聖書物語<旧約篇>&<新約篇>
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ラストキング・オブ・スコットランド
2007/10/19(Fri)
「ラストキング・オブ・スコットランド」
原題 : THE LAST KING OF SCOTLAND (2006年 英 123分)
監督 : ケビン・マクドナルド
出演 : フォレスト・ウイテカー、ジェイムズ・マカボイ、ジリアン・アンダーソン、ケリー・ワシントン
鑑賞日 : 10月6日 (DVD)


スコットランドの医学校を卒業したニコラス・ギャリガン(ジェイムズ・マカボイ)は、志を胸に、ウガンダにある診療所で働く道を選んだ。時は1971年。軍事クーデターによってオボテ政権が倒れ、イギリスの支援を受けたイディ・アミン(フォレスト・ウイテカー)が、新ウガンダ大統領の座についた直後のことだ。軍隊のヒーローであるアミンは、国民の期待を一身に集める希望の星だ。そんな彼が、診療所の近くで演説すると聞き、興味を抱いて出かけて行くニコラス。熱弁をふるうアミンのカリスマ性にニコラスは、集まった多くの民衆と同様に強くひきつけられるのを感じる。そんなニコラスとアミンの運命がひとつに交わる出来事が、演説会の直後に起こった…(goo映画より)。
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<大いにネタばれです〜>
「人食い大統領」の異名をとった実在のウガンダ大統領イディ・アミンをどういう切り口で描くのかによってこの映画の意味合いが全く違ったものになったと思う。
元アフリカボクシングヘビー級チャンピョンで2メートルを越える巨漢だったというイディ・アミン。
アミンを演じたフォレスト・ウイテカーも、その巨体と眼光だけで十分な威圧感を感じさせていた。

この映画のもう一人の主人公である架空の人物ニコラスのキャラクターの設定も良かったのではないかと思う。 ニコラスの言動が招く結果がアミンの持つ善と悪の二つの本質を観客に見せていくことになる。

医学校を卒業したばかりではあるけれど、医師としての自分の能力を役立てようと未知の世界であるウガンダを選んだニコラスは、青年らしいひたむきさと純粋さは持っているものの、やや短慮で流されやすく、女性に対しても奔放な世間知らずの若者。
そんなニコラスだから、カリスマ性たっぷりにウガンダの理想の未来を熱く語るアミンに惹かれて、彼の中に救世主的なヒーロー像を見て取るのも、偶然にも演説後に怪我をしたアミンの手当てをした際の臆する事のない言動にも納得がいく。

ニコラスの言動に新鮮な痛快さを感じ、また彼がスコットランド人というのが気に入ったアミンは彼を自分専属の医者として迎える。 ニコラスは、植民地時代のスコットランド軍に属し、キルトスカートを纏うなどスコットランドに傾倒して自らを「最後の王」と称したというアミンの心に郷愁のようなものを呼び覚ましたのかもしれない。

ウガンダ大統領として堅実な政権運営をしているように思えたアミンと、アミンの側近として発言権を持ち、贅沢な暮らしを提供されて意気軒昂だったニコラスに転機が訪れたのは、空港へ向かう二人が乗った車が銃撃に合い、命を落としかけた時だった。
内密の行動予定が外部に漏れていた事に怒りと恐怖を感じたアミンは、自分の敵となりうるすべての粛清を強化する。 
彼自身もクーデターによって大統領の任についた身であり、あの時代の情勢不安定な国内において猜疑心が強くなっていくのも無理のない事だったのかもしれない。

ニコラスの誤解から、第1の腹心に疑いを持ち処刑してしまったあたりから不安が疑心暗鬼を呼び、猜疑心が狂気へと変わり、彼の精神的な崩壊は止まるところを知らなくなってくる。
ウイテカーの迫力のある演技が凄まじく、彼の大きなアクション一つ一つや鋭い眼光から言葉以上の緊迫感が伝わってきた。

善良なる大統領アミンの真の姿を知ってしまったニコラスが、職を辞し国へ帰ろうとするも時すでに遅く、周辺のイギリス人たちと距離を置いていたのもあだになり孤立無援の状態となった彼は、軽率にもアミンの第2夫人と関係を持ち、彼女を妊娠させてしまい、さらに境地に立たされる。

国外への脱出の最後の手段としてアミン毒殺を謀るけれども発覚して失敗に終わり、空港で捉えられて拷問に掛けられ瀕死状態のニコラス。 彼の脱出劇のために、パレスチナ解放戦線によりハイジャックされウガンダのエンテベ国際空港に着陸させられたエール・フランス機ハイジャック事件(ハイジャック犯はアミン大統領の援護を受けていたといわれている)という史実が持ち出されている。 ウガンダ軍の見守る中、別の飛行機で出国できる事になったイスラエル人以外の乗客たちに紛れ、ニコラスが待合室から出て飛行機に搭乗して離陸するまでのシーンは非常にスリリングだった。
この青年が命拾いをするに足る人物とはとうてい思えないけれど、自らの身の危険も顧みずにニコラスを逃がしたウガンダ人医師の悲痛な思いを忘れることなく、帰国後は彼のすべき事をし、正しい人生の選択をして欲しいと思わずにはいられなかった。

この映画でウイテカーは第79回アカデミー賞主演男優賞を受賞していますが、彼はスワヒリ語を学び、アミンの肉声テープを研究しつつただの物まねにならぬよう、伝えられている彼のイメージに捕らわれることなくアミンの本質をつかもうと努力したとの事です。
この映画の中でのアミンに、ただの残虐な独裁者ではなく一人の弱い人間という面が垣間見えたのも、そういったウイテカーのアプローチのおかげなのだと思う。

アミン大統領は、反体制派のウガンダ民族解放戦線の攻撃により1979年に失脚した後はサウジアラビアに亡命し、2003年に80才で病死したそうです。
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ウガンダに到着したニコラスを出迎えた診療所の医師の妻サラ役はX-File・スカリー捜査官のジリアン・アンダーソン。 彼女が出演していると言うのがこの映画を見る楽しみの一つでもあったのだけれど、かまわないうちに伸びてしまったような髪と少しやつれたような感じのこのキャラクター仕様なジリアンに少しだけ年を感じた。 でも、どんな状況でも凛として自分を見失わないクールなサラはやはりジリアンならでは! ジリアン、とっても好きなのです。

尚、作品やアミン大統領について語っているウイテカーのインタビューがこちらで取り上げられています。
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ルワンダの涙
2007/10/05(Fri)
「ルワンダの涙」
原題 : SHOOTING DOGS (2005年 英・独 115分)
監督 : マイケル・ケイトン・ジョーンズ
出演 : ヒュー・ダンシー、ジョン・ハート、クレア・ホープ・アシティ
鑑賞日 : 9月23日 (DVD)


ルワンダの首都・キガリ。イギリス人のジョー(ヒュー・ダンシー)は、クリストファー神父(ジョン・ハート)の運営する技術学校で英語教師として働いていた。ツチ族の少女マリー(クレア・ホープ・アシティ)をはじめ、生徒たちと触れ合いながら日々を送るジョー。しかし彼はBBCのレイチェル(ニコラ・ウォーカー)から、フツ族がツチ族を虐殺している事を耳にする。そしてある夜、事態は急変。フツ族の大統領機墜落を機に、フツ族がツチ族の大量虐殺を始めたのだ。怯えるツチ族の人々は学校へ避難してくるが…。(goo映画より)

この作品は1994年当時、記者として現地で取材したデビッド・ベルトンの体験がもとになっていて、ホテルルワンダが南アフリカで南アフリカ人を使って撮影されたのと違い、ルワンダ現地で撮影し、虐殺を生きぬいたツチ族の人がスタッフとして映画制作に加わっている。
また多くのルワンダ人がエキストラとして映画に出演しているそうだけれど、虐殺する側とされる側にどの部族がどのように別れて撮ったものなのか、ルワンダの人たちの勇気に感心させられる一方、昔の感情が蘇ってこないものなのかと、後で考えるとなんだか恐ろしくなってしまった。

映画の冒頭、マリー(クレア=ホープ・アシティ)のランニングの様子をまるで実況中継のアナウンサーのように伝えるジョー。 彼のまわりに集まって来てマリーのゴールに盛り上がる生徒たちの輝いている姿は、ごくありふれた風景だった。 
ルワンダでもそんな日常が繰り返されていたのに、大統領機撃墜事件がルワンダの社会を一変させてしまう。
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それは、93年の和平合意後もくすぶっていたフツ族のツチ族への憎しみを一気に扇動する都合のいい引き金だったような気がする。
人口的な比でさえ、8割以上がフツ族だったと聞くルワンダでのツチ族の人たちの恐怖と言ったらどれほどのものだったのだろう。 技術学校に避難することすらできなかった人たちの恐怖と絶望。
ついこの前までは部族の違いを気にする事無く一緒に日常を送っていたように思える隣人たちが、まるで虫でも殺すように罪悪感もなく虐殺する側とただ無力に逃げ回るしかない側に別れてしまう状況に気が遠くなるような、自分の感情がなくなっていくような感覚を覚えた。

BBCのレイチェルをはじめ、報道機関に携わっていた白人たちは、最初こそはこの惨劇を全世界に知らしめてなんとか悲劇を回避したいと奔走する。 それでも彼らの頭のどこかでは、自分たちはまず狙われないし、窮地に陥ればこの惨状から逃げる術があると思っているのだろう。
レイチェルがジョーに語った「1年前のボスニアの時は毎日泣いてばかりいた。 白人女性の死体をみるとそれが母だったら・・・と思った。 それなのにここでは涙すら出ない。 殺されているのはただのアフリカ人。 結局自分たちは自分勝手なのよ。」という台詞はあまりにも痛烈だけれど、これこそが白人の本音であり、先進国の本音なのだと思う。
そして、それは言い悪いの問題ではない。

国際社会の足並みが揃わないのは、ルワンダから10年以上経った今でも変わらない。 つい先日のミャンマーでの出来事も、中国やロシアが軍事政権とのそれぞれの関係のために積極的介入に否定的な姿勢を示した。  ルワンダの虐殺の影にもフツ族側に武器などを輸出してバックアップしていた国々がいて国連は十分な機能を果たせなかったと聞く。
途上国と、その資源を自国の利益のために利用する先進国という構図が変わらない限りこのような事の繰り返しは避けられないのだろう。
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この映画は英・独の共作で原題は「SHOOTING DOGS」だけれども、アメリカで封切られた際のタイトルは「Beyond the Gates」。 分かりやすいタイトルではあるけれど、クリストファー神父がデロン大尉(ドミニク・ホロウィッツ)に対して「あなた方が攻撃されない限り、銃撃は認められていないのでしょう。 犬があなた方を襲ってきたのか」とPKOのあり方を皮肉ったニュアンスが伝わって来ない。

ジョー役のヒュー・ダンシーは「ブラックホーク・ダウン」や「キング・アーサー」で見ていたのに覚えがなく、気に留めて見るのは初めてだけれど、魅力ある役者ですね。
映画の序盤、自分の任務にやりがいを感じ生き生きと輝いていたジョーが、大量虐殺の渦中で、自身も危険な状況で恐怖を体験し、何もできない国際社会や自分の無力さに気づき、現実の酷さにショックを受けながら消沈していく様子は痛々しかった。
ルワンダの人々への慈愛に溢れ、冷静沈着なクリストファー神父を演じたジョン・ハートの存在感も素晴らしい。
マリーを演じたクレア=ホープ・アシティは「トゥモロー・ワールド」で人類の未来を託された少女キーを演じていた女優だったんですね。 全然気が付かなかった。

是非一人でも多くの人に見てもらい、何かを感じて欲しい映画の一つだと思います。
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ラブソングができるまで
2007/09/14(Fri)
「ラブソングができるまで」
原題 : MUSIC AND LYRICS (2007年 米 104分)
監督 : マーク・ローレンス
出演 : ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア、ヘイリー・ベネット
鑑賞日 : 9月9日 (DVD)


80年代に爆発的な人気を博した5人組、“PoP”のメンバーだったアレックス。しかし、解散後に発売したソロアルバムが泣かず飛ばず。今では、過去のスターとなっていた。ある日、若者に絶大な人気を誇るシンガー、コーラ・コーマンからアレックスに、曲の依頼が入る。またとない復活のチャンスだが、曲を書くのは10年ぶりで、作詞が出来ない。そんな時、自宅の植木係りとして雇ったソフィーに作詞の才能があることに気が付く。 (goo映画より)
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ヒュー・グラント、好きなんです♪
そのルックスを存分に活かす事ができない、なんだか情けなくて、でも憎めない男を演じさせたら右に出る役者はいないでしょうという感じで!
ドリュー・バリモアもいくつになってもETの子役時代の可愛らしい面影を残していてキュートで魅力的。 
アレックスの家にバイトにやって来たソフィーを見た有名な作曲家に「彼女また来る?」と聞かれたアレックスが、「まっすぐ宇宙船に帰らなければね」とETにひっかけて言ってたのが笑えた。 でも、植木の水やりだけのバイトなんてホントにあるのかしらね? いったいいくらもらえるんだろう?(笑)

アレックスとソフィーのラブストーリという点では、秋風が吹いちゃったみたいなところもあったけれど、それほどヤキモキする事もドキドキする事もなく、ラブソング作りを縁に発展していった微笑ましい二人の姿に十分満足しました。
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で、やはり私的に点数が高かったのはヒュー。
映画のオープニングの彼らが80年代にアイドルとして活躍していた頃のWHAM!を意識したようなプロモーション・ビデオでまず爆笑! 顔の方は肌も艶やかにうまくCG効果(たぶん・・・)が出ているけど、気を抜いたのがお腹でしたね・・・。 20代ではなく今の彼の40代のお腹だった(笑)
同窓会のショーでのスター時代に戻ったようなキラー目線、ハイテンションでの腰振りダンス+軽いぎっくり腰などがもう笑えて笑えて・・・、なんでこの人ってこうなのかしら?
そういえば、ラブアクチュアリーの時に一発撮りだったというあのダンスはカッコ良かったな。
過去の栄光のおこぼれで生きているようなアレックスだったけれど、音楽への情熱はしっかり残っている。 ピアノは彼にとって自分の次くらいに大事な宝物で、ソフィーが無神経にピアノの上に荷物を置くと、文句は言わないけれどさっさと自分でどかして傷をつけないように大切にしている。
そしてデモテープを作っている時のアレックスの生き生きした表情と手際の良さに、それまでも細々と作曲をしてたのではないかな?と思わせられる。 あのシーンはお気に入りのシーンです。
ドリューのソフィーにも失恋の痛手で作家になる夢を諦めたとか、失恋させた張本人が現れるなどドラマはあるんだけど、やっぱり、これってヒューの映画ですよね!

また、コーラのキャラ設定が上手い。
ブディズムをここまで超過劇セクシーにパロっちゃっていいの?とも思うし、人気絶頂の歌姫らしく高ビーな様子も見せるんだけど、根はとっても素直でいい子っていうのが、クライマックスの彼女の新曲発表コンサートで伝わってくる。 アップになるとリトルマーメイドを連想させるくらいピュアで可愛らしい素顔なのよね! 

そのコンサートにアレックスからの思いがけないプレゼントがあって、ほんわりと心温まるエンディングにつながっていく。 このアレックスからのプレゼントもヒュー・グラントだからすんなり来るというか・・・。 あんな情けない歌詞でソフィーのハートに直球投げ込んじゃうんだもんナー。

コーラに贈られたアレックスとソフィーによる「愛に戻る道 Way back into Love」というデュエット曲がまたとても素敵です。 

以下、DVDでーたネタですが、ヒュー曰く、ミュージッククリップはデュラン・デュランのクリップを手本に、腰ふりダンスはトム・ジョーンズをモデルにしたそうです。 そしてこの映画に出演するにあたり、歌とダンスとピアノ演奏の猛特訓をしたそうです。 特訓の甲斐あってピアノもなかなかだし、歌も上手かったですね!
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ラッキーナンバー7
2007/08/06(Mon)
「ラッキーナンバー7」
原題 :LUCKY NUMBER SLEVIN (2006年 米・独 111分)
監督 :ポール・マクギガン
出演 :ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、ルーシー・リュー
鑑賞日 :6月23日(DVD)
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空港のロビーで、青年の前に現れた謎の車椅子の男。男は、20年前の幸運のナンバーにまつわる残酷な物語を語り始める。一方、NYのアパートではスレヴン(ジョシュ・ハートネット)とリンジー(ルーシー・リュー)が偶然の出会いを果たす。不運続きのスレヴンは、友人を頼ってNYに来たのだという。ところが友人は姿を消し、スレヴンは敵対するギャング、“ボス”(モーガン・フリーマン)と“ラビ”(ベン・キングズレイ)の争いに巻き込まれる。そしてその影には、あの空港の男−凄腕の暗殺者グッドキャット(ブルース・ウィリス)がいるのだった…。(goo映画より)
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この映画、事前の思い込みで100%コメディーだと思って見始めてしまった。 冒頭の空港の待合室の場面、グッドキャットのいきなりのズドンで目が覚めました。 何か違うぞって(笑)
待合室での唐突な昔話がその後のストーリーに繋がっていく大事な伏線だったのね。

まーしかし、豪華なキャストですね。 
ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、この2人だけでも十分魅力的なキャスティングです。 そこにジョシュ・ハートネット(一応主役なんですが・・・)、ルーシー・リュー、ベン・キングズレイという面々。
さらに感心なのは、この豪華メンバーが仇となってかえって散漫な印象を与えるという罠に嵌りそうな欠片もない事。

ジョシュ・ハートネットは、そのルックスと声がけっこう好みです。 でも、わりと何を見てもいまいちな感が多かったのだけれど、この映画は彼の「凡庸な魅力」みたいのが光っていました。 前半のついてない男ってのがやけに説得力あるんだな(笑)
「カオス」で、アクの強いジェイソン・ステイサムとウェズリー・スナイプスと共演したライアン・フィリップの個性が魅力的に見えたのと同じ感覚かな?
ルーシー・リューもちょっと間違えばぶりっ子でうざい存在になりそうな役を彼女らしい爽やかなキュートさで好感度大に演じてました。 当初の脚本では、この役は地味な端役だったそうですが、ルーシーに決まってかなりエネルギッシュなキャラにしたという事です。
そして、やはりブルース・ウィリスですね!
血も通っていなそうな殺し屋を渋くクールに凄みたっぷりに!

ストーリーも、マフィア同士の抗争というバイオレンス、スレヴンとリンジーのラブロマンスを核にしながら、冒頭の空港での20年前の話が、現在へと繋がって全貌を現してくるあたりが見事でした。
最後の最後まで緊張感を漂わせながら、ほのぼのとするエンディングもまた良かったです。

DVDでーたねたですが、モーガン・フリーマンとベン・キングズレイの共演シーンが撮られた日には、休日のスタッフや出番のなかったルーシーなどが見学に訪れるなど2人の演技は周囲の関心を大いに集めたようです。
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リバティーン
2006/12/14(Thu)
「リバティーン」
原題 : THE LIBERTINE (2004年 英 110分)
監督 : ローレンス・ダンモア
出演 : ジョニー・デップ、ジョン・マルコビッチ、サマンサ・モートン
鑑賞日 : 11月25日(DVD)


17世紀、王政復古のイギリス。追放されていたある男が、恩赦を受けてロンドンへと戻ってきた。ジョン・ウィルモット(ジョニー・デップ)ことロチェスター伯爵である。悪友たちが演劇議論を交わすバーに寄った彼は、国王チャールズ二世(ジョン・マルコビッチ)の親族を前に、性描写の入った政府批判の詩を詠んだ武勇伝を話してきかせた。世間を騒がし続ける破天荒なジョンだが、その才能は国王も認めるところだった。ある日、劇場でひとりの女優エリザベス(サマンサ・モートン)を目にしたジョンは、演技指導を申し出るが……。(goo映画より)

ジョニー扮するジョン・ウィルモットがいきなり見る者に語りかけるというプロローグは、いささか奇を衒ったようにも感じるけれど、ものの見事に彼の映画の世界へと引きずり込まれた気がします。 そして、ジョニーが脚本を3行読んだだけで出演を決めたというだけあって、スクリーンからも彼のこの役への入れ込み方がよく伝わってきました。 狂気とエロティシズムと奔放さをもった人物が廃頽していく様を演じるという、いかにもジョニーが惹かれそうなプロットです。

自らの欲望のまま、酒と女にうつつを抜かし、才能と命を棒に振ったジョン・ウィルモットの生き様はとうてい理解できないけれども、ともかくジョニーが最初から最後まで魅力的でした。 梅毒に侵され、顔が原型を留めないほどに醜く変わり果てるという彼の晩年(33歳で死去)を、特殊メイクで臨んだジョニーの演技も素晴らしかったです。 最後の最後になって、若くして死に行く放蕩者(Libertine)としての人生を後悔しているように思えたジョンが哀れでした。


この映画の出演者(ロザムンド・パイク、トム・ホランダー、ルパート・フレンド)がかなり「プライドと偏見」と重複していますね。 先に作られたのはこちらなので、この映画で目に留まったという事なのでしょうか? 
ロザムンド・パイクは007シリーズの「ダイ・アナザー・デイ」のボンド・ガールで見たのが初見でしたが、すでにその時に知的で透明感のある美しさが魅力的な女優さんだと思いました。 リバティーンのジョンの妻エリザベス・マレットのように、夫から愛されない辛さにも負けずに強く生きるというような、精神的に強い女性が似合いそうな感じですね。
対して、ジョンから愛された女優のエリザベス・バリーを演じたサマンサ・モートンは、内向的で従順そうだった出会いから、女優として成功して以降のジョンへの微妙な心変わりなどを心憎いほどの上手さで演じていたと思います。
チャールズ2世役のジョン・マルコビッチは、彼にしてはアクが抜けた演技だったと思うけれど、燻し銀の輝きでした。
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ロード・オブ・ウォー
2006/08/02(Wed)
「ロード・オブ・ウォー」  
原題 : LORD OF WAR (2005年 米 122分)
監督 : アンドリュー・ニコル
出演 : ニコラス・ケイジ、ジャレッド・レト、ブリジット・モイナハン、イーサン・ホーク
鑑賞日: 7月14日(DVD)



ソビエト連邦崩壊前夜のウクライナに生まれたユーリー・オルロフは、少年時代に家族とニューヨークへ渡り、両親が営むレストランを手伝いながら育った。ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリー(ニコラス・ケイジ)は、レストランが食事を提供するように、戦場に武器を供給する仕事をしようと決心する。弟のヴィタリー『ジャレッド・レト)とパートナーを組んで闇の世界に足を踏み入れたユーリーは、混沌とした世界情勢を追い風に、瞬く間に世界有数の武器商人へと上り詰めていく。だがその動向を嗅ぎつけたインターポールのバレンタイン刑事(イーサン・ホーク)が背後に迫っていた。(goo映画より)


これが現実という、ある意味救いようのない映画。
国家間の戦争、紛争、テロ攻撃に対し、人々が世界中で反対の声をあげる中、そここそをビジネスのよりどころとする「死の商人」と呼ばれる武器商人。 金さえ払ってくれるのであれば誰にでも武器を売る武器商人は実際に存在し、監督の二コルは5人の武器商人をモデルにユーリのキャラクターを作ったそうです。

そんな悪辣で非道な商売を支えているのが軍産複合体の影響力を強く受けている国家だったり、国連の常任理事国である米・英・仏・露・中の五カ国が世界最大の武器供給国であるという皮肉な現実をどう受け止めるべきなのか、投げかけられたメッセージに対する答えなど見出しようもない。

俳優たちは、というと・・・。 スーツ姿であちこちを飛び回るユーリの姿は、持ち歩いているバッグの中身が武器であるという事を除けば、普通の商売人となんら変わりがない。 仕事の内容こそ隠しているものの、人気モデルだったエヴァ(ブリジット・モイナハン)と結婚し、子供にも恵まれたごく普通の家庭人として描かれている。 そんなユーリ役をニコラス・ケイジは感情の起伏をできるだけ抑えて淡々と演じていたようにみえる。 そのユーリと対照的に描かれていたのが仲の良い弟のヴィタリー。 次第に武器商人という存在に嫌悪と罪悪感を覚えるようになり、罪もない人々が自分達が売りさばく武器によって命を落とす事に耐えられなくなっていく。 演じるジャレッド・レトは目の表情がとっても魅力的。 そして、見るたびに情けない顔になってくるような気がするイーサン・ホーク。 今回の役回りも、なんとなく損な感じですね。 自分の信念と名声のために使命に燃えるものの、大きな組織的力の壁は打ち破る事のできない絶対的なもの。 紅一点のブリジット・モイナハン。 ベン・アフレックと共演していた「トータル・フィアーズ」で初めて見て以来、けっこうお気に入りの女優さん。
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ロード・オブ・ザ・リング 3部作
2006/05/28(Sun)
「ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間」 (2001年 米 178分)
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」 (2002年 米 178分)
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」 (2003年 米 203分)
監督 : ピーター・ジャクソン
出演 : イライジャ・ウッド、ヴィゴ・モーテンセン、オーランド・ブルーム、リブ・タイラー、ショーン・アスティン







本当に今更なのですが、このGWにようやくロード・オブ・ザ・リングの3部作を見ました。 各作品の時間が長いので敬遠していましたが、おおはばに乗り遅れはしたものの3作を連続で一気に見ることができたのは良かったなと思います。 3本ともあっという間で時間の長さなんてちっとも感じなかったです。
ストーリーはとても面白かったし、キャラクターの中ではヴィゴ・モーテンセン演じるアラゴルンに肩入れしてしまったので、彼がどう闘っていくのかとかアラゴルンとアルウェン(リブ・タイラー)の仲はどうなってしまうのかとか、とてもドキドキハラハラしながら楽しみました。 



戦士として秀でていて頭も良く常に自分が正しいのかどうか迷いながらも試練に打ち勝っていくアラゴルンは、あまりにも魅力的なキャラ! 
それに、個人的に良かったと思っているのが登場人物たちに死人が少ないという事。 これだけの大アドベンチャーでそれって逆にリアリティーがないかもしれないけれど、愛すべきキャラたちが最後まで無事に旅を続けたという設定はとても嬉しい!
もし、興味はあるけど、3時間はきついよなーなんてためらっている人がいたら、7月の3連休にでもお盆休みにでも是非トライして下さい! 絶対に満足すると思います。

ヴィゴ・モーテンセン主演の「オーシャン・オブ・ファイヤー」も面白いです。ヴィゴのキャラは心に傷を持つというようなところはアラゴルンとちょっとかぶってますが、砂嵐などのVFXを駆使した映像も迫力があって見応えがあります。
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レオポルド・ブルームへの手紙
2006/03/30(Thu)
レオポルド・ブルームへの手紙 (2002年 英・米 103分)
原題 : LEO
監督 : メヒディ・ノロウジアン
出演 : ジョゼフ・ファインズ、エリザベス・シュー、デイビス・スウェット、サム・シェパード
鑑賞日: 3月30日(DVD)

1960年代アメリカ。 殺人を犯し、15年の刑期を終えて出所したスティーブン(ジョゼフ・ファインズ)は、ヴィック(サム・シェパード)が経営するモーテルで働き始める。黙々と働く無口なスティーブンの心の支えは、母からの愛を得ることが出来ない少年レオポルドからの手紙だった。 レオポルドの母メアリー(エリザベス・シュー)は、夫と娘が事故死したのは自分のせいだと責め、浮気相手との子供だと思い込んでいるレオポルドに愛情を注ぐ事ができなかった・・・







監督のメヒディ・ノロウジアンという方は初めて聞きますが、この映画が長編デビューとの事です。ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」にインスパイアされたとの事で登場人物の名前や既婚者の浮気などという共通点はありますが、「ユリシーズ」なんておおまかな筋しか知らないし、あまりそれを念頭に置く必要もないのではないかと・・・




ストーリーの構成は私の不得手としているパターンなのだけれど、この映画は良かったです。 途中からそのからくりには気づいたけれど、最後までピュアな面を失わないストーリーだったと思います。
スティーブン役のジョセフ・ファインズの演技が上手い。 心に大きな傷を持ち、さらに15年の服役によって精神が病んだという人物を控えめながらも見る者の心の奥にまで響いてくるような感じに演じていた。 レオポルド少年にも泣かされました。 母親に愛されたくて仕方がないのに、母親の罪悪感を感じ取って逆に気遣うほどの優しさを持っていて、いじらし過ぎる・・・ どうにも理解しがたいのが母のメアリーなのだけれど、彼女にとってはレオポルドが自分の許されざる罪の具現化としか思えないのだろうけれど、この親子の関係はあまりにも不幸だ・・・
そんな母と息子の心のすれ違いのやりきれなさとは対照的に、レオポルドの文才を育ててあげたいと願う学校の先生や、モーテルを経営するヴィック、一緒に働いていた黒人の従業員がみせる優しさには、こちらの心が癒されるような気がした。

ジョセフ・ファインズの出演作で好印象の映画を2本ご紹介。 ラブストーリーの「恋におちたシェイクスピア」と戦争ものの「スターリングラード」。 後者に出ているエド・ハリスがまた渋くって魅力的でした!
   
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