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ベオウルフ 呪われし勇者
2008/04/19(Sat)
「べオウルフ 呪われし勇者」
原題:BEOWULF (2007年 米 114分)
監督: ロバート・ゼメキス
出演: レイ・ウインストン、アンソニー・ホプキンズ、ロビン・ライト・ペン、アンジェリーナ・ジョリー
鑑賞日:4月12日 (DVD)
ベオウルフ

6世紀のデンマーク。フローズガール王(アンソニー・ホプキンズ)が盛大な宴を催す中に、醜く巨大な怪物グレンデル(クリスピン・グローバー)が姿を現した。人々を虐殺したグレンデルに対し、王は褒賞を用意して討伐隊を募集。これに応じた戦士ベオウルフ(レイ・ウインストン)は、見事グレンデル撃退に成功する。戦勝を祝い再び華やかに繰り広げられる宴。しかし翌朝ベオウルフが目にしたのは、皆殺しにされた兵士たちの姿だった。彼はその犯人と思しきグレンデルの母親(アンジェリーナ・ジョリー)の元へと向かうが……。 (goo映画より)

映画「ベオウルフ 呪われし勇者」は作者未詳のイギリスの英雄叙事詩をベースに、ロバート・ゼメキス監督が「ポーラー・エクスプレス」製作時よりもかなりグレードアップしたパフォーマンス・キャプチャー技術を駆使して映像化した英雄伝。

ベオウルフ1


<ネタバレありです>
感想を一言で言ってしまうと、期待していたほど面白くなかったというのが正直なところ。
英雄べオウルフへのフォーカスがなんとなく中途半端な気がする。 フローズガール王が治めるデンマークで暴れまわる魔物のグレンデルの退治に駆けつけた強力自慢のべオウルフが、プライドと名声のために怪物グレンデルに挑んでいくまでは良かったのだけれど、悪の元凶であるその母親をも倒したとフローズガール王に報告した時から始まったはずのべオウルフの苦悩や葛藤が、いきなり50年後の年老いた彼の後悔という形でしか描かれなかったのがちょっと物足りない。
原作がそうなっているから仕方ないのかしらね?

べオウルフの苦悩や葛藤は同じ思いに苦しんで来たフローズガール王が代弁しているという事なのかな。 グレンデルの母親の死の証拠を差し出さないまま彼女も殺したと言うべオウルフに「本当に母親も殺したのだな」と低い声で呟き暗い表情を見せるフローズガール王は、べオウルフも自分自身と同じ過ちを犯した事を確信したに違いない。
実際の叙事詩ではグレンデルの父親については全く触れていないそうだけれど、その存在を匂わせた事によって、フローズガール王とべオウルフが背負い込む事となった苦艱、王妃ウィールソーの悲しみなどがじんわりと伝わってくる。
物語の最後の方で、「ずっと愛していた」と王妃に向かって吐露するベオウルフの表情にも、ずっと抱えてきた悔恨の念と空しさが見えた。

ベオウルフ2


物語はべオウルフ自らが生を授けた事になるゴールドドラゴンとの相打ちで彼が命を落とし、彼の後を継ぎ王となった腹心ウィグラーフの前に再び魔物たちの母親が現れたところで終わっている。
果たして、過ちはまた繰り返されるのだろうか?
「とどのつまり、男は性的な魅力に溢れた美しい魔性の女の誘惑には勝てない」というメッセージとは受け取りたくはないですねー(笑)

ゼメキス監督ご自慢のパフォーマンス・キャプチャー技術がすべて効果的だったかというとそうとも感じられない。 特にべオウルフがドでかいグレンデルの体の上を裸で飛び回るシーンは逆にチャチに映って一昔以上も前のテレビゲームのCGという感じだったし、涼しげな顔立ちの王妃役のロビン・ライト・ペンの機微をかえって消してしまっていたように思った。
ジョン・マルコヴィッチの胡散臭さにも生気がなかったし(笑)

でも、まぁ、イメージどおりの声という事で選ばれた(P.C.だから、その辺の基準はアニメの吹き替えと同じなんでしょうね)べオウルフ役のレイ・ウィンストンを、実物とは比べ物にならないほどの精悍な顔つきの大男に仕立てられたのもP.C.技術ならばこそですね。(2メートルの巨漢のベオウルフとは違い、ご本人はもっと背が低くやや小太りとか・・・)
アンジーにP.C.技術を使う必要があったかどうかは疑問だけれど、魔性の女というのが実にはまっているように思うのは失礼な事なんでしょうかね?
アンソニー・ホプキンズの出演はこの作品に重厚さと格を与えていると思います。


ウィキペディアのロバート・ゼメキス監督作品を拝借させてもらうとこれだけあるようです。
(太字は自分で観た映画)

主な監督映画
「抱きしめたい」 -I Wanna Hold Your Hand (1978年)
「ユーズド・カー」 -Used Cars (1980年)
「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」 -Romancing the Stone (1984年)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 -Back to the Future (1985年)
「世にも不思議なアメージング・ストーリー」 -Amazing Stories (1986年)
「ロジャー・ラビット」 -Who Framed Roger Rabbit (1988年)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」 -Back to the Future Part II (1989年)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」 -Back to the Future Part III(1990年)

「ハリウッド・アドベンチャー」 -Tales from the Crypt (1991年)
「永遠に美しく…」 -Death Becomes Her (1992年)
「フォレスト・ガンプ/一期一会」 -Forrest Gump (1994年)
「コンタクト」 -Contact (1997年)

「キャスト・アウェイ」 -Cast Away (2000年)
「ホワット・ライズ・ビニース」 -What Lies Beneath (2000年)
「ポーラー・エクスプレス」 -The Polar Express (アニメ)(2004年)
「ベオウルフ」 Beowulf (2007)

編集/製作・製作総指揮
「さまよう魂たち」 The Frighteners (1996)
「TATARI」 House on Haunted Hill (1999)
「13ゴースト」 Thir13en Ghosts (2001)
「ゴーストシップ」 Ghost Ship (2002)
「マッチスティック・メン」 Matchstick Men (2003)
「ゴシカ」 Gothika (2003)

「蝋人形の館」 House of Wax (2005)
「モンスター・ハウス」 Monster House (2006)
「リーピング 」The Reaping (2007)

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に「ロジャー・ラビット」。
この人って、本当に初期のころから映像に革命的なチャレンジをする人だったんですね。
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バイオハザードIII
2008/04/15(Tue)
「バイオハザードIII」
原題 : RESIDENT EVIL-EXTINCTION (2007年 仏、豪、独、英、米 94分)
監督 : ラッセル・マルケイ
主演 : ミラ・ジョボビッチ、オデッド・フェール、アリ・ラーター、イアン・グレン
鑑賞日 : 4月5日 (DVD)
バイオハザード

ラクーンシティに広まったTウィルスの感染は、数年後には世界中へと広まっていた。アンデットに埋め尽くされた地上は砂漠と化し、わずかな生存者が限られた資源でその日暮らしをしていた。そんな状況下、ウィルス蔓延の元凶であるアンブレラ社による人体実験後、監視衛星に追跡されているアリス(ミラ・ジョボビッチ)は、立ち寄ったガソリンスタンドで、赤いノートを手に入れる。ノートにはアラスカは感染が及んでいない安息の地だと記されていた…。 (goo映画より)

バイオハザード1


1も2も見てるから、とりあえず最終作も見ないとね・・・という感じで見ましたが、結局はゾンビ映画なんだよな・・・。
1作目、2作目と細かいストーリーなんぞ、全く覚えていないけれど、1作目は仲間が一人一人アンデッドの犠牲になっていく事に衝撃があったけど、ここまで来るとそれすら何とも感じなくなっちゃうのよね・・・。
DVDがリリースされて2週間借りられなかった(土曜日しか借りにいかないけれど)映画は最近では珍しいので、相変わらず人気作ではあるのでしょうね。
ミラ・ジョボビッチもこの映画のアリス役ですっかり名前が売れてしまったけれど、ブルース・ウィリスと共演した「フィフス・エレメント」のリールー役で見たときの方が印象は強烈でした。
2作目「アポカリプス」のキャラクター、ラクーンシティ市警特殊部隊員のジルがお気に入りだったのに、ジルを演じたシエンナ・ギロリーのスケジュールが合わないために今作での出演がなくなってちょっと残念。 アポカリプスではミラ・ジョボビッチを食っていた感もあったものね。

今作品は2本の映画にオマージュを捧げているそうです。
アンデッド・カラスの大群が空一面を埋めたシーンは気持ち悪かったけれど、こちらは疑いもなくヒッチコックの「鳥」へのオマージュですね。 もう一つはあまりピンと来なかったけど、砂漠を爆走するトラックのイメージが「マッドマックス2」なんだそうです。 なんか違うけどなぁ・・・(笑)

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パーフェクト・ストレンジャー
2008/03/01(Sat)
「パーフェクト・ストレンジャー」
原題 : PERFECT STRANGER (2007年 米 110分)
監督 : ジェームズ・フォーリー
出演 : ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョヴァンニ・リビシ、ニッキー・エイコックス
鑑賞日 : 2月23日 (DVD)
パーフェクト

議員のスクープを握りつぶされて会社を辞めた元新聞記者のロウィーナ(ハル・ベリー)。彼女はある夜、幼馴染のグレース(ニッキー・エイコックス)から広告業界の大物ハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)
の不倫スキャンダルの話を聞いた。その数日後、グレースは変死体となって発見されてしまう。 死の真相がハリソンの口封じではないかと疑ったロウィーナは、大スクープを得るべく独自の調査を開始。
元同僚のマイルズ(ジョヴァンニ・リビシ)の力を借り、偽名でハリソンの会社にもぐりこむことに成功するが…。(goo映画より)

<ネタバレもしかしたらありです>
チラシなどのキャッチコピーは「ラスト7分11秒まで、真犯人は絶対わからない」だったけれど、映画館やDVD発売前の予告編を見て一番耳に残っていたのが「誰かが嘘をついている・・・」だった。

真犯人は絶対わからないと言われても、限られた登場人物で、彼らの関係もそれなりに見えている中で、真犯人を仄めかす事になるような映像なりシーンが入ってしまうと、キャッチコピーは逆に犯人推理の楽しみを半減させる。
だいたい、物語中、主人公が犯人ではないかと怪しんでいる人物はまず第1に真犯人から外して間違いないわけで・・。 その状態であのフラッシュバックが入った時点で、真犯人は自ずと浮かび上がって来てしまった。 「誰かが嘘をついている・・・」 この人が嘘をついていたら一番話がめちゃくちゃ・・・完全な別人・・・という人が犯人なのよね。
でもって、その犯人がグレースを殺すにいたる駄目押し的なものが弱かったから説得力もいまいちのような気がるすなぁ。
ストレンジャー1


という事で、あまりスリリングなドキドキ感を味わう事はできなかったけれど、ブルース・ウィリスが不死身アナログ男とは全く別の、不敵な感じのたらし男の顔を見せてくれたので楽しめました!
だから見ないというほどではないけれど、ハル・ベリーってあまり好きじゃないので、内容の満足度が若干低めだったこの映画、個人的にはブルース・ウィリスに救われた感じ(笑)
シャリーズ・セロンとかがロウィーナ役だったらまたどんな感じだったんだろうな〜?とも意味なく思ったり(シャリーズ好き)。
なんというか、犯人を見つけ出すサスペンス的要素よりも、ネットのヴァーチャルな世界の怖さみたいなものを強く印象付けられたような気がします。 そういう点からも、一癖ありそうでちょっと神経いかれちゃっている感じのネットお宅のマイルズが美味しい役回りでしたね!
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ファンタスティック・フォー 銀河の危機
2008/02/10(Sun)
「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」
原題 : 4−RISE ON THE SILVER SURFER (2007年 米・独・英 92分)
監督 : ティム・ストーリー
出演 : ヨアン・グリフィス、ジェシカ・アルバ、クリス・エバンス
鑑賞日 : 2月9日 (DVD)
ファンタスティック

Dr.ドゥーム(ジュリアン・マクマホン)の野望を打ち砕き、すっかり有名人となったファンタスティック・フォー。世界中で異常現象が起こる中、アメリカはそのメンバーの二人、リード(ヨアン・グリフィス)とスー(ジェシカ・アルバ)の結婚式の話題で持ちきりだった。しかし挙式当日、NYで式を行う彼らの上を謎の閃光が駆け抜けた。これにより上空を飛んでいたヘリが墜落。“ヒューマン・トーチ”ジョニー(クリス・エバンス)が閃光を追うと、そこには銀色の未知の生命体――シルバーサーファー(声ローレンス・フィッシュバーン)がいたのだった。 (goo映画より)

いきなり駿河湾から臨む富士!にびっくりでしたが・・・。 世界中に起こる超常現象としてピックアップしたのが駿河湾の凍結とエジプトの砂漠に降る雪だったのはなぜ・・・(笑)。
全く期待しないで見た前回がなかなか面白かったので、劇場鑑賞ではなくDVDだけれど、今回は見るのを楽しみにしていました。 題名も銀河の危機なんて壮大なスケールを感じさせるものだったし、宇宙物は好きなので・・・。 

このシリーズは、ひねりとか伏線とか深みいうものが皆無なために、スリリングな味には欠けるのだけれど、憎めない4人のキャラがそれぞれに純粋で、簡潔なストーリー展開に映画を見ながら頭働かせる必要がないために、なんとなく貴重な類の映画ではあるような気が・・・。 
それでも誰もお目当てがいなかったら結構辛いけど、クリス・エバンスがわりとお気に入りなのでまーいいか! リード役のヨアン・グリフィスはただのお人よしという感じで相変わらずあんまり魅力がないけどな・・・。
ジェシカ・アルバはちょっと目元の化粧がイマイチでキュート度が下がっているような感じ。 ベンの彼女の盲目のアーティスト役のケリー・ワシントンのナチュラルな美しさが目にとまった。
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極悪非道(言い過ぎか・・)のターミネーターのT1000がちらつくシルバーサーファーも、悪役としては詰めが甘いし、ちょっと良い人顔だし、スーをミサイルから守ったあたりで、最後は地球を救うだろう事は容易に想像がついてしまうし・・・。 やはり死人を復活させてまで悪人は悪人ということで・・・。

シルバーサーファーはマーベル・コミックのアメコミに登場するキャラクター中屈指の高潔さを誇るキャラクターだそうで、しばしばキリストにたとえられるほどのヒーローなんだそうですね。 全く知りませんでした。

例によってDVDでーたネタですが、監督はシルバーサーファーをすべてCGで処理する予定だったのを、リアリティーと迫力を出す為に、人間の体の動きを実写で取り込み、その後CG化する事に変更したのだそうです。 そのシルバーサーファーの動きを演じたのが「ヘルボーイ」の半魚人エイブを演じたダグ・ジョーンズなのですって。 足の関節が非常に柔らかいところを買われたようです。
ファンタスティック・フォーは当然次回作があるのでしょうが、シルバーサーファのスピンオフも可能性があるかもしれないようです。
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パフューム ある人殺しの物語
2007/09/27(Thu)
「パフューム ある人殺しの物語」
原題 : DAS PARFUM −DIE GESCHICHTE EINES MORDERS
     (2006年 独、仏、西 147分)
監督 : トム・ティクバ
出演 : ベン・ウイショー、レイチェル・ハードウッド、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン
鑑賞日 : 9月8日 (DVD)
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18世紀、パリの魚市場で産み落とされたグルヌイユ(ベン・ウイショー)は驚異的な嗅覚を持っていた。青年に成長したある日、赤毛の少女が発する至福の香りに出会うが、夢中になるあまり彼女を殺してしまう。死と共に香りも消えてしまうことを知った彼は、香りを永遠にとどめておく方法を探るため調香師に弟子入りし、さらなる技を求めて職人の街グラースへ向かう。途中、自分自身に体臭がないことに気づき衝撃を受けるが、やがて運命の香りと再会する。 (goo映画より)
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映画館で予告を散々見ていて劇場で見たかったのに見逃してしまい、DVDリリースを心待ちにしていた映画。
予告編からも感じとれたが、全編を通して流れるクラシック基調の音楽と美しい映像が印象的な作品だった。

香りや匂いのスクリーン上での表現は、視覚的刺激の脳内変換での臭覚として伝わってきたけれど、視覚と臭覚が重なり合い、思わず目をそむけ呼吸を止めたくなったのが冒頭のグルヌイユが誕生したパリの魚市場の映像だった。
それとは対称的に、セピアがかった落ち着いた色調の中でグルヌイユに永遠の香りを求める運命を授けてしまった赤毛の少女が持っていたライムの黄金色とバルティーニ(ダスティン・ホフマン)の調合部屋で香りを収集するために使った大量の真紅の花の異質な色彩は非情に美しく、香りが漂ってくるような錯覚を起した。

グルヌイユが調香師バルティーニのもとで香水の調合の勉強に悪戦苦闘する様子や、彼の能力を得て自分の再起を図ろうとするバルティーニのどこかユーモラスな姿はこの映画で素直に楽しめたシーンだったが、ダスティン・ホフマンの円熟味あふれる演技力によるものだろう。
永遠の究極の香りを作るための脂に香りを移す冷浸法を学ぶために訪れたグラースで出会った運命の美少女ローラ(レイチェル・ハードウッド)が住む館で催された貴族たちの夜のかくれんぼも美しくとても幻想的なシーンだった。

12人もの娘が全裸の死体となって発見されたという猟奇的な殺人は、その奇抜とも思える発想ゆえか、残忍な殺害シーンがあまり描かれなかったからか、殺されてゆく若い娘たちの憐れや悲しみがかき消されてしまっているような気がする。 
グルヌイユ自身も人を殺しているという事への罪の意識はないように思えるし、見る側も気がつかないうちに彼サイドにたって、運命の香水が出来上がるのを密かに待ってしまっているような・・・。 一つ一つ小瓶に香料が満たされていくたびに観客もだんだん麻痺していくような・・。
そしてそれが、ラストの大観衆に掛けられた媚薬の魔法に繋がったのではないだろうか?

ラストはまんまと騙されてしまった。 聴衆の面前でグルヌイユに死刑判決が下された映画の幕開けに時空が戻り、死刑囚の最後を見届けるはずだったラストが驚愕的で且つファンタスティックなクライマックスに変わる。
そしてさらに意外だったグルヌイユの末路。 ナレーションで始まり、ナレーションで終わる、何か不思議な御伽噺でも見せられていた気がした。
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ハンニバル・ライジング
2007/09/02(Sun)
「ハンニバル・ライジング」
原題 : HANNIBAL RISING (2007年 仏、英、米 130分)
監督 : ピーター・ウェーバー
出演 : ギャスパー・ウリエル、コン・リー、ドミニク・ウエスト
鑑賞日 :8月25日 (DVD)
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1944年リトアニア。名門家の血を引くハンニバル・レクターは、ドイツ軍の爆撃により両親を失い、幼い妹とともに山小屋でひっそりと暮らしていた。そこへ、脱走兵のグルータス(リス・エバンス)らがやって来て、山小屋を乗っ取り、妹を連れ去ってしまう。終戦後、ハンニバルは孤児院へ送られるが、そこはかつてのレクター家の古城で、難なく脱走に成功。長旅の末、パリの叔父を訪ねた彼を迎えてくれたのは、美しい日本女性レディ・ムラサキ(コン・リー)だった。(goo映画より)
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レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」と前3作はすべて見ています。
知性と教養にあふれた世界的な精神科医の本当の姿は冷酷な猟奇殺人犯というハンニバルの誕生秘話という事で、どのような背景とアプローチを見せてくれるのかかなり興味があった。

舞台がヨーロッパ、しかも戦争映画かと思うようなオープニングにはいささか意表をつかれた。
ハンニバルは名門貴族の出で、戦争が激化するまではリトアニアの古城に父母と妹と幸せに暮らしていた少年だったのですね。
疎開した山小屋にも戦火が及び、彼の目の前で両親が銃撃にさらされて亡くなり、妹のミーシャもグルータスたちによって命を絶たれてしまうまで、戦争の恐怖と悲惨さと同じくらいに強い印象を残したのがハンニバル少年の妹に対する強い愛情と優しさだった。
爆音に驚いて小屋の中から出てこようとするミーシャに、墜落した爆撃機などそこらじゅうの重火器から飛び散る銃弾に被弾しないようにと、「出てきちゃダメだ、家の中にいて」と必死で叫び続けるハンニバルには涙が止まらなくなり、後の殺人鬼となったハンニバルが、クラリスだけに見せた人間らしさに繋がるものを見たような気がした。

稀代の殺人鬼の原点が復讐であり、人肉を食するようになった理由も明らかになった本作に対しては概ね満足というか、楽しめはしました。
ただ、両親を失った孤独と恐怖の中でのミーシャの殺害が想像を絶するものであっても、あの6才の健気な少年ハンニバルから8年後の孤児院のハンニバルへの変貌、さらにはギャスパー・ウリエル演じたハンニバルからホプキンズ@レクターへの深化をこちらの想像に任せられるのは少々乱暴な気もする。

彼の拠点がアメリカに移っていく過程にまた何か大きな出来事が待っているんだろうか?
「レッド・ドラゴン」に繋がる続編が出来ても不思議ではないようなエンディングだったし。

ギャスパー・ウリエルは実にいろいろな表情を持った役者ですねー。
目つき、口元の表情一つで聖人から狂人へとどんな人物にも瞬時にして変われてしまいそう。
正面を向くとどことなくキアヌに似ている気がするので「リトルブッダ」のあの衣装を着せて同じ化粧をさせてみたい(笑)
ハンニバルの伯母、レディ・ムラサキを演じたコン・リー。 あの冷静な瞳はどこかで見たぞと思っていたら「マイアミバイス」のイザベラ役で出ていた女優さんだったのね! 
一線を越えてしまいそうな危うさも漂わせながら、凛としているムラサキの存在もこの作品には欠かせなかった。
映画の中の日本文化のいい加減さには、あえて触れないけれど、未だに日本人があのポジションを射止められないというのは、悲しむべき事なんだよな・・・。
因みにムラサキという、なんで?という名前は原作者のトマス・ハリスが感化された「源氏物語」に因んでつけたそうです。 一瞬、おー、紫の上!と思ってしまいましたが、紫式部のムラサキですね(笑)
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
2007/08/17(Fri)
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
原題:HARRY POTTER AND THE ORDER OF THE PHOENIX(2007年 米・英 138分)
監督:デビッド・イエーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリント
鑑賞日:7月13日 (新宿ミラノ2)
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ホグワーツの5年生になって学校に戻ったハリー。しかし、ホグワーツでは「闇の帝王」ヴォルデモートが蘇った事実が全く知られていなかった。ファッジ魔法大臣は、ダンブルドア校長が自分の地位を狙って嘘をついていると疑う。ダンブルドアとホグワーツの生徒たちを監視するために、「闇の魔術に対する防衛術」の新任教師、ドローレス・アンブリッジ先生を送り込む。ドローレス先生の仕打ちから、窮地に陥れられたハリーは…。(goo映画より)
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7部作のこのシリーズも5作目まで話が進み、クライマックスにむけて佳境に入り核心に触れ始めたという感じ。
前作の「炎のゴブレット」のラストでのセドリックがヴォルデモートの犠牲になってから、物語は急速にダーク色を増していて、以前のような冒険ファンタジー的色彩はかなり薄れてきています。

今作でのハリーは冒頭から受難続きで表情も曇りがち。 目の前で友を失い大きなショックと恐怖を味わったヴォルデモートの復活を、周囲からは作り話という疑いの目で見られ、人間界にまで現れたディメンターに襲われたいとこのダドリーを救うために仕方なく魔法を使ってしまった事で魔法省からは糾弾され、危うくホグワーツ退学処分を免れたものの、その一件でさらに周囲の疑いと冷たい視線に晒されるハリー。
これだけの出来事が少年時代に別れを告げようとしている思春期の繊細微妙な心に堪えられるわけもなく、ハリーはすべてに対して心を閉ざそうとする。
ロンやハーマイオニーにすら背中を見せようとするハリーにはちょっと水臭いぞ!と感じたけれど(笑)
そこまで、ハリーを追い詰めていたという事なんだろうな。
それでも、やっぱりそんなハリーを助けたのはロンとハーマイオニー!
迫り来る邪悪な力から身を守るための魔法を教師が教えてくれないのなら自分たちで学ぶしかないと、ハリーを指導者にしたててダンブルドア軍団を結成する。
ロンの家族も相変わらず温かく迎えてくれるし、父親のようにハリーを気遣うシリウス・ブラックの存在もハリーの心を和ませる。
自分が孤独ではなく信頼し信頼される仲間と一体であると感じられるのは子供、大人に関係なく何よりも心強く尊いもの。

今作、公開前から何かと話題になっていたハリーとチョウ・チャンのキスシーン。 この映画の中だけだと別になくても良かったような・・・、話題づくりだけのためのファーストキスに見えてしまう。
雰囲気的にはハリーにはチョウ・チャンよりも、エキセントリックでどことなく淋しげでミステリアスな初登場キャラのルーナ・ラブグッドの方がすんなり溶け合う感じがする。
ともあれ、出演者はみな、それぞれのキャラの一番のはまり役という感じに思えるほどはまっていましたね。
ピンクを着た悪魔のドローレス・アンブリッジ役のイメルダ・ストーントンの小憎らしさったらなかったな! 
正反対にその顔を見るとふーっと息が抜けてホッとするような気持ちになるのがハグリット。 今回はちょっと出番が少なかったかな?
ロンは大らかで男らしい好青年に育ちつつあるという雰囲気だし、理屈屋だけど優しくてしっかりもののハーマイオニーも好きなキャラクターで、2人の関係も今後、大いに気になるところ。 ハーマイオニーがハグリッドが匿う大男に捕まった時に「彼女から手を放せ!」って真顔だったロンがなかなかでしたね(笑) エマ・ワトソンが他の2人同様に最終作まで出演することに決まったのも嬉しい話です。

ハリーとヴォルデモートの因果も明らかにされ、ハリーの行く手には過酷な運命が待ち構えているという事が示唆され物語は次の局面へと進んでいく。
次回作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は2008年12月に公開予定との事です。
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パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド
2007/06/27(Wed)
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」
原題 : PIRATES OF THE CARIBBEAN AT WORLD`S END
    (2007年 米 169分)
監督 : ゴア・ヴァービンスキー
出演 : ジョニー・デップ、キーラ・ナイトレイ、オーランド・ブルーム
鑑賞日 : 6月23日 (新宿ミラノ1) 


ついに海賊の時代は、終わりを告げようとしていた。世界制覇をもくろむ東インド貿易会社のベケット卿は、デイヴィ・ジョーンズの心臓を手に入れ、彼と最強のフライング・ダッチマン号を操り、海賊達を次々と葬っていく。いまや海賊達が生き残る道はただ一つ。9人の“伝説の海賊”を召集し、世界中の海賊達を蜂起させ一大決戦を挑むのみだった。だが、鍵を握る9人目の人物こそ、ジャック・スパロウ、その人だった……。(goo映画より )
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物語が始まって、エリザベスとバルバロッサ船長たちがジャックが捕らわれている世界の果て(ワールド・エンド)へサオ・フェンの海図を求めて東洋と思しき地にいるのを見た瞬間、第2作目のラストシーンが浮かんだものの、予習をしてくるんだったと・・即後悔・・・。 
シリーズ物に予習は不可欠って・・・学ばないわたし。
ちなみにその東洋とは18世紀のシンガポールの繁華街だそう。

ジョニーの存在感がぴか一だったにしろ、それぞれのキャラクターの背負っている運命のようなものをバランスよく描き、それぞれの係わり合いもスムースで物語としてもユーモアやファンタジーに溢れた第1作目に続いた2作目は、そういう良さがかなり失われてしまい、ストーリーは散漫、ただテクニック的なスケールが大きくなった気がして、けっこう冷めた目で見てしまった。 その続き、そして物語の完結である今作品は期待と不安が微妙に入り混じっていた。

この映画を引き合いに出すのもアレですが、旧スター・ウォーズ3部作の第3話でハン・ソロが救出されたのは映画の冒頭、あっという間だったけれど、今回、ジャックがスクリーンに登場するまでがやけに長かったですね。 それが示唆しているわけではないでしょうが、ジャックの出演時間が比較的少なかったような気がします。 海賊のドンたちなど、登場人物もわんさか多かったし、 1作目のようにジャック個人の身に降りかかっているストーリーというより、海賊の存亡を賭けた全海賊軍団vs東インド会社の闘いであり、その闘いの中で焦点が当てられるのは、 翻弄されていくエリザベスとウィルの運命だし。
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まっ、ジャックはその存在を今回、時間ではなく量でカバーしていましたけどね!(笑)
ジャックがようやく登場となったシーンも一瞬何かと思ったし、蜃気楼の中にでも浮かんでいるような船のデッキに次から次へとジャックが現れて来たのはとても楽しいシーンだった。
砂漠のど真ん中に浮かんだ船は幻なのか? 本物だったらもう海には戻れない?などと思っているうちに、楕円形の可愛らしい石っころがカニに変身し、わらわらわらわら船底に現れて、カニくんたちの移動とともにあっという間に船が海へと進水していったのはユーモラス!

ちょっとドキドキして見てたのは、ジャックとエリザベスの再会の様子。 ジャックにとって見れば彼女は自分の仇だからね!
 
ブラックスワン号にもどり、未だ生死の境の世界を彷徨っていた一行が、灯りを灯した死者たちのボートと夜の海ですれちがった光景はとても美しい映像だったな。

ジャック同様、いつ出てくるのかと楽しみにしていたキース・リチャーズ扮するジャックの父親。 うわっ! 渋い!!  キースパパの隣にいると、さすがのジャック(ジョニー自身?)も借りてきた猫状態でまだまだ青いぞって感じでした(笑)
親子の会話で、ジャックが「母さん、元気?」って言うのにとっても受けた! どんなかーさんなのかしら?(笑)

海図を所有していたサオ・フェンはいてもいなくてもよかったような中途半端な存在感のままあっけなくいなくなってしまいましたね・・・。
女神カリプソであったダルマも、もうちょっと物語に強いインパクトを与えるのかと思っていたので、その辺は期待はずれでした。  

その後のストーリーは、心臓を手に入れたことでディヴィ・ジョーンズを意のままにし海賊たちを抹殺しようとするベケット卿と、裏切りや騙しあいを繰り返しながらも自らの存亡を掛け団結していく海賊たちの壮絶な闘いへと進んでいく。 そして予想もしていなかったウィルとエリザベスの切ない別れ・・・。 でも、そんな闘いのなかにも、有り得ない〜!と笑うしかないシーンが散見されてサービス精神旺盛なのは相変わらず。

この物語はジャック・スパロウの話なのか、ウィルとエリザベスの話なのか・・・。  私はウィルとエリザベスが様々な障害にぶち当たり、大きすぎる代償を払って行き着くところに行き着いたというストーリーなのかなと思っています。
ウィルは精神的に逞しく、優しく、大きな男になったと思います。 怖いもので、「トロイ」の時に染み付いてしまい、「キングダム・オブ・ヘブン」を経てもオーリーから払拭できなかったような「へたれ」というイメージが、ようやく消え去ったような気がします(笑) 全く、気の毒にね!
それにしても10年にたった1日の逢瀬なんて・・・・。 いずれエリザベスが歳をとって死んだ後は2人して若い頃の姿で不死身となって海の中で一緒に生きていけるのでしょうか?  
ウィルが浜辺でエリザベスの素足を愛撫しているシーン、キーラの表情も含めて爽やか系エロティックでよかったわ(笑) 私としては、10年後の再会の時を迎えるシーンは2世付きという、やけに現実的な設定ではなく、エリザベスだけで待っていて欲しかったな!


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ブラック・ダリア
2007/05/26(Sat)
「ブラック・ダリア」
原題 :THE BLACK DAHLIA (2006年 米  121分)
監督 : ブライアン・デ・パルマ
出演 : ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン
鑑賞日: 5月12日 (DVD)


1947年、LA市内の空き地で、女性が腰部分を切断された惨殺死体で発見される事件が発生。  その女性、エリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)はハリウッドで女優になる夢を見ながら 哀れな最期を遂げたのだと判明する。LA市警の刑事、バッキー(ジョシュ・ハートネット)と
リー(アーロン・エッカート)はその捜査にあたるが……。 (シネマトゥデイより)

最初のボクシング関連のシーンはどれくらいあったのだろう? 長かった・・・しんどかった・・・。
あれが、バッキーとリーがコンビを組むにいたった過程、バッキーの痴呆の父親の存在と、父を気遣う彼の人となりを知らしめるためのものだったら省いても一向に問題はなかったと思うけど。 でも、目が廻りそうなカメラワークは凄かったです。


タイトルである世界一有名な死体となり、未だ真相が明らかになっていない女優志願のエリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)の猟奇殺人的死がコアというには、少々弱く期待はずれだった。
バッキー、リー、ケイ(スカーレット・ヨハンソン)、マデリン(ヒラリー・スワンク)、エリザベスをはじめ、キーとなる登場人物が多く、それぞれのキャラクターや絡み合う関係も微妙にぼかされ、ストーリー全体もなんとなく散漫な感じがする。 ぼかされすぎて誰が犯人なのかが最後まで分からなかったという意味では褒められるべき事なのかもしれませんが、ラストでエリザベスを殺した犯人があきらかになっても、あそこまで残虐な殺人を 犯すだけの納得できる理由が見えてこない。 たんなる狂人なのか・・・。 フィオナ・ショウはホントに恐かった・・・。
ブラック・ダリア事件の真相を追い求めていくうちに、何かに取り付かれたように事件の捜査にのめり込んで行く、こちらも 狂人か廃人のようになってしまったリーについても、なぜそこまでするのか、幼くして殺された妹の無念を、エリザベスを殺した犯人をあげることではらそうとしているのか・・・わかりませんでした。 リーについてはなぜケイとはプラトニックな関係なのか?というのも疑問。 あれだけ、アグレッシブで男臭いのにね。

ストーリーはいまいちでしたが、薄いセピア色のレースのカーテン越しに見ているようなレトロな感じの映像が良かったです。 
一つとても印象に残っているシーンは、 リーが何者かに襲われるシーン。 彼に襲い掛かる男に気がつき、なんとか助けようと駆け寄ろうとするのにリーに近づけないバッキーと、リーの背後に手に光るナイフを持って忍び寄る女と覚わしきに人物を交互に映していたシーン、あそこはこの映画の中で何よりも怖かった気がします。
しかし、劇中、凄い勢いでタバコを吸っていましたね・・・。 タバコってやっぱり本物を使うしかないのでしょうか? 嫌煙家の役者やスタッフたちはどうしてたんだろう?

役者では、アーロン・エッカートが一番冴えていたと思います。 一番美味しい役でもあったかも? ジョシュ・ハートネットはあいかわらずちょっと頼りなげな雰囲気ですが、ケイに惹かれながらもその想いを抑えようとする切ない表情など良かったです。 顔のイメージと合わないあの低音ヴォイスはいつ聞いても魅力的! ヨハンソンは、どうしてもあの唇が苦手だなぁ・・・。 ブラック・ダリアにそっくりと言われていた令嬢マデリン役のヒラリー・スワンクは、ブラック・ダリアには似てないうえに、ど〜もしっくりこないキャスティングだった。 アンジーなんかどうでしょうかねぇ???

ジェイムズ・エルロイの原作「ブラック・ダリア」やスティーブ・ホデルの「ブラック・ダリアの真実 上・下」などが、けっこう売れているようです。

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ブラッド・ダイヤモンド
2007/05/08(Tue)
「ブラッド・ダイヤモンド」
原題 : BLOOD DIAMOND (2006年 米 143分)
監督 : エドワード・ズウィック
出演 : レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー
鑑賞日 : 4月30日 (新宿ミラノ2)


内線下にあるシエラレオネ共和国を舞台に、紛争ダイヤモンドを巡る利権、暴力、貧困など、国際社会をも巻き込んだ複雑な問題へと深刻化しつつある状況に焦点をあてた作品。

映画の冒頭、ソロモン(ジャイモン・フンスー)とその自慢の息子のディアが、水平線から上ってくる太陽の柔らかい光の中に浮かんでいる姿は、言いようもなくのどかで美しい平和の象徴のような光景だった。
その彼らの住む集落に、突然反政府軍・国民統一戦線RUFのメンバーが現れ、ソロモンたち住民たちに遠慮のない銃口が向けられる一転した地獄絵。
同胞である逃げ惑う住民に対して、少しも躊躇すること無く殺戮を楽しみながら銃弾を浴びせるRUFの姿の恐ろしさに言葉もない。 銃弾を逃れても、捉えられた者は腕を切り落とされたりという非道の限りをつくされる。
シエラレオネ共和国の惨状については知っていたし、その他の国々で起こっている民族間の殺し合いの事実も知ってはいても、この映像は衝撃的で恐怖そのものだった。
生き残った者の中で労力になりそうな男たちはRUFの資金源であるダイヤモンド採掘現場へ連れて行かれ、労働を強いられる。 一方では少年たちをさらって来ては洗脳し、銃を持たせ、RUFの兵士にしたてあげ戦力の増強を図る。 ソロモン親子のように捕らわれの身の労働者と少年兵士と引き裂かれた人々も数知れないのだろう。

そして発掘されたダイヤモンドを隣国経由で市場に流すためにそこに寄生しているのがディカプリオ演じるダニー・アーチャーなどの密売商人。
ダイヤモンドに限らず鉱物資源に恵まれ、政治さえしっかりしていれば、国民が豊かで平穏な日々を営む事が可能な国だったのに、すべてが裏目に出てしまい良民のみが苦しみを与えられると言うのがなんとも酷すぎる現実だと思う。
その歪んだ事実を暴き、国際社会へ訴えようという正義感に燃える女性ジャーナリスト、マディー(ジェ二ファー・コネリー)とダニー、ソロモンの3人が出会った事からストーリーは緊張感を伴ったまま急展開していく。 
ダニーとマディーが互いに心を開き惹かれあいながらも、有りがちなあまっちょろいラブシーンなどを挟む事もなく、現実味のないラストにも持っていかなかった事が、特に主役3人の演技が秀でていたこの映画を最後まで骨太で上質なものとしていてとても素晴らしいと思う。


レオナルド・ディカプリオは今まで意識的に避けてきたので、彼をスクリーンで見るのは今回が初めて。 な〜ぜレオ様なんて言われてキャーキャー騒がれるのか不思議でたまらないほど魅力を感じない男だった(笑)  今回ディカプリオを解禁したのは、もちろん作品の魅力もあるけれど、2枚目路線よりも少し汚れ役のタフガイの方が合っているだろうと思ったから。 ちんくしゃ系の童顔は相変わらずだけれど、幼い頃に両親を殺されたというショッキングな出来事を乗り越えて、一人で生きるために傭兵という道を選び、精神的にも肉体的にもタフな一匹狼を好演していたと思う。 彼は目の表情が豊かな役者ですね。 前半のギラギラした感じの目つきから、後半マディーやソロモンと心を通わせていくあたりの優しげな目への変化がとてもいい。 現地へ行き独特の現地英語をマスターし、ホンモノの傭兵からもいろいろと話を聞いたという事です。 

真実を追究するためなら危険を顧みない女性ジャーナリスト、マディーを演じたジェ二ファー・コネリーも常に冷静で頭の切れるジャーナリスト役を好演。  何人もの女性ジャーナリストから事細かにいろいろな事を学んでこの役に臨んだそうです。 RUFから追われている時にカマジョールという狩猟部族に襲われそうになった時に、マディーが「写真を撮らない?」と一方的に話しかけて彼らの緊張を解いたのは、ふっと心が和むシーンでとても印象的だった。 実在する彼らは、CDF(市民防衛隊)というRUFに対抗する組織を作って自衛しているそうです。

漁師ソロモンを演じたジャイモン・フンスーは、ここ3,4年いろいろな映画で見ていますが、どの役でも違和感を感じさせずに強い個性を発揮している素晴らしい役者ですね。 アフリカ出身の彼は里帰りするたびに紛争地域を横断しなければならず、この映画で取り上げられている問題は日頃から痛切に感じている事なのだそうです。

シエラレオネについて興味のある方は外務省のこのページをご覧下さい。
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